全日本GT選手権

GTインサイドレポート 99Rd.2/1

■ 1999 AUTOBACS CUP ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
■ GT INSIDE REPORT
■ Round 2 FUJI GT RACE                                    FMOTOR4 EDITION
 PREVIEW REPORT         プレビュー           99/04/24
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このレースで今年のGT500が分かる
NSXの最速神話を撃ち崩せるか!新型スープラに注目
スカイラインGT-Rも空力改革で最高速対策

 新緑が目にまぶしくなり、生活でもスポーツでも新年度が本格的に動き出してき
た。全日本GT選手権(GTC)も開幕戦鈴鹿に続き、第2戦をゴールデンウィーク真った
だ中の5月1,2日に静岡県・富士スピードウェイで開催する。
 昨年来、GTCでは"速い"NSX対"強い"スカイラインという対決図式が作られてきて
いたが、どうやらこの構図が撃ち破られそうな雰囲気だ。
 この波乱を呼びそうなのは、トヨタ・スープラの99年型GTCマシンだ。98年シー
ズン。スープラは97チャンピオン・マシンでありながら、屈辱の未勝利に終わった。
これを機にトヨタ直系のファクトリーであるTRDがGTCスープラの大幅改修を決断し
た。これにより99年型スープラは、基本設計から見直され、シャシー、サスペンショ
ン、空力、そしてエンジンとあらゆる点で98年型とは別なモノへと生まれ変わった。
残念ながら開幕戦にはわずか2台が間に合っただけで、しかもNo.36 カストロール
・トムス・スープラはレース週に出来上がったばかりで満足なセッティングが行え
ない状態だった。しかも雨に見舞われた開幕戦では、先行するNSXやスカイライン
と闘う以前の状況。だが、そんな中でもデビュー戦を4位(No.36)で飾り、その
ポテンシャルの高さをうかがわせた。そして、4月2,3日に行われた富士合同テ
ストでは、ニュースープラ(TRDテスト車)がなんとNSXを1秒近く離してトップタ
イム叩き出した。元々スープラは富士を得意とする。この富士には、先のNo.36以外
にもNo.39 デンソーサードスープラGT、No.6 ESSO Tiger Supra、No.38 FK/マッシ
モセルモスープラがこの新型にスイッチする予定という。
 一方、速さではNSXに先行されたスカイラインGT-Rだったが、今年登場したR34ベ
ースのニューマシンでは、空力を全面見直しし、高速性能をアップ。これにより直
6ターボのパワーを富士の直線で存分に生かせるという。合同テストでもNSXに対し
てコンマ6秒以内に付け、レースでは十分互角に戦える実力を見せていた。
 このようなライバルのパワーアップに対し、今季こそ念願のタイトル奪取を狙う
NSXだが。正直、今季は規定改正により昨年よりパワー面でマイナス要素がある。
だが、徹底的な空力の見直しと耐久性アップという改良を行い、雨中の開幕戦を制
した。このNSXにとって最高速勝負の富士は少々辛いサーキットだ。だが、富士合
同テストではNo.100 RAYBRIG NSXや開幕戦の勝者No.18 TAKATA童夢NSXが好タイム
を出している。特にNo.18は開幕戦でポール&ウイン、さらに決勝ファステトラッ
プ2位で70kgというフルマークのハンディを搭載しており、それだけに今ノってい
る脇阪寿一&金石勝智の走りは注目だろう。
 また、開幕戦では思うような走りを見せられなかったNo.30 綜警McLaren GTRだ
が、先に行われたSUGOでの合同テストでは、なかなかのタイムを記録しており、富
士での活躍も期待できそうだ。
 このように各チームの戦力が非常に均衡してきており、一概にレースを予想する
のは非常に困難な状態だ。ただ言えるのは、ミスをしたチームは間違えなく脱落す
る。特にドライバーだけでなく、ピットワーク、レース戦略の組み立てなどでミス
をすれば、勝利は手に出来ないだろう。そして、この第2戦富士から各チームの新
型車がほぼ揃い、熟成の過程に入る。ここでの結果が今後の99GTCの行方を占う試
金石となるだろう。
 また、この第2戦では日程的にル・マン24時間レースの予備予選とバッティング
しており、一部欠場を余儀なくされた選手がいる。その反面、この代打ドライバー
の活躍も見逃せないところだ。No.1 ペンズオイル・ニスモGTRでは本山哲に代わり、
日本でもお馴染みのベテラン、アンダース・オロフソンが起用される。No.2 ARTA
ゼクセルスカイラインではミハエル・クルムに代わり、ドイツのDTMやツーリング
カーで活躍しているアーミン・ハーネが登場。そしてNo.37 カストロール・トムス
・スープラの片山右京に代わり、現在全日本F3ランキングトップのダーレン・マニ
ングが抜擢されている。
 また、シーズン直前の舘信吾の急逝で欠場を余儀なくされたNo.6 ESSO Tiger 
Supraもこのレースから登場。野田英樹のパートナーとしては、POWER CRAFT SUPRA
で参戦してた元世界2輪チャンピオンのワイン・ガードナーの起用が決定している。


混戦必至、予想不能のGT300
セリカ、シルビア、MR2そしてRX7にFTO。荒れればポルシェ…

 一方、GT300クラスも混戦となりそうだ。昨年はMR2が相対的に有利と見えたが、
熟成も進み開幕戦勝利のNo.19 ウエッズスポーツセリカ、新型S15マシンのNo.81 
ダイシンシルビア&No.15 ザナヴィARTAシルビアが好調に見える。もちろん昨年の
チャンピオンチームと新田守男がジョイントしたNo.25 モモコルセ・アペックスMR2
も要注意。これにNo.77 クスコスバルインプレッサ、No.7 RE雨宮マツモトキヨシ
RX7が前回の富士合同テストを見ると絡んできそうだ。またパワー重視の富士では
No.61 テイボン・トランピオ・FTOも忘れてはならないだろう。
 また、雨の開幕戦の展開を語るまでもなく、天候などで荒れた展開になればポル
シェ勢の台頭も十分考えられる。GT500以上に様相の難しい、そして間違えなく混
戦乱戦のレースが展開されるだろう。
 そして、この第2戦に初登場となるなのが、2台のフェラーリF355だ。特に昨年
からチャレンジしているNo.355 イエローマジックF355GTは、F1経験もある井上隆
智穂とフォーミュラニッポンなどの経験もある高橋毅というキャリア・ドライバー
を起用しているだけに上位進出の可能性もありそうだ。
 そして、もう1台注目なのが、根強いファンを持つAE86をベースにしたニューマ
シンだろう。昨年はキャバリエを走らせていたKRAFTが、AE86に3S-Gターボを搭載
し、No.86 BP・KRAFT・トレノとしてエントリーしてきた。ひょっとすると最新GTス
ポーツをハチロクが追い回すというマンガさながらのシーンが見られるかも。

Report by GTインサイドレポート班



☆99 AUTOBACS CUP 全日本GT選手権 予想エントリーリスト
第2戦 ALL JAPAN FUJI GT RACE   富士スピードウェイ(5/1,2)

[GT500] 19台
No. マシン              ドライバー                     チーム           タイヤ WH
------------------------------------------------------------------------------
 1  ペンズオイル・ニスモGTR      エリック・コマス(F)  アンダース・オロフソン(S)  NISMO             BS 40
 2  ARTAゼクセルスカイライン      鈴木亜久里   アーミン・ハーネ(D)      NISMO             BS
 3  ユニシアジェックススカイライン     長谷見昌弘   田中哲也         ハセミ・モータースポーツ     BS
 6  ESSO Tiger Supra     野田英樹     ワイン・ガードナー(AUS) 
                                                ESSO Tiger Team LeMans   BS
11  エンドレスアドバンGTR      和田孝夫     木下みつひろ     ENDLESS SPORTS    YH
12  カルソニックスカイライン         星野一義     影山正美         TEAM IMPUL        BS 10
16  Castrol無限NSX       中子 修     道上 龍         無限×童夢Project BS 10
18  TAKATA童夢NSX        脇阪寿一     金石勝智         無限×童夢Project BS 70
30  綜警McLaren GTR      山田洋二     岡田秀樹         TEAM TAKE ONE     BS
32  cdma Oneセルモスープラ     近藤真彦     木下隆之   cdma One TOYOTA 
                                                  TEAM CERUMO with Key's BS
35  マツモトキヨシ・トムススープラ     山路慎一   ピエール・ラファネル(F)     マツモトキヨシTEAM TOM'S MI
36  カストロール・トムス・スープラ     関谷正徳   黒澤琢弥   TOYOTA Castrol TEAM TOM'S MI 20
37  カストロール・トムス・スープラ     鈴木利男   ダーレン・マニング(GB)
                                               TOYOTA Castrol TEAM TOM'S MI
38  FK/マッシモセルモスープラ      竹内浩典   立川祐路         TOYOTA TEAM CERUMO  BS
39  デンソーサードスープラGT     土屋圭市   影山正彦           TOYOTA TEAM SARD  YH
55  STPタイサンアドバンバイパー  松田秀士   田嶋栄一     TEAM TAISAN with ADVAN  YH
64  Mobil 1 NSX          山西康司   トム・コロネル(NL)   Mobil1 NAKAJIMA RACING BS 10
88  ノマドディアブロGT-1      和田 久   古谷直広           JLOC              TY
100 RAYBRIG NSX          高橋国光   飯田 章     チーム国光 with MOONCRAFT  BS

[GT300] 22台
No. マシン              ドライバー                     チーム           タイヤ WH
------------------------------------------------------------------------------
 7  RE雨宮マツモトキヨシRX7     松本晴彦   山野哲也           RE雨宮レーシング      YH 10
10  アビリティ・マリオポルシェ      麻生英彦   檜井保孝           アビリティモータースポーツ   YH
14  ホイールショップアルタシルビア    古在哲雄   小宮延雄           アルタレーシングチーム      YH
15  ザナヴィARTAシルビア      土屋武士   井出有治           NISMO             YH
19  ウエッズスポーツセルカ        織戸 学   原 貴彦      RACING PROJECT BANDOH  YH 40
20  Kosei CELICA         松永雅博   藤原靖久           KOSEI RACING TEAM YH
21  BP-トランピオ-BMW        一ツ山 康   伊藤大輔          HITOTSUYAMA RACING TY
24  ヒラノMS BP&μ R32GTS   平野敏行   染葉輝彦           ヒラノモータースポーツ      YH
25  モモコルセ・アペックスMR2      新田守男   高木真一           アペックス            YH
26  アドバンタイサンポルシェ      須賀宏明   D.マラガムア           TEAM TAISAN Jr.   YH
61  ライボン・トランピオ・FTO     中谷明彦   ラルフ・ファーマン(GB)      チーム・ライボン・ラリーアート  TY 20
70  外車の外国屋アドバンポルシェ 石橋義三   P.V.スクート(B)     TEAM GAIKOKUYA    YH
71  シグマテック911           城内政樹   河野尚裕           シグマテックレーシングチーム  YH
72  オークラRX7          石川 朗   平野 巧           オークラロータリーレーシング   YH
77  クスコスバルインプレッサ       小林且雄   谷川達也           クスコレーシング         YH 10
81  ダイシンシルビア           福山英朗   大八木信行         TEAM DAISHIN      YH 10
84  アイエーテックシルビア         袖山誠一   中村善州       I.A.Tec. Racing Team  YH
86  BP・KRAFT・トレノ      田中 実   雨宮栄城           KRAFT             TY
99  大黒屋ぽるしぇ       吉富 章   日置恒文           TEAM大黒屋        DL
111 JIM GAINER F355      井倉淳一   真希遊世           TEAM GAINER       YH
355 イエローマジックF355GT      井上隆智穂 高橋 毅           クラブ:イエローマジック    YH
910 ナインテンアドバンポルシェ     余郷 敦    玉本秀幸           910 RACING        YH 30

○略号 WH:ウエイトハンディ
    タイヤ BS:ブリヂストン、DL:ダンロップ、MI:ミシュラン、
        TY:トーヨー、YH:ヨコハマ
    国 籍 AUS:オーストラリア、B:ベルギー、D:ドイツ、F:フランス、
        GB:イギリス、NL:オランダ、S:スウェーデン


☆タイムスケジュール
 4月30日(金) 練習走行  (FT=フォーミュラトヨタ)
   GTフリー走行1回目  9:00~10:30
   F3フリー走行1回目 10:30~11:30
   FTフリー走行1回目 11:30~12:00
   F3フリー走行2回目 13:00~14:00
   GTフリー走行2回目 14:00~15:30
   FTフリー走行2回目 15:30~16:00
   SK/F100フリー走行  16:00~16:30

 5月1日(土) 公式予選
   F100予選       9:00~ 9:15
   SK予選        9:25~ 9:40
   F3公式練習      9:55~10:25
   GT予選1回目    10:40~11:40
   FT予選       11:55~12:15
   F3予選       13:55~14:25
   GT予選2回目    14:40~15:40

 5月2日(日) 決勝レース
   GTフリー走行     8:30~ 9:00
   FT決勝スタート    9:30~10:00 15周
   F3決勝スタート   10:35~11:30 21周
   ピットウォーク   11:15~12:15
   GTウォームアップ  12:30~12:38
   GTフォーメイション 13:15
   GT決勝スタート   13:20~    67周(終了予定15:40)


☆観戦チケットのご案内
【チケット】
■前売り観戦券
 大人 5,000円/ペア 9,450円
■決勝当日券
 大人 6,000円/中学生以下 無料
■パドックパス(予選・決勝2日間有効)
 15,000円(入場料込)

【チケット発売所】
●チケットぴあ●チケットセゾン●丸井チケットぴあ●CNプレイガイド
●ローソンチケット●サークルK●am pm●有名タイヤショップ
●オート用品ショップ●関東地区RTN加盟店

☆オートバックス各店でGTCシリーズ戦共通前売り観戦券発売中
  大人 5,000円

【お問い合わせ】
 富士スピードウェイ(株) TEL.03-3216-5611
 インフォメーションダイアル
  TEL.03-3409-2365/FAX.03-3409-2307(平日10:00-17:00)まで。



【TV放送】
5月15日(土) 16:00~17:15
テレビ東京系全国6局ネット
放映局:テレビ東京/テレビ大阪/テレビ愛知/テレビ北海道/
テレビ瀬戸内/ティーエックスエヌ九州 
静岡放送:5月23日(日) 25:05~26:20


以上
                       GTアソシエイション事務局
                        GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =


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