Formula Nippon

FN:第7戦もてぎ アンドレ・ロッテラーが悲願のチャンピオン獲得! 2レース共にロッテラーと中嶋一貴が1-2フィニッシュ (TOYOTA)

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2011シーズンのドライバーズチャンピオンを 獲得した
アンドレ・ロッテラー

 フォーミュラ・ニッポンのシーズン最終戦となる第7戦が11月5日(土)、6日(日)の両日、栃木県のツインリンクもてぎで行われた。

 この最終戦は、今季唯一の2レース制で実施される。決勝でのポイントは半分となるが、第1レース、第2レース共にポールポジションで1点、勝者は3点のポーナスポイントを獲得できるため、2レース共にポール・トゥ・ウィンの完全勝利を飾れば最大18ポイントを獲得可能。

 最終戦を前にしたタイトル争いでは、ランキングトップのアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)を、今季フォーミュラ・ニッポンにデビューしたTDPドライバーの中嶋 一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が4点差、昨年のチャンピオンであるJ.P.デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)が13点差で追う。この3人を含めた4人のドライバーがタイトル獲得の可能性を残して最終戦に臨んだ。

◆予選◆

 5日(土)の予選はノックアウト方式ながら、Q1で第1レースのグリッドを決定。Q2、Q3で通常通り第2レースのグリッドを決定するという変則的なシステムで競われ、Q1から激しいタイムアタックが繰り広げられた。

 午後2時から、ドライコンディションながら曇天の下でスタートしたQ1ではロッテラーがトップタイムを叩きだし、自身8年ぶり2度目となるポールポジションを獲得。中嶋一貴は遅い車両に引っかかり3番手。TDPドライバーの大嶋 和也(Team LeMans)が4番手、逆転タイトルを狙うオリベイラは苦しい5番手。6番手にTDPドライバーの石浦 宏明(Team KYGNUS SUNOCO)と続いた。

 以下アンドレア・カルダレッリ(KONDO RACING)が10番手、TDPドライバーの国本 雄資(Project μ/cerumo・INGING)と平手 晃平(TEAM IMPUL)が11、13番手。アレキサンドレ・インペラトーリ(SGC by KCMG)と嵯峨 宏紀(Le Beausset Motorsports)は14、16番手でQ1敗退となり、第1レース、第2レース共にグリッドが確定した。

 Q2ではロッテラーが更にタイムを上げ、コースレコードを更新してトップタイム。ブレーキのトラブルに苦しんだ平手が9番手でQ3進出ならず。カルダレッリと国本も11、12番手で第2レースのグリッドが決定した。

 Q3では、ロッテラーが更にコースレコードを更新。唯一32秒台に入れる驚愕のタイムをマークし、2戦連続のポールポジションを獲得した。中嶋一貴が2番手でこれに続き、第2レースはPETRONAS TEAM TOM'Sが最前列を独占。オリベイラは4番手、石浦が7番手、大嶋が8番手となった。この結果、ロッテラーは2戦のポールポジションボーナスを加え、中嶋一貴との差を6点へと広げた。

◆決勝第1レース◆

 6日(日)第1レースのスタート時には、雨はほとんど降っていないものの、深い雲の下、路面はウェット。雨の予報もあり、各チームタイヤ選択に悩む中、多くの車両が路面は乾いていくと読み、スリックタイヤでスタートに臨んだ。

 午前10時15分、第1レース(23周)がスタート。ポールポジションのロッテラーが好スタートを切り、3番手の中嶋一貴、5番手のオリベイラが順位を上げて2位、3位で続いた。しかし、オリベイラはフォーメーションラップ中にスピンを喫したためにスターティンググリッドに着くときに違反があり、痛恨のドライブスルーペナルティ。大きく順位を落とし、タイトル争いからは事実上脱落してしまった。

 ロッテラーと中嶋一貴の2台は、序盤から後続を大きく引き離し、一騎打ちの様相となった。レースが中盤を過ぎても、1秒前後の差で中嶋一貴はロッテラーを追走。3位以下とは20秒もの大差をつけての首位争いを繰り広げた。

 その後方グループでは、3位の塚越 広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)に大嶋が迫り、激しいバトルを展開。20周目に、複数のコーナーに渡ってのサイド・バイ・サイドでのバトルの末に塚越をパスした大嶋は3位に浮上。しかし、その直後に大嶋はブレーキトラブルに見舞われコースアウト。無念のリタイアとなった。

 中嶋一貴は逆転タイトルを目指し、ファステストラップをマークしながら最後までロッテラーを追ったが、僅かに及ばず、ロッテラーが逃げ切ってトップチェッカー。この結果、ロッテラーは第2レースを待たずして、悲願のシリーズチャンピオンを決定した。

 中嶋一貴は2位。国本が自身最高位となる4位でフィニッシュ。石浦、平手、インペラトーリが6位、7位、8位に入り、ポイントを獲得。オリベイラは9位に終わった。

◆決勝第2レース◆

 昼に再び降雨があり、路面はウェットに。その後一旦雨は止んだが、第2レースがスタートする午後2時半には再び雨が落ち始め、全車がレインタイヤを装着して第2レース(34周)のスタートが切られた。

 ポールポジションのロッテラーは盤石のスタート。2番手の中嶋一貴は、3番手の塚越に並びかけられるが、2位をキープ。1周目から激しい4位争いを展開し、これを制したオリベイラは、前を走る塚越がジャンプスタートの違反で後退したため、3位に浮上した。

 水煙の巻き上がる、視界が悪い中での走行となったが首位を行くロッテラーは独走。2位中嶋一貴、3位オリベイラとの差は周を重ねるごとに開いていった。

 8周目あたりから雨が強さを増し、9周目にセーフティカーが導入。

 このセーフティカーランの間に、ダウンヒルストレートで多重クラッシュが発生。スローダウンしていたカルダレッリの車両に霧で視界を妨げられた国本が突っ込み、平手と嵯峨が巻き込まれた。ドライバーに大きな怪我はなかったが各車両は大破し、レースは車両排除のために20分ほどの赤旗中断となった。

 午後3時15分、セーフティカー先導で11周目から走行再開。13周目終了でセーフティカーが退去し、再スタートが切られた。再スタートでは、ロッテラー、中嶋一貴の2台が好ダッシュを見せる一方で、3位のオリベイラが出遅れ、3位以下との差は大きく開いた。その後は序盤戦同様にロッテラーが独走。中嶋一貴もオリベイラを引き離し、トップ3台はそれぞれ大きく間隔を空けての単独走行を続けた。

 ロッテラーは最後までペースを緩めることなく、2位に10秒という大差を付けて2戦連続のポール・トゥ・ウィン。最終戦もてぎ大会を完全制覇し、初チャンピオン獲得に花を添えた。ロッテラーは今季1戦欠場した以外の、出場した6レース中5勝、2位1回という圧倒的な強さでのチャンピオン獲得となった。

 2位は2戦連続で中嶋一貴。中嶋一貴はフォーミュラ・ニッポン初のシーズンとなった今季、全戦で表彰台に上り、ランキング2位、ルーキー・オブ・ザ・イヤーも獲得した。2人の所属するPETRONAS TEAM TOM'Sは、前戦SUGOで、最終戦を待たずしてチームチャンピオンを決めており、全てのタイトルを獲得した完璧なシーズンを連続1-2フィニッシュで締めくくった。

 3位にはオリベイラが入り、最後はランキングでトップ3を占めたトヨタエンジン搭載車のドライバーが表彰台を独占。今季全レースで勝利を挙げたトヨタエンジンの強さを最終戦でも示すこととなった。

Text & Photo: TOYOTA


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