Formula Nippon

FN:第7戦鈴鹿 J.P.デ・オリベイラが第2レースを制し2010年シリーズチャンピオンを獲得! (TOYOTA)

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第2レースで勝利を飾り、悲願のシリーズチャンピオンを獲得した
J.P.デ・オリベイラ(#19)

 2010年フォーミュラ・ニッポンの最終戦となる第7戦が11月6日(土)、7日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。

 今大会は今季唯一の2レース形式で行われることとなり、第1レースがピットイン義務無しの20周、第2レースがタイヤ交換義務有りの28周というスプリントレースで競われる。

 各レース毎に獲得できるポイントは、通常の半分となるが、この最終戦では、加えて優勝者に特別ボーナス3ポイントが与えられる。また、2レース共にポールポジション獲得者には1ポイントが与えられるため、この1レースで最高18ポイントもの大量得点が可能となっている。

 タイトル争いはトヨタエンジンのJ.P.デ・オリベイラ(Mobil1 TEAM IMPUL)とアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)の2台が同ポイント首位で並んでいるが、この2台を含む上位4台は僅かに8ポイント差。大混戦となっているタイトル争いは、最後まで全く予断を許さない状況で最終戦を迎えた。

 6日(土)、秋晴れの鈴鹿サーキットで午後2時よりノックアウト方式の予選がスタート。2レース形式で行われる今大会は、予選Q1で第1レースのグリッドが決定されるため、Q1から激しいタイムアタックが繰り広げられた。

 予選Q1の結果、ランキングトップ4を占める4台が、第1レースのトップ4、2列目までを占めることとなり、その4台の差はわずか0.082秒という超接戦。オリベイラが最前列2番手、ロッテラーが3番手につけた。

 以降第1レースのグリッドは、TDPドライバーの大嶋和也(PETRONAS TEAM TOM'S)、平手晃平(Mobil1 TEAM IMPUL)、石浦宏明(Team LeMans)が6,7,8番手で続き、松田次生(KONDO RACING)が 10番手。ケイ・コッツォリーノ(Team LeMans)が11番手、TDPドライバーの井口卓人(DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING)が 13番手、平中克幸(KCMG)14番手と決定した。

 Q1の上位12台がQ2へ進出。Q2では平手、石浦、松田、コッツォリーノが惜しくも敗退となり、この4台は第2レースで8番手(予選後他車のタイム抹消があったため)から並ぶグリッドが確定した。

 Q3では、再びコンマ差での激戦となったが、最後の最後にオリベイラが渾身のアタックでトップタイムをマークし、第2レースのポールポジションを獲得。ロッテラーは、またしてもコンマ1秒以下となった争いの中で惜しくも5番手。大嶋が6番手でロッテラーに並ぶ3列目グリッドを確保した。

 7日(日)、第1レースが行われる午前10時20分には、路面はドライながら曇り空に覆われ、気温14度、路面16度と肌寒いコンディションとなった。

 スタートでは、2番手グリッドのオリベイラが出遅れ、4位に後退。ロッテラーは前を行く小暮卓史(NAKAJIMA RACING)を猛プッシュするも、抜きにくい鈴鹿でのパッシングには至らず。

 中盤、首位を行くロイック・デュバル(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)の車両からオイルの白煙が上がるようになり、3位のロッテラーは苦しい状況での追い上げを強いられた。しかし、首位のデュバルはそのまま最後まで走りきり、ロッテラーは3位でフィニッシュ。オリベイラは4位に入り、これにより、オリベイラが39.5ポイント、ロッテラーが39ポイント、デュバルが37ポイント、小暮が35ポイントという、更なる僅差となり、最後の第2レースは、ランキング上位3名は優勝すればチャンピオン、という状況で迎えることとなった。

 第2レースがスタートする午後2時半には、第1レースとは変わって太陽も顔を覗かせ、気温19度、路面温度27度のコンディションで28周の決勝レースがスタートした。

 スタートではポールポジションのオリベイラがトップをキープ。5番手スタートのロッテラーは1コーナーまでに前走車に並びかけると、そのままサイド・バイ・サイドでコーナーを抜け、アウトから見事にパス。3位に浮上。後方では8番手スタートの平手が6位へとポジションアップを果たした。

 1周目はトップを守っていたオリベイラだったが、2周目のストレートから1コーナーへの進入で小暮の先行を許してしまった。しかし、小暮とオリベイラのポイント差は4.5ポイントあるため、オリベイラはこのままの順位でフィニッシュしてもチャンピオン獲得という状況となった。

 義務とされたタイヤ交換のピットインは、10周目以降と決められており、その10周が終わったと同時に、前走車に阻まれペースアップに苦しんでいた大嶋が先陣を切ってピットイン。翌周以降、各車次々にピット作業を進めていった。

 後続集団がほぼピットを終えた後、17周目終了時に首位の小暮がピットイン。ここでエンジンストールを喫しタイムロスした小暮を、翌周ピットへ向かったオリベイラが、タイヤ2本交換でかわし、再び首位を奪取した。

 最後までピットインを引っ張ったロッテラーは、20周目終了時にピットインし、右リアタイヤ1本のみ交換という奇策で小暮の前、2位でコース復帰。優勝すればチャンピオン獲得となるロッテラーは、オリベイラの前に出るべくプッシュを続けるが、後方からは小暮の猛追を受け、オリベイラに追いつくまでは至らず。

 そのままオリベイラが逃げ切り、トップでチェッカー。今季2度目となる勝利を挙げ、悲願のシリーズチャンピオンを獲得した。

 2位はロッテラー。ランキングでは僅か4.5ポイント届かず、2位となった。最後まで4位争いを繰り広げた平手は逆転ならず6位。大嶋が7位でポイントを獲得した。

 オリベイラのシリーズチャンピオン獲得により、トヨタエンジンはフォーミュラ・ニッポンで2008年以来のチャンピオンを奪還。チームタイトルでも、Mobil 1 TEAM IMPULがチャンピオン、PETRONAS TEAM TOM'Sが2位となった。

Text & Photo: トヨタ自動車株式会社


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