Formula Nippon

FN:第6戦SUGO 塚越広大選手が全戦ポイント獲得となる4位、逆転タイトル獲得へ望みをつなぐ (HONDA)

  • 2011年9月25日(日)決勝/会場:スポーツランドSUGO (3.704km)/天候:予選/晴れ 決勝/曇り/気温:20℃(14:30時点)/路面温度:25℃(14:30時点)/決勝レース:68周(251.872km)/コースコンディション:決勝/ドライ/観客:1万2700人(主催者発表)

fn110925001L.jpg  9月25日(日)、宮城県・スポーツランドSUGOにおいて、2011年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第6戦の決勝レースが開催されました。

 今シーズンのフォーミュラ・ニッポンは、このSUGOラウンドを含めて残り2戦となりました。前戦の鈴鹿ラウンドが台風12号の影響により中止となったため、シリーズタイトルの行方はランキング4位の#41 塚越広大選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が獲得の可能性を残す状況となっています。

 塚越選手は、開幕戦で予選3番手、第2戦ではポールポジションと3位表彰台を獲得し、全レースでポイントを獲得するなど急成長をみせており、タイトル争いに食い込むためにも、悲願のフォーミュラ・ニッポン初優勝に期待が集まっています。

 スポーツランドSUGOのコースは、高低差が69.83mもあり、コース幅が狭く中高速系のコーナーが多く配置されています。よって、接戦のレース展開になりやすく、アクシデントも起こりやすいため、ドライバーにとって最後まで気の抜けないコースとなっています。

 今回のレース形式は、第3戦富士、第4戦もてぎに続き、決勝レース中に2回のピットストップとタイヤ交換が義務づけられました。また、昨年のSUGOラウンドよりレース距離が20kmほど長いため、確実に給油が必要な状況となっています。そのため、どのタイミングでピットインを行うのか、各チームの戦略もレースの展開を左右する重要な要素となっています。

 9月24日(土)は、爽やかな秋晴れに恵まれ、公式予選が行われる13時40分の時点で気温21℃、路面温度34℃という絶好のコースコンディションになりました。

 F1と同じノックダウン方式で行われる公式予選では、第1セッションの序盤で赤旗が掲示される展開となるものの、Hondaドライバーは塚越選手が2番手、#40 伊沢拓也選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が3番手、#32 小暮卓史選手(NAKAJIMA RACING)が4番手と好調なスタートを切りました。一方、第1、第2セッションで#31 中嶋大祐選手(NAKAJIMA RACING)と#10 小林崇志選手(HP REAL RACING)の2名は予選を終えることとなりました。

 第3セッションに進んだHondaドライバーの4名は、1分7秒246のタイムを記録した塚越選手が3番手、1分7秒330の伊沢選手が5番手、1分7秒927の小暮選手が6番手の決勝グリッドを獲得しました。#16 山本尚貴選手(TEAM 無限)も7番手となる1分7秒999のタイムを記録しましたが、第3セッションで赤旗が掲示された時にほかのマシンを追い越してしまったためにペナルティを受け、決勝は7グリッド降格の14番手から決勝を迎えることとなりました。そのため、9番手タイムを記録していた小林選手が8番グリッドに繰り上がっています。

 決勝レースが行われた25日(日)も、東北地方は曇り空となりましたが、時折晴れ間ものぞく過ごしやすいコンディションとなりました。9時40分から行われた2回目のフリー走行では、伊沢選手がトップタイムをマークし、小暮選手が5番手、塚越選手が6番手、中嶋選手が8番手、山本選手が13番手、小林選手が16番手のタイムを記録しました。

 午後1時45分から8分間のウオームアップ走行が行われたあと、午後2時30分から決勝レース直前のフォーメーションラップが行われました。この時点で、路面はドライ、気温20℃、路面温度25℃、ホームストレートで少し強い向かい風が吹くコンディションとなっています。16台のマシンはスターティンググリッドに整列し、レッドシグナル消灯の合図により一斉に飛び出して68周のレースがスタートしました。

 スタートでは、小林選手のマシンがエンジンストールを起こし、そのままピットロードに運ばれることとなりました。オープニングラップは、好スタートを切った塚越選手と伊沢選手が2位と3位に浮上し、小暮選手が6位、山本選手が11位、中嶋選手が13位で通過しました。小林選手は、ピットでエンジンを再起動させてコースに復帰しましたが、大きく遅れる結果となりました。

 2位の塚越選手は、トップのマシンと0.764秒差で4周を終えました。背後にいる伊沢選手も塚越選手から1秒以内の差で続いていきます。塚越選手は6周目でファステストラップを更新しながらトップに迫ります。山本選手と中嶋選手は早めに1回目のピットインを敢行し、タイヤ交換を済ませてコースに復帰します。最下位を走行する小林選手は7周終了時にタイヤ交換に加え、給油をする作戦を採りました。

 10周目を終えて、塚越選手はトップと0.761秒差の2位を走行。伊沢選手はさらに2秒少し遅れた3位グループ3台の先頭を走行しています。また、小暮選手は6位で変わらず、中嶋選手が14位、山本選手が15位、小林選手は16位となっています。16周終了時に、6位を走行していた小暮選手が1回目のピットインを敢行。タイヤ交換を10秒5で終えてコースに復帰します。これにより、小暮選手は暫定13位のポジションとなりました。

 トップグループが20周目に入った3コーナーで、小林選手がコースアウトを喫してタイヤバリアに接触。無念のリタイアとなってしまいます。

 22周を終えて、トップのマシンが1回目のピットインを敢行したため、塚越選手が暫定トップに立ちました。次周には3位の伊沢選手がピットイン。タイヤ交換を終えて暫定8位でコースに復帰しました。塚越選手も24周終了時に1回目のピットインを行い、タイヤ交換に加えて給油をしたために少し作業時間が掛かり、レース序盤で1回目のピット作業をした2台のマシンに前を抜かれたために実質4位のポジションとなりました。

 塚越選手は36周終了時に2回目のピットインを敢行し、実質4位(暫定10位)のポジションを守り続けます。暫定7位を走行する小暮選手は40周を終えて2回目のピットインを敢行しました。2回目のピットインを遅らせて暫定3位まで浮上した伊沢選手は50周終了時にピットイン。18秒5のピット作業を終えて実質6位でコースに復帰しました。

 全車が2回目のピット作業を終えた55周目時点で、最後までピット作業を遅らせたマシンが3位に浮上したため、塚越選手は5位に後退しました。伊沢選手は6位、小暮選手は9位、中嶋選手は12位、山本選手は13位となっています。

 塚越選手は最後までポジションを上げるべく、前を走る4位のマシンに迫ります。しかし、Hondaドライバー5名は、このままの順位で68周のチェッカーフラッグを受けることとなりました。

 ところが、決勝レース後の車両検査で、2位のマシンと伊沢選手のマシンに車両規則違反による失格の裁定が下されたため、塚越選手が4位、小暮選手が7位、中嶋選手が10位、山本選手が11位という最終結果となりました。

 この結果、全戦ポイント獲得となる4位フィニッシュによりシリーズポイントを計23点とした塚越選手は、シリーズポイントランキング4位に変動は無かったものの、トップとの差は15点となり、最終戦での逆転シリーズタイトル獲得にわずかな望みをつなげました。

 フォーミュラ・ニッポン最終戦は11月5~6日に栃木県・ツインリンクもてぎで開催されます。

坂井典次(Tenji Sakai)|「HR10E」開発責任者
 「とても悔しい結果が続いています。第3戦の富士ラウンドあたりから、低速コーナー区間でライバルに後れをとっています。今回もセクター1の区間で0.5秒程ビハインドがありました。対策としてギアレシオの変更や、トラクションのセッティング調整などをしていますが、今1つ原因をつかみきれていません。ドライバーたちには本当に申し訳なく感じています。最終戦に向けて一から勉強をやり直してばん回できるように開発を続けたいと思います。最終戦はもてぎラウンドですので、全力を尽くして対策を考えます。最後まで応援をよろしくお願いいたします」
塚越広大選手(4位 #41 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
 「スタートはうまくいって、トップと2台でのマッチレースになると思っていました。序盤は燃料を軽めにして勝負をしましたが、結果的に燃料を多く積んでいた相手が速かったということです。また、1回目のピットイン前にイエローフラッグが掲示された時に、運悪く周回遅れのマシンが前に入ってしまい、タイムをロスしてしまったことも差がついてしまった原因となりました。最終戦のもてぎは僕の地元ですし、スプリントレースで給油もないのでチャンスがあると思っています。まだフォーミュラ・ニッポンで優勝することができていないので、最後に勝ってシーズンをしめくくりたいと思います」
Text & Photo: HONDA


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース