Formula Nippon

FN第5戦オートポリス決勝 松田次生が6年ぶりの美酒!

 全日本フォーミュラ・ニッポン第5戦は6日、大分県のオートポリスで決勝レースを行い、64周を走り切って松田次生(mobilecast IMPUL)が優勝した。2位には金石年弘(ARTA)、3位には片岡龍也(LeMans)が入った。

 オートポリス上空は雲は多いものの日差しは強く蒸し暑い決勝レースを迎えた。午前中、阿蘇の草原を渡り外輪山を越えてサーキットの1コーナーから最終コーナーへ向かって吹いていた風も、フォーミュラ・ニッポンマシンがグリッドに整列する頃には、逆に最終コーナーから1コーナーにかけて吹くようになった。

0806_start.jpg  午後2時30分、オンタイムでフォーメーションラップがスタート。全22台がグリッドに整列し、シグナルレッドのブラックアウトでレースがスタートした。ポールポジションの小暮卓史(ARTA)が出遅れ、予選2位のロニー・クインタレッリ(INGING)が並びかける。両車は縺れるように1コーナーに接触しながら進入。たまらず、小暮はスピンしてコースアウトしてしまった。2位には金石年弘(ARTA)が上がり、3位には松田次生(mobilecast IMPUL)がつけた。この接触で後方も混乱。本山哲(arting IMPUL)はどこかを壊したのか1周を回ってピットに飛び込んできた。

 5周目、ピットアウト後、ハイペースで追い上げていた本山のエンジンから白煙が。たまらず再ピットインしたが、レース続行をあきらめてリタイアした。

 7周目、なんとトップを走るクインタレッリに10秒のペナルティストップが提示された。スタートでの接触によるものと思われる。9周を終わってピットインしたためこれで金石がトップに立った。2位には約1秒遅れて松田。3位にはアンドレ・ロッテラー(TOM'S)がつけている。4位には予選10位の片岡龍也(LeMans)、5位には予選12位の立川祐路(CERUMO)がスタート時の混乱に乗じて上がってきた。

 後方からは、ロイック・デュバル(NAKAJIMA)が驚異的なペースで追い上げてきている。立川をかわして5位に上がると、14周目に片岡を15周目にロッテラーをいずれも1コーナーでかわして一気に3位に躍り出た。しかし2位の松田まではまだ8秒程度の差がある。

 20周目、トップ金石と2位松田の差は1秒を切った。21周を終わって2位松田と3位デュバルの差は5秒を切ったが、ここでデュバルがピットインして給油を行い11位あたりで戦列に復帰した。23周目、ついに金石の背後に松田がついた。各コーナーでドッグファイトを見せるがなかなか攻略はなかわない。後方ではスタートの混乱で下位に沈んでいたブノワ・トレルイエが次々と前車を攻略、ついに立川の後ろ、6位まで上がってきた。

 30周を回ってトップの金石がついにピットインした。これで松田がトップに立ったが、31周目に松田もピットイン。ピットアウトするも金石の前には出られず、それぞれ6位、7位で戦列に復帰。これでトップはロッテラーに代わるが、その背後にはトレルイエが迫り、ついに33周目にはロッテラーを抜き去りトップに立った。なんとトレルイエはほぼ最後尾からトップまで駆け上ってきたことになる。

 レースのほぼ半分、ピットインするドライバーも多くなり、ここまでの順位は、トップにトレルイエ、2位デュバル、3位ロッテラー、4位柳田真孝(KONDO)、5位金石、6位松田。そして35周目の2コーナーでデュバルがトレルイエを攻略、トップが入れ替わった。

 40周を終わっての順位は、デュバルがトップ。2位には19秒遅れて金石、3位に松田、4位にまだピットに入ってない柳田、5位に片岡、6位に立川、7位にビヨン・ビルドハイム(DANDELION)、8位にロッテラー、9位にトレルイエ、10位に土屋武士(LeMans)。

 45周目、トップは依然としてデュバル。2位以下を22秒以上リードしているが、はやり2ピット作戦だったようで46周を回ってピットに飛び込んできた。給油してピットアウトしてゆくが、焦ったのか冷えたタイヤのため痛恨のミス、1コーナーでコースアウトし、コースに戻るも8位で戦列に加わった。

 これでトップに立ったのが金石、2位は松田だがその差は僅差。再びこの2人によるレース序盤のバトルが再現されることになる。そしてついに49週目の2コーナー、金石の背後に迫った松田が2コーナーで金石を攻略、ついにトップに立った。3位は18秒ほど遅れて予選10位の片岡だ。

 レースは残り10周を切った。トップ松田は2位金石との差を開き始めついにその差は5秒。3位の片岡はさらに14秒ほど金石の後方、少し遅れて4位に立川、5位以下はビルドハイムを先頭にロッテラー、トレルイエ、デュバルの外国人勢での接近戦だ。

 トップから5位までの順位はこのままでレースは終了。優勝は松田、2位には金石が、3位には片岡が入った。4位は立川。5位にビルドハイム、6位に63周目にロッテラーをかわしたトレルイエ、7位はロッテラー。デュバルは最終ラップにクラッシュしてレースを終えた。

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 松田は2000年、フォーミュラ・ニッポンフル参戦を始めた年のMINE以来6年ぶり、通算2勝目の嬉しい優勝となった。また、表彰台を日本人ドライバーが独占したのも今季初。次戦、第6戦は8月27日、富士スピードウェイに場所を移して開催される。

Text: Yoshinori OHNISHI / Photo: FMOTOR


【後記】
 決勝終了後、ロニー・クインタレッリの所属チームINGINGより、ペナルティストップ時におけるカウントに対して抗議が出され、大会審査委員会で審議の結果、クインタレッリのタイムが4秒減算され、8位から5位に順位が変更された。



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