全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第5戦は5日、栃木県のツインリンクもてぎで決勝レースを行い、52周を走ってジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(インパル)が優勝した。
午後になると少し風も出てきたが、場内は相変わらず蒸し暑い。路面温度も60度近くと厳しい条件のなかで52周先のチェッカーを目指してフォーメーションラップが始まった。
スタートはポールポジションのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(インパル)が出遅れ、予選2位の松田次生(同)がトップで1コーナーへ。しかし、オリベイラは1コーナーでインから松田をパスしてトップに立つ。その後方ではすばらしいスタートダッシュを決めた塚越広大(ダンディライアン)が中嶋一貴、アンドレ・ロッテラーのトムス勢2台をかわし3位に上がってきた。4位にはロッテラーが、5位は中嶋一貴がつける。
後方集団では、スタート直後の3コーナーで折目遼(KCMG)と嵯峨宏紀(ルボーセ)が接触、早くもレースを終えることとなった。
トップに立ったオリベイラは2位以下を引き離しにかかる。10周目には2位松田を3秒1、15周目には4秒4と差を広げると、2位の松田も3位塚越との差を広げ、インパル勢の2台は単独走行となる。3位の塚越は右フロントウィングをオープニングラップの混乱で破損し最高速が伸びず、4位を走るロッテラーが背後に迫る。
上位陣のなかで最初に動いたのがロッテラー。22周終わりでピットインし17秒1のピット作業でコースに復帰すると、23周終わりでピットインした塚越の前に出る。これで順位を一つあげアンダーカットに成功。
2位を走る松田は26周目に、トップのオリベイラは27周目にピットイン。ピット作業を終えコース復帰するとオリベイラと松田の差は5秒と変わらず。
トップ2台はこのままの順位で終了すると思われた終盤、なんと2位を走る松田が49周目のダウンヒルストレートでトラブルのためスローダウン。後ろを走るロッテラーにかわされ3位に落ちると、51周目の5コーナーでは塚越と中嶋一貴にもかわされ5位。ファイナルラップには7位まで落ちフィニッシュを迎えることとなった。
優勝はオリベイラで今シーズン初勝利。2位には18秒遅れてロッテラーが、3位には中嶋一貴の追撃を振り切った塚越が入った。
4位は中嶋一貴、5位は21周目にピットインし、ロイック・デュバル(キグナス・スノコ)の前に出ることに成功した伊沢拓也(ダンディライアン)が、6位にはデュバル、7位に松田、8位には平手晃平(セルモ/インギング)が、9位にはファステストラップを記録した安田裕信(コンドー)が入った。
ドライバーズランキングでは4位に入った中嶋一貴がポイントを34と伸ばし依然としてトップ。しかし2位に入ったロッテラーが33ポイントとしその差は1ポイントに迫ってきた。
第6戦は森の都仙台・スポーツランドSUGOに舞台を移し9月23日に決勝レースが開催される。
Text: Yoshinori OHNISHIPhoto: Motorsports Forum
Katsuhiko KOBAYASHI