第14戦でポール・トゥ・ウィンでの勝利を飾ったトムスチームの片岡龍也(C)Toyota
全日本F3選手権 第13/14戦 筑波 全日本F3第7大会 第14戦で片岡龍也がポール・トゥ・ウィン完全勝利 第13戦は勝利を逃すものの第14戦はトヨタ・トムスエンジンが表彰台独占 全日本F3選手権の7大会(第13戦/第14戦)「2003筑波チャレンジカッ プレース第2戦」が8月9日、10日の両日、茨城県の筑波サーキットで行われた。 同大会はF3の2レースのほか、若手育成中間フォーミュラとして14年の歴史 を持つ、フォーミュラトヨタシリーズが、初の試みとして第4戦・第5戦の一大会 2戦を開催。また人気のワンメイクレースシリーズ、ネッツカップヴィッツ関東シ リーズ第5戦が筑波のフルグリッド30台を大幅に超える68台のエントリーを集 めて、予選落ち車両を対象としたコンソレーションレースも2戦行われるなど、夏 休みらしく盛りだくさんな内容で来場した観客を楽しませた。 ◆予選◆ 9日(土)は、台風10号の接近により朝から荒れ模様。午前10時50分から 15分づつ行われた公式予選は雨こそ落ちてこなかったものの、強い風が吹く悪コ ンディションとなった。 しかし、このセッションで、6日(水)、7日(木)にツインリンクもてぎのJ‐ GTC合同テストでGT300のセリカ71号車を初ドライブしたあと筑波入りし た片岡龍也(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)は好調を維持。シリーズ随一の ツイスティなコースに強めのダウンフォースをつけて臨むと、第13戦の予選で、 11周目にトップタイムをマークし、F3では自己初となるポールポジションを獲 得した。そして、続く第14戦の予選でもコンディションの変化を待って最終周に トップタイムをたたき出し、2戦連続ポールポジションを獲得。 一方、現在ポイントランキング首位を守るJ.コートニー(トムス/トヨタ・ト ムス3S-GE)は、やや少なめのダウンフォースセッティングを選択したが、初 めて走る、やや特殊なコースに馴染めず第13戦、第14戦ともに3番手。 第14戦では、前戦連続2位入賞のR.クインタレッリ(インギング/トヨタ ・トムス3S-GE)が2番手グリッドにつけた。 F3の予選は、なんとかドライコンディションで行われたが、その後間もなく大 粒の雨が降り出し、風も風速10mを超え、午後に予定されていたフォーミュラト ヨタ第4戦の決勝とF3の第13戦の決勝は、翌日10日(日)に順延されること となった。 ◆第13戦決勝◆ 10日(日)は、台風一過で朝から快晴。強い陽射しが照りつけ、気温は午前中 に30度を超え、路面温度も50度近くまで上昇する、夏本番の戦いとなった。32 周から27周に短縮され、午前9時57分にスタートが切られた第13戦の決勝で は、ポールポジションからスタートした片岡龍也が痛恨のスタートミス。2番手ス タートの山西康司(無限MF204C)の先行を許し、レース序盤のダッシュで逃 げ切りを図ろうとする山西康司を激しくプッシュ。 この片岡龍也の追撃は観客を釘付けにしたが、舞台は抜きどころのほとんどない 筑波とあって、惜しくも逆転はかなわず、結局そのままの順位でチェッカー。片岡 龍也は「悔しい」2位表彰台となった。 また、3番手スタートのポイントリーダーJ.コートニーもスタートが思わしく なく、P.モンティン(ニッサンSR20VE)、R.クインタレッリに続く5位 でレースを終えた。 ◆第14戦決勝◆ 第13戦が行われた後、サポートレースをはさんで第14戦は、午後2時57分 に45周のレースがスタート。 今度は「100点満点」という好スタートを切った片岡龍也は、R.クインタレッ リを従えて1コーナーに進入。そのまま後続を引き離すと間もなく独走体制を築く が、ギャップが開いてもペースを緩めず、積極的な走りでレースをリード。2位の R.クインタレッリに4.158秒差をつけてチェッカー。 片岡龍也がF3で自己初のポール・トゥ・フィニッシュの完全勝利をものにした。 3位にはJ.コートニーが続き、表彰台を独占したトヨタエンジン搭載車が圧倒的 強さをアピールした。 -------------------------------------------------------------------------------- トムスチームの片岡龍也のコメント: ずっと望んでいた自力での優勝が実現できて本当に嬉しい。F3での初勝利は、昨 年果たしたが、あのときはラッキーもあった。 今日はマシンもエンジンも完璧な仕 上がりで、決勝中タイムが落ちたのは細かいミスによるものだ。まだ、どう喜んで いいか分からないが、ドライバーとして、今後のレースへと自信にもつながった。 トムスチームのJ.コートニーのコメント: 初走行の金曜日にデフの交換などで思うように走れず、セッティングが煮詰められ ないまま予選に臨むこととなった。決勝では2戦ともハードプッシュしたが、今回 は片岡が速かった。チャンピオンシップも残り6戦。ポイントはリードしているが 絶対に気を抜かず、なんとしてもタイトル獲得に向けて頑張る。 トヨタ・チーム・トムス監督 関谷正徳のコメント: 片岡君は今回実力を出し切って優勝を飾ってくれた。筑波は、予選順位の比重が大 きいのは事実だが、第13戦のようにスタートのワンミスで勝ちを失う厳しい世界 で競い合って勝ったということだ。J.コートニーを倒したことは周りの評価、今 後の流れが変わるきっかけにもなるはずだ。一方、小早川君は、トランスミッショ ン系のトラブルもあったようだが、結果を出せず残念だった。ルーキーとしての成 長に期待している。 -------------------------------------------------------------------------------- 第13戦 リザルト 順位 No. ドライバー エンジン チーム タイム 周回 予選 1 1 山西康司 ホンダ(無限MF204C) 童夢レーシングチーム 24'20.070 27 2 2 36 片岡龍也 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 2.868 27 1 3 12 P.モンティン(イタリア)ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond Racing 4.346 27 4 4 4 R.クインタレッリ(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 5.735 27 5 5 7 J.コートニー(オーストラリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 6.950 27 3 6 3 横溝直輝 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 14.487 27 7 7 2 佐藤晋也 ホンダ(無限MF204B) TODA RACING 15.691 27 8 8 8 小早川済瑠 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 17.980 27 6 9 11 柴田裕紀 ホンダ(無限MF204B) 童夢レーシングチーム 18.439 27 10 10 32 番場 琢 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)Now Motorsports 21.966 27 11 第14戦 リザルト 順位 No. ドライバー エンジン チーム タイム 周回 予選 1 36 片岡龍也 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 40'30.562 45 1 2 4 R.クインタレッリ(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 4.158 45 2 3 7 J.コートニー(オーストラリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 5.222 45 3 4 12 P.モンティン(イタリア) ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond Racing 6.584 45 5 5 1 山西康司 ホンダ(無限MF204C) 童夢レーシングチーム 7.464 45 4 6 2 佐藤晋也 ホンダ(無限MF204B) TODA RACING 22.719 45 6 7 11 柴田裕紀 ホンダ(無限MF204B) 童夢レーシングチーム 23.345 45 7 8 3 横溝直輝 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)INGING 25.060 45 8 9 33 吉本大樹 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)Now Motorsports 30.686 45 11 10 32 番場 琢 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)Now Motorsports 32.766 45 10 ドライバーズポイント(第14戦までの有効得点:暫定) 順位 ドライバー名 エンジン ポイント 1 J.コートニー トヨタ・トムス 216 2 片岡達也 トヨタ・トムス 159 3 P.モンティン ニッサン 158 4 R.クインタレッリ トヨタ・トムス 149 6 横溝直輝 トヨタ・トムス 72 9 柴田裕吉 トヨタ・トムス 36 10 小早川済瑠 トヨタ・トムス 32 11 吉本大樹 トヨタ・トムス 29 11 番場琢 トヨタ・トムス 29 マニュファクチャラーポイント(第14戦までの有効得点:暫定) 順位 メーカー(エンジン名) ポイント 1 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) 242 2 ニッサン(ニッサンSR20VE) 158 2 ホンダ(無限MF204B/C) 158 上記の詳細情報はhttp://www.toyota.co.jp/ms/をご覧下さい。