全日本GT選手権

JGTC第5戦 もてぎGT 決勝


混戦を制し、遂にNSXが勝利を飾った(Photo:K.Takeshita)

9月5日、ツインリンクもてぎで行なわれた全日本GT選手権第5戦「もてぎGTチャンピオ
ンシップレース」は、ウェットからドライに変わる難しいコンディションのなか、#32
EPSON NSX(松田/ロッテラー組)が優勝。今シーズン苦しみ続けたNSXがホンダのお膝
元でようやく勝利を収めた。終盤追い上げた#6エッソウルトラフロースープラ、#1ザナ
ヴィニスモ Zが2、3位に入った。

朝から降り続いていた雨はスタート1時間前に上がったものの、路面はウェット。しか
し、スタート前のウォームアップ走行でライン上の水は掃けていく。スタート時のタイ
ヤ選択、そして、タイヤ交換のタイミングがレースのポイントになると予想された。グ
リッドについた各マシンは殆どがオールウェザータイヤを履いてスタートを迎える。
朝のフリー走行でクラッシュした#38auセルモスープラも、ぎりぎりで修復が間に合っ
てピットスタートにこぎつけた。

好スタートからトップを快走していたポールシッターの#35スープラは、9周目にコース
オフ。さらに10周目にも他車とのバトルで再度コースオフを喫してしまい、大きく順位
を落とす。代わってトップに立った#1Zだったが、この座は長く続かず、12周目には#32
NSXがリーダーとなる。
中盤の主役は、この#32NSXと#37スープラ。若いロッテラーとコートニーのバトルは両
者がピットインするまで続く。

25周すぎから各マシンがルーティンのピットに滑り込む。乾きだした路面に、各チーム
は迷うことなくスリックタイヤを選択。トップを争う2台も#32NSX、#37スープラの順で
ピットイン。この作業を素早くこなした#37が5秒のマージンを築く。
この後、雨粒が落ちだし各ピットに緊張が走る場面もあったが、雨足が強くなることは
なかった。

48周目、勢いに勝る#32NSX(松田)が再びトップを奪い返し、そのまま逃げの態勢に
入る。このトップを追ったのが#6スープラ(脇阪)と#1Z(ライアン)。この両者はト
ップを上回るラップタイムで追い上げ、#37スープラをかわすと、トップ#32NSXに迫る。

逃げる#32NSX、追う#6スープラと#1Z。終盤になって、3車の差は縮まるものの、追い上
げる2台のタイヤが辛くなったのか、やや勢いは鈍り、順位を入れ替えるまでには至ら
ない。結局、最後は1秒差まで迫ったものの逆転はならず。#32NSXが逃げ切りに成功し
た。
救済措置を受けてはいたとはいうものの、今シーズン苦しみ続けたNSXがようやく勝利
を掴み、ドライバー、チームはもちろん、ホンダ関係者は喜びの美酒に酔った。

GT300クラスは、中盤までトップを走っていた#2プリヴェチューリッヒ・クムホNSXが、
ピットイン後に痛恨のコースアウト。#43ARTA Garaiyaが独走でクラス優勝を飾った。

(観客:5万1000人)
2004年9月5日 ツインリンクもてぎ(栃木県) 決勝 天候:雨/曇り/コース:セミウェット
-P.-No.Cls-Car----------------------------Drivers----------Time/Diff---WH(救済)-Ty-
 1  32 500 EPSON NSX                      松田/ロッテラー 2'04.26.984    (+2)  BS
 2   6 500 エッソウルトラフロースープラ   脇阪/飯田            -1.069  40      BS
 3   1 500 ザナヴィニスモ Z               本山/ライアン        -2.614  40      BS
 4  37 500 DYNACITY トムス スープラ       コートニー/片岡     -14.967  40      BS
 5  36 500 WOODONE トムススープラ         土屋/アピチェラ     -41.410  20      BS
 6  39 500 デンソー サードスープラ GT     デュフォア/クート   -59.879  50      BS
 7   3 500 G'ZOX・SSR・ハセミ Z           金石/コマス       -1'16.068  60      BS
 8  22 500 モチュールピットワーク Z       影山/クルム       -1'18.782 100      BS
 9 100 500 RAYBRIG NSX                    中野/加藤            -1Lap     (+2)  BS
10  38 500 auセルモスープラ               立川/荒              -1Lap   40      BS
11   8 500 ARTA NSX                       金石/伊藤            -1Lap     (+2)  BS
12  25 500 ECLIPSE ADVAN スープラ         織戸/シュワガー      -1Lap   20(+2)  YH
13  35 500 イエローハットYMSスープラ      服部/脇阪            -2Laps  20(+1)  DL
14  43 300 ARTA Garaiya                   新田/高木            -4Laps  35      BF
15  16 300 M-TEC NSX                      山野/八木            -4Laps  90      DL
16  10 300 JIM Gainer アドバンF360        田中/余郷            -5Laps  20      YH
17  81 300 シーウエストダイシンアドバンZ  柳田/尾本            -5Laps  20(+1)  YH
18   5 300 プロジェクトμB-1マッハ号GT320R  玉中/三船           -5Laps          YH
19  30 300 RECKLESS MR-S                  佐々木/後藤          -5Laps  10      BF
20   9 300 ADVAN K-STADIUM MT             清水/細川            -5Laps          YH
21  52 300 プロジェクトμ太陽石油セリカ    竹内/西澤            -5Laps    (+2)  DL
22 112 300 ARKTECH ADVAN GT3              城内/澤              -6Laps          YH
23  51 300 NSC・AUTO-STAFF・ADVANシルビア      加藤/筒井            -6Laps          YH
24  21 500 フェラーリ550GTSマラネロ       光貞/植松            -6Laps          DL
25  77 300 クスコスバルADVAN インプレッサ 小林/谷川            -6Laps    (+1)  YH
26 910 300 高見沢整骨院アドバンポルシェ   高見沢/砂子          -6Laps          YH
27  19 300 ウェッズスポーツセリカ         青木/谷口            -7Laps  25      YH
28   2 300 プリヴェチューリッヒ・クムホ NSX 高橋/渡辺           -7Laps    (+2)  KH
29  20 300 FK/Massimo ADVAN ポルシェ      和田/井上            -8Laps          YH
30  17 300 エスペリア Kosei セリカ        長島/松永            -8Laps    (+2)  YH
31  80 300 エンドレスダイシンアドバンZ    木下/星野           -11Laps  30      YH
32  70 300 フィールズ外国屋ADVANポルシェ  石橋/ヒロミ         -13Laps          YH
33  18 500 TAKATA童夢NSX                  道上/フィリップ     -14Laps    (+1)  BS
34  63 300 LEYJUNダンロップ320R           OSAMU/吉本          -18Laps  60      DL
35  11 300 JIM RodeoDrive アドバンF360    松田/菅             -22Laps  30      YH
------------------------------以上完走---------------------------------------------
    72 300 アドバンBOROポルシェ           平川/福山           -25Laps          YH
    12 500 カルソニック IMPUL Z           トレルイエ/井出     -28Laps  40      BS
     7 300 雨宮アスパラドリンクRX7        山路/井入           -31Laps  40      YH
    26 300 エンドレスタイサンADVAN GT3R   山岸/井尻           -39Laps          YH
   111 300 ARKTECH ENDLESS ADVAN GT4      飯島/大井           -55Laps          YH
    88 500 JLOC ムルシエRG-1              山西/WADA-Q         -63Laps          DL
    31 300 A'PEX i-mobisess MR-S          田中/松田           -63Laps  10      BF
------------------------------------------------------------------------------------
トップ周回数:63周
ファステストラップ:No.35 イエローハットYMSスープラ 1'48.537 60/61Lap
規定周回数 GT500:44 GT300:41

PENALTY
*No.39 国際モータースポーツ競技規則附則L項第4章違反により、ドライビングスルーペナル
    ティを課した。併せて2004全日本GT選手権統一規則第3章第30条1.を適用し、ペナルティ
    ポイント1点を課す。
*No.88 2004全日本GT選手権統一規則第3章第28条14.(反則スタート)により、訓戒(始末書提出)
    とする。
*No.9、No.19 2004全日本GT選手権統一規則第3章第13条2.(決勝レーススタート用タイヤの装着
    保持義務)違反により、ドライビングスルーペナルティを課した。
*No.25 2004全日本GT選手権第5戦特別規則書第11条(ピットロードの制限速度)違反により、罰金
    (,000)を課した。

※ 大会審査委員会裁定前にペナルティを施行した事に対して、大会競技長を訓戒とした。

タイヤ=BS:ブリヂストン/YH:ヨコハマ/DL:ダンロップ/MI:ミシュラン/BF:BFグッドリッチ
        KH:クムホ
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)/ +1:性能引き上げ措置(1ランク


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース