JAF F4選手権

JAF-F4:第10戦富士公式予選 元嶋成弥が圧倒的なスピードでポールポジション獲得

 JAF-F4地方選手権シリーズ最終第10戦公式予選は11月21日(日)に富士スピードウェイで行われ、元嶋成弥(Kデンタルオフィス★MYST)が2位を1秒近く離すタイムを叩き出してポールポジションを獲得した。

 全国のサーキットを転戦するJAF-F4地方選手権だがシリーズ戦は今回が最終戦。

 エントリーは20台。全国シリーズの為全戦に出場する選手は限られているが、最終戦という事で今年最大の出場車数となった。ここまで9戦が行われて、上位4人にチャンピオンの権利があり、その4名全員がエントリーしている。

 まずはランキング首位の元嶋。もてぎとSUGOの4レースをスキップしているが、出場した5レースは全て優勝しており100ポイントを積み上げている。

それに続く2位がハンマー伊澤(令和雪合戦ハンマーR☆ハヤテ)。ここまで全戦に出場、第7戦もてぎでは初優勝を飾り総得点は109ポイントと元嶋を上回るがJAF-F4地方選手権は上位8戦の有効ポイント制なので、足切りされて99ポイントが有効となる。なおハンマー伊澤はジェントルマンクラスでは他のベテランを圧倒、本大会と12月の日本一決定戦を待たずにチャンピオンが確定している。

 ランキング3位は徳升広平(フジタ薬局アポロ電工高山短大)。2019年のシリーズチャンピオンでもある徳升は開幕戦鈴鹿をスキップしたが第2戦以降全戦に出場、96ポイントを獲得している。

 最後の一人は黒沼聖那(ファーストガレージ&Sウインズ)。全戦出場組で第2戦もてぎで優勝した他上位入賞を繰り返して88ポイントを獲得している。

 優勝20ポイント、2位15ポイント、3位12ポイント、以下10-8-6-4-3-2-1ポイントが与えられるが、前述の通り有効8戦の為、井澤と黒沼は足切りがある。

ポールポジションは元嶋成弥(Kデンタルオフィス★MYST) 予選2位は徳升広平(フジタ薬局アポロ電工高山短大) 予選3位でジェントルマンクラスポールポジションのハンマー伊澤(令和雪合戦ハンマーR☆ハヤテ) 予選4位は黒沼聖那(ファーストガレージ&Sウインズ) 予選5位は森山冬星(佐藤製作所★KK-ZS★ミスト) 予選6位は大竹将光(スーパーウインズ&ISP) 予選7位は川原悠生(ファーストガレージ&Sウインズ) 予選8位は翁長実希(フジタ薬局アポロ電工MP/MT)

 20分間の予選は午前9時10分にコースオープン。朝は0度近くまで冷え込んだ富士スピードウェイは天候曇り。気温10.2度まで上がったものの、日差しが弱く路面温度は全く上がっていない模様で、コースインした各車はタイヤが発動するまでウィービングと加減速を繰り返してタイムアタック開始のタイミングを待っている状態。

 残り14分となって、まずは元嶋が1分45秒984を出してペースセッターになるが、2番手のハンマー伊澤以下はまだ47秒台でウオームアップ中か。

 残り11分、元嶋が1分43秒934を出し、2番手は黒沼の46秒591、徳升が46秒691で3番手。一人元嶋だけがクラスが違うのかと思わせるタイム差だ。

 残り10分、ハンマー伊澤が1分45秒816で2番手へ浮上。黒沼に続く4番手に45秒928で今回スーパーFJとダブルエントリーの森山冬星(佐藤製作所★KK-ZS★ミスト)が上がってくる。森山は今回初のJAF-F4でのレースで、練習走行も不十分だと言っていたが、次第に慣れてきたようだ。

 ハンマー伊澤は次の周回で1分45秒351までタイムを詰めて、森山が45秒387で3番手に浮上、さらに徳升が45秒571で続き、大竹将光(スーパーウインズ&ISP)が45秒836で5番手へ。黒沼は6番手までダウン。伊澤に続くジェントルマンクラスの2番手は全体8位の植田正幸(Rnsports制動屋KKZS)、3番手は同11位の河野靖喜(ハンマーレーシング☆RISING)だ。河野は「ハンマー伊澤の速さの理由を知るべく」今大会からハンマーレーシングの一員となった。

 残り7分で黒沼が1分45秒113と自己ベストを更新し4番手へ盛り返す。

 残り5分。元嶋は引き続き周回しているが本格的なアタックはせずタイムの更新はない状態。その間に2番手以下の順位が入れ替わり、徳升が45秒022までタイムを刻み浮上。しかし元嶋とは1.088秒の差がある。続いてハンマー伊澤、黒沼と続く。

 残り3分。ここから元嶋が再度タイムアタックを開始、1分43秒393を出す。森山が44秒846で一瞬2番手に上がるが、すかさず徳升が44秒705で逆転、さらに44秒436と自己ベストを連発する。森山は3番手へ。そして残り20秒で元嶋はダメ押しとなる1分43秒309を叩き出す。

 残り30秒、徳升は1分44秒241で2番手を確保、どうにか元嶋とのタイム差を1秒未満まで詰めた。3番手には44秒520でハンマー伊澤が上がり、黒沼が44秒870で4番手へ、森山はタイム更新ならず5番手という結果になった。

 ハンマー伊澤に続くジェントルマンクラス2番手は全体11位の植田、3番手は全体13位の石川賢志(HMR ハンマーR☆ハヤテ)が獲得した。

■予選後のコメント

ポールポジション 元嶋成弥(Kデンタルオフィス★MYST) 1分43秒309

ポールポジションの元嶋成弥(Kデンタルオフィス★MYST)

 「(他車を大きく引き離し、すぐに43秒台に入ったが?)金曜日から手応えはあったので。普通に走れば行けると思った。アタックもミスなくできて、このタイムは出し切った感がある。(マシンは絶好調?)はい(笑)。決勝は1コーナーがちょっと怖い、スタートで皆突っ込んできそうで」

2位 徳升広平(フジタ薬局アポロ電工高山短大) 1分44秒241 トップと0.932秒差

予選2位の徳升広平(フジタ薬局アポロ電工高山短大)

 「(トップとは)だいぶ離された。コースインが遅かったのは様子見てたからだがちょっと様子みすぎた(笑)。それでも最後にぎりぎりもう1周できて、それが無ければ2位もきつかった。調子は悪くないがトップとは離されすぎているので、今の走りでもあと1秒詰められるかな、という箇所がいくつかあるので、そこをなんとかすればレースはいい所に行けると思う」

3位 ハンマー伊澤(令和雪合戦ハンマーR☆ハヤテ) 1分44秒520 トップと1.211秒差

予選3位でジェントルマンクラスポールポジションのハンマー伊澤(令和雪合戦ハンマーR☆ハヤテ)

 「(トップとは差がついたが?)そこはどうしようもない。1.2秒の差は(どこにあるのか)見えない感じ。(昨日から)タイヤのグリップが全然ない、決勝は気温が上がることを期待している」

4位 黒沼聖那(ファーストガレージ&Sウインズ) 1分44秒830 トップと1.521秒差

予選4位の黒沼聖那(ファーストガレージ&Sウインズ)

 「(チャンピオンシップを争う他の選手とは近い順位だが?)元嶋選手とはタイム差大きいが、徳升選手やハンマー伊澤選手とは近いとこにいるので、そこについて行く。元嶋選手はちょっと見えない感じ。昨日からストレートスピード(が足りない)ので悩んでいて、そこをエンジニアと解決して決勝に備えてストレートスピード上げる方向で挑みたい」

5位 森山冬星(佐藤製作所★KK-ZS★ミスト) 1分44秒846 トップと1.537秒差

予選5位の森山冬星(佐藤製作所★KK-ZS★ミスト)

 「(初めての予選の感想は?)新品タイヤ履くのも初めてで、どれくらいで温まるかも分からなかった。元嶋選手がとても速いタイム出している、もっと身体でマシンとタイヤを感じ取れるようにならないとだめだ。決勝に向けてセッティングは今のままで、初めてのレースなのでタイヤを守ったりはせずに攻めていきたい」

 
6位(その後10位) 大竹将光(スーパーウインズ&ISP) 1分45秒075 トップと1.766秒差

予選6位の大竹将光(スーパーウインズ&ISP)

 (走路外走行で4グリッド降格)決勝後のコメント

 「タイム的にはベストが出せていたのに、最終コーナーで失敗してしまって、そのため6番手。自分で走っていてもAコーナーが危ないなとは分かっていたが、昨日の練習でもいい感じで走れていたので、そのまま行ってしまったら、今日のコンデションでは止まり切れなかった」

 決勝は午後1時05分開始予定。元嶋が予選に続いて他を圧倒するスピードを見せるか。他の選手がスタートまでに1秒を詰める魔法を見つけてチャンピオンシップを逆転するか。注目される。

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Asako SHIMA


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