ENEOSスーパー耐久シリーズ2025 Empowerd by BRIDGESTONE第2戦「SUZUKA S耐」5時間レースは26日、鈴鹿サーキットで決勝を行い、ST-Xクラスの666号車seven x seven PORSCHE GT3R(BANKCY/藤波清斗/近藤翼/渡会太一)が優勝した。
決勝は午前11時に5時間先のゴールを目指してローリングラップが始まった。天候は快晴で過ごしやすい。
6台が参加し総合優勝を争うST-Xクラスは、スタートで4番グリッド31号車DENSO LEXUS RC F GT3(永井宏明/小林利徠斗/嵯峨宏紀)の小林がアウトから先行車に並びかけ、2コーナー立ち上がりでトップに立った。2位には777号車D'station Vantage(星野敏/上村優太/藤井誠暢)の藤井が、3位には666号車seven x seven PORSCHE GT3R(BANKCY/藤波清斗/近藤翼/渡会太一)の藤波が、4位にはポールシッター33号車Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3(ジェフリー・リー/太田格之進/ジェイデン・オジェダ)のリーがつけていたが、徐々に順位を落とし、23号車TKRI松永建設AMG GT3(DAISUKE/奥本隼士/中山友貴)の奥本、101号車Hitotsuyama Audi R8 LMS(鈴木建自/小川颯太/ジェームス・プル/猪爪杏奈)の小川にかわされ、クラス最後尾の6位まで落ちた。
31号車小林、777号車藤井、666号車藤波は1秒前後の差でドッグファイトを演じる場面もあったが、藤井のペースが上がらず順位を落とし、2位には藤波が、3位には23号車の奥本が上がってきた。
トップが19周目を走行中には、シケインでクラッシュ車両があり、FCYが宣言される。解除後の20周目のシケインでは31号車小林はトップを守ったものの、666号車藤波と23号車奥本が接触。藤波はスピンを喫し、これで奥本が2位、3位に777号車藤井が上がり、藤波は4位に落ちた。
4回目のFCYが出ると、23号車奥本をパスし2位に上がっていた777号車藤井が32周目の解除後にダッシュを決め31号車小林をパス。ついにトップに立った。
Aドライバー運転時間(75分)が経過すると31周目に33号車リーが、32周目には101号車小川が、34周目には666号車藤波が、35周目には31号車小林が、36周目には23号車奥本が、37周目には777号車藤井がピットインして、それぞれドライバーをオジェダ、猪爪、BANKCY、永井、DAISUKE、星野に交代した。
これでトップに立ったのは777号車星野、2位には23号車DAISUKE、3位には101号車猪爪、4位には666号車BANKCY、5位には31号車永井が続くが、接触でのボンネット修復のためピットイン。コースに戻るもBANKCYとの差が大きく開いた。6位には33号車オジェダが続く。
50周目、トップ777号車星野と2位23号車DAISUKEの差は9秒5。3位の101号車猪爪はこの周ピットインして鈴木にドライバー交代、6位で戦列に復帰した。33号車オジェダは前を走る31号車永井をパスして4位に上がった。
65周目、トップ777号車星野と2位666号車BANKCYとの差は14秒と開いた。この周、3位を走る23号車DAISUKEを33号車オジェダがパス、3位まで上がってきた。
68周を終わって、2位666号車BANKCYと3位33号車オジェダがピットイン。ドライバーをそれぞれ近藤、大田に交代してピットアウトした。69周目には23号車DAISUKE、31号車永井もピットイン。ドライバーをそれぞれ中山、再び小林に交代した。
71周目にはトップを走る777号車星野もピットイン。ドライバーを上村に交代してピットアウトした。72周目、これでトップに立ったのは666号車近藤、11秒差で2位に777号車上村、3位にさらに5秒4差で33号車大田がつける。その後ろ4位は23号車中山、5位は31号車小林、6位は101号車鈴木だ。
ここから666号車近藤が自己ベストタイムを更新しながら逃げる。80周目には2位777号車上村との差を20秒まで広げた。その上村の後ろには33号車大田が1秒5差で迫る。
2位777号車上村を追う3位33号車大田は83周目にはここまでのファステストラップをたたき出すと、一気にその差を詰める。大田は85周目に上村との差をテールトゥノーズに持ち込むと、シケインではアウトから上村をパス、2位まで上がった。しかしトップ近藤までの差は24秒とまだまだ遠い。
95周目、先陣を切って777号車上村が最後のピットストップを行い、ドライバーを再び藤井に交代。96周目には33号車大田と23号車中山がピットインして、ドライバーをそれぞれオジェダと奥本に交代した。
101周目、トップを走る666号車近藤がピットインしてドライバーを藤波に交代。トップのまま戦列に復帰した。2位の33号車オジェダとの差は25秒ほどだ。さらに49秒遅れて3位に777号車藤井が続く。
トップ666号車藤波を追う33号車オジェダは、100周目にこのレースのファステストラップとなる2分2秒339をたたき出して気を吐くが、その差は大きく、7秒9まで縮めたところで5時間が経過。結局、126周を回って666号車が優勝、開幕から2連勝を飾った。2位には33号車が、3位には777号車が入った。
12台が参加したST-Zクラスは、序盤からポールシッター885号車シェイドレーシングGR Supra GT4 EVO2(HIRO HAYASHI/平中克幸/国本雄資/佐野雄城)と52号車埼玉GB GR Supra GT4 EVO2(山崎学/吉田広樹/服部尚貴/野中誠太)の争いとなる。しかし開始1時間で追い上げて来た22号車EBI GROUP Cayman GT4 RS CS(北園将太/久保凜太郎/平安山良馬)がトップに浮上。その後は885号車がトップに立つも、最後のピットストップを終えると52号車が逆転してトップでゴール。開幕戦もてぎのレース2に続き2連勝を飾った。2位には885号車が、3位には22号車が入った。
2台が参加したST-1クラスは、開幕戦もてぎのレース2に続いて2号車シンティアム アップルKTM(井田太陽/加藤寛規/高橋一穂/吉本大樹)が連勝。2位には47号車D'station Porsche 992(星野辰也/浜健二/田中哲也/樺木大河)が入った。
4台が参加したST-3クラスは、ポールシッターの15号車岡部自動車フェアレディZ34(前嶋秀司/長島正明/銘苅翼/元嶋成弥)と後方から追い上げてきた39号車エアバスターWINMAX RC350 TWS(藤田真哉/眞田拓海/伊藤鷹志)が接近戦を演じるが、最終的には15号車が39号車を突き放して優勝した。2位には39号車が、3位には38号車TRACYSPORTS with DELTA RC350 TWS(今井慎吾/丸山陽平/林智大)が入った。
9台が参加したST-4クラスは、序盤2時間目当たりまでポールシッターの66号車odula TONE MOTUL ROADSTER RF(猪股京介/徳升広平/藤原優汰)がトップを快走。中盤には3号車ENDLESS GR86(坂裕之/菅波冬悟/小河諒/鳥谷篤史)がトップに立つも、FCY中のピットインでペナルティーを受け後退。66号車が優勝を飾った。2位には2グループ最後尾から追い上げてきた41号車エナジーハイドロゲンEXEDY GR86(石井宏尚/冨林勇佑/尾崎俊介)が、3位には3号車が入った。
7台が参加したST-5Fクラスは、予選2位の67号車YAMATO FIT(安井亮平/内山慎也/椋本陵)がトップに立ち、これをポールシッターの4号車THE BRIDE FIT(太田侑弥/蘇武喜和/瀬戸貴巨/HIDEBOO)が追う形で始まる。しかし、中盤以降に4号車がストップ。67号車が優勝し、開幕戦もてぎのレース1に続き2連勝。2位には110号車ACCESS BARDEN VITZ(松田利之/関家真久/前田樹)が、3位には17号車DXLアラゴスタNOPRO☆MAZDA2(加藤芳皓/谷川達也/小西岬)が入った。
8台が参加したST-5Rクラスは、序盤トップを快走していたポールシッターの88号車村上モータースMAZDAロードスター(村上博幸/太田達也/黒沼聖那/吉田綜一郎)が接触による修復のためピットインして後退。後方から追い上げてきた27号車Maple Hiroshima MAZDA ROADSTER(杉野治彦/古谷悠河/勝木崇文)が中盤過ぎにトップに立つと、そのまま逃げ切り優勝した。2位には76号車PROGRESS高砂ロードスター(山本司/加藤潤平/恵木勇哉/酒井仁)が、3位には65号車odula TONE制動屋ROADSTER(外園秋一郎/伊藤裕仁/丹羽英司/平田剛)が入った。
4台が参加した開発クラスのST-Qは、序盤からポールシッターの61号車SUBARU High Performance X Future Concept(伊藤和広/山内英輝/井口卓人/花沢雅史)が2位以下とのリードを広げトップを快走。途中、FCY中の速度違反でドライブスルーペナルティーを受けるも、優勝を飾った。2位には104号車GR Yaris DAT Racing Concept(大政和彦/山下健太/中山雄一/河野駿佑)、3位には12号車MAZDA SPIRIT RACING RS Future concept(川田浩史/堤優威/関豊/前⽥育男)が入った。
第3戦は富士スピードウェイに舞台を移し5月31日に24時間レースとして行われる。
Text: Yoshinori OHNISHIPhoto: Atsushi BESSHO