2024年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権最終第8戦公式予選は10月27日(日)に筑波サーキットで開催され、シリーズランキング首位の伊藤駿(ZAPSPEED10VED)が2番手酒井翔太(ファーストガレージKK-SII)を0.072秒差に下してポールポジションを獲得した。
いよいよ迎えた最終戦。ようやく秋めいた気候になった筑波サーキットは朝からすっきりと晴れ、午前8時40分のコースオープンの時点で気温18.2度、路面温度21.5度と絶好のドライコンディション。伊藤を先頭に17台のマシンが20分間の予選に臨んだ。
ここまで7戦を終えてランキングトップは伊藤で84ポイント、2位石井大雅(ファーストガレージ制動屋S2)83ポイントの2名が突出しており、ランキング3位の角間光起(ELEVレーシング10VED)は65ポイントと首の皮1枚でチャンピオンの可能性を残している。
ウォームアップを終えて各車タイムアタックを開始。まずは残り16分、津田充輝(ファーストガレージKK-S2)が59秒408でトップに立つも直後に伊藤が59秒167でこれを逆転。さらに角間が59秒159をマークしトップが目まぐるしく入れ替わる、続いて中村ブンスーム(ファーストガレージ10V)が59秒166と伊藤を0.001秒上回り2番手へ。津田は4位にドロップし5番手に酒井がつける。
4台が出走のマスターズクラスは総合10位の畠山退三(Hobby Base & zap)がクラストップ、総合11位の秋山健也(スーパーウインズKKS2)がクラス2番手だ。
残り15分、伊藤が58秒937と59秒を切り再びトップへ。角間も59秒106と自己ベストを更新して2番手へ上がるが、酒井が59秒047で角間の上に。角間3番手、さらに4番手中村に続く5番手に15歳の落合蓮音(ファーストガレージKKS-2)が59秒177でつけると、続く周回で59秒を切り58秒928のトップタイム。伊藤は0.009秒差の2番手へドロップ。酒井も自己ベストを59秒014まで縮めるものの3番手。4番に中村変わらずで、5番手は59秒047でYUTA SUZUKI(ZAP SPEED KK-S2)が浮上、6番手に塚本凜世(F-BrainウィンズS2ED)が59秒049で浮上してくる。マスターズクラスでは秋山が59秒362を出して全体9番手のクラストップに立つ。
酒井は残り13分に58秒887とタイムを削りトップに出るが、1分後に伊藤が58秒837と酒井を上回りみたびトップに立つ。伊藤は続いて58秒790、58秒630と立て続けにトップタイムを更新する。酒井も58秒859まで自己ベストを縮めるが、落合が58秒808とこれを上回り2番手、酒井3番手まで後退。SUZUKIが58秒898で4番手に上がり、中村と塚本が58秒947の同タイムで5番手、6番手。精彩を欠いているのがランキング2位の石井と3位の角間で、ここまで8番手、9番手に沈んでいる。
予選は残り10分を切り折り返し。このあたりで各車タイヤのおいしいところが終わったかベストタイムを更新する者は少ない。その中で自己ベストを出してきたのが今回レースデビューの相田有羽音(あると)で、1分1秒台から始めた予選タイムを59秒663まで短縮。順位も12番手まで上げてくる。 残り6分、中村が58秒841で3番手へ。ここでトップ伊藤はピットイン、内圧を調整した模様でただちにピットアウト。津田が58秒947で5番手となりSUZUKが6番手。
残り4分、4番手まで落ちていた酒井が58秒702をマークして2番手へ再浮上。そしてここまで9番手に低迷していた角間がようやく本領を発揮し始めたか、まず残り3分で8位、さらに残り2分で58秒865を出して5番手へポジションアップ。さらに津田が58秒769で3番手へ。これで落合4番手、中村5番手、角間6番手。
その後順位の変動はなく20分が経過しチェッカードフラッグが降られて予選は終了。伊藤のポールポジションが確定、0.072秒差で酒井がフロントロウに並んだ。セカンドロウは津田と落合、3列目中村と角間というトップ6になり、ここまでが0.235秒以内という筑波らしい僅差の予選結果だった。シリーズランキング2位の石井は9番手たがトラックリミット違反(四脱)複数回で2グリッド降格、決勝は11番手からのスタートでタイトル挑戦に赤信号が点灯、9番グリッドはマスターズクラストップの秋山が並んだ。マスターズクラス2位は畠山で総合10番手、クラス3位は本間隆史(MATレーシングPJ10V)で総合13位。 今回S-FJデビュー戦の3名は全員が1分を切って、12位に相田、15位に田代裕樹(ELEVレーシング制動屋S2)、16位五十嵐一貴(RiNoA TRS ED)となった。
筑波/富士最終第8戦決勝は午前11時15分スタート予定。ポールポジションを獲得した伊藤が2番手から5番手までに並んだファーストガレージ勢の包囲網から逃げ切って念願のシリーズチャンピオンを獲得するかが注目だ。
Text: Junichi SEKINEPhoto: Kazuhiro NOINE
Asako SHIMA