岡山VITAシリーズ第3戦は6月11日、岡山国サーキットで決勝を行い、ポールポジションの藤原優太(TMR AKILAND VITA)がスタートで順位を落とすもその後挽回して優勝した。
決勝は午後4時にフォーメーションラップが始まった。サーキットの上空は雲で覆われ雨模様だが、レース終了まで雨が落ちることはなかった。
スタートでは予選2位の増本千春(SANNO MST SHIELD 01)が蹴り出しよくトップで1コーナーへ向かう。ポールポジションの藤原優太(TMR AKILAND VITA)、予選3位の長田茂久(TRACE☆CB☆制動屋おっさんVITA)、予選4位の前嶋秀司(GO&FUN☆Trace☆VITA)、予選5位のMAKOTO(まこと君VITA CF亜衣)は混戦。
トップに立った増本は「ぶっちぎろう」とオープニングラップのアトウッドコーナーで攻めすぎてしまい、ハーフスピン。この混乱を後ろで冷静に見てたのが前嶋で、バックストレートで前の2台がバトルしている隙に、続くヘアピンで見事トップに立つことに成功。2位には藤原が、3位には増本が、4位には長田が、5位にはMAKOTが続く。
ところが後方集団のなかの1台が1コーナーでコースアウトしたため、1周も回らないうちにセーフティーカー(SC)が導入されることとなった。ダブルヘアピン手前にはSCボードが掲げられたが、スタート直後で先陣争いをしていた何人かの選手は、これを見落としたか、ブレーキが間に合わなかったかで前のクルマを追い越すことになる。これがレース後の審議対象となった。
1コーナーでコースアウトしたマシンは自力でコースに復帰したため、SCの回転灯は2周目のバックストレートで消灯。これを見て、トップの前嶋はヘアピン立ち上がりから、全開モード。2位以下を引き離してストレートに戻り、レースは3周目から再開された。
2位の藤原だが、前嶋よりラップタイムは明らかに速く、すぐに前嶋の背後に追いついた。前嶋は「SC後の1周は藤原をブロックしたが、コーナーで速くて並ぼうとするから、何が違うんだと見ていた」と、観察しながらブロックするもスピード差にはあらがえず、ついに4周目のヘアピンで藤原の先行を許し、2位に落ちた。
パスされた前嶋も藤原についていこうとするが「こりゃ無理だと思った」とその後は3位以下を押さえ込むことに専念する。
トップに立った藤原は後続より0秒5ほど速いタイムを刻み、徐々に独走状態となる。2位に落ちた前嶋の後ろには、増本、長田が続きこの3人での争いとなるが、やがてこのグループにMAKOTOが追いつき4人での攻防となった。
3位の増本は、ヘアピンの進入で何度か前嶋に先行するが、老獪なテクニックを駆使する前嶋は、増本のラインをつぶしオーバーテークを許さない。前嶋は「ヘアピンでしか来なかったし、ここだけ押さえれば余裕」と激しいバトルに苦も無く対応し、増本も「百戦錬磨、思っているところを通らせてもらえない」と脱帽。
4位の長田も「前がすごすぎてもう勝負権はなかった」と諦めムード。5位のMAKOTOも「ついていくのがやっと、前のバトルを見るのはいい経験」と観客モード。両者、オーバーテークまでは考えていなかったようだ。
結局この4人のトレイン状態は、最終となる10周目まで続くが、この順位のまま、なだれ込むようにフィニッシュラインを横切った。4者一様に「楽しかった」と口をそろえた。
優勝は藤原。2戦目から参戦しVITAで初優勝を飾った。2位には前嶋、3位には増本が、4位には長田が入り、トロフィークラスで優勝した。
5位にはMAKOTOが入ったが、SC時の追い越し違反でペナルティーが科され19位に降格。
6位にはTAKE chan(恵比寿アキランドVITA制動屋)が入ったが、こちらも同じSC追い越し違反。「SCボードは見えていたが、ブレーキが間に合わなかった」と、20位降格となった。
繰り上がって5位には中西亮平(BASIS RACING☆NAMS)が、6位には松本匡史(m*dent with 萬雲塾VITA)が入った。
次大会は、8月19日~20日のGTワールドチャレンジアジア&ジャパンカップのサポートレースとして第4戦、第5戦と2戦が行われる。
Text: Yoshiori OHNISHI