2022年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第10戦の決勝が6月18日、宮城県村田町のスポーツランドSUGOで行われ、予選2番手からスタートした小高一斗(Kuoモビリティ中京TOM'S 320)が今季4勝目を挙げた。
第10戦決勝は午後3時40分にスタート。天候は晴れ。路面はドライだ。
スタートでトップに立ったのは小高一斗(Kuoモビリティ中京TOM'S 320)。ポールポジションの太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)は2位に後退して小高を追う。
しかしその後方では2列目スタートの野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320)と平良響(Kuoモビリティ中京TOM'S 320)が揃ってエンジンストール。再始動してレースには復帰したものの、大きく順位を落としてしまう。
さらにその先の2コーナーでも菅波冬悟(Byoubugaura B-MAX Racing 320)と古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)が接触するアクシデントが発生したため、早くも1周目からセーフティーカーが導入された。
この時点の順位は小高、太田、木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)、平木玲次(HELM MOTORSPORTS 320)、川合孝汰(Rn-sports 320)、今田信宏(JMS RACING with B-MAX)、平木湧也(HELM MOTORSPORTS 320)、DRAGON(TEAM DRAGON B-MAX 320)、平良、野中、古谷だ。
なお接触で古谷に乗り上げる形となった菅波は、アクシデントのあとピットに戻って車を降りている。
セーフティーカーは3周目にピットイン。4周目からレースはリスタートとなったが、その直後にホームストレート上で太田と順位を争っていた木村が太田のリヤに追突。この影響で木村はピットウォールに接触してしまい、足回りを大きく壊してレースを終えてしまう。これで再びSCが導入された。
さらにこのアクシデントの影響で、太田のミッションケースあたりから漏れた液体がコース全周に渡って撒かれてしまったため、隊列が5周を終えたところでポストから赤旗が提示され、レースは中断となった。
レースは午後4時25分にセーフティーカーの先導で再開。9周目からリスタートとなる。
トップの小高は後続を突き放して悠々とトップを快走。後方では平木玲次と川合が熾烈な2位争いを展開する。
さらに8位にいた野中も平良、DRAGON、そして平木湧也を次々に捉えて5位に浮上してきたが、ここで野中に対してドライビングスルーペナルティが課せられる。スタート違反との裁定だ。
13周目に入ると、平木玲次と2位を争っていた川合が馬の背に入ったところでパワーステアリングのトラブルに見舞われてしまう。そのまま走行を続けようとした川合だったが、SPイン、SPアウトと走っているうちに焦げ臭い匂いがしてきたため、出火のリスクを考えて自らコース脇に出てクルマを止めた。しかしこの影響でこの日3度目のセーフティーカーが入ることになった。
トップ2台の順位に変わりはないが、3位には平木湧也と今田を抜いて平良が浮上している。
セーフティーカーは18周目にピットイン。19周目からレースが再開されると、すかさず平良が1コーナーで平木玲次を捉えて2番手に浮上、さらに古谷も平木玲次の背後に迫ってきた。
ペナルティにより後退した野中も、DRAGON、平木湧也を再び捉えて6位に。2位の平良はファステストラップを記録してトップの小高との差を0.494とする。
古谷は22周目の1コーナーで平木玲次を捉えようとするが、車間を詰めすぎたためにフロントのダウンフォースを失ってコースを飛び出し、今田を抜いて5位に浮上してきた野中に抜かれ、5位に後退してしまった。
小高との差を1秒以内に保って追い上げる平良だったが、25周目に入ったところで40分の制限時間を迎えてしまったため、規定周回数の26に達しないままレースはここで終了となった。
これで小高一斗(Kuoモビリティ中京TOM'S 320)は第6戦鈴鹿以来の今季4勝目を挙げ、第12戦のポールポジションをも獲得。さらに平良響(Kuoモビリティ中京TOM'S 320)が2位に入ってトムスが1-2フィニッシュを達成した。3位は野中の猛追を最後まで凌ぎ切った平木玲次(HELM MOTORSPORTS 320)が獲得。HELM MOTORSPORTSに初の表彰台をもたらした。
第11戦の決勝は明日19日の朝9時5分より19周で。第12戦決勝は同じく19日の午後0時35分より19周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIROPhoto: Katsuhiko KOBAYASHI