2021年もてぎ・菅生スーパーFJ選手権シリーズ選手権第5戦予選が9月5日(日)にツインリンクもてぎで開催され、81号車・佐藤樹(群馬トヨペット リノア ED)が開幕からの連続ポールポジションを5に伸ばし、チャンピオンシップ獲得に幸先の良いスタートを切った。
第4戦、第5戦が二日続きで開催されるスーパーFJレース。9月4日の第4戦はウエットコンディションでのレースとなったが、一夜明けたツインリンクもてぎは、夜半過ぎまで降った雨で朝は路面のあちこちにウエットパッチがあったものの、予選が始まる11時20分にはほぼ乾き、ドライコンディションでの予選となった。
エントリーは前日と同じく14台。開始時刻になると佐藤を先頭に全車スリックタイヤでコースイン。昨日デビュー戦ながら3位を走り続けて速さを見せたものの、ミッショントラブルでリタイヤとなった39号車・池田拓馬(AMEROID&NRS ED)、0.552秒差で表彰台を逃した91号車・前田大道(ELEVレーシングドリーム10V)といった巻き返しを誓う面々が佐藤の背後に続いた。
ウオームアップを終えた残り15分ごろから各車ペースアップ。まずは佐藤が2分8秒298でトップに立つと、続けて2分7秒062、2分6秒530と自己ベストを更新し続けてその座を維持し続ける。
2番手以下は3号車・四倉悠聖(ZAP日本平中自動車10VED)2分7秒151、前田2分7秒237、全日本カートOKクラスチャンピオンの看板を引っ提げて昨日デビューレースを戦った34号車・渡会太一(オートバックス ドラゴコルセ)2分7秒340、と僅差で続く。
残り9分時点で佐藤は2分5秒984と2分5秒台に突入。接戦の2番手以下は33号車・伊藤慎之典(テイクファーストチャリ走10V)が2分6秒891で佐藤に続き、渡会も2分7秒015で3番手へ浮上する。
佐藤は次の周回でさらにタイムを削り2分5秒948を出し、この時点でポールポジションを決めた。
2番手以下のグリッド争いは終盤まで続き、まず四倉が2分6秒922で3番手に浮上すると、続いて渡会が2分6秒721で2番手に上がり、フロントロウを獲得。3番手に落ちた四倉をさらに前田が2分6秒792と追い落とし、四倉も負けじと自己ベストを更新するが0.009秒及ばず4番手へ。
この3者の争いに押し出された格好の伊藤はチェッカー後の計測最終周に2分6秒852の自己ベストをマークしたものの、0.051秒の差で5番手、3列目のグリッドとなった。
ジェントルマンクラスの予選は前日同様僅差の戦いとなり、55号車・伊勢屋貴史(アルビ☆あやし眼科☆10V ED)が2分12秒647をマーク。2分12秒845の16号車・大貫直実(グレード1スズバンF109)と0.198秒の差でクラストップとなった。
■予選後のコメント
- ポールポジション 81号車・佐藤樹(群馬トヨペット リノア ED)2分05秒948
- 「(2番手を0.7秒千切って楽にいけた?)後半タイヤがタレてしまって、もうちょっとタイム出したかったのだが伸びなかった。それでもポールは取れたので、よかった。(決勝に向けては?)序盤で逃げて、戦いやすい展開に持っていけたらなと思う」
- チーム代表 里見乃亜
- 「開幕戦で勝てなかったので、後は全戦ポール獲得を目標にしていたので、ここまではできている。赤旗の出ない(ドライの)予選で2番手を0.7秒以上離せたので、それもよくやったと思う。チャンピオン取るのも目標だが、今回も勝ってもてぎ2連勝してすっきり決めたい。流れは昨日からとても良いので心配要素はない。スタート決めて自分のレースをすれば、大丈夫だと思う。(色んな展開のレースを通じて経験値が上がったか?)鈴鹿遠征も非常にためになった。練習は良かったがレースではタイムが伸びなかった、そういった部分でセッティングとかこちらに戻って試して改善点も見つかった。今年の開幕戦のもてぎよりクルマも進化していて、ドライバーも(成長して)メンタル面や乗り方を意識して走れるようになったので、それもプラス要素になっていると思う」
- 2位 34号車・渡会太一(オートバックス ドラゴコルセ) 2分06秒721 トップとの差0.773秒
- 「(昨日とは打って変わって元気だったが?)ドライコンディションの方が走り慣れているので、昨日よりはポジションが上に行けた。2分5秒台に入れたいところだったが、2番手で終われたのでよかった。(佐藤と0.7秒差)ちょっと差が大きすぎるがどこで差が付いているのかは自分でもまだよく分かっていない。決勝までにはいろいろ改善して追いつけたらな、と思う。調子は昨日よりは全然良いので、スタートで前に出たりすればいい(レースになる)と思う」
- 3位 91号車・前田大道(ELEVレーシングドリーム10V)2分06秒792 トップとの差0.844秒
- 「(路面が)ドライなので、レインの時よりは思い切って気持ち良く走れた。もっと攻め込もうという気持ちにもなれたので、コンディション的にはよかった。だた、走行中にトップのタイムを確認して、(タイム)差が大きいのでストレートで首をひねっていた(笑)。なので、決勝ではもちろんチャンスがあればオーバーテイクを狙っていきたいが、それまでに何かしらできる事があるのか、運転にせよマシンにせよ、調整する。あと決勝もドライとは限らないので、そういった部分で向こう(トップ)とは違う戦略でチャレンジするのもアリなのかなと思う」
決勝は15時30分スタート予定。勢いに乗っている感のある佐藤が一気にチャンピオンを決めるか、阻止する者がいるなら誰か? 注目だ。
Text: Junichi SEKINEPhoto: Kazuhiro NOINE
Asako SHIMA