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SGT:第1戦岡山決勝 熾烈なドッグファイトを制し、#14ENEOS X PRIME GR Supraが優勝

GT500クラスのスタートシーン GT300クラスのスタートシーン

2021オートバックス スーパーGT第1戦「たかのこのホテル岡山GT300kmレース」の決勝が4月11日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われた。レースは二度のセーフティーカーランが行われる荒れた展開となったが、予選2番手からスタートした#14大嶋和也/山下健太組(ENEOS X PRIME GR Supra)が接戦を制し、チーム結成2年目で初の優勝をものにした。GT300クラスは終盤までトップ4台による接近戦が展開されたが、予選4番手の#56藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)が逃げ切って優勝した。

(天候:晴れ コース:ドライ)

GT500クラス優勝は大嶋和也/山下健太組(ENEOS X PRIME GR Supra) GT500クラス決勝2位は関口雄飛/坪井翔組(au TOM\'S GR Supra) GT500クラス決勝3位は平川亮/阪口晴南組(KeePer TOM\'S GR Supra)

第1戦決勝は午後1時30分より82周で行われた。2年ぶりの開催となった岡山国際サーキットは予選、決勝を通じて好天に恵まれ、スタート時の気温も17℃いう絶好のコンディションのもとでの戦いとなった。

2周のフォーメーションラップに続き、スタートでトップに立ったのは、ポールポジションの#37阪口晴南(KeePer TOM'S GR Supra)。予選2番手の#14大嶋和也(ENEOS X PRIME GR Supra)が2位、予選3番手の#36関口雄飛(au TOM'S GR Supra)が3位でコントロールラインに戻ってきた。

2位の#14大嶋は#37阪口との差を1秒以内に保って追い上げるが、周回遅れに行手を阻まれるなどしてなかなか攻略の糸口が見つからない。そうこうしているうちに#30永井宏明(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)に#34道上龍(Yogibo NSX GT3)がヘアピンで追突するアクシデントが発生。30号車が真横を向いて停止してしまったため、8周目からこの日最初のセーフティーカーが導入された。

#30永井はマーシャルの手を借りてコースへ復帰し、レースは13周めから再開された。

再びテール・トゥ・ノーズの攻防を再開した#37阪口と#14大嶋。しかしここでも大嶋は阪口に並びかけることができないまま、周回を重ねることになる。

しかし33周めについにレースが動いた。

早めのピット作業を行った#360青木孝行/内田優大組(RUNUP RIVAUX GT-R)の内田が2コーナーでスピン、ウレタンバリアに突っ込んで停止すると、それを見てとったGT500クラスの上位陣は相次いでピットに飛び込み、ドライバー交代を行った。

ここで素早く作業を終えてピットアウトした14号車に対し、37号車はピットアウトに手間取り、14号車だけでなく36号車、そして#39ヘイッキ・コバライネン/中山雄一組(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)の先行をも許して実質4位に後退してしまった。

そしてこの360号車を排除するため、35周めからこの日二度目のセーフティーカーが導入され、レースは40周めから再開された。

すると2位に浮上した#36坪井翔(au TOM'S GR Supra)は猛然と#14山下健太(ENEOS X PRIME GR Supra)を追い上げにかかり、60周目のヘアピンで遂にアウトから#14山下に並びかける。しかし周回遅れに行手を阻まれ、トップ浮上はならず。61周目にも同様に仕掛けるが、山下は一歩も引かない。その後も62周目の1コーナー、2コーナー、そして66周目のバックストレートと激しいバトルは続くが、#14山下は巧みに#36坪井を押さえ込む。

その後も何度も#14山下に仕掛ける#36坪井だったが、75周目のヘアピンへの飛び込みで14号車にアウトから並びかけようとして痛恨のオーバーラン。懸命にコースに復帰した坪井だったが、トップとの差は8.968に広がってしまった。ここで勝負は決し、#14大嶋/山下組が開幕戦を制した。

2位に終わった#36関口雄飛/坪井翔組(au TOM'S GR Supra)だったが、坪井はその後も山下を上回るハイペースで周回を重ね、最後は1.187秒差まで詰め寄って意地をみせた。

3位は平川亮/阪口晴南組(KeePer TOM'S GR Supra)。4位でピットアウトした#37平川は56周目のヘアピンで#39中山のインに飛び込んで順位を一つ挽回、すでにトップ2台とは15秒近い大差をつけられていたが、なんとか表彰台の一角を占めることができた。

そして#39ヘイッキ・コバライネン/中山雄一組(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)が4位でフィニッシュし、上位4台をGRスープラが占める結果となった。

ホンダNSX-GT勢の最上位は#17塚越広大/ベルトラン・バゲット組(Astemo NSX-GT)の5位。ニッサンGT-R勢は#3平手晃平/千代勝正組(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)の9位が最高という苦しい開幕戦となった。

GT300クラス優勝は藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(リアライズ 日産自動車大学校GT-R) GT300クラス決勝2位は蒲生尚弥/菅波冬悟組(LEON PYRAMID AMG) GT300クラス決勝3位は吉田広樹/川合孝汰組(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)

GT300クラスはポールポジションの#11安田裕信(GAINER TANAX GT-R)がスタートでトップに立つと、#52川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)の猛追を巧みに押さえて周回を重ねていたが、360号車のアクシデントの直後にピットに飛び込んだ52号車に対し、11号車はその1周後にピット作業を行ったことが裏目に出て52号車の逆転を許してしまう。さらには同じ周に作業を行った#65蒲生尚弥/菅波冬悟組(LEON PYRAMID AMG)、#56藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)らの先行をも許してしまった。

この結果、#56ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)がトップに浮上。2番手には#65蒲生尚弥(LEON PYRAMID AMG)が続き、#52吉田広樹(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)は3位に。#11平中克幸(GAINER TANAX GT-R)は25周めにピット作業を行った#2加藤寛規/阪口良平組(muta Racing Lotus MC)にも抜かれて一時5位まで後退するが、2号車は48周めにピットに戻り、そのままレースを終えてしまったため、4位でフィニッシュすることとなった。

トップ4台は終盤まで接戦を繰り広げたが、#56オリベイラは最後までトップを守り切り、昨年の第7戦以来の勝利をものにした。

2位は蒲生尚弥/菅波冬悟組(LEON PYRAMID AMG)。3位には吉田広樹/川合孝汰組(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)が入った。

スーパーGT第2戦は、富士スピードウェイにて2年ぶりの500kmレースとして行われる。5月4日決勝だ。

GT500クラスの表彰式 GT300クラスの表彰式

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI


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