スーパーGTを運営するGTアソシエイション(GTA)は9月16日、シリーズ第6戦の行われているスポーツランドSUGOで定例会見を開催。坂東正明代表がレース業界の働き方改革やドイツツーリングカー選手権(DTM)との交流戦、今後のGT500クラスの方向性などについて語った。
- 働き方改革について
- モータースポーツ業界全体として魅力のある仕事の世界にしていくためにも、チームに対し労働条件についてアンケートを実施した。それをもとに改善して行きたいと考えている。プロモーター、オーガナイザーについても、イベントの開催が増えており、負担になってきている。これはスーパーGTだけでなくスーパーフォーミュラやスーパー耐久、F3などの状況も含めて把握して、その中でやれるものから取り組んでいきたい。我々としてはレースウィークの金土日の中で、設営の時間やサーキットに入る時間、出る時間を考えて労働時間を管理していかないといけないと考えている。もちろんその中で、集客やオフィシャルの活動の妨げとならないような配慮も必要だ。またF1で実施されているように業界全体で夏休みや正月休みを設けるような試みも、オーガナイザー含めて取り組まないといけない。チームやオーガナイザー、マニファクチャラーと擦り合わせをしながら、やれることから取り組んでいきたい。
- DTMとのジョイントイベントについて
- クラス1の規定について誤解されている側面がある。2019年以降のスーパーGTのシリーズ戦については今後も「クラス1プラスアルファ」であって、現行のT(トヨタ)N(ニッサン)H(ホンダ)の状況を変えるつもりはない。ジョイントイベントも2019年は「クラス1プラスアルファ」で当然NSXも参加できる。2020年以降についてはクラス1でという方向で調整をしているが、我々GTAとしては国内のレースを潰してクラス1とは考えていない。将来的にクラス1に辿り着ければとは考えているが、今すぐとは考えていない。あくまでTNHとGTAが作り上げる、という理念は崩さない。できるだけクラス1規定に沿って共通パーツを使ってコストを下げていくが、できない部分はプラスワンとして考えざるを得ない。クラス1規定についてはDTMの状況も加味しながらゲルハルト・ベルガーと話し合っていく。
- NSXのBOPについて
- 今大会からNSXにウェイトを10kgプラスした。まず2014年から3メーカーと話し合って決めた29kgのミドシップハンデがあり、2016年にNSXがハイブリッドシステムを廃止したことを受けて見直しを行った。さらに昨年はショートコースの岡山と高速サーキットの富士で3メーカーの均衡化をはかるために15kgを減らした。その後はホンダさんの頑張り、チームの頑張りの中での現状があり、更に均衡化をはかるために今回10kgを載せることにした。技術競争をやる部分と、魅力あるレース。その両方を加味してレースを作っていかないといけないと考えている。ただし今シーズンに関しては残り2レースでさらなるBOPは実施しない。
Photo: Shigeru KITAMICHI