全日本F3選手権は20日、鈴鹿サーキットで1日目の合同テスト、2セッションを行った。午前中の1回目はドライ、2回目はウェットからドライに代わりつつあるなか走行が行われ、1回目のタイムで宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S)がトップに立ち、1日目の走行を終えた。
昨年のドライバー&チームチャンピオン、カローラ中京 Kuo TEAM TOM'Sからは引き続き宮田莉朋とルーキー・小高一斗が参加。2年前のFIA-F4コンビが復活した格好となった。2人は2台のマシンを取り替え比較テストも行った模様だ。来シーズンはこの2名で参戦するものと思われる。
戸田レーシングからは引き続き大湯都史樹と今年FIA-F4で好成績を収めた名取鉄平が参加。こちらも2号車と93号車を入れ替えてテストするようだが、今日は大湯が93号車、名取が2号車をドライブした。
B-MAXレーシングからは、サッシャ・フェネストラズ、ルーカス・アウアー、ハリソン・ニューウェイの外国人選手が参加。アウアーとニューウェイはスーパーフォーミュラへの参戦がうわさされており、開幕戦が行われる鈴鹿のコース習熟のための参加と思われる。また、今季スリーボンドから参戦した笹原右京、スポット参戦の藤波清斗もDRAGONのマシンをシェアして参加した。4台のマシンはジョイントするモトパーク仕様が2台、全日本仕様が2台で、これらのマシンの比較テストも行われた模様だ。
スリーボンドレーシングは、三浦愛がB-MAXから移籍し来季を戦う模様。今回はもう1台を持ち込み、ヒューゴ・デ・サドレーとリッキー・コラードがドライブした。
OIRCチームYTBはマカオを走ったカーリンのマシンを2台持ち込み、カーリンのスタッフもテストに帯同した。1台はレギュラーの片山義章が、もう1台は午前はジェームス・プルが、午後はカラム・アイロットがドライブした。アイロットはテストのみのようだ。
RSファインからは河野駿佑が参加。こちらは来季も参戦するとのことだ。
ハナシマレーシングからはレギュラーの久保田克昭と大草りきが参加。午前は久保田が午後は大草がドライブした。久保田がマスターズヒストリックF1出場などで日本を離れる際、大草が代役を務めるのかも知れない。
アルビレックスレーシングからはフォーミュラのドライブは久しぶりの坂口夏月が参加。テストのみとのことだが来季参戦費用が集まれば参加の可能性もあるようだ。
カーガイレーシングは木村武史がドライブ。こちらもドライバーのスキルアップが目的のようだが、来季参加の可能性もゼロではないとのことだ。
1回目のセッションは午前9時から11時までの2時間で行われた。走行開始時には薄日も差し、初冬としては暖かい中でセッションが進行したが、終了する頃には日も陰り曇天となった。
テストは赤旗も出ず、順調に推移。最終的に32号車をドライブした宮田が1分51秒856でトップに立った。2位にはDRAGONとマシンをシェアし13周と短い周回数でタイムを出した笹原が「いいところは見せられたと思う」と付け、3位には小高が続いた。以下、大湯都史樹、河野駿佑と続き、外国人勢最上位にはフェネストラズが入った。
2回目午後の走行は、昼過ぎに降り始めた小雨がコースを湿らせた午後2時から始まった。ドライタイヤで走れるコンディションではないため約半数のチームが開始時の走行を見合わせた。それでも開始30分頃には各チーム、ドライセッティングの足回りにウェットタイヤを履き、ウイングを立ててコースイン、勢力的に周回を重ねた。
途中、大草りき(HANASHIMA RACING)がコースアウトして赤旗が提示されたが、走行はほどなく再開。雨がやみ路面が徐々に乾き始めたため、終了30分前には各チームドライタイヤに交換して最後のアタックに入った。
路面が乾きドライタイヤに熱が入ると、ここまでウェットタイヤでトップに君臨していたフェネストラズのタイムを更新してきたのがアイロット。2位以下を1秒以上離してトップに躍り出た。
アイロットがトップのままチェッカーが振られたが、チェッカー後にコントロールラインを通過したニューウェイが1分56秒101をたたき出し逆転。アイロットは2位に繰り下がった。3位にはアウアーが、4位には日本人最上位で藤波が入った。5位に大湯、6位に河野が続いた。
テストは明日21日も引き続き行われる。午前が9時から、午後が2時からそれぞれ2時間の予定だ。
Text: Yoshinori OHNISHIPhoto: Hiroyuki MINAMI