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SGT:第8戦もてぎ決勝 #1モチュールGT-Rまさかの大逆転で二連覇達成!レースは#37KeePer RC Fが今季2勝目を達成

2015オートバックス スーパーGT最終戦「もてぎGT250kmレース」の決勝が11月15日、栃木県のツインリンクもてぎで行われた。
ウェット路面から次第に乾いていく難しいコンディションの中、コースの各所で激しいバトルが何度も展開される中、ポールポジションからスタートした#37KeePer TOM’S RC F(アンドレア・カルダレッリ/平川亮組)が接戦を制して今季2勝目を挙げた。
2位には予選12番手という苦しいスタートを強いられながらも二人のドライバーのアグレッシブなドライビングと迅速なピットワークで順位を上げてきた#1MOTUL AUTECH GT-Rが入り、見事ドライバーズタイトル2連覇を達成した。
GT300クラスもポールシッターの#31TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組)が今季2勝目を達成。セーフティーカーの導入されたタイミングとチームのピット作戦が噛み合わずに一時は順位を落としたが、見事な挽回劇を見せてくれた。
(天候:曇り コース:ウェット 観客動員数:予選日17,000人/決勝日33,000人/大会総入場者数50,000人)

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決勝レースは午後1時40分より53周で行われた。
朝から降り続いた雨は止み、各チームスリックタイヤを装着してダミーグリッドへ並んだが、スタート進行の最中に再び雨が降ったため、グリッド上で急遽浅溝タイヤに履き替えてのスタートとなった。

ホールショットを奪ったのは#37KeePer RC F。2番手に#64エプソンNSX、3番手に#100レイブリックNSXとここまではスターティンググリッドどおり。
しかしその後方では#36ペトロナスRC F、#12カルソニックGT-R、#38ZENT RC Fの3台が1周目のバックストレートで3台併走状態のバトルを展開、#38ZENTが4位、#12カルソニックが5位、#36ペトロナスが6位でホームストレートに戻ってきた。12番手スタ-トとなった#1モチュールGT-Rはこの時点で9位に浮上していた。

1号車のスタートを担当したロニー・クインタレッリはその後も積極的に前を走るクルマに挑みかかり、6周目には#24D’station GT-Rを、8周目には#19ウェッズスポーツRC Fを抜き去って7位に浮上。

すると11周目に#36ペトロナスRC Fが制御系のトラブルによりスローダウン、そのままホームストレートにクルマを止めてレースを終えたため、7位以下の順位が一つずつ繰り上がり、#1モチュールは6位に浮上した。ドライバーズタイトルを争う#12カルソニックGT-Rはすぐ目の前だ。

すでにこの頃にはレコードラインが乾き始めており、浅溝タイヤでスタートした各チームは規定周回数の3分の1が過ぎた19周目に#6エネオスRC Fがピットインしたのを皮切りに、次々にドライバー交代とスリックタイヤへの交換を行った。
上位陣では5位の#38ZENTが21周目、トップの#37KeePerと3位の#100レイブリックNSXが23周目にピットイン。
そしてポイントリーダーの#12カルソニックGT-Rは24周目にピットイン。他の上位陣が40秒前後の作業時間でピットアウトして行ったのに対し、チームインパルのメカニックは36秒という迅速さで安田裕信をコースへ送り出した。
ところが25周目にピットに飛び込んだ#1モチュールGT-Rの作業時間はなんと33秒。このメカニックの頑張りも後押しして、1号車は#100レイブリックNSXの前でピットアウトすることに成功した。100号車の後方には12号車も迫ってきた。

するとここでメインポストからSCのボードが提示された。
2コーナーと3コーナーの間でピットアウトしてきた#46S Road GT-RがGT300クラスの#9PACIFICマクラーレンと接触し、この際に破損したリヤカウルがコース上に散乱したためだった。

これに足元をすくわれたのがスタートから2位を走行していた#64エプソンNSXだ。
ピットタイミングを引き延ばす作戦が仇になり、SC中のピットオープンで漸くドライバー交代を終えた時には隊列の最後尾に後退する羽目に。更には後半を担当した中嶋大祐が3コーナーで飛び出すという散々な内容で結局このレースを1周遅れの13位で終えることになった。
ナカジマレーシングにとっては一年を通じてツキに見放されたシーズンだった。

セーフティーカーは31周めにピットへ。
32周めからリスタートとなったが、ここでトップの#37平川が周回遅れの#24D7station GT-Rを駆る佐々木大樹に行く手を塞がれ、濡れた路面に乗って1コーナーでオーバーラン、この隙に#1松田がトップに立った。
しかし#37平川も諦めずに食い下がり、38周めのV字コーナーで松田が周回遅れに詰まったところですかさずインに飛び込んだ。
これに対して松田も一歩も引くことなく、両者は併走状態でヘアピンへ。ここでは松田が押さえ込み、逆に平川はこの周の最終コーナーでアウトに膨らんだところを#100レイブリックNSXの伊沢、#12カルソニックGT-Rの安田にもかわされて一時4位に後退してしまった。

だが平川は続く39周目の3コーナーで#12安田を、続いて5コーナーでは#100伊沢を躊躇なく抜き返して再び2位に。
そして43周目のV字で再び#1松田のインに飛び込んでトップを奪い返すと、その後も僅差でおいすがる#1松田、#100伊沢、#12安田の4台を従えて53周のレースを走りきり、開幕戦岡山に続く今季2勝目を挙げた。
2位には#1モチュールGT-R。ポイントリーダーの#12カルソニックGT-Rが4位に終わったため、見事逆転でドライバーズタイトルとチームタイトルを獲得した。
3位には#100レイブリックNSXが入り、ドライバーズランキング3位で2015シーズンを終えた。

GT300クラスは、ポールポジションの#31プリウスが序盤から後続を一気に突き放すが、前述のセーフティーカーランの導入時点で彼らもピットストップを終えていなかったため、#64エプソンNSXと同様に順位を落とす羽目に陥った。
しかしこの時点で31号車は4位以下を周回遅れにしていたため、ピット作業を終えてもなお順位はトップと同一周回の4位にとどまり、そのギャップも8秒と再逆転可能な範囲。

これで発奮した#31中山はリスタート後の33周目に今シーズンで参戦を終了する#55ARTA CR-Zを抜き去って3位に浮上すると、34周めには#11ゲイナーSLSも捉えて2位に、そして39周めの5コーナーではトップを快走する#0初音ミクSLSの谷口信輝を大胆にアウトから抜き去ってトップを奪い返すと、その後も全くペースを緩めず50周を走破、37号車と同様開幕戦岡山以来の今季2勝目をものにした。
2位は#0初音ミクSLS、3位には#11ゲイナーSLSが入った。

熱戦の連続だったスーパーGTの2015シーズンはこのレースを以て終了。
2016シーズンは4月9-10日に岡山国際サーキットで開幕する。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI


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