いよいよ終盤戦に差し掛かったFIA-F4。第12戦決勝は11月1日に大分県のオートポリスで行われ、遂に3人目のウィナーが誕生する結果となった。
その3人目の勝者は#50山田真之亮(B-MAX)。前方でのトラブルをかいくぐってトップに立ち、見事待望の初勝利をものにした。
この日のオートポリスは上空を暑い雲が覆い尽くしていたが、コース上は終始ドライコンディション。第12戦決勝は午前10時15分より13周で行われた。
スタートでトップに立ったのはポールポジションの#5平木涌也(RSファイン)。
後方からは予選5番手ながら見事なロケットスタートを決めた#36坪井翔(トムス)が2番手に浮上し、一気に平木の背後に迫り、3コーナーで早くもアウトに並びかけてきた。
ところがここでイン側の平木がブレーキをロックさせてしまい、二人は揃ってグラベルに飛び出してしまう。
その結果平木は26位、坪井は27位まで後退してしまった。
これでトップに立ったのが予選2番手の山田だ。
前半勝負と決めてクルマをセットアップしてきた山田はここで一気に後続を突き放しにかかるが、2位につけた#7大津弘樹もコンマ6秒差で食い下がる。
しかし大津の背後には#22宮田莉朋が迫り、6周目の第2ヘアピンでインに飛び込んできた。
大津はすかさずクロスラインをとって立ち上がり、続くジェットコースターストレートで抜き返したが、それ以降もしぶとく食い下がってくる宮田とのバトルに集中せざるを得ず、この間にトップの山田はどんどん差を広げていった。
8周を消化した時点で山田のリードは2.3秒。その後はこの差をキープしながら3周を走りって待望の初優勝。牧野任祐4勝、坪井7勝と二人のドライバーが勝利を分け合ってきた今シーズンだったが、12戦目にしてついに3人目のウィナーが誕生した。
2位には宮田の追撃を最後まで押さえきった大津。宮田はフォーミュラデビュー4戦目にして早くも表彰台に上がる快挙を成し遂げた。
一方、1周めに後退した坪井は懸命に挽回を図ったものの17位に終わり、牧野が5位入賞を果たしたことにより、シリーズポイントでは坪井182pt、牧野164ptとなり、タイトル争いは最終もてぎ大会に持ち越される結果となった。
第13-14戦は11月14-15日に栃木県のツインリンクもてぎで行われる。
(前で2台が飛び出したのを見たときは)これは来たなと。もう今日勝つしかないなと思いました。
もてぎは何回かテストしていて調子はいいので、出だしからずっと高い順位でいけるように頑張ります。
昨日は牧野選手のウィングに乗り上げた時にタイヤをカットしてしまってリタイヤしました。
でもそもそもスタートを失敗しなければ起きなかったアクシデントだし、ミラーを確認して避けるのも自分の仕事だったと思っています。
Photo: Hiroyuki MINAMI