SUPER GT

SGT:第3戦オートポリス 初夏の九州熱戦 LEXUS RC Fは惜しくも表彰台に届かず4,5位 (TOYOTA)

 5月31日(土)6月1日(日)の両日、大分県のオートポリスでSUPER GT第3戦が行われた。30度近い暑さの中で、LEXUS RC Fは最後まで表彰台をかけてバトルを繰り広げたが惜しくも及ばず、伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組のKeePer TOM'S RC F 37号車が4位、ジェームス・ロシター/平川亮組のPETRONAS TOM'S RC F 36号車が5位でフィニッシュした。

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4位フィニッシュを果たしたKeePer TOM'S RC F 37号車

 SUPER GT第3戦「SUPER GT in KYUSHU 300km」が5月31日(土)、6月1日(日)の両日、大分県のオートポリスで開催された。

 シーズン全8戦で争われるSUPER GTは3戦目を迎えた。舞台となるオートポリスでのSUPER GTは、昨年まで秋に、最終戦の前のレースとして開催されてきたが、今季はシーズン前半戦、初夏の開催となった。

 今季より新たにSUPER GTに投入されたLEXUS RC Fは、開幕戦岡山でデビューウィン。前戦富士では惜しくも勝利は逃したものの、2-3位を獲得し、ランキングでは2位から5位を占めて第3戦へと臨んだ。

 今大会は、WECル・マン24時間レースのテストデーが重なるため、中嶋一貴が欠場、第2戦同様にPETRONAS TOM'S RC F 36号車は平川亮がジェームス・ロシターとのコンビでドライブする。

 GT500クラスのウェイトハンデ(前戦までの獲得ポイント×2kg)については今季より規則が変更され、50kgを超える場合は最大燃料流量を絞り、搭載ウェイトは50kgを超えた分のみ搭載となる。LEXUS勢ではランキング2位、3位のKeePer TOM'S RC F 37号車(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ)とENEOS SUSTINA RC F 6号車(大嶋和也/国本雄資)の2台がこれに該当。この新規定がどのように影響するのかにも注目が集まった。

◆予選◆

 予選日の31日(土)は好天。サーキット近郊の大分県日田市の市街地はこの日、今年国内最高となる35.1度を記録する暑さとなり、山間部に位置するオートポリスも、気温28度、路面温度38度というコンディションで熱い予選アタックが繰り広げられた。

 午後2時からノックアウト方式で行われた予選、GT500クラスのQ1は、セッション後半に入って各車コースイン。全車が本格的なアタックを開始した終盤、残り1分10秒ほどのところで、国本のドライブする6号車が第14コーナーでコースアウトしタイヤバリアにクラッシュ。赤旗中断となった。

 セッションは残り3分で再開となり、全車一発アタック。めまぐるしくタイムが塗り替えられていく展開の中、関口雄飛のアタックするWedsSport ADVAN RC F 19号車がわずかにコースオフ。すぐにコースには復帰したが、この19号車に、同じくアタック中だった平川の36号車が引っかかる形となり、共に痛恨のQ1敗退。36号車は11番手、最適なバランスを見出しきれずタイムを伸ばせなかったDENSO KOBELCO SARD RC F 39号車が12番手、19号車が14番手。赤旗中団の原因を作った6号車はタイム抹消により最後尾グリッドが確定した。

 一方で伊藤の37号車が3番手、平手晃平がドライブしたZENT CERUMO RC F 1号車が7番手につけ、2台のRC FがQ2進出を果たした。

 このQ1では上位13台がこれまでのコースレコードを更新。新生SUPER GT車両の速さを改めて証明することとなった。

 Q2も残り6分半を切って全車コースイン。30kgのウェイトハンデを積みながらも懸命な走りを見せた立川祐路の1号車が3番手タイムをマーク。カルダレッリの37号車はその後方5番手グリッドから決勝へ臨むこととなった。

 GT300クラスでは、OGT Panasonic PRIUS 31号車の新田守男がQ1を7番手で突破。Q2でも嵯峨宏紀が健闘を見せ、6番手グリッドを獲得した。

◆決勝◆

 1日(日)も好天に恵まれ、午後2時の時点で気温28度、路面温度43度という暑さの中で決勝レース(65周)のスタートが切られた。

 予選でコースオフを喫し最後尾グリッドとなった6号車は、スタート直前に燃料系の不具合が発生し、修復は間に合ったもののピットスタートとなった。

 序盤、上位勢はグリッドの順位をキープ。後方では11番手グリッドの36号車を駆るロシターが目覚ましい追い上げを見せ、6周目には6位に浮上。

 3位を走る平手の1号車、4位の12号車GT-R、5位につけるカルダレッリの37号車のバトルに36号車が追いつき、4台による3位争いが展開された。

 猛追を受けながらも何とか3位をキープしていた平手の1号車だったが、16周目過ぎあたりからタイヤの摩耗が激しくなり、一気にペースダウン。ペースの落ちた1号車を、17周目に37号車、36号車が揃ってパス。翌周には36号車のロシターが37号車をかわし4位へとポジションアップを果たした。

 1号車の平手は、なんとかドライバー一人の最低周回義務となる22周を消化し、ピットインしたが、10位以下へ順位を落としてしまった。

 レース中盤に入ると他の車両も次々にピットイン。36号車をロシターから受け継いだ平川は、37号車の前でコースに復帰したが、34周目の最終コーナーでコースアウト。すぐにコースに戻ったものの、37号車伊藤の先行を許してしまった。

 その後は上位勢の差が広がり、順位は拮抗状態となっていたが、47周目にGT300クラスの車両が1コーナーでクラッシュ。ガードレールを乗り越えるほどの大クラッシュとなり、その処理のためにセーフティカーが導入された。

 セーフティカー導入により上位勢のマージンは小さくなり、残り9周のスプリントレースとして再スタート。4位の37号車伊藤、5位の36号車平川が、前を行く12号車のGT-Rを激しく追い、3位表彰台を賭けた手に汗握るバトルがチェッカーまで繰り広げられた。

 テール・トゥ・ノーズ状態までライバルを追い詰めた2台のLEXUS RC Fだったが、惜しくも逆転は叶わず、37号車が4位、36号車が5位でフィニッシュ。

 19号車が8位。スタート前のトラブルでピットスタートを強いられながらも着実な走りで順位を上げた6号車が9位でチェッカーを受け、ポイントを獲得した。

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11番手スタートから追い上げ5位でフィニッシュした
PETRONAS TOM'S RC F 36号車

 今大会の結果、ドライバーズランキングでは37号車の伊藤/カルダレッリが2位、6号車の大嶋/国本が3位をキープしている。

 GT300クラスでは、6番手グリッドを獲得したプリウス31号車が、フォーメーションラップのスタート時にシフトトラブルに見舞われ発進が出来ず、最後尾へと後退してレースを開始。前半新田が少しずつ順位を上げ、18位まで順位を上げたところで嵯峨へとドライバー交代しコースに戻ったが、再度シフトのトラブルが発生し、レースを終えることとなった。

KeePer TOM'S RC F 37号車 ドライバー 伊藤大輔:
 (ウェイトハンデによる燃料流量制限など)ハンデがあったにもかかわらず、予選・決勝と良いクルマに仕上げてくれたおかげで、良いレースを戦えた。とはいえ、ライバルをパスする為に、細かなところをもっと詰めていく必要性は感じた。結果的には残念な部分もあるが、こういう厳しい展開の中で、きっちり上位でポイントを獲得していくことが大事だと思う。ライバルが、3戦連続表彰台という結果を残しているので、自分たちも安定した力を発揮して戦っていきたい。
KeePer TOM'S RC F 37号車 ドライバー アンドレア・カルダレッリ:
 決勝レースは、まず自分たちの前にいた12号車をターゲットにした。12号車をオーバーテイクした後は1号車とのバトルになったが、向こうはタイヤにダメージを負っていたようだ。彼らとのバトルが長引いたこと、またGT300クラスの処理などもあり、かなりタイムをロスしてしまった。シーズンはまだ3戦を終えたばかりだ。戦い方もクルマも、チームと共に更に詰めていき、タイトルを狙いたい。
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