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SGT:第6戦富士決勝 SC導入の波乱を乗り越え、#38ZENT SCが今季初勝利!GT300も#4初音ミクBMWが前戦失格の雪辱を果たす

オートバックス スーパーGT第6戦「富士GT300kmレース」の決勝が9月8日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、ポールポジションからスタートした#38ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平組)がSC導入の混乱で一時順位を落としながらも見事に挽回して待望の今季初優勝を達成した。
GT300クラスは#4GSR初音ミクBMW(谷口信輝/片岡龍也組)が今季初優勝。SC導入に対応したピット戦略が見事に決まっての独走優勝だった。
(天候:小雨のち曇り コース:セミウェット&ドライ 観客動員数:予選/19,500人、決勝/32,800人、大会総入場者数/52,300人)

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朝のフリー走行は小雨の降る中で行われたが、その後雨は一旦やみ、時折強い日差しが降り注ぐ状況に。
これによりスタート前の気温は20℃、路面温度は35℃まで上昇したが、ウォームアップ走行が終わり、スタート進行が始まるや、再び上空を雲が覆い尽くし始めた。
そうした中、決勝レースは午後2時にフォーメーション開始、66周の戦いがスタートした。

ホールショットを奪ったのはポールポジションの#38ZENT SC。スタートを担当した平手はそのままトップで快調に周回を重ねていく。
予選2位の#37KeePer SCのアンドレア・カルダレッリが2番手。3番手には8周目の1コーナーで#18ウイダーHSVの山本尚貴のインをついて#100レイブリックHSVが上がってきた。ドライバーは伊沢拓也だ。

しかし19周目に入ったところでクラス最後尾を走っていた#32エプソンHSVの左リヤタイヤがホームストレート上で突如バースト。これによりスピン状態に陥った32号車はイン側のガードレールに激突してコース上にストップした。
幸いドライバーの道上龍は無事だったものの、この車輛と飛散したパーツを改修するため、20周目からセーフティーカーが導入されることになった。
これを受けてGT500クラスは#24D'Station GT-Rを除く13台がピットオープンとなった23周目に一斉にピットに飛び込み、ドライバー交替を行った。
この混乱の最中、続々とピットレーンを通過する後続車のためにピットアウトのタイミングを逸した38号車は#1REITO MOLA GT-Rの先行を許し、3番手に後退してしまう。

SCは24周終わりでピットへ。
この時点の順位は#24、#1、#38、#17、#37。
後半を担当した#38立川は26周目の最終コーナー手前で#17塚越広大にもパスされて4位、続く27周目には#37伊藤大輔にもパスされて5位に落ちてしまった。

これによりピットストップを済ませていない24号車を除けば実質トップに立ったかに見えた1号車だったが、SC明けのリスタート時の関口雄飛のドライビングが反則スタートと判定され、ドライビングスルーペナルティを受けてしまった。
これにより1号車は36周目にピットに向かい、大きく順位を落とすことになった。

一方、#38立川は34周目に#37伊藤を抜き返して4位に再浮上すると、#1関口のペナルティで37周目に3位、#24安田裕信がピットへ向かった42周目のホームストレートで#17塚越を捉えて再びトップに躍り出た。
その後も立川の背後に付けて走行していた塚越だったが、50周を過ぎた辺りからその差は一進一退を繰り返しつつも徐々に開き始めた。
結局#38ZENT SCは#17ケーヒンHSVに2.862秒の差をつけて66周のレースを走り切り、待ちに待った今季初勝利をレクサスのホームコースで手にした。

また、ポイントランキングは5位でフィニッシュした#18山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ組と、6位でフィニッシュした#12松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組が同じ46ポイントで並び、上位入賞回数の差で山本/マコヴィッキィ組がトップとなった。
優勝した#38立川/平手組もトップから3ポイント差の4位となり、タイトル獲得の望みを繋いだ格好だ。

一方、GT300クラスは予選2番手からスタートした#3S Road NDDP GT-Rがホールショットを決め、佐々木大樹がトップを快走していたが、SC導入にコース上に留まることを決めたため、SCラン中にドライバー交替を行った#4初音ミクBMWにトップの座を奪われてしまった。

また、このクラスでは上位陣の多くが3号車と同様の作戦を採ったため、結果的に4号車は大量のリードを得ることになり、今季初勝利を獲得、車輛規定違反で2位入賞を取り消された前戦の雪辱を果たした。
2位には#31パナソニックaprプリウスGT、3位には#86クリスタルクロコランボルギーニが入った。

一方、ポールポジションからスタートした#55ARTA CR-Zはレース序盤にじりじりと順位を落とした挙げ句、他車との接触からリヤディフューザーを破損、これが左リヤタイヤに干渉して予定外のピット作業を強いられることになり、結局16位でレースを終えることになった。

次戦は九州のオートポリス。
10月6日決勝だが、9月22日に富士スピードウェイで開催されるアジアンルマン第2戦もGT300クラスのシリーズポイント対象となっているため11台がエントリーしている。GT300のシリーズタイトルを占う上ではこの国際イベントにも要注目だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA


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