見事今季4勝目をあげたインギングのR.クインタレッリ(C)Toyota
全日本F3選手権 第9/10戦 鈴鹿 全日本F3第10戦でR.クインタレッリが今季4勝目! トムス勢は、不運の後退。 R.クインタレッリがポイントランキング首位を堅守 全日本F3選手権の第5大会(第9戦、第10戦)が7月3日(土)、4日(日) の両日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。同大会にはシリーズ参戦中の14台が 参加。このうちトムス・トヨタ3S‐GE型エンジン搭載車は10台を占めた。 2日(金)に行われた公式練習では、ここまで3勝を挙げてランキングトップの R.クインタレッリ(インギング/トヨタ・トムス3S-GE)がトップタイムを マーク。開幕戦の鈴鹿で連続ポール・トゥ・ウィンを飾った中嶋一貴(トムス/ト ヨタ・トムス3S-GE)が4番手タイムを記録するなどトヨタ勢は好調を維持し て今季2度目となる鈴鹿戦に臨んだ。 ◆予選◆ 3日(土)早朝には、一瞬雨がぱらついたが路面は終日ドライ。鈴鹿の夏らしい 蒸し暑い一日となった。午前10時45分から15分間づつ行われた公式予選で、 まず第9戦セッションの序盤からR.クインタレッリが積極的にアタックし、5周 目には、2番手に0.187秒差をつけて今季2度目のポールポジションを獲得。 チームメイトの横溝直輝(インギング/トヨタ・トムス3S-GE)も好調ぶりを 見せ、終盤逆転されたものの、僅差で3番手グリッドを得た。 続く第10戦のセッションでは更にタイムアップが進む中、J.P.デ・オリベイ ラ(M-TEC MF204C)とトップタイムを争うR.クインタレッリは、一旦ペース ダウンをして最終ラップでアタックする作戦に出たが、イエローフラッグの追い越 し規制に阻まれ、惜しくもタイム更新はならず、ポールポジションのJ.P.デ ・オリベイラから僅か0.038秒差で2番手。また、横溝直輝は再び3番手、R. アンティヌッチ(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)は5番手から決勝へ臨むこ とになった。 ◆第9戦決勝◆ 3日(土)午後3時30分に第9戦の決勝がスタートする頃には気温は30度を記 録。路面温度も50度近くまで上がり、猛暑の中でのレースとなった。 注目のスタートでは、ポールポジションからR.クインタレッリがレースをリー ド。オープニングラップで早くも後続を引き離しにかかるが、3周目に、デグナー カーブでコースアウト車がコースに出した砂に乗って姿勢を乱し、痛恨のポジショ ンダウン。これで2位に上がった横溝直輝が果敢にトップのJ.P.デ・オリベイ ラを追う展開となった。 しかし、首位奪還までには至らず、横溝直輝は2戦連続となる2位表彰台を獲得 した。一方、R.クインタレッリは4位から再び猛烈な追い上げを見せるが、抜き どころの少ない鈴鹿で逆転は果たせず4位でチェッカーフラッグ。トムス勢ではR. アンティヌッチが5位、中嶋一貴は6位に入り、貴重なポイントを獲得した。 ◆第10戦決勝◆ 4日(日)は朝から曇天。気温は28度と低めだが、湿度が80%以上と依然蒸 し暑く、一時降雨の予報もあったが、午後1時35分スタートの第10戦はドライ コンディションで行われた。 2番手グリッドのR.クインタレッリは絶妙なスタートを決めてトップで第1コー ナーへ。これに4番手スタートの武藤英紀(M-TEC MF204C)、5番手のR.ア ンティヌッチが続いて周回を開始した。3番手グリッドの横溝直輝はクラッチトラ ブルで無念のストップ。ポールスタートのJ.P.デ・オリベイラは反則スタート によるドライブスルーペナルティを受けて後退。 その後もR.クインタレッリはミスを犯さず安定したペースで逃げ切り、首位を 守ってチェッカーフラッグ。今季4勝目を挙げてポイントランキング首位のリード を拡大することとなった。 一方、3位争いを繰り広げていたR.アンティヌッチと中嶋一貴は12周目のシケ インで接触して共に戦列を去り、代わって山本左近(トムス)が3位を狙って猛ア タックを見せたが、逆転は果たせず、4位でゴールした。 -------------------------------------------------------------------------- インギング R.クインタレッリのコメント: 第9戦は残念な結果に終わってしまったが、第10戦で今季4勝目を挙げること が出来、非常に嬉しい。シャシーやエンジンは開幕戦の頃に比べて大きく進歩して おり、ハードワークでここまで仕上げてくれたチームに感謝すると共に、次戦SUGO でもライバルに負けないよう、テストから全力で連勝へと挑む。 インギング 横溝直輝のコメント: 予選から第9戦決勝にかけてはマシンのバランスも良く、手応えがあったのにJ. P.デ・オリベイラに離されてしまった。2位で表彰台に上がることは出来たが悔 しい結果だ。また、第10戦ではフォーメーションラップからクラッチに違和感が あり、残念な結果に終わってしまった。今週の悔しさを糧に今後もベストを尽くす。 トヨタ・チーム・トムス監督 関谷正徳のコメント: 中嶋一貴は第10戦などで、トップグループに遜色ない走りを見せてくれたが、チー ムメイト同士の接触は残念。監督としてR.アンティヌッチ共に指導を徹底したい。 横溝直輝は順調にトップ争いに加わるレベルに成長してきたが、まだミスを犯す場 面も見受けられる。今大会は、他にも悔しい結果に終わったドライバーが目立った。 しかし、こうした経験をきちんと活かし、彼らが成長するきっかけになればと思う。 ----------------------------------------------------------------------------- 第9戦 リザルト 順位 No. ドライバー エンジン チーム タイム/差 周回 予選 1 10 J.P.デ・オリベイラ(ブラジル) ホンダ(M-TEC MF204C) M-TEC 23'57.403 12 2 2 3 横溝直輝 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 8.336 12 3 3 2 武藤英紀 ホンダ(M-TEC MF204C) TODA RACING 9.436 12 4 4 4 R.クインタレッリ(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 10.150 12 1 5 1 R.アンティヌッチ(アメリカ) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 10.599 12 8 6 8 中嶋一貴 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 11.340 12 6 7 12 F.カルボーン(ブラジル) ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond Racing 18.472 12 9 8 32 小早川済瑠 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) Now Motorsports 35.697 12 13 9 14 柳田真孝 ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond Racing 37.566 12 10 10 33 池田大祐 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) Now Motorsports 38.532 12 11 第10戦 リザルト 順位 No. ドライバー エンジン チーム タイム/差 周回 予選 1 4 R.クインタレッリ(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 34'15.049 17 2 2 2 武藤英紀 ホンダ(M-TEC MF204C) TODA RACING 1.299 17 4 3 14 柳田真孝 ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond Racing 12.815 17 11 4 7 山本左近 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 13.622 17 6 5 10 J.P.デ・オリベイラ(ブラジル) ホンダ(M-TEC MF204C) M-TEC 15.266 17 1 6 36 番場 琢 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 22.940 17 7 7 19 柴田裕吉 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) DTM 51.398 17 14 ドライバーズポイント (第10戦終了時での有効得点:暫定) 順位 ドライバー名 エンジン ポイント 1 R.クインタレッリ トヨタ・トムス 128 2 R.アンティヌッチ トヨタ・トムス 102 3 J.P.デ・オリベイラ M-TEC 92 4 中嶋一貴 トヨタ・トムス 76 4 横溝直輝 トヨタ・トムス 76 6 番場 琢 トヨタ・トムス 74 7 山本左近 トヨタ・トムス 56 10 池田大祐 トヨタ・トムス 33 ※ポイントはシリーズ全戦の80%が有効 ◆トヨタのモータースポーツ情報はTOYOTA Motorsportsをご覧下さい。