全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.6/2

ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
'95全日本GT選手権                                   Rd.6 MINE CIRCUIT
GTインサイド・レポート            No.  2        1995/ 9/29 FMOTOR4版
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.'95GTC最終戦MINEにはスーパースターが総出演
 ラップタイム上でも僅か1秒の間に10数台がひしめく激しい闘いを毎レースで展
開しているほど、今年のGTCは異常な加熱ぶりを見せている。70kgm以上という大
トルクを誇るR33“スーパーGTR”がコーナーの立ち上がりで先行しても、直線
に入ると圧倒的なストレートスピードを誇るポルシェ993GT2が追い上げ、“究
極のFR”と言われるほど優れたトータルバランスを持つスープラGTはあらゆる
局面でタイムアップをしてくる。それぞれ違ったキャラクターを持ったスーパー
スター達の戦闘力が、“巧妙にバランスが取れた状態”にあるのが現在のGTCで
ある。
 今年の最終戦となるMINEにも、これらのスーパースターが総出演する。GT
1クラスのドライバーズポイントの上位を独占しているR33“スーパーGTR”。
GTCのペースメーカーを務めているスープラGT。今年唯一2勝しているポル
シェ993GT2。昨年のMINEを制覇したフェラーリF40。密かに優勝を狙って
いるランボルギーニ ディアブロ。JUNチューンのエンジンを搭載してトップグ
ループ入りを果たした300ZX。ドイツのDTMからコンバートしたBMW M3。
そのM3とマッチレースを繰り広げているRE雨宮 RX7。SUGOで参戦2
レース目でGT2制覇を成し遂げたポルシェ993RS。雨なら無敵という唯一の4
WDマシンであるZEXELスカイライン。これらのスーパースターのすべてが
MINEに出演する。
2.GT1ドライバーズポイントはスカイライン勢が上位独占!
 第5戦SUGOを終了した時点でGT1クラスのドライバーズポイントは、3年
連続チャンピオンを狙う影山正彦とレース巧者の長谷見昌弘が55ポイントでトップ
に並び、僅か1ポイント差でテクニシャンの鈴木利男が付けるというスカイライン
同士のし烈な争いとなっている。チームポイントでは、SUGOでA.リードの#35
タイサン スターカードGT2が優勝したことによって、チームタイサンがトップ
に立ち、それをホシノ・レーシング、ハセミ・モータースポーツ、NISMOのス
カイラインの3チームが追っている。チームタイサンはGT1クラスに3台を送り
込んで、MINEでは必勝体制で闘うため、“スーパーGTR”の強者達との間で
激戦は免れないだろう。
3.GT2戦国時代はさらに過激に!
 GT2クラスは、第5戦SUGOで外国屋スカイラインの石橋義三/星野薫組
が早々とドライバーズタイトルを決定してしまったが、相変わらずし烈な争いが行
われることは間違いない。外国屋スカイラインはMINEでGTC史上初めてリ
ミットの“100kg”のウエイトハンドを搭載するため、苦戦は免れないだろうが、
牧口エンジニアリングのDTM仕様BMW M3、チューニング業界でスーパー
スターの名を轟かせるRE雨宮のRX7、デビュー2戦目には早くも優勝を成し遂
げてしまったコブラレーシングのポルシェ993RS、彼らの繰り広げるトップ争い
も凄さましいものがある。SUGOでは、牧口M3とRE雨宮 RX7が毎ラップ
順位を入れ換える激しいトップ争いを披露し、この2台の後ろにピッタリと付けて
いたコブラポルシェが、M3とRX7が自滅した後、追撃してきた外国屋スカイラ
インと牧口エンジニアリングのもう1台のM3に競り勝つことでやっと優勝してい
るほど。2台を投入する牧口エンジニアリングには外国屋スカイラインを逆転して
チームタイトル獲得の可能性もあり、最後まで目が離せない激しいレース展開とな
ることだろう。
4.ポルシェ993GT2を駆る 松田秀士が逆転チャンピオンを獲得か!?
 18ポイント差でドライバーズポイントの4位につけている松田秀士は、今日のテ
スト走行で(昨年のポールポジションに相当する)1分29秒台でコンスタントに走
行し、ライバル達を圧倒してしまった。ドライバーズポイントの上位を独占して
MINEに乗り込んで来たスカイライン勢も、テクニシャンの鈴木利男が1分29秒
台を記録しているが、コンスタントにタイムを維持することは出来なかった。松田
秀士は「SUGOの予選でマシンが燃えた時は目の前が真っ暗になりましたよ。ポ
ルシェはトラクションがあるので、MINEに多いタイトコーナーから立ち上がる
時に有利なんです。長いホームストレートでもきちんと6速まで使えるようにセッ
ティング出来ていますからタイムも安定しているんです。僕がチャンピオンになる
には優勝が絶対条件ですから。ポルシェで辛いとこ? コーナーの進入でアンダー
が出ることくらいです」と自信を覗かせている。
5.好調な滑り出しのSARD! MINE仕様スープラを造ったトムス
“究極のFR”とさえ言われるスープラGT勢は、SARDがブレーキとサスペ
ンションのチェックのために走ったのみであったが、わずか10分間の走行であった
にもかかわらず1分31秒をコンスタントに記録して高性能ぶりをアピールしてい
る。今日は富士スピードウェイでもスーパーツーリングカーのテストがあったた
め、ドライバーが来られず他のスープラ勢は走行することはなかったが、M.クル
ムに逆転でドライバーズチャンピオンの可能性を残しているトムスは、実用段階に
達したミスファイアリングシステムを効果的に使って、レスポンスが良いマシンに
MINEバージョン スープラを仕上げたようだ。「MINEはストップ&ゴーが
きちんと出来るマシンでなければ勝つことは出来ません。サスペンションもジオメ
トリーまで設計し直して、完全にMINEバージョンを造り上げました」と伊藤
チーフエンジニアは語っている。
8.'95GTCタイトルの完全制覇を狙うスカイライン勢
 GT1クラス ドライバーズポイントの上位を独占しているR33スカイライン勢
は、今日のテストで、鈴木利男が昨年のポールポジションタイムに匹敵する1分29
秒台を記録して、チャンピオン獲得への執念を見せた。「秋になって運が逃げてし
まった感じなんだけど、ここで勝ってGTチャンピオンを取って、その後のF3000
にもつなげたい」と鈴木利男も気合い十分である。影山正彦と同ポイントでタイト
ル争いのトップに立っている長谷見昌弘は、1分30秒台をコンスタントに記録して
レースコンディションでの安定ぶりを示している。
 スカイライン勢では、唯一の4輪駆動であるZEXELワイズ スカイラインに
乗る都平健二が、4WDとは思えないアグレッシブな走りを披露して1分30秒台を
コンスタントに記録している。今年のGTCのダークホースであるJUNスカイラ
インも、“バージョン7”エンジンを搭載して1分30秒台を記録している。
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GTインサイド・レポート            No. 3         1995/ 9/29 FMOTOR4版
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9.GTC第6戦フリープラクティスレポート
 いよいよ'95GTC最終戦MINEのレースウイークエンドに突入した。今日はフ
リープラクティスが3回にわたって行われた。午前中に行われた1回目のセッショ
ンでいきなり#30 綜合警備PORSCHEの田嶋栄一が1分28秒916を出し、去年
のポールポジションのタイムを0,7秒も短縮。大幅なタイムアップが予想された。
しかし、その#30 綜合警備PORSCHEは、ドライバーを山田洋二に交代して
走行中に、#41 京都近鉄 ARPシルビアのスピンに巻き込まれるというアクシデ
ントにみまわれてしまった。彼らのポルシェは右ドアからリアにかけて破損してお
り、メカニック達は徹夜でリビルト作業に入っている。その後のセッションでも田
嶋栄一のタイムを短縮するチームは現れなかったため、マシンが破損してしまった
とはいっても#30 綜合警備PORSCHEの速さを印象つける結果となった。午
後のセッションではスカイライン勢とスープラ勢がタイムを上げてきたが、(昨日
のテストでコンスタントに好タイムを記録した)#34 STPタイサン GT2が予
想通り上位に進出してきた。注目されるのは、和田孝夫の#88レインXタムラ ディ
アブロが1分29秒台をマークしてまたしてもトップクラスの速さを見せつけたこと
である。
 GT2クラスは、*7 RE雨宮SuperG RX7と*72 WAKO'S M3
がし烈な闘いを繰り広げていたが、RE雨宮RX7がミッショントラブルでつまず
いた隙に、牧口M3が(去年のGT2ポールタイムを3秒短縮する)1分34秒台を
たたき出してタイム争いに決着をつけた。
10.#30田嶋栄一
「タイヤも中古(15ラップくらい)で、弱アンダーが出ていて、それほどすごくい
いってわけでもなかった。10ラップくらいしかしていなくて、はじめの5ラップは
ブレーキの慣らしをしていたし。西仙台のときもそうだったけど、調子のいいとき
はそんなものかもしれない。27秒台前半はいくと思っていた。今は、クルマが車検
に間に合って予選を走れるようになることを願っているだけです」
11.フリープラクティス総合タイム(非公式)
  ドライバー              マシン                           タイム(セッション)
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1 山田洋二/田嶋栄一   #30 綜合警備PORSCHE         1'28.916(1)
2 鈴木利男         #55 JOMO R33          1'29.096(2)
3 松田秀士/鈴木恵一     #34 STPタイサンポルシェGT-2     1'29.185(3)
4 J.クロスノフ     #39 サードスープラGT             1'29.229(3)
5 都平健二/河合博之   #2 ZEXELワイズスカイライン   1'29.245(2)
6 E.コマス              #38 トヨタスープラ            1'29.281(3)
GT2クラス
1 牧口規雄/木下隆之     *72 WAKO'S BMW M3        1'34.805(3)
2 竹内浩典/松本晴彦   *7 RE雨宮 SuperG RX7   1'35.455(1)
3 池谷勝則/袖山誠一     *31 ナインテンゲータレードポルシェ 1'36.248(3)
GTアソシエイション事務局
                       インサイドレポート担当
                       古屋 知幸 = MGG01235=


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