全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.5/5

ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
'95全日本GT選手権                                   Rd.5 SPORTSLAND SUGO
GTインサイド・レポート            No.  9        1995/ 9/ 10 FMOTOR4版
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36.#39 栗谷チーフエンジニア
「テストで良かったから、本当はもっといけると思っていたんです。結局このコー
スは最終コーナーで速いことがタイムに正直に結びつくんです。午前中の予選が短
くなったので、ガソリン満タンで決勝レースを想定したテストを行っているんで
す。ですから決勝でも1分26秒台で行くことは問題ありません。1ー2コーナーも
速いし、やっと勝てる状態になりました。今年は何度も悔しい思いをしましたか
ら。雨のレースとなったらダメです。まったくテストをしていませんから、雨以外
だったら行けるでしょう」
37.#88レインXタムラ ディアブロ
「パワステは信頼性の不安があるので今回は使うのをやめました。パーツも全部到
着したんですけど、ドライバーが頑張ってくれているので良いタイムが出ていま
す。低いギアを組んでみたら思った以上にパワーが活かせるので、最終コーナーが
遅くてもタイムを稼ぐことが出来たんです。さっきスープラを抜いて戻ってきた時
はビックリしたけど、ブレーキがもう少しよければ大部楽になりますね」と今西
チーフエンジニア。「なんだ1/1000秒しか速くなってないんだ。30㎝くらいは前
にいったかな。さっきニュータイヤに交換して出て行った時は、アタックラップに
入って1ー2コーナーがこんなにうまく抜けられて、3コーナーに進入してアクセ
ルを戻したら回っちゃったんだ。速くなったんで調子に乗り過ぎたんです。最終
コーナーは相変わらず踏めないのと細かいところで負けてるんです。ステアリング
がレースステアリングじゃないから、昔の中心付近が軽くて切って行くととんでも
なく重くなるタイプなので、繊細なコントロールが出来ないんです。それでパワス
テを開発しているんです」とはりきった和田孝夫。「ロードカーのディアブロは世
界中で最もハンドルが重いクルマなんです。4WDバージョンのVTやSEはパワ
ステとなってタバコを買いにいってもいいレベルになっていますが、レース用では
ありません。来年はいろんなクルマが出てくるってみんな言ってるよ。8~10台は
増えるんじゃないの。そうしたら午前中にGT2、午後にはGT1のレースをや
るってのは面白いんじゃない。GT2も楽しそうだからね」と池沢さとし。
38.#19 JUNスカイライン
 チームルマンにエンジンを供給することになったJUNでは、自慢のスカイライ
ンにそのチームルマンのリアサスペンションを組み込んでSUGOにやってきた。
「やっと自然な動きをするようになりました。我々はSUGOがまったく初めてな
ので、ルマンの人達にいろいろ教えてもらっています。昨日エンジンが壊れたので
積み替えましたが、まったくデータが無いエンジンですから、次のMINEでは、
チームルマンのZにもストロークを延ばした新しいエンジンを供給します」と“職
人”と呼ばれる小山進。
39.#25  FEDEX 300ZXーLM
「午前中に水温が上がったので、JUNさんにいろいろ見てもらいましたが、オー
バーヒートというような状態ではありません。まだこの状態になって3日なんで
す。開発の初めにはパイプの取り回しなんかでよくあることです。やっと回りと同
じ土俵で走れるんですから、あと1秒詰めるのは難しくないはずです」
ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
'95全日本GT選手権                                   Rd.5 SPORTSLAND SUGO
GTインサイド・レポート            No.  10        1995/ 9/ 10 FMOTOR4版
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40.#36 トヨタ カストロール スープラ
 大胆な新ノーズが認められなかったトムスでは「レギュレーションでは明確にさ
れていないんです。我々が行ったことで、何を行ってよくて何が悪いのか明確な
ボーダーラインがこの部分は出来たはずです。貴重な判例となったはずです。ノー
マルのノーズとすることで、どのようになるかは何とも言えません」と伊藤チーフ
エンジニアは車検終了後に語った。
41.*18 ATM-BM・ERC・RX7
 このところ、マイナートラブルで優勝どころか入賞も逃している*18だが、昨年
のSUGOのクラス優勝チームだ。しかし、このレースウィークも相次ぐトラブル
に見舞われている。金曜日の練習走行でも1回目にドライブシャフトのジョイント
を破損。この予選の2回目でもエンジンにトラブルが生じてしまった。「トラブル
じゃないよ。決勝に向けてエンジンを載せ換えているだけ。え、うん、本当は壊れ
ちゃったんだよ。僕が終わって川崎さんがアタックに入ろうとしたら、壊れちゃっ
たらしくて。話聞きたいの? 川崎さんは、バンに入っちゃって出てこないよ。
まあ、練習や予選で壊れる分にはいいよ。そう思って決勝に挑みますよ」と予選終
了後にドライバーの福嶌は語った。
42.*17 東京科学芸術専門学校RX7
 このチームの「東京科学芸術専門学校」は単なるスポンサーではなく、この学校
の自動車整備課程の学生11人がメカニックを務める学校ぐるみで参加しているチー
ムだ。「マシンのカウルやシャシーの製作・改造も学生たちがやっています。エン
ジンも内燃機関担当の先生と学生がチューニングしてるんです。だから勝ち負けと
言うより、いかにチャレンジするかが僕らのチームの意義なんです。時には無理を
承知で学生のアイディアを盛り込んだりもしてますよ。レース直前の2週間ぐらい
の学生たちは毎日夜中までかかって、クルマを製作してました」とはドライバーの
野上敏彦。実は彼も先生で、学校では教務部長の肩書きをもっているということだ。
43.#15プローバポルシェターボと
#34STPタイサンポルシェGT2の決勝グリッド
 #15プローバポルシェターボと#34STPタイサンポルシェGT2は、予選1回
目でエンジントラブルを起こし、第1ドライバーが乗れないまますべての予選を終
了してしまった。このままだと第1ドライバーの#15古谷直広、#34松田秀士は予
選落ちとなってしまう。そこで両チームでは全日本GT選手権統一規則に則り救済さ
れ、第1ドライバーも含め決勝への出走を許可してもらう代わりに、両チームのマ
シンを決勝グリッドの最後列から出走させることになった。
44.#39ジェフ・クロスノフ(スープラ 予選1位)のSUGO攻略法
「良いラップタイムを記録するには最終コーナーが重要だ。低速コーナーももちろ
ん重要だが、ラップタイムの面からはそれほど大事ではない。あとはレインボー
コーナー。ここはその後にストレートがあるから大切なコーナーだ」
45.#1影山正彦(R33スカイラインGTR 予選2位)のSUGO攻略法
「ドライでタイムを出すにはやはり最終コーナーが重要ですね。それともちろん
SPも良いタイムを記録するには大事なところです。ともかくひとつひとつのコー
ナーをミスなく行くこと。これが重要です」
46.#35 アンソニー・リード(ポルシェGT2 予選3位)のSUGO攻略法
「このサーキットで重要なのは最終コーナー。ストレートスピードを得るため、と
いうこともあるが、長時間スロースピードが続くからだ。それと第1コーナー、そ
の次のコーナー、そしてハイポイント、レインボー、ふたつのSPという中速の6
つのコーナーも大事だね。スローコーナーは良いタイムを記録するためにはそれほ
ど重要ではない」
GTアソシエイション事務局
                       インサイドレポート担当
                       古屋 知幸 = MGG01235=


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