全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.1/1

ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
'95全日本GT選手権                                    Rd.1 SUZUKA GT 300
GTインサイド・レポート            No.  6        1995/ 4/ 1  FMOTOR4版
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15.スーパーカー・デモ走行
 昨年好評だったアトラクション、スーパーカー・デモ走行がここ鈴鹿でも開催さ
れることになった。参加台数は総勢70台の予定。今回特に力が入っているのは、ラ
ンボルギーニのオーナーたちだ。GTに参加する#88ディアブロの応援団として、
ランボルギーニ・オーナース・クラブが音頭を取って
40台が集結。その先頭を切って走るのが、ディアブロVTでドライバーはランボ・
ワークスのテストドライバーであるバレンティーノ・バルボーニ。これに続いてウ
ラッコ、ミウラ、ジャルパも走る。ポルシェでは、ルーフ、74年型カレラ、フェラー
リはF40、テスタロッサが参加する予定だ。
走行スケジュールは、4月1日(土)が午後4時20分から5時まで。4月2日
(日)はGT決勝直前の午前11時35分から午後12時15分まで。
16.決勝タイヤ抽選会
 GT選手権では、タイヤコンディションの公平化と経費節減のため、タイヤの使
用本数を3本に制限し、決勝レースは使用タイヤを指定される。この決勝で使用す
るタイヤを決定するクジ引きが1日9時から2番ピット前で行われた。タイヤの指
定ナンバーを書いた棒を事務局長の中野さんが引くと、回りに集まったチーム・マ
ネージャーから安堵や苦笑の声がもれた。このクジ引きで決勝使用タイヤは、3セッ
ト使用車がフロント右が3番、左が1番、リアは左右とも3番、2セット使用車が
フロント右が1番、左が2番、リアは左右とも2番と決定した。指定されたタイヤ
は、2番ピットに2日のフリー走行まで厳重に保管される。
17.#36カストロールスープラ
 31日午後のフリー走行で、M.クルムは車を降りるなり「オーバーステアだよ!」
と叫んだ。ところが、パートナーの関谷正徳に言わせると、それはちょっと違うよ
うだ。「アクセルをガバッて開けるんではなくて、ジワッと開けるのがスポーツカー
の走り方なんだ。クルムはこれからそれを勉強しなきゃいけないね」とズバリ。
チームでは、関谷の好みのセッティングだとリアが硬すぎるため、妥協点を探すた
めに昨日の走行を費やした。ちなみに、#36も他のスープラ勢と同様に満タンで走
行していた。
18.#38エリック・コマス
31日のフリー走行では前回のテストタイムに遠く及ばなかったスープラ勢だが、
コマスによればこれは決勝を想定したテストを行っていたため。「13秒台というの
は100リッター入れて走ったタイム。タイヤも新しいのを使っていないしね」とのこ
とだ。事前に「スープラは速い」と聞かされていたためスカイラインがトップタイ
ムを出したことに驚いたようだが、予選ではまずまずいけるだろうと自信を抱いて
いる。ちなみに、最後に1コーナーでコースアウトする直前には最高速は驚異的な
260km/hオーバーをマークしていたらしい。そのコースアウトに話が及ぶとコマス
は「今までのテストでは、いつも満タンで走しってたんだ。この時に初めて少ない
燃料とニュータイヤで出た。そしたら、1コーナーで飛び出した。燃料が少ないと
リアが軽くなるんだよね」と苦笑い。
19.#30チーム・テイクワン
 新しい993GT2を導入したほとんどのチームは、パーツ不足に悩まされている。
昨日のフリー走行で993GT2勢のいずれも速い最高速を記録しているが、これは
ギアレシオが無いのでワイドなギアレシオのまま走っているため。テイクワンでは
サスペンションを煮詰めることに、今日の予選も費やさなければならない。世界的
にも993GT2はこのレースでやっと3レース目であるから、これからどんどん開
発が進み、パーツも豊富になり速くなっていくだろう。また、GT選手権では細い
12インチ幅のタイヤもこれから開発を行わなければならないため、次の富士がキー
ポイントとなるだろう。ルマンGT2レギュレーションでマシンを造っている993
GT2は、富士では圧倒的なストレートスピードをマークすることが予想され、一
躍上位に登場する可能性も十分ある。
20.#8FETスープラ
昨日のフリー走行でスープラ勢のトップタイムを出したFETスープラ。ドライ
バーの見崎の表情も明るい。「昨日は長坂くんが頑張ってくれたからいいタイムが
出せた。セッティングもほとんど決まっている。元々いじれる範囲が狭いからね。
今日は11秒台前半まではいきたい。スカイラインも速いし、そのくらいのタイムは
出さないと苦しいよ。ポールはひょっとすると10秒台後半までいくかもね。とにか
くウチは(スープラでは)初めてのレースで、レース距離のテストもしていないか
ら心配はある。去年もサードがデフトラブルで2戦落としているし、不安があると
すればそのあたりかな」
21.#1カルソニックスカイライン
昨日のフリー走行ではトップだったカルソニックスカイライン。金子監督も余裕
の表情を見せている。「スープラのコマスか、フェラーリのララウリあたりが一発
狙ってるんじゃない?  ウチは本番(のセッティング)は決まっているし、2列目
ぐらいにいられればいいよ。R32は今回が最後になるから、できれば有終の美を飾
りたい。表彰台はぜひ欲しいね」
ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
'95全日本GT選手権                                    Rd.1 SUZUKA GT 300
GTインサイド・レポート            No.  7        1995/ 4/ 1  FMOTOR4版
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22.#34アンソニー・リード
 #34のフェラーリF40は、このレースから18インチのタイヤが装着されている。
「コーナーはすっと頭が回ってくれて非常にいい感じだ。ただ、レギュレーション
が変わってエンジンがパワーダウンしてるからね。もう馬力が半分ぐらいになった
みたいな感じだよ。参っちゃうな」とリード。#40のO.ララウリも「こりゃ、GT
2に出た方がいいよ」とパワーダウンには不満の様子だった。
23.#34タイサン  スターカードF40
午前中の予選でリードが2分10秒637を出し、暫定ポールを獲得したタイサン ス
ターカードF40。ピットはさぞや沸いているだろうと思いきや、千葉監督は意外に
も「なんだよ、(あまり速いタイムは)出すなっていったのに・・・」と、大げさなア
クションで嘆いていた。「これじゃ富士でリストリクターがこれっくらいになっち
まうよ」と、指で小さな輪を作ってみせる。速過ぎて次戦のハンデが重くなること
を心配しているのだ。しかし走行終了後にすぐにピット前にクルマを並べて記念撮影
に応じるなど、嬉しくないわけではないようす。もう1台の#40も11秒台と好調で、
決勝には心中期するところがあるようだ。
24.#25FEDEX  300Z-X
午前の予選中、1コーナー手前でストップしてしまったFEDEX Z。どうやら
ミッショントラブルが原因のようだ。その前に出したタイムについては「マシンのポ
テンシャルからしてこんなもんでしょう。トップから6秒も離されているんだから満
足はできませんが、われわれとしては現状ではこれが精一杯のところです」と片桐
チームマネージャーは語っていた。
25.#5マツダコレクション出光ポルシェ
スペーサーをかましてリアウイングを一段高い位置にマウントして羽根幸浩は予
選アタックを開始したが、「高速コーナーは速くなってもストレートが伸びない、
ダウンフォースのバランスも崩れてフロントが浮き気味」と訴えた。チームはリア
ウイングを寝かせて柏原浩一にチェンジしてピットアウト。しかし、午前中の予選
は冒険をし過ぎたようだ。同じことを行っていたのではファクトリー勢に対抗出来
ないため、足回りのセッティングをストックからかなり変更してアタックしていた。
午後の予選では大幅にセッティングを変更する予定。
26.#100 BPポルシェ
 昨日のクラッシュでつまずいたチーム国光は、今日から土屋圭市がセッティング
を行っている。ややオーバーステアであるためフロントの車高を上げ、空力的には
リアのダウンフォースが弱いため午後はリアウイングを立てて走行することになる
だろう。昨日走行していないため、決勝レースに備えてECUのセッティングも午
後に行わなければならない。
27.#30綜合警備ポルシェ
 田嶋栄一のドライブで順調に予選を闘っているかに見えたチーム テイクワンは、
3~4ラップというタイヤの美味しいところを逃してしまい、見えていた2分10秒
台を失ってしまった。午後は決勝セッティングに徹して再度アタックは行わない予
定。


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