全日本GT選手権

GT選手権Rd.3 GTインサイドレポート5

'94全日本GT選手権
Rd.3 富士スピードウェイ                                   Date  8/14
8月13~14日
GT インサイド・レポート             No.  8
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19.#27 古谷直広
ロッソ・ランチアは2回目の予選の直前にやっと準備がととのい、古谷直広はまだ
濡れているコースにスリックのままで飛び出していった。まったく初めての仕様の
エンジンはミクスチャーが濃過ぎ、セッティングを行っていないサスペンションは
ストレートでの安定性にも欠けていたため常にアクセルをもどしながらの走行となっ
てしまった。しかし、濡れている路面で2分を切れたことにチームは十分に満足し
ているようだ。なぜなら、以前のテストから考えると、ドライでは現在のままでも
10秒は短縮出来ることが確実であるからである。
20.#100 ADVAN PORSCHE
 チームクニミツの911ターボは、ポルシェのエンジニアにとっても重要な勉強の
対象となっているようである。44mmのリストリクターを取り付けた時のトルク特性
に合わせたギア比の設定も1から捜しているらしい。そのため、昨夜だけでなく今日
は2度もギアレシオのセッティングが変更されている。
 ちなみにレーシングカーであっても、ポルシェのGTカーにはABSが取り付けら
れており、富士スピードウェイでは1コーナー等で大きな威力を発揮するという。
21.ポルシェは'95年には全日本GT選手権専用マシンをデリバリー
 ポルシェは、来年の参加を目標に全日本GT選手権のためのスペシャルマシンを準
備しているらしい。ただし、ドイツのファクトリーチームが直接参戦するというわけ
ではなく、あくまでもカスタマーに対してオファーを行い、供給するということであ
るらしい。
 ポルシェのカスタマー・サービスを率いる“ユルゲン・バース”は、この日本専用
マシンの準備について明言しており、詳しくは彼が来週日本にやってくる予定である
ため、来日中にこのスペシャル・ウエポンについての相談を受け付けるとのことであ
る。
22.WESTコルベット
 コルベットZR-1での参加を計画しているWESTは、マシンが間に合わないた
め、IMSAマシンでの特別参加も検討していたが、元々IMSA仕様はスズカ10
00キロ用に製作されていたマシンであり、こちらも準備不足であるため、今週になっ
て参戦を断念することとなった。
23.ミツビシGTOは第4戦のSUGOから参戦
 テスト&サービスでは、9月に行われる第4戦のSUGOからミツビシGTOでの
参戦を計画している。マシンはN1仕様をベースとして、NI仕様のエンジンを新開
発のボデイと組み合わせる予定でいる。SUGOでは実験的な仕様での参戦となるよ
うで、タイヤ幅が拡大される他はシャシーは基本的にN1仕様と変わらない。N1仕
様で1460kgもある車重はアルミ製のボンネットやドアとすることで約100kg軽
量化されるようである。
'94全日本GT選手権
Rd.3 富士スピードウェイ                                   Date  8/14
8月13~14日
GT インサイド・レポート             No.  9
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24.フリー走行
 1コーナー出口に#3スカイラインがストップしたため、9時11分に赤旗中断。
 左フロント・サスペンションのトラブル
 9時25分に再開、9時30分 #11プローバ・ポルシェがストップ
25.#10 飯田章
『まだ開発が始まったばかりのマシンだから、何もかもやることばかりあるんだ。昨
日の予選ではうまくいって1分36秒台が出せたけど、ストレートではやっぱり完全
なGT仕様のマシンにはついて行けないよ。少しアンダーが出るけどバランスはけっ
して悪くないね。決勝レースでは、1分39秒台で走れると思うけど、熱が苦しいか
らね』
26.#27 ロッソ ランチア037GT
 燃料のミクスチャーが濃すぎるため、せっかく開発したエンジンの本当に美味しい
上の回転を使えないでいる。インジェクターを1つ殺す等でセッテイング変更を行っ
ている。他のほとんどのマシンが熱に悩まされているのに対して、熱の問題はまった
くない。
27.#14 由良拓也
『昨日の朝に新調してきた6速ミッションを壊してしまったため、従来から使ってい
た5速ミッションに交換しなければならなかったのが残念だよね。2リットルの小さ
な、しかもシングルターボ・エンジンはトルクバンドが信じられないくらい狭いので、
クロスしているミッションが重要だからね。軽くなっても重りを積むことで重心も低
くなっていたわけだし、100kgのダイエットよりもギアの方が大切。昨日はスカイ
ラインに付いて行けるくらいだったから、270キロは出ていたと思うけれど、5速
ミッションでは加速を考えると260キロ以下になってしまうんだ。1分38秒が出
て、37秒、もしかしたら36秒台も見えてきたのに、悔しいよね』
28.#9 acomポルシェRSR
「マシンのバランスは昨日のセッテイングで良くなった。パーフェクトだよ。バラン
スは良いけどエンジンだよ、問題は! パワーがなさすぎる」ウォームアップ後のマ
ウロ・マルティニ談。
29.#35 A.レイド
 ウォームアップ走行直後のピットにて。
「(ヘルメットを脱ぎ、額の汗を拭いながら)昨日のオーバーステアが消えてマシン
のフィーリングはよくなった。バランスも昨日よりいいです」
30.#100 北米ポルシェ・エンジニア、アルビン・スプリンガー
「日本に来たのはアドバン・ポルシェのエンジンとマネージメントシステムについて
のアドバイスをすること、それと、このレースでのマシンの情報収集をするためです。
アメリカとこことでは燃料が違うのですが、エンジンについては今のところ全く問題
はありません。このエンジンは44mmのリストリクターで約450馬力出ています。アメ
リカ仕様は50mmのリストリクターで560馬力を発生します。スカイラインGTRはす
ごく良い車だと思いますけど、このポルシェもまだ到着したばかりで、セッティング
も十分できていません。本来の実力を発揮するのはまだまだこれからです。スカイラ
インGTRと競り合うレベルまではいけると思います」


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