'94全日本GT選手権 Rd.3 富士スピードウェイ Date 8/13 8月13~14日 GT インサイド・レポート No. 4 --------------------------------------------------------------------------- 4.#14 CCIあめんぼうシルビア レギュレーションの改訂により、最低重量が100kg軽くなったシルビア。早速、 ムーンクラフトではマシンの軽量化を行った。まずボンネットをカーボンで製作。あ わせて、ボンネット上のエンジンへの空気取り入れのスリットをメッシュタイプに変 更した。このほか、各所を軽量化してトータルで70kg軽くなった。昨日のテスト走 行では、目標タイムの1分38秒後半をクリア。由良監督はまずまずの成果だと語った。 5.#11プローバ ポルシェターボ エンジンに絶対的な自信をもってシリーズ参戦を決定したプローバは、昨日の走行 から燃料系のパーコレーションに悩まされて満足な走行を行うことが出来なかった。 燃料ポンプの容量と位置、さらにラインに問題があるため、燃圧が上がらないことか らくるトラブルであり、サーキットですぐに解決することは出来ないようだ。取り合 えずポンプをもう一つ追加して午後の予選を走る予定。 サスペンションにも堅さとストロークの問題があり、今回は間に合わせの対策は施 して走るしかない。第4戦SUGOまでには、燃料系を総交換する他、ショックをビ ルシュタインからコニに変更して万全を期して参加することになるだろう。 6.#24 コクピット 館林GTR レーシングチーム中春は、この第3戦を前にマシンをかなり改良してきた。ドライ バーの山路慎一は、「前回の富士ではドライバーが2人とも4WDは始めてだったか ら、セットアップもドタバタしたけれど、今回はもう大丈夫です。マシンは足回り、 エンジンともに手を入れたんです。前戦よりグッと良くなりました。F40には、ち ょっと届かないけど他のスカイライン勢には負けないように、上位入賞を目指します よ」と明るい笑顔で語った。 7.#25 R.ディーン 「1回目の予選でベストタイムを出した時はエンジンにミスファイアーが出ていたん だ。あれがなければ1分38秒台は行っていたと思う。エンジンのピックアップは良い し、加速も悪くないけどストレートではもう少しパワーが欲しいと感じるね。ウィン グはないけどスローコーナーの進入ではグリップが強すぎる程だよ。ただ、高速コー ナーではやはりウィングがあった方が良いと感じるけど」 8.#2 ZEXELスカイライン 昨日から300Rや最終コーナーといった高速コーナーでのオーバーステアに悩ま されている#2ZEXELは、セッテイングが進んだためトラクションを回復しつつ ある。最終コーナーでのトラクションが確保されなければ、1・6キロのストレート でスピードを乗せることが出来ないためタイムの伸び悩んでしまう。気温が安定して いるため、午後の予選ではバンパーに開けられたクーリングダクトの一部を塞いでド ラックを減らしてタイムアタックする予定。 '94全日本GT選手権 Rd.3 富士スピードウェイ Date 8/13 8月13~14日 GT インサイド・レポート No. 5 --------------------------------------------------------------------------- 9.#100ADVAN PORSCHE チームクニミツの911ターボは、僅か1週間前に日本に到着した。そのため、今 回が事実上のシェイクダウンであり、サスペンションは柔らか過ぎ、ギアも合わない。 昨夜に続いて今日もギアレシオ交換を急いで行うこととなった。 10.#10 Johnson SKYLINE 昨日がシェイクダウンであったにも関わらず、1回目の予選で6位に入る健闘を見 せた飯田章の駆るJohnson SKYLINE。エンジンはN1仕様、サスペンション はグループAのものを流用している。車重はまだ1260kgと軽量化の余地はあるが、ス チール製のドアやエキゾーストパイプの材質を変更することによってあと20~30kgは 軽くできるとのこと。タイヤハウスに沿って張り出したフェンダーはその他のGT- R勢とは違う形状だが「GTカーは他と違っていた方がおもしろいと思って」(吉田 清一チーム監督談)の選択。空力的にも問題はないという。 リストリクターの要求されないN1仕様エンジンであるため、予選でブースト圧を 上げた時の効果がそのまま現れることも速さの原因となっている。 11.キャラウェイ・コルベットがSUGO、MINEに参戦!! 今年のルマン24時間レースでGT2クラスのポールポジションを獲得し、今月末 のスズカ1000キロにもやってくる“キャラウェイ・スーパー・ナチュラル・コル ベット”チームが、'94全日本GT選手権の後半の2戦に参加することとなるかもし れない。 キャラウェイではスズカの後、11月の中国の“ツーハイ”のGTレースにも参加 する予定でいるが、その間に行われる全日本GT選手権の2レースへの参加を彼らは 希望している。 マシンは、ルマンを走ったオリジナル・ボディに6.2リットルV8を搭載したコ ルベットそのものであり、車重を除いては日本のNGTレギュレーションにほとんど 当てはまるマシンであるため、全日本GT選手権においてもその速さは変わらないこ とだろう。 ドライバーには、ルマンでポールタイムを記録した“ボリス・サイドIII世”と日本 でもおなじみの若手が予定されているようだ。 機材、ライセンス、資金等の問題があるため、日本のレーシングチームとのジョイ ントを彼らは望んでいるようだ。