《TOM'S:インターF3ニュース》 11月28日(日) 【第4回:インターF3レース】 天 候:曇り時々晴れ 路面:ドライ 観客数:41,300人 サーキット:富士スピードウェイ ************************************************************************ トム・クリステンセン、執念の優勝! ----------------- ☆ 1993年、世界のF3レースを締めくくる「第4回インターナショナルF3リー グ」が、木枯らしの吹く富士スピードウェイで開催された。 ・ 11月27日、午前10時40分より第2組目の予選開始。 この組でトム・クリステンセン、高木虎之介が出走。さすが「我こそは世界一」 を自認するドライバーたちが出場しているこのレース。 なんと1秒差の中に 11名のドライバーがひしめきあっている。 94年先行モデルのマシンに乗るクリステンセン。まだマシンの熟成が進まず、 1分29秒968 のタイムで苦しい予選を強いられた。13番手で予選を終えた。 その中にあって高木は、果敢な攻めを見せ、トップと 0.5秒差の1分29秒305 のタイムを出し、みごと予選7位で第1回目の予選を終える。 ・ 午後の予選は午後1時40分からスタート。 クリステンセンはマシンを熟成すべく、走行とピットインを繰り返しながら徐々 にタイムを伸ばし、残り時間にタイムアップとポジションアップが期待された矢 先、100R出口で痛恨のスピン。 マシンは2回転しながらタイヤバリヤにヒット。 モノコック、エンジンは無事なものの、足回り、カウル関係が壊れて第2回目の 予選を終了。1組目15番。 高木も午前中のタイムを上回ることができず、1組目総合11番で予選を終える。 ☆ 11月28日。 1組目のレースが荒れ、2回の赤旗で中断したために約1時間遅れて開始された 2組目の決勝。 予選で壊れたマシンをすべて修復してレースに臨んだクリステン セン、15番手からのスタートは決して楽なものではない。 グリーンランプが点灯し、各マシンが1コーナーに飛び込んでいく。 抜群のスタートを切ったクリステンセンは大きくポジションヲアップ。 高木も 良いスタートを切る。 クリステンセンは15周のレースで、なんと10人抜きを演じ、5位でゴール。 高木も5人をみごとパスし、6位でゴール。 ・ 1組目と2組目の上位12台ずつと、それぞれの組の予選タイムで、決勝進出者 以外の上位3台ずつが決勝に進出できるというトーナメント方式のこのレース。 1組目が2ヒートレースであったために、2組目がポールポジションを獲得、ポー ルシッターとなったのは、トヨタエンジンを搭載したビンチェンソ・ソスピリ( イタリア)、5列目にクリステンセン、その真後ろに高木。 ☆ 冬の陽が大きく傾いた15時15分。 けたたましいエクゾーストノートと共に20周の総合決勝がスタート。 クリステンセン、高木共に良いスタートで1コーナーを無事クリア。前のマシン の混乱に乗じ、徐々にポジションアップを図るクリステンセンと高木。 高木は、上位陣を積極的に攻めつつも、15周目にマシントラブルから無念のリ タイヤ。 3周目、クリステンセンは一気に2位にジャンプアップ。 昨年の覇者ロベルト・コルチャーゴと抜きつ抜かれつバトルを演じ、残り3周目 で再びトップに立つ。 序盤タイヤを温存したクリステンセンがみごとに、そしてドラマチックにチェッ カーフラッグを受けた。 レースを終えたクリステンセンは、チェッカーと同時に腕がもぎ取れんばかり に手を振って、その喜びを表現した。 ・ 予選でのクラッシュ、5列目からのスタート。 栄光を手にするまでの道のりは決して楽なものではなかった。 しかしクリステンセンはには燃えるレースへの執着心、ドイツと日本でF3チャン ピオンになったという意地があった。それが奇跡を呼び起こした。 このレースを見た多くの観客やテレビ視聴者の心に、名レースとしていつまで も残ることだろう。 「こんな素晴らしいレースは初めてだ。 そして最高の喜びを、徹夜でマシンを修復してくれたスタッフとともに分かちあ いたい。 みんなに心からありがとうを言わせてもらう。 そして私をこの1年応援していただいた方々にも心から言いたい。 アリガトウゴザイマシタ!!」 ※ リザルト類 省略 提供:(株)TOM'S T/C * FMOTOR4_SysOp 新倉芳夫 (SDI00686)-RIJ *