●ICL第3戦・鈴鹿1000kmレースにジャガーXJ220Cの参戦決定 7月6日、鈴鹿サーキットは、8月28、29日に開催される鈴鹿1000kmレース に、今年のルマン24時間レースでカテゴリー4(GTカー)クラス優勝を飾っ たTWRジャガーXJR220Cが2台参戦することを発表した。ドライバーもディ ビッド・ブラバムなどルマン24時間レースを走った選手が参加予定とのこと。 鈴鹿1000kmレースには、やはりルマン24時間レースを走ったロータス・エス プリ・スポーツが2台参戦することが決定しており、また、ルマン24時間レー スの予選で最速タイムをマークし、序盤レースをリードしたワークスのポルシ ェ・ターボS・LMの参戦も予定されている。 また、アメリカのIMSAからも以下の7台のマシンが参戦予定となってい る。3月に富士スピードウェイで開催された雨のIMSA-GTチャレンジで GTUクラスながら総合3位に入り、一躍注目を集めたビル・オーバーレンも 参戦予定。 ◆ルマン24時間レース参加チームからの鈴鹿1000kmエントリー決定マシン ■ジャガーXJ220C(ルマン・カテゴリーIV) 6年ぶりに市販車ベースのマシンがルマン24時間に復帰した今年、そのカテ ゴリーIVを制したのがTWRのジャガーXJ220Cだ。テストデーではワークス・ ポルシェに先を行かれたものの、予選の2日目には、これに匹敵するタイムを マーク。ポルシェがリタイアした後は、レースの展開をリードし、クラス優勝 を果たしている。 この時の優勝ドライバーと優勝マシンを含め、2台のジャガーXJ220C のエントリーが決定している。 ■ロータス・エスプリ・スポーツ(ルマン・カテゴリーIV) チェンバレン・エンジニアリングがルマンで走らせたGTカーが、このエス プリ。ベースとなるスポーツ300は、ロータス・エスプリX180レーサー をもとに、ボディをコンポジット(複合)素材にすることで軽量化を果たすな ど、各部に改良を施したハイパフォーマンス・ストリートマシン。素材からし て研ぎ澄まされたものだ。ルマンには、ドライバーとして寺田陽次朗選手も参 加していた。鈴鹿1000kmには、ジャガーと同じく2台のエントリーが決定して いる。 (エントリー予定マシン) ■ポルシェ・ターボS・LM(ルマン・カテゴリーIV) 今年のルマンにポルシェがワークス体制で持ち込んだマシン。予選初日でも カテゴリーIVの中で群を抜く速さを見せ、最速マシンとして注目を集めた。ド ライバーは名手ハンスーヨアヒム・シュトゥックを始めとして、バルター・ロ ール/ハーレィ・ヘイウッドという体制。決勝では圧倒的なスピードで序盤を リードしたものの、スロットルトラブルで後退。その後、追突によりリタイア してしまった。これによりクラス優勝をジャガーに明け渡さざるを得なかった が、この雪辱を、鈴鹿1000kmで果たすことができるか--注目のマシンである。 ◆IMSAからのエントリー予定マシン ■カニンガム・ニッサン300ZXターボ(IMSA-GTS) 昨年のIMSA-GTSチャンピオンマシン。2950cc・V6・DOHCター ボエンジンを搭載し、最高出力は700馬力。ドライバーはスティーブ・ミレ ンが予定されているが、ミレンは先日のワトキンスグレンの500kmレースでク ラッシュし、重傷を負って入院中。腕などの骨折、頭蓋骨のひびなどの治療を 受けているが、すでにICUから一般病室に移され、経過も順調とのこと。 ミレンはWSCカーと接触してクラッシュしたが、そこに僚友のジョニー・ オコーネルのニッサン300ZXも突っ込んで炎上。2台とも大破してしまっ ている。 ■リンドレー・フォード・マスタング(IMSA-GTO) IMSA-GTOや、SCCA(スポーツカー・クラブ・オブ・アメリカ) のTRANS-AMロードレース・シリーズなどで長年活躍しているレス・リ ンドレーがドライバーを努める。リンドレーは昨年まではカマロに乗っていた が、今年突然フォードにスイッチ。新たなマシンのボディシェイプに合わせた 細かい部分の見直しを行なっているところだ。V8、5000ccエンジンは600馬 力を発生。 ■リギンズ・オールズモビル・カトラス(IMSA-GTO) シャシーはドライバーを努めるトミー・リギンズ自らが経営するリギンズ・ エンジニアリングで設計、製作されたもの。ビュイックV6エンジンは、キャ メル・ライトや、WSC(ワールド・スポーツ・カー)で活躍しているマイク ・ロザーノがチューニングを担当。4506ccから510馬力を発生。リギンズはレ ース歴25年。ドライバーの他にも様々な職種をこなすベテラン。 ■ケンバップ・シボレー・カマロ(IMSA-GTO) ■オーバーレン・マツダRX-7 現在はニッサンワークスのカニンガム・レーシングが、かつて、マツダワー クスだった時代に作った最後のマシン。これをドライバーであるビル・オーバ ーレンが、ロータリーエンジンを搭載するRX-7のポテンシャルの高さを知 り、購入したという経緯がある。エンジンはフロントミッドシップ搭載。33 0馬力以上を発揮するもの。オーバーレンはプライベーターとして、GTUク ラスにここ数年参戦しており、表彰台の一角をコンスタントに占める好成績を 残している。 ■グリア・マツダRX-7(IMSA-GTU) ドライバーは、ディック・グリア/アル・ベイコン/ピーター・ウリア/マ イク・ミーズという布陣。マシンのメンテナンスは、ベイコンのチームが受け 持っている。グリア・レーシングは、プライベーターとして、今年を含めてデ イトナ24時間3連勝中。IMSA・エクソン・シュープリーム・シリーズ第3 戦セブリングも制しているチームである。 ■ライツィンガー・ニッサン240SX(IMSA-GTU) ペンシルバニア州ステイト・カレッジを本拠とするライツィンガー・レーシ ングは、89年よりニッサン・ワークスとして240SXでGTUに参戦を続け ている。チームオーナーのボブ自らドライバーを努め、息子のブッチも92年か らGTUにフルエントリー。昨年に引き続き今季も活躍中である。マシンは30 00ccまで拡大されたおHV・V6エンジン搭載で340馬力を発揮。コースによ ってはGTOマシンを上回るパフォーマンスを発揮する。 ※ドライバー・マシン等は、6月末現在の体制/スペックを元にしているため、 変更になる場合があります。 情報提供:鈴鹿サーキットランド すがやみつる(SDI00104)/RIJ