Japanese F3

F3-Rd1:鈴鹿決勝レースリポート

●全日本F3選手権 第1戦
 「ミリオンカードカップ・ラウンド-1・鈴鹿」
  決勝レースレポート
 予選とはうって変わった暖かい春風の中、全日本F3選手権第1戦の決勝レースが
11:10スタートする。
 フォーメーションラップが終了し、さてスタートというところで予選3番手の44
番中野 信治がエンジンストール。オフィシャルにより赤旗が掲示され、レース中断
となる。
 この結果、レースは全17周から1周減算の16周で争われることとなった。ま
た中野は再後尾スタートとなり、フォーメーションラップが再度開始されても、全車
がグリッドを離れるまで、オフィシャルによって出走を制限されていた。これによっ
て第一戦のスタートの上位グループは、すべてトムスシャーシで独占されてことに
なってしまった。
 2度目のスタートは、グリーンライトによって全車いっせいにスタート。しかし、
予選6番手の若干19才8番高木 虎之助がグリッド上で動けなくなり、オフィシャ
ルにより押し掛けスタートとなって再後尾よりの追撃となる。
 トップでは、わずかにスタートに出遅れた7番トム・クリステンセンのインに割っ
て入った18番リカルド・リデルが1コーナーを制した。3番手は9番田中 哲也、
4番手は33番光貞 秀俊と、予選順位通りにトムス勢がトップ集団をキープした。
 リデルとクリステンセンのトップ争いは1周目から非常に激しく、スプーンカーブ
からの立ち上がりからテールトゥノーズの状態になるが、リデルのマシンはバックス
トレッチでの伸びがあり、クリステンセンを多少引き離すかのように見える。そのま
まの状態でシケインへ2台は飛び込んできた。クリステンセンはブレーキングで無理
をせず、スリップストリームに入るにはちょっと車間が空きぎみでメインストレート
へと戻ってきた。
 1周目が終了したところで、リデル・クリステンセン・田中・光貞に続き、予選9
番手から5番手にジャンプアップしてきたのは、3番アンソニー・リードである。し
かしそれよりも注目に値するのは、予選13番手スタートだった16番影山 正美で
この時点で既に6位と、驚異的なスタートダッシュを決めてきた。また、再後尾グ
リッドからのスタートとなってしまった中野は、1周目終了時に既に5台をゴボウ抜
きにして、執念を見せている。
 トップ争いの二人は徐々に間隔を開け、西コースに向かうころには2車身程度の間
が開くこととなってしまった。しかし、クリステンセンもそんな状態を座視している
わけがなく、130Rからシケインへの飛び込みで、一気に間隔を詰めてきた。
 最終コーナーからの立ち上がりで、スリップストリームになんとか入ろうとするク
リステンセンだか、わずかにおよばず1コーナーではリデルが辛うじてトップをキー
プした。
 3位以下は、トップから徐々に遅れ始め、4位まではある程度の距離を置いた等間
隔で走行している。5位の影山は後続の車を押さえてなんとか堪えている。
 リデルとクリステンセンはテールトゥノーズのままコースを周回し、130Rで間
合いを詰めてシケインの飛び込みで一気にリデルのインを突き、ついにクリステンセ
ンがトップに立った。
 しかしリデルも諦めずについてゆき、右に左にとクリステンセンのサイドを脅か
し、1コーナー手前で幾分強引にインに並びかけようとする。これをバックミラーで
見たクリステンセンもインを閉めにかかり、既に並びかけていたリデルはたまらず右
前後輪をダートに落として、非常に危険な走行となってしまった。さすがにこれ以上
は責めることが出来なかったリデルは後退し、クリステンセンがトップのまま1コー
ナーをクリアした。
 4周目の終わりのシケインでは、クリステンセンとリデルの間にかなりの間隔がで
きてしまい、まずはクリステンセンの逃げきり体制が出来つつあるようだ。
 しかし、5周目のコントロールライン通過時に、クリステンセンに向けてゼッケン
とフラグが掲示され、前周のリデルへのプッシュに対して、これがスポーツマンシッ
プに反する行為であるとの警告が行われた。
 ここで7位に付けていた36番藤村 満男が左フロントタイヤから煙を上げながら
スロー走行、1周してピットに戻りそのままリタイヤしてしまった。。いい位置に付
けていただけに残念である。
 また、注目のアクティブのシャシーに乗る6番望月 英弘がスピンしてコースアウ
ト、リタイアしている。
 6周目にはクリステンセンがさらにリデルとの間隔を広げ、2秒以上の差となって
しまった。その後ろ、3番手の9番田中とリデルの間隔が、少しずつつまり始めてい
る。
 7周目にはさらにトップの2台の差が3秒以上になってしまった。クリステンセン
のペースが2秒9強に対して、リデルは3秒7と1秒弱の差があるためのようだ。
 影山を先頭に、リードの後ろで5番手争いに加わっていた27番羽根 幸浩は、1
コーナーの進入でついにリードを捉え、これをパス。6番手に浮上し、5位の座も脅
かし始めた。
 立体交差の手前、デグナーカーブの出口では55番高村 一明がコースアウトして
ストップ。マシンを降りた。
 レースが中盤を迎えた8周め、クリステンセンの独走の中、後ろのリデル・田中は
等間隔、少し離れて影山・羽根・リードが5位の座をめぐってバトルを続けている。
 9周目にシケインで影山のぴったりと後ろに付くことに成功した羽根は、1コー
ナーに向けてスリップに入るが、抜き去るまでにはいたらなかった。しかし、テール
トゥノーズの状態のまま、東コースから西コースへと向かう。
 10周目、影山と羽根はテールトゥノーズのままに最終コーナーを駆ける降りてき
た。スリップにすっぽり入った羽根は、インをあくまでキープする影山に対して、ア
ウト側からしかけ、2台並んだままにメインストレートを駆け抜けてゆく。いくぶん
頭を前に出した羽根は、車を小刻みにインに向けて牽制をし、ひるんだ影山に対して
1コーナーでアウトからかぶせることによってようやく5位の順位をゲットした。
 この争いに、8番手を走行していた62番柴原 眞介も追いつき、4台による接近
戦が展開してゆく。羽根がリードを広げ始める中で、他の3人は西コース・バックス
トレッチで3台によるサイドバイサイドの争いを展開した。しかし、加速で優る影山
に対して、リードはこれを抜き去るまでにはいたらない。
 11周目になると、羽根は一歩抜きんでて、5位の座を確実なものへと変えてゆ
く。これに対して6番手・7番手争いが激しくなり、特に加速で不利になってきた
リードに対して、柴原が執拗なアタックを続けている。リードはそんな攻撃を、なん
とか凌いでいる状態だ。
 12周目、なんとか耐えてきたリードも、いよいよ加速が伸びなくなってきてしま
い、最終コーナーからの立ち上がりで難無く柴原にかわされてしまい、8番手にダウ
ン。柴原は更に影山に対してアタックを開始する。
 リードは、エンジンの不調にヘアピンの立ち上がり加速が鈍く、そのままピットに
入ってリタイアとなってしまった。
 13周目、最後尾からスタートした中野が17台を抜き去り、ついに9番手に浮上
してきた。さらに上位を目指してアタックを続けている。
 14周目、6番手争いをする影山と柴原は、ストレートで早い影山にコーナーで柴
原が追い付く、というパターンでレースが進んでいく。
 15周目、トップのクリステンセンは独走体制。続く後続車も単独走行状態となっ
ている。注目の影山・柴原の6位争いも、柴原が力尽きてしまったのか、少し間隔が
開いてしまった。
 ファイナル・ラップ、それぞれが単独走行となる中、7番トム・クリステンセンが
チェッカーをトップで受けた。2位は18番リカルド・リデル。3位は9番田中 哲
也。以下、光貞 秀俊、羽根 幸浩、影山 正美の順であった。
 最後尾スタートだった44番中野 信治は、最後には8位でチェッカーを受けた。
 表彰台は、国産シャシートムス033Fが独占し、今後のレースにおいてもトムス
が席捲してしまいそうな予感の中、レースは終了した。
       **** FMOTOR4 Sub-SYSOP 山川 順治/PEE00630 ****


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