全日本F3000

F3000:Rd.11 速報リポート

●F3000・ミリオンカードカップ鈴鹿ファイナル決勝レース
 秋晴れの鈴鹿サーキットで開催された全日本3000選手権第11戦、ミリオン
カードカップレース・ファイナルラウンド鈴鹿は、3番手グリッドからスタートし、
第1コーナーでポールから飛び出した星野をアウトからパスしたロス・チーバーだ
った。プロミス・レイナードに乗るチーバーは星野の猛チャージを受けながらもこ
れを抑え、17周目、星野のスピンをヘアピンで誘発させ、星野はエンジンストッ
プでリタイア。その後は3位につけていたマルティニがチーバーを追撃し、20周
目、ヘアピンでシフトミスをしたのかチーバーが大きくふくらんだところをパスし
てトップに。しかしそのトップの座も一瞬のことで、スプーンまでにはチーバーが
再びトップに立ち、そのまま逃げきった。
 チーバーは今季3勝目。ポイントを27点に延ばし、10位完走でノーポイント
に終わった片山右京の34点に7点差と迫り、富士の最終レースにチャンピオン獲
得の可能性を残すことになった。優勝したチーバーは、パレードラップで両手を交
互に突き上げて歓喜のパフォーマンスをしながら表彰台に戻った。
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 決勝レースのスタートは、ポールの星野がまず飛びだした。しかし自分でもベリ
ーグッドのスタートだったというチーバーが1コーナーのアウトからスルスルと星
野をパス、そのままトップに立つ。しかし星野のチーバーにくらいついたまま離れ
ずに追撃。3位以下は中谷、マルティニ、片山、バイドラー、クロスノフと続く。
片山は1コーナーでマルティニにパスされたもの。
 3位争いのトップを走る中谷は1周目ヘアピンあたりから煙を吐き、2周目には
オレンジボール(マシンに異常あり、ピットインせよの黒地に丸いオレンジの旗)
を提示され、そのままピットに入ってリタイアとなった。中谷は、かろうじて残し
ていたチャンピオンの可能性を失なうことになった
 4位以下が順位を繰り上げている間に星野はチーバーに仕掛けていく。7周目、
星野がS字でチーバーを抜く素振りを見せるがダメ。この周のスプーンでチーバー
がわずかにふらつき、星野がテールに。裏のストレートで右に左に揺さぶりをかけ
るが、今年のチーバーは大人のチーバー。レースウィークは縁起をかついでか不精
髭の顔も精悍で、かつてのヤンチャ坊主の面影はない。走りも堂々としていて星野
の仕掛けを退ける。
 12周目あたりからチーバーのブレーキにトラブルの兆候が出て、チーバーはブ
レーキバランスを前に寄せる。このためコーナーへの進入が苦しくなる。星野はコ
ーナーで詰めるが立ち上がりで離される欲求不満の展開。この前のレースで2位に
なった片山右京と同じような状況を見せている。
 その星野が仕掛けたのは17周目。ヘアピンでチーバーのインを突こうとした星
野はスピン、エンジンをストールさせてレースを終える。これで星野もチャンピオ
ンの権利を失なった。
 星野に続いてチャレンジャーになったのはマルティニ。それまでの星野と同じよ
うな展開でチーバーを追うが、今回からニューシャシーを持ち込んだチーバーには
ヘアピンやシケインで追いついても立ち上がりで離される。「ミスを待つしかなか
った」というマルティニの前でチーバーが待望のミスをしでかしたのは20周目の
ヘアピン。チーバーがスピンしかかりアウトにふくらんだスキをついてマルティニ
がトップに。しかし、待望のトップに立ちながら、マルティニのエンジンがここで
息つき症状を示し、チーバーがトップを奪い返す。
 チーバーは、その後は慎重にコーナーを通過。ここで追いつかれても立ち上がり
で勝てるという自信からか、落ちついたレース展開でゴールまで走りきった。
 優勝はチーバー、2位にマルティニ、3位にはバイドラー、4位にクロスノフ、
5位にエダニエルソンとここまで外国人選手。6位に小河が入り1点を獲得したが、
彼も合計得点20点でチャンピオン争いから脱落した。
 チャンピオンシップポイント34点でトップの片山は、スタート直後でマルティ
ニにパスされ、2周目にはバイドラーにパスされてずっと5位を走っていたが、ジ
リジリと遅れ始め、17周目には一度、ダンロップ・コーナー先でストップ。エン
ジンが停止したのか一度、東コース・ショートカットに車を入れたが、そこから再
スタート。ここで10位まで転落。その後29周目にヘアピンでスピンして11位
まで落ちたが、先行された高橋国光を抜いて10位でフィニッシュした。
 片山はノーポイントながら34点で依然チャンピオンシップ・ポイントのトップ
を維持。優勝したチーバーが9点を加えて合計得点を27点とし、最終戦の富士に
最後のチャンピオン争いを賭けることになった。
 F3もそうだがF3000でも予選、あるいはスタートがレースの行方を左右す
ることが大きくなっている。選手たちも抜くポイントが少ないコースに多少フラス
トレーションを感じているようだ。
 このレースは、ベテラン長谷見の最後のF3000レースとなった。「ぼくは引
退じゃないからね。CカーとグループAはやるんだから」と語る長谷見。その後任
には、今日のレースで4位に入ったクロスノフがカムバックすることになりそうだ。
そのクロスノフは来年のデイトナ24時間にノバ・ニッサンで出場するのでは、と
噂されているが、次の富士のレースのときまでにはわかるだろうとのこと。現在の
ところは50%だそうだ。また、IMSAのジャガー・チームからもオファーがき
ているそうだ。
  すがやみつる/鈴鹿


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