●星野一義、今シーズン5勝目! 1990チャンピオンを確定! 9月23日、三重県鈴鹿サーキット(5.85943km)で開催された全日本F3000 選手権第8戦「'90ミリオンカードカップレース ROUND 3 鈴鹿」は、予 選2番手からスタートした星野一義(ローラT90/00無限)が13周目からトップに 立ち、追いすがる昨年のチャンピオン小河等(ローラT90/00無限)を振り切って 今シーズン5回目の優勝。同時に今シーズンのシリーズチャンピオンを確定した。 表彰台でインタビューを受けた星野は感きわまって言葉にならないほどだった。 2位には小河。3位にはトップ2台から28秒遅れた片山右京(ローラT90/00・ DFV)。片山は序盤から追いすがり、くらいついていたマウロ・マルティニ(ロー ラT90/00無限)を最後までおさえきっての3位入賞。4位にマルティニ、5位にジ ェフ・クロスノフ(ローラT90/00無限)、6位にジョニー・ハーバート(レイナー ド90D無限)が入った。 ****** スタートは星野。PPの小河をおさえて第1コーナーに飛び込んだが、その外側 からロス・チーバー(レイナード90D無限)がかわしてトップに。チーバーはその まま逃げ、星野との差を1秒、1.5秒、2秒と開く。だが、チーバーは13周目のS 字コーナーでスピン。スポンジバリアに突っ込んでリタイア。これで星野がトップ に立ち、小河が2位に。3位以下は片山、マルティニ、クロスノフ、ハーバートの 順に。トップ2台が逃げ、3位以下は片山がおさえるかたちで団子の状態に。トッ プの星野は少しづつ小河を引き離し、最後には5.7秒以上の差をつけて優勝した。 2位から6位までの順位も13周目から変わらず。我慢の走りをする片山の走りが印 象的だった。 ****** ●和田、大クラッシュ! 決勝レースのグリッドに向けて走るフォーメーションラップへのスタートで、エ ンジンがかからず押しがけをしたため最後尾グリッドからのスタートとなった和田 孝夫(ローラT90/00無限)は、順調に順位を上げていたが、26周目の130Rコー ナーでコースアウト。ガードレールを飛び越えて、マシンは前後がふたつに分断さ れ裏返しに。和田は、裏返しのマシンからしばらく出られなかったが、しばらくし てオフィシャルの手を借りてコクピットから脱出。オフィシャルが肩を貸していた が、怪我もないようで、自分で歩いてコーナーポストに入った。 ****** ●「結婚式みたいだなぁ!」 --CABINレーシングチームから チャンピオンおめでとうのケーキを送られた星野-- 優勝して今年のチャンピオンを決めた星野一義は、CABINチームのホスピタ リティ・ブースで、チームからケーキを送られ、記者会見のために集まった報道陣 の前でケーキカット。「まるで結婚式みたいだなあ」と星野は照れた。 「レースはとてもきつかった。タバコを吸って寝るだけの生活を2、3日続けた いね」とタバコをふかす星野に、「おめでとうございます。今日は、いいナンバー 2ドライバーでありたいと思って、星野さんのためにも自分のためにも、必死にマ ルティニを抑えました。でも、来年は、星野さんにも嫌な奴だと思われるようにな りたいと思います」と、同じCABINカラーのマシンで3位に入った片山。 「彼の時代は、まもなくくると思う。たくさんのドライバーの中で、片山君は最 右翼にいるからね」と星野は答えた。 今シーズンを振り返って、という質問に対して星野は、「最初、すっと勝てて、 それから勝てなくなった。悩んだよ、とても。でも悩んでいいんだと思う。それだ け勝ったときの喜びも大きいしね。監督の金子、メンテナンスをしてくれたセルモ、 エンジンを担当してくれた無限、タイヤをサポートしてくれたブリヂストンの皆さ んにも感謝します」としめくくった。 FMOTOR4/SysOp すがやみつる(SDI00104)