「プロミス&レイナードRT F3000第7戦レース結果」 1992年8月17日 -1992年全日本F3000選手権シリーズ第7戦- 予選の好調を決勝で生かせず 1週間前にアメリカのインディカーレースを終え、日本にトンボ帰りしてきたプロミス &レイナード・レーシングチームの25番ロス・チーバーは、金曜日の公開練習を1分 17秒1のタイムで走り、予選へ向けて手応えを感じていた。予選開始が迫ってもリラックスした態度はそのままで、ファンからのサイン攻めにも気軽に応えたのであった。 [8月15日:予選]予選のタイムスケジュールは、午前に1時間、午後に1時間とい う予定である。予選1回目が開始となっても、プロミス&レイナード・レーシングチー ムはいつものように、ライバルたちの動向をまず見守った。そして、予選時間終了15 分前になってエンジンを始動。チーバーがマシンに乗り込んでタイムアタックに入る。 それまでのベストタイムは黒沢琢弥選手の1分16秒927であった。最初のタイムア タックで、チーバーは16秒937を出す。黒沢選手に100分の1秒遅れだ。予選時 間の残りはあと5分と迫ったが、チーバーは、もう1セットの予選タイヤで再度アタッ クに出ると決断。チームスタッフの機敏な作業でマシンの準備は整いチーバーがコース へ出る。残り時間は3分を切った。そして最終ラップに1分16秒264のベストタイ ムを叩き出し、暫定ポールポジションを確保した。午後は、他のどのドライバーもチー バーのタイムを上回ることはできず、チーバーの午前中のタイムがそのまま、正式なポールタイムとなったのであった。「予定では、午前中に1セットしか予選タイヤを使わな いはずだったが、今朝はとても体調が良く、また気力も充実していたので、2セット目 をここで使えば必ず良いタイムが出せると思っていたよ」とチーバーは話し、チームス タッフと喜びの握手を交わしたのであった。 [8月16日:決勝]朝のウォーミングアップ走行では、予選2位のマウロ・マルティ ニ選手、予選3位の黒沢琢弥選手に続く3番目のラップタイムをロス・チーバーはマー ク。決勝レースでは、彼らとの戦いになることが予想された。決勝レースのスタートダッシュで勢い良く飛び出したのはそのマルティニ選手だった。チーバーは2番手で1周目 を終える。しかしこのとき、すでにマルティニ選手にリードを広げられ始めてしまった。決勝レースのマシンセッティングではオーバーステアの傾向が強く出てしまい、タイヤ のグリップダウンを早める結果となってしまったのだ。そして徐々に後続マシンに抜か れることになる。このままでは事態の好転を望むことは難しく、タイヤ交換を決意。緊 急のピットインで新品タイヤを装着し直した。そして、1分19秒台の速いペースで追 い上げを試みたが順位の挽回は厳しく、フロントウイングの調整でもう一度ピットイン したことも響いて17位のフィニッシュとなった。 ド ラ イ バ ー & チ ー ム 監 督 コ メ ン ト ●ドライバー/ロス・チーバー(Ross Cheever)レースがスタートしてたった5周で タイヤのグリップがなくなってしまった。今回のレースへ向けて事前のテストを行うこ とが出来ずにいたので、決勝セッティングを完璧に決めることができなかったせいだと 思う。それで、タイヤ交換のほかにもフロントウイングの調整のためにピットインをす る結果となってしまった。次のレースでは猛チャージを掛けるので、期待してほしい。 ●チーム監督/本間勝久(Katsuhisa Honma)予選が良かったので、非常に残念なレースでした。かなりオーバーステアが出ていたようですね。今回はやはりテスト不足が響 きました。次のレースにはセッティングを整えて参戦できるように頑張りますので、引 き続き応援をよろしくお願い致します。 レースデータ ●開催日/8月15日(予選)~16日(決勝) ●開催地/富士スピードウェイ(静岡県):1周4.470 ●主催者/ロードランナーレーシングクラブ(RRC)、日刊スポーツ新聞社 ●観客数/予選日:7,800人/決勝日:65,300人 ●天 候/予選日:晴れ時々曇り、28℃/決勝日:晴れ、31℃ [シリーズポイントランキング] 1位 :マウロ・マルティニ 27点 2位 :フォルカーヴァイドラー 26点 3位 :ロス・チーバー 19点 4位 :鈴木利男 12点 エディ・アーヴァイン 12点 マルコ・アピチェラ 12位 7位 :パウロ・カルカッシ 11点 8位 :星野一義 10点 服部尚貴 10点 10位:トーマス・ダニエルソン 8点 ローランド・ラッツェンバーガー 7点 13位:黒沢琢弥 5点 14位:ミカ・サロ 3点 15位:和田 久 2点 小河 等 2点 17位:和田孝夫 1点 リカルド・ライデル 1点 ---------------------------- 提供:プロミス株式会社 営業企画部 F3000推進事務局 -----------------------------