’92JSPC第1戦 インターナショナル鈴鹿500kmレース マツダMXR-01国内デビュー 4/16テスト走行~4/18公式予選 公式予選は、8位で通過 【4/16・17:テスト】 「マツダMV10」型3.5リッターNAエンジンを登載した新型グループCカ ー、「マツダMXR-01」は、4月16日、初めて鈴鹿サーキットをテスト走 行した。 テストに参加したドライバーは、従野孝司と寺田陽次朗のふたり。朝9:00 からのテストは、まずエンジンのラッピングから開始した。従野は、7000rpm で数周したあと、徐々に回転を上げ、慣熟走行を始めた。ところが、ブラックボ ックス(回転数他エンジン情報、車速などのデータを集積し、ディスプレイに表 示する装置)が正常に作動せず、修理のため一時走行を中止した。 初めてMXR-01をドライブした従野のコメント。 「乗る前は、期待と不安が交錯していたが、ラッピングとはいえ、一周走っただ けでその不安は一瞬にしてなくなった。タイトコーナーでも敏感に反応するステ アリング、6速ミッションも安心感がある。エンジンパワーは、まだ満足といい がたいが、コーナリング限界は相当高そう。速く熟成を進めて、今年はJSPC でも勝負したいね」 16日午後のテストは、エンジン回転を10,800rpmまであげてセッティ ング開始。その後、従野から寺田にドライバー交代し、寺田が慣熟走行を始めた が、数周走ったところでトランスミッションオイルのパイプが外れ、オイルがリ ークしだした。このため、テストは中断。トランスミッションを点検するため、 オーバーホールを始めた。その後、原因はピニオンギアの調整不良で、ベアリン グを損傷し、しの金属粉がオイルフィルターにつまったため、パイプがはずれた と判明した。 翌17日は、午前1時間、午後1時間の公開練習時間にテストを行なった。エ ンジンの燃料ミクスチャーを前日より濃くセット、フィーリングチェックを行な いながら車両のセッティングを進めた。ところが、10,800rpmで連続走行 中、テレメータテシステムからオーバーレブの情報が入ったため、テストを中断。 トラブル発生の可能性があるため、ピットガレージでエンジン交換することにし た。 寺田によると、 「サスペンション、空力がエンジンのセッティングもまだまだ。そんな状況で、 ヘアピンをたちあがって3速、4速、5速とシフトアップするはずが、誤って一 瞬3速に入れてしまった。オーバーランしちゃったよ。ミッションもそうだけど、 車全体にとっても繊細さを感じる。でも熟成のスピードは速いんじゃないかな」 とのこと。 【4/18:公式予選】 この日の天気は快晴、気温は18度C、コースはドライであった。マツダMX R-01は、前日までに、充分なセッティングが煮詰められないまま、公式予選 を迎えた。 チームは、午前午後2時間の公式予選を通じ、決勝レースにむけたセットアッ プを第1目的とした。午前の公式予選は、空力、車高、リアスタビライザーなど を微調整しながら、合計13周走行。ベストラップは、寺田の1’56”073で あった。 午後は、サスペンションのアライメントを調整し、寺田がスタート。1’54” 台で走行が可能となったため、クォリファイタイヤを装着し、タイムアタックに 臨んだ。ダウンフォースが若干不足ぎみでタイヤ温度も指定温度まで上がらない 状態であったが、タイムアタック1周目で1’53”903のベストラップタイ ムを記録。寺田は、3周目にピットインしたため、タイムアタックは1周のみで 終了となった。その後、従野が確認のため、4周し、公式予選を終えた。 タイムアタックを行なった寺田のコメント 「やっとダウンフォースを感じるようになってきたよ。操縦性、バランスもいま はほぼニュートラル。タイムアタックしたときは、デグナーカーブで前の車に追 いつき、あきらめてしまった。まだ、少しアンダーステアが出ていたから、タイ ヤ温度はまだ上がっていないと判断し、もう一周タイムアタックするつもりだっ た。いい感じだったので、いけるか、と思ったけどまたセッティングがようやく 決まりだしたので、ここからが本当の熟成のスタートだ」 【公式予選結果】 カーNo.5 レナウン・マツダMXR-01(従野/寺田) 順位:8位 ベストラップタイム:1’53”903