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加藤寛規、パノス入りを語る

 すでに雑誌などでも報道されているが、昨年ノバチームからフォーミュラ・
ニッポンに参戦した加藤寛規選手は、今季パノスのワークスチームに加入し、
アメリカ・ルマンシリーズ、ルマン24時間レースを戦うことが決定している。

 2月17日、日本人としては、70年代に生沢徹選手がポルシェワークス入りを
果たして以来の大抜擢となった加藤選手に、パーソナルスポンサーでもあるフォ
ーミュラ・クラブ(神奈川県海老名市)でその経緯、心境を語ってもらった。

■パノス入りの経緯を教えてください
「昨年の11月末頃、2000年のフォーミュラ・ニッポンをどうするか。ノバの森
脇さんなどと話をしているときに、パノス入りの話を貰いました。急な話だっ
たのですが、悩んだ末に向こうへ行くことを決めました」

■どうしてパノスから加藤選手に話がきたのでしょう?
「デイビット・プライスという英国のF3協会の会長を務める人がキーマンで
す。一昨年のマカオ、昨年のルマンでも関わりがあり、自分のことを覚えてい
てくれたのですが、この人が今年のパノスにも関わることになり、面白い奴が
いると推薦してくれたそうです。ピンポイントで起こった点が線に繋がったと
いう感じで、巡り合わせだと思っています」

■パノス入りを選んだ心境を聞かせてください
「アメリカ行きを決めたのは、面白そうだからという理由です。元々海外に行
きたいという希望がありましたし、日本に残ってレースを続けて先に何がある
のか……という疑問も抱いていましたので、このチャンスをいかそうと思いま
した。やはり、日本は狭いですし層が薄いんです。海外で走ることは、ドライ
バーとしてのやり甲斐を感じます」

■テストを走ってみての感想は?
「こんな連中と走っていいのか(笑)というのが素直なところです。でも、色ん
なドライバーを見て、それほど差はないとも感じました」

■チームでのコミュニケーションに問題はないですか?
「英語はまだまだなので、コースの攻略図を見てどんな言葉を使うのか予習し
ておき、エンジニアとは「プッシュ」(オーバーステア)、「ルーズ」(アン
ダーステア)など、あらかじめ使う言葉を決めておきました。あとは、コース
図に書き込んだりしてカバーしています」

■凄いと思ったドライバーはいますか?
「同じチームのヤン・マヌグッセンは、久々に見て凄いと思ったドライバーで
す。車の動かし方が凄くて、暴れる車をねじ伏せる感じです。しかもタイムも
安定して速い。ただ、素行が不良少年そのままなんで、F1のシートを失った
のも合点がいくなぁと(笑)」

■チーム内で誰とペアを組むのですか?
「僕はO’コーネルと組みます。エース格は、ブラバムとマヌグッセンのコン
ビです。ルマン24時間レースでは、マリオ・アンドレッティが僕たちの車に乗
ることになるかもしれません」

■アメリカでの住まいは?
「暫くはアトランタでホテル住まいをしながら、アパートを探すつもりでいま
す。ただ、ヨーロッパラウンドに入ってしまうので、どうなるかわかりません」

■日本への帰国の予定は?
「言葉を覚えるためにも、日本へはなるべく帰ってこないつもりでいます」


 いつも自然体の加藤選手。今回のアメリカ行きも淡々と肩の力を抜いて語っ
てくれたが、言葉の端々に期待と自信が感じられた。
 ルマン、マカオなどここ数年、力量が認められつつある日本人ドライバーの
代表として、ぜひ持てる力を発揮してほしいものである。

 ちなみに物腰の柔らかい加藤選手の実家はお豆腐屋さんである。(納得)


 パノス入りを熱く語る加藤選手の画像はレーシングサロン"N"へ。
  https://www.nifty.ne.jp/square/fmotor4f/

          ** FMOTOR4F SysOp 北島滋穂(sdi00685@nifty.com) **



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