全日本選手権フォーミュラ・ニッポンは7日、栃木県のツインリンクもてぎで第4戦の決勝を行い52周を走って、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(インパルが)が今シーズン優勝を飾った。
厚い雲がツインリンクもてぎを覆い始めた14時30分、フォーメーションラップが始まった。全車グリッドに着き、シグナルブラックアウトで52周のレースがスタートした。
ポールポジションのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(インパル)は少しミスしたものの無難なスタートを決め、トップで1コーナーへ。好スタートを切った予選3位の塚越広大(ダンディライアン)がアウトから並びかけ、そのインには予選2位のアンドレ・ロッテラーが付ける。オリベイラは塚越を押さえきり、2位にはイン側のロッテラーが上がり、塚越は3位で1コーナーを立ち上がる。結局予選順位のままでこの3台は1周目のストレートに戻ってきた。
オリベイラはここから2位のロッテラーを突き放しにかかる。5周目に2秒0、10周目には3秒8のリードを築いた。
17周目にトップを走るオリベイラに5秒0離されたロッテラーは18周を終わってピットイン。さらに次の周にトップのオリベイラがピットインし、両者1回目のタイヤ交換と任意の給油を行う。奇しくも両者同じ14秒5の所要時間でピットアウトし順位は変わらず。
その後2位のロッテラーは、オリベイラに5.5秒離された35周終わりで2度目のピットイン。タイヤ交換と給油を15秒2で行う。これを見てオリベイラも36周終わりでピットイン。タイヤ交換と給油で17.7秒を要したが、築いた貯金は大きく、ロッテラーの前で戦列に復帰することに成功した。
2位のロッテラーはあきらめずにトップを追う。一時4秒以上開いた差が44周終わりには2.4秒、49周目には2.2秒。しかし逆転するに至らず、最後は52周を走ってオリベイラが今シーズン初優勝を果たした。ロッテラーは1.9秒差の2位に入った。
3位でレースを始めた塚越広大(ダンディライアン)は20周を終わって給油とタイヤを交換。13秒7と素早いタイムでピットアウトするも、8周を終わりにタイヤ交換だけ行った中嶋一貴(トムス)に先行を許す。
3位に上がった中嶋一貴は30周終わりに2度目のピットイン。今度は給油も行い、各ドライバーが2度目のピットインを終えた40周目頃には3位に返り咲き。この順位でレースを終えることとなった。
4位には塚越が、5位には最初のスティントを引っ張った平手晃平(インパル)が入った。
6位には伊沢拓也(ダンディライアン)が、7位には1周目にピットインし、1度目のタイヤ交換を行う作戦を敢行した石浦宏明(キグナス)が入った。8位は大嶋和也(ルマン)でここまでがポイントを獲得。
今回スポット参戦し、9月行われるインディカーレースへの出場も噂される武藤英紀(リアル)は周回遅れの10位と振るわなかった。
この結果、チャンピオンシップポイントで中嶋一貴とロッテラーが28点で並んだが、優勝回数の多いロッテラーがポイントリーダーとなった。
次戦第5戦は舞台を開幕戦が行われた鈴鹿サーキットに移し、9月4に決勝が行われる。
Text: Yoshinori OHNISHI / Photo: Motorsports Forum