ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP '95全日本GT選手権 Rd.1 FUJI GT GTインサイド・レポート No. 7 1995/ 5/ 3 FMOTOR4版 ---------------------------------------------------------------------------- 27.#30監督 坂田智和 「タイヤの使い方を失敗しちゃって、でも思った通り1分33秒台は出たからね。 データ上はスープラよりもストレートが速いはずなのに、田嶋に言わせるとスープ ラのスリップに入ることが出来ないっていうけどね。ストレートももちろんコー ナーも速いスープラがうちと1秒しか変わらないっていうのは不気味だよね。最 終コーナーからストレートの中間までがスープラは速いんだろうなけど、明日に なったらいきなり速いタイムを出していたらいやだね」 28.トヨタ自動車モータースポーツ部 橋本主査 「やっと片目が開いたよ。苦労したからね。なになにうちがシャミセンを弾いてい るんだって、冗談じゃないよ。ちょと待ってよこれまでのタイム持ってくるから、 ほら去年の暮れのテストでもルマン仕様で1分33秒台だから、先週のトラストのテ ストでも1分32秒台(注:ルマンGT1仕様)だったから、全力で頑張っているん だよ。でもね今年のルマンはマクラーレンF1が大部タイムをアップしてくれたか ら、ここで1分30秒位を出してもルマンではGT1クラスの予選最後尾くらいに なっちゃたからね。今は余っていた2.1リットルの3SGだけど、来年からは、 セリカに乗る強化ブロックの完全に生産型ベースの3SGエンジンにすることにな るだろうね。エンジンのピックアップを考えると、ラリー用とは違ってツインター ボにすることも考えなければならないかもしれないね」 29.#40太田哲也 「昨日からブーストが上がらなかったんですが、決勝用にいいタービンを残してお きたかったんで、予選はあえて不調のタービンを交換しないで、決勝セットつまり レースタイムでどのくらいで走れるかをチェックしたんで、予選タイムは重視しな かったんです。リード(#34)のクルマは鈴鹿からタイヤが18インチだったんです が、僕の方は今回からなんですよ。だから足回りのセッティングもいろいろ試しま した。鈴鹿はリタイヤしてるんで、今回はなんとしても完走してポイントを取りた いですね。去年のこのレースは最後尾スタートで3位の表彰台ですから、今回も3 位以内が目標です」 30.#1影山正彦 「あれ、抜かれちゃたの(#2ZEXELが影山のタイムを抜く)。誰? ゼクセル。 それって、俺のクルマだったやつじゃない。まいったなぁ」とぼやく影山正彦。 「とにかく絶対的なテスト量が少ないんです。昨日も今日もトラブルが出ちゃっ て、まだ満足な状態で走れていません。予選もエンジンがバラついて、だましだま し走ってのタイムですから。サスペンションのセッティングもしたいんですけど、 エンジンがこれじゃ無理だし。不完全燃焼で決勝前夜は眠れそうにないなぁ。3年 連続チャンピオンが目標ですから、このレース勝ちたいです。決勝はとにかく最善 を尽くします」 31.#100BPオイルポルシェターボ どうも本来の調子が出ないチーム国光。ルマンの予備予選から帰国直後だけに ドライバーの少々疲れ気味なのだろうか。「もう、シャミセンですよ。ノバさんが シャミセン引いてくれるからねぇ」と土屋圭市も開き直っている。「今日のマシ ンの状態? そういう質問は上祐広報部長を通して欲しいなぁ(笑)。たまにはこ ういうダンゴの位置からスタートしろって、神様のおつげだね」と最近話題の事件 に引っかけて笑いを取っていた。ちなみに予選中のトラブルはインタークーラーに 亀裂が入ったのが原因。走行中に次第に亀裂が広がり、タイムが上げられなかっ たようだ。予選終了後スペアに交換する作業に入っていた。国さんの「まあ、決勝 は追い上げるから見ててよ」というあまりにも常識的なお答えにも、「どーせ、 私がスタート・ドライバーでしょ」とひねくれる土屋。でも、2人ともルマンのこ ととなる話が弾むのはなぜ? ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP '95全日本GT選手権 Rd.1 FUJI GT GTインサイド・レポート No. 8 1995/ 5/ 3 FMOTOR4版 ---------------------------------------------------------------------------- 32.GTC第2戦富士予選レポート スープラ本領発揮! 天気予報では午後から天候が崩れるといわれていた予選日。1回目の予選では早 朝降った雨はほぼ上がっていたものの路面はまだ濡れており、レインタイヤで出る チーム、カットスリックでいくチーム、最初からスリックにかけるチームなど判断 が分かれた。そのなかでまずタイムを出してきたのは#38コマス。タイヤをカット スリックからスリックに換えて出ていった後、最初に1分34秒台に入れてきた。続 いて#34リード、#30田嶋、#8長坂なども次々34秒台を出してくる。一方のR33 スカイライン、注目のスーパーGTR勢は、前回は旧型R32だった#1影山、#3 長谷見はもちろん、#55鈴木利男/飯田章の3台とも新車を投入してきたため、 コンピュータのセッティングなど細かい煮詰めに手間どり、35秒台にとどまった。 結局このセッションではまだハーフウェットの状態にもかかわらず33秒台をたたき 出した#38コマスを、路面が乾いてきた最終ラップに#36関谷が逆転し暫定ポール ポジションを獲得した。 天候悪化が心配された午後のセッションでは、さいわい雨が落ちてくるまでには 至らず路面もドライ。全車スリックでのスタートとなった。このセッションでも主 導権を握ったのはスープラ勢。#8がまず33秒台を出し、#39クロスノフ、#38コ マス、#36関谷らが続く。これに#34フェラーリ、#33ポルシェが割って入るが、 10周目、#36が初めて32秒台を記録、その後ピットインしてタイヤを水で冷やし、 さらにタイムアップをねらう。さらに#38、#34が32秒台前半のコースレコードを 記録。その後は各チームともタイヤを使い切ったのか打つ手がなくなったのか大き な順位変動はなく、スープラ、フェラーリがフロントローを占めた。全体として 今回はスープラ勢と#34フェラーリの速さが目立ち、それに直線スピードが速い 993GT2が続くという情勢。スーパーGT-Rは新車のため煮詰め不十分で遅れ をとってしまった。 33.*7 RE雨宮SuperG RX7 GT2クラスの2番手のタイムを記録した雨宮RX7。クラストップを逃したの がいかにも残念そう。「逆転を狙って最後に出たんですが、ガス欠になってしま いました。あれがなければ40秒フラットくらいはいけたと思います。クルマもま だできたばかりで、正直いってまだ80点くらいのデキ。でもコーナーでは1クラス の下のほうより速いんで、決勝では何台も喰いますよ。ただ、このクルマはピー キーな性格なので雨だとつらいんです。小雨程度ならともかく、土砂降りにならな ければいいんですけどね」 34.#100 BPオイルポルシェ 昨日の予選でチーム国光のポルシェは、エンジンのピックアップが極端に悪く なり、ターボを小型に交換。ところが、そうするとパワーがなくなってしまい大き なターボに戻すといった状態に陥ってしまった。予選終了後にエンジンを交換する ためインタークーラーを外したら、何とインタークーラーの裏側が割れていた。漏 れているのが空気であったため発見出来なかったようである。もしかしたらGTC 鈴鹿のレース後半には既に割れていた可能性が強いという。 35.*32 ORTランティックスカイライン 紅一点の岡野谷純は筑波サーキット等でオフィッシャルとしても活躍している “スーパーレディ”である。マシンの方はまだエンジンが完調ではないため、朝の フリー走行もセッティングに終始することになるだろう。今年は4WDのスカイラ インをFRに改造しての参戦であるが、4WDの方が乗り易いという。GTC鈴鹿 の好成績のためにもらってしまった20kgのウエイトハンデも、元々軽くないマシン であるため辛いようだ。 36.#66 RAZO・TRAMPIO GTR N1マシンをGTに改造してGTC参加を実現したトランピオ チームは関係者 の注目をあびているが、今後のGTCでの活動計画は決まっていないという。今年 は難しいが来年は活動する可能性もあるという。今回のマシンはまったくのN1マ シンそのもので、当初はGT2クラスでの参戦を考えていたが、認められなかった ため、急遽専用のコンピューターを開発してGT1クラスでの参戦となった。しか し、まだパワーを上げる余裕があるため1分38秒台は十分に可能であるようだ。車 重が1400kg以上もあることが悩みである。 GTアソシエイション事務局 インサイドレポート担当 古屋 知幸 = MGG01235=