2025年スーパーFJ日本一決定戦ファイナルは12月21日(日)に富士スピードウェイで開催。序盤にトップに立った酒井翔太(ファーストガレージ゙kks2)をSC明けに追い詰めた箕浦稜己(MYST SEIDOYA KK-SⅡ)が最終ラップのダンロップコーナーで大逆転、日本一の座に輝いた。
午前中に行われたA/Bグループのセミファイナルのレースタイムによって、ポールポジションはAグループトップの石井大雅(ファーストガレージ制動屋SⅡ)がつき、Bグループトップの松原将也(ZAP MARUTOKU 10VED)がフロントロウ2番手、以下酒井翔太(ファーストガレージ゙kks2)、津田充輝(ファーストガレージKK-SⅡ)がセカンドロウ、3列目伊藤駿(Hobbybase&ZAP)、吉田馨(TAKE FAST KKS-2)と続き、Aグループが奇数列、Bグループが偶数列に。霧雨が降るコースの気温は13度、ストレートでは冷たい風が通り抜けている。路面はセミウエットで、今後雨足が強まる予報のため36台全車レインタイヤでグリッドに整列すると午後1時10分に2周のフォーメーションラップが開始された。
レッドライトが消灯して12周の日本一決定戦がスタート。ポールシッターの石井はやや蹴り出しが弱かったのに対しフロントロウに並んだ松原が好発進を決めてホールショットを奪う。石井は2位にダウンしてTGRコーナーへ。4番手スタートの津田が加速で酒井の前に出ると、石井のインからノーズを入れるが石井が抑え込む。酒井は4位でターンイン、5番手スタートの伊藤が並びかけて第2コーナーへ。4番手スタートの吉田はやや出遅れ6位、7位箕浦が背後につけている。コカ・コーラコーナーからの立ち上がりでは酒井が津田を仕留めて3位に戻し、吉田がアウト側に飛び出し箕浦に6位を明け渡す。100Rではトップ松原が失速、シフトミスか? これで石井がトップに返り咲き。2位酒井、3位津田と次々と前に出て松原は後続に飲み込まれていく。
トップに立った石井は2位酒井に1台分の車間を開けてダンロップコーナーへ。3位津田がブレーキングで酒井のインを差しにいきサイド・バイ・サイドでターンインするが、ここは酒井がポジションを守る。ファーストガレージの1-2-3体制でオープニングラップを終えて、トップ石井と2位酒井は0.384秒の差。3位津田はパナソニックオートモーティブコーナーへの進入でリヤが流れて、やや離され1.001秒の差。そこから4位伊藤0.288秒、5位箕浦0.223秒とテール・ツー・ノーズで続き、松原は6位までポジションを落とした。
2周目、3位グループはTGRコーナーに向けた加速で伊藤が津田をオーバーテイク。3位を奪い取る。そして酒井が石井をロックオン。コカ・コーラコーナーから100Rと酒井のミラーに姿を映すようにプレッシャーをかけるとアドバンコーナーでの加速で左サイドに並びかけるような動きを見せる。2台はサイド・バイ・サイドで300Rを旋回。ダンロップコーナーへのブレーキングで酒井が先行、トップに躍り出る。2位に落ちた石井は焦りが出たか13コーナー出口でスピン、大きく順位を落としてしまう。後続では箕浦が300Rで津田を仕留めて3位を奪い取る。
2周目を終えてトップは酒井、2位には石井のスピンを回避した伊藤が浮上するがその差は1.901秒と一気にひろがった。そこから0.5秒程度の間合いで3位箕浦、4位津田に続いて吉田馨(TAKE FAST KKS-2)が松原をかわして6位に上がってきている。痛恨のスピンを喫した石井は31位までドロップ。3周目にはいると酒井はさらにペースを上げて2.344秒までリードを拡大する。
4周目のコカ・コーラコーナー進入で吉田が津田をオーバーテイク。これで吉田4位、津田5位。
しかしこのタイミングで18位を走行していた東慎之介(サンセルモMYST/ORM)がTGRコーナーアウト側にストップ。ただちにセーフティカー(SC)投入が宣言され、酒井のリードはリセットされる。この時点でのトップ6は
- 1位酒井
- 2位伊藤
- 3位箕浦
- 4位吉田
- 5位津田
- 6位永原蒼翔(ピットワークながはら/MYST)
ジェントルマンクラスのトップは総合25位の古里拓(FLEETレヴレーシングガレージ)、クラス2番手が総合29位の山本龍(おさきにどうぞ☆KKS-Ⅱ)となっている。
SCランは7周目まで続き、8周目からレースはリスタート。酒井はGR-GTコーナーから加速を開始すると伊藤を0.577秒放してコントロールラインを通過。そこから再び後続を突き放しにかかり8周目を終えて1.126秒までその差を拡大。2位伊藤には箕浦が迫りパナソニックオートモーティブコーナーをタイトに旋回すると伊藤に先行、しかしそこからの加速で伊藤が再び並びかけてサイド・バイ・サイドに持ち込み、コントロールライン上では僅かに伊藤のノーズが前。0.010秒差で9周目へ。TGRコーナーではインに伊藤、アウトに箕浦が並んでターン。第2コーナーからの立ち上がりで箕浦が前に出て2位。伊藤3位。箕浦はそこから酒井追撃に転じ、9周目0.730秒差。しかし酒井もペースを上げて10周目0.763秒差、11周目0.616秒差と箕浦を寄せ付けないままレースはファイナルラップへ。
箕浦は第1セクターで0.31秒、第2セクターで0.234秒と酒井を上回るペースで0.5秒以上間合いを詰めると300Rまでにテール・ツー・ノーズ状態に持ち込む。そして迎えたダンロップコーナー、箕浦はずばっと酒井のインに切れ込んでノーズをねじ込むと機先を制して前に出る。酒井もアウト側で抵抗し、続く左コーナーでインを取りにいくが、旋回スピードで勝る箕浦がぎりぎりで前に出てオーバーテイク完了。ついにトップの座を酒井から奪い取る。
再逆転のチャンスを狙って酒井はストレートの加速に賭けるが、箕浦が0.522秒差で振り切ってフィニッシュラインを通過、S-FJ日本一決定戦の優勝を手にした。酒井は掴みかけていた王座が最後にこぼれ落ちて2位。3位伊藤はそこから2秒以上離されたが表彰台を獲得。以下4位吉田、5位津田、6位永原というトップ6となった。4台が出走のジェントルマンクラスは総合24位の古里がクラス1位、総合28位の山本がクラス2位、総合30位のフェリペ昌之(WRS MASA KKS-Ⅱ)がクラス3位という結果となった。
これにて2025年のS-FJはすべて終了。来年もまた各地で熱い戦いが展開するのが待ち遠しい。
Text: Junichi SEKINEPhoto: Kazuhiro NOINE Asako SHIMA
















