2024年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権第6戦公式予選は7月28日(日)に筑波サーキットで開催され、酒井翔太(ファーストガレージKK-SII)が2番手石井大雅(ファーストガレージ制動屋S2)に0.184秒の差でポールポジションを獲得した。
連日猛暑が続く北関東。筑波サーキットも例外ではなく朝から温度がぐんぐん上昇。S-FJの予選が始まる時点で早くも気温31度。路面温度39度というコンディションだ。予定より4分遅れ、8時59分から予選開始、エントリーリストに名があった中村ブンスーム(ファーストガレージRD10V)が体調不良で出走を取り消して15台が20分間の予選に挑んだ。
まずは残り18分、計測2周目に角間光起(ELEVレーシング10VED)が59秒910、続いて津田充輝(ファーストガレージKK-SII)が59秒897とトップタイムをマーク、3番手に落合蓮音(ファーストガレージKKS-2)が59秒897とトップタイムをマーク、3番手に落合蓮音(ファーストガレージKKS-2)が59秒964でつける。落合は現在15歳、今年S-FJレースデビューが6月の鈴鹿で19位、続けて出場した富士の大会では20番手スタートから序盤で10台抜きを演じて最終的に12位でフィニッシュ、そして今回初の筑波にやってきた。
残り15分、石井が58秒956、2番手に酒井が0.017秒差の58秒973とトップは58秒台の戦いに。3番手は塚本凜世(F-BrainウィンズS2ED)が59秒083で上がってくる。以下4番手津田、5番手落合、角間は6番手までドロップ。
さらに残り14分、酒井が58秒772でトップに立つ。今シーズンからフォーミュラカーレースにデビューし、各地のS-FJとFormula-Beatのレースに参戦している酒井は、先週もスポーツランドSUGOでで4レースをこなし、めきめきと経験値を上げている最中だ。石井は0.184秒差の2番手にドロップ。5番手に筑波・富士シリーズランキング首位の伊藤駿(ZAP SPEED 10VED)が浮上。今回3台が出場のマスターズクラスは総合7番手の秋山健也(スーパーウインズKKS2)がトップ、クラス2位の畠山退三(HobbyBase)は総合10番手、同3位の竹沢茂(スーパーウインズ10V)は13番手。残り10分と予選が折り返したタイミングで酒井はピットイン。セッティング変更かと思われたがそのままマシンを降りてしまい、トラブルの様子もなくここで早々に予選を終了した模様だ。
残り8分50秒、トップ酒井、2番手石井、は変わらず3番手に59秒072で津田が上がってくる。塚本~伊藤~落合と続き、9番手までドロップしていた角間が59秒314で7番へ。角間はここまで2勝でシリーズ3位と好調だが今回は苦戦中。予選後にチーム代表の前田に確認したところ前戦富士でのクラッシュのダメージ修復に時間を要したことと、角間自身が昨年のこの時期の筑波戦に出場しておらず、猛暑のコンディションへの合わせ込みの経験が足りないことなどが原因ではないかとの見解だった。
残り8分30秒、マスターズクラストップの秋山が59秒228をマーク、全体5位に上がってくる。第3戦からマシンをKK-SIIに変更、戦闘力が前のクルマ(KKS)より向上し、マスターズクラスのみならずオーバーオールでの勝負ができると話していた通りになりつつある。これで伊藤6番手、落合7番手、角間8番手へドロップするが、落合はすかざす59秒188で5番手を取り戻し、これで秋山6番手。
さらに残り7分40秒、塚本が59秒068で3番手に浮上。このあたりで各車タイムが伸びなくなり順位の変動が少ない。そんな中健闘が目立つのが今回初のS-FJレースの鈴木悠太(ZAP SPEED KKSⅡ)で、この時点で59秒593で全体10番手の座を守っている。もう一人のルーキー、SEIYA SAITO(ELEVレーシング制動屋S2)は目標だと話していた1分がまだ切れず15番手。
残り5分、昨年筑波の最終戦でデビューして以来、今回2戦目のレース参戦となる上野晴紀(スーパーFJ)が59秒521と自己ベストを更新、鈴木を追いやって10番手へ浮上する。鈴木も自己ベストを59秒544まで削るが0.023秒及ばない。
残り3分のタイミングで2番手につける石井がスローダウン、ピットロードへと戻って来る。リヤから白煙を出しながらの走行で明らかにトラブルの模様だ。予選後チームに確認したところ右リヤのドライブシャフトが切れたとのことで、白煙は切断箇所のグリスが焼けたためだとのことで、さっそくレースに向けて修理にはいる。これでトップ2台が時間を残して予選を終えたことになる。3番手以降の選手にとってはフロントロウを獲得するチャンスだが、各車自己ベストを更新できない、そんな中で残り2分、伊藤が59秒214とタイムを更新、6番手へとあがり3列目のグリッドを確保する。後方では角間と上野が59秒260、59秒365とそれそれベストタイムを更新、角間の8番手は変わらないが上野は内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)を上回り9番手へ浮上する。
20分間の予選が終了。ポールポジションは早々に予選を終えた酒井が獲得。石井が0.184秒差の2番手でフロントロウに並んだが、マシン修復が間に合うかが気になる。セカンドロウには塚本と津田、二人のギャップは0.004秒だ。3列目は筑波初見参の落合と2020年筑波王者の伊藤という対照的な組み合わせで、ここも0.046秒の僅差。そして7番手にジェントルマンクラストップの秋山。ジェントルマンクラスの残り2台は畠山退三が全体12番手クラス2位、竹沢茂(スーパーウィンズ10V)が全体15番手クラス3位という結果に。
筑波/富士第6戦決勝は午後1時15分コースイン予定、真夏を思わせる猛暑のコンディションで、選手にもマシンにも過酷なレースになりそうだ。
Text: Junichi SEKINEPhoto: Kazuhiro NOINE