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筑波・富士S-FJ選手権

第6戦筑波決勝 酒井翔太が完勝のポール・ツー・ウイン、酷暑の筑波を完全制圧 ダルマを忘れて2位の石井大雅がシリーズランキングトップに浮上

優勝は酒井翔太(ファーストガレージKK-SII)

 2024年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権第6戦決勝は7月28日(日)に筑波サーキットで開催され、うだるような暑さの中でポールシッターの酒井翔太(ファーストガレージKK-SII)がスタートからトップに立つと2位以下を寄せ付けない走りで18周を走り切り優勝した。

 午前中の予選に続いて行われた決勝はタイスケからやや遅れて午後1時21分コースイン開始。筑波サーキットは気温35.8度、路面温度51.8度。湿度は午前よりやや下がったものの蒸し暑さに変わりはなく、ピットではスポットクーラーや扇風機が活躍している。レース前のコメントではこの暑さの中タイヤの内圧の合わせ込みが難しいとのことだ。

 午後1時29分フォーメーションラップ開始、15台がグリッドに整列してレーススタート。

スタート直後の1コーナー

 全車きれいにスタートを切り、ポールシッターの酒井が2番グリッドから発進の石井大雅(ファーストガレージ制動屋S2)をリードしてホールショットを奪う。3番手スタートの塚本凜世(F-BrainウィンズS2ED)の加速が伸びて、第コーナー進入で石井のインを窺うが、石井がアウトから抑えてポジションを守る。後方では5番手スタートの落合蓮音(ファーストガレージKKS-2)と6番手伊藤駿(ZAP SPEED 10VED)がサイド・バイ・サイドで第1~第2コーナーをクリアするとS字も並走、ヘアピンでアウトから前に出た落合がその勢いのままに前を行く津田充輝(ファーストガレージKK-SII)に襲いかかりダンロップコーナー手前でオーバーテイクして4位までポジションを上げる。さらに伊藤も第2ヘアピンからの加速で津田に並ぶとバックストレートでオーバーテイクして5位。津田は一気に6位まで順位を落とす。

 オープニングラップを終えてトップ酒井は早くも2位石井に0.666秒の差をつける。3位塚本は石井から0.562秒差。以下落合~伊藤~津田の3台が0.555秒以内のグループを形成。後方では9番手スタートの上野晴紀(スーパーFJ)が失速、最後尾の15位まで大幅にポジションダウン。これで10番グリッド以下の内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)~初出場の鈴木悠太(ZAP SPEED KKSⅡ)~畠山退三(HobbyBase)~水谷 誠(HC桶川MRPYTTZAPED)~竹沢茂(スーパーウインズ10V)~初出場のSEIYA SAITO(ELEVレーシング制動屋S2)までがひとつずつ順位を上げる。

 2周目に入り酒井のリードは0.991秒まで拡大。しかし続く3周目は石井がギャップを詰めて0.730秒差。塚本はそこから1.155秒、落合は1.205秒とほぼ等間隔で続き、5位伊藤に対して津田が0.138秒差まで迫る。オープニングラップで4位から6位まで落とされた津田だが、まだ死んではいない。

 酒井と石井のギャップは4周目0.781秒、5周石0.705秒、6周目0.774秒差と酒井が振り切れないが石井も詰め切れないジリジリした展開。この2台のマッチレースの様相を呈して、3位塚本は1.725秒離されている。4位落合はそこからさらに1.5秒後方で、伊藤と津田のバトルにのみ込まれつつある。

 7周目も酒井と石井の間合いは0.707秒で変わらず、単独走行の塚本を挟んで落合~伊藤~津田が0.8秒以内のワンパックで走行。7位はジェントルマンクラストップの秋山健也(スーパーウインズKKS2)、ジェントルマンクラス2位の畠山が全体12位、同クラス3位の竹沢が全体15位となっている。

 9周目、石井が59秒365のファステストラップを出して酒井との間合いを0.662秒に詰めると10周目はさらに0.569秒まで差を削り取る。石井のプレッシャーを感じたのか酒井は11周目の第1コーナーではアウト側にはらんでタイムをロス。石井は0.458秒差と着実に酒井の背後を脅かしている。

 だがこれで酒井の目が覚めたか12周目に58秒353とファステストラップを更新、0.694秒差とすると13周目も石井を上回るペースで0.762秒差とじわじわ引き離す。落合~伊藤~津田の4位争いは伊藤と津田が0.331秒差でやりあうことで落合が0.9秒差まで抜け出し単独4位に。

 後方では7位秋山と8位角間光起(ELEVレーシング10VED)が0.583秒差、9位内藤と10位鈴木が0.258秒差とバトルが展開している。

 酒井と石井のギャップはその後も石井が0.6秒に詰めれば酒井が0.8秒まで離すという一進一退の展開。他のポジションでも入れ替わりがない中で終盤に緊迫してきたのが、3位塚本と4位落合の間で、14周目に0.982秒あった間合いを15周目0.634秒、16周目には0.521秒と落合が表彰台を賭けてラストスパートする。

 ファイナルラップ、酒井は最後まで石井につけいる隙を与えず0.870秒差でフォニッシュラインを通過、ポール・ツー・ウインの完勝でチェカードフラッグをうけた。2位石井は予選で発生したトラブルからは復活したものの、最後まで勝機を見いだせずに終わった。次戦は「必勝ダルマ」を忘れずに初優勝を目指す。3位塚本はこの2台から大きく後れはしたものの、S-FJでは初の表彰台を獲得。ファーストガレージから急遽拝借したという「霊験あらたかな佐々木孝太選手のレーシングスーツ」のご利益があったようだ。塚本を追い詰めた落合だが表彰台に0.16秒届かずの4位。こちらも最後までもつれた伊藤と津田の5位争いは伊藤が0.254秒差で津田を振り切り5位、津田6位で予選から続く「悪くはないがよくもない」調子から抜け出せなかったようだ。

 7位ジェントルマンクラス優勝の秋山をはさんで角間は8位、こちらも不調の波から抜け出せなかった模様で、次戦9月の筑波まで「夏休みの宿題」を抱え込むことになった。秋山に続くジェントルマンクラス2番手は総合11位の畠山、クラス3番手の竹沢は総合15位という結果だった。

 デビュー戦の決勝を走ったルーキー2名は、鈴木が10位、SAITOが14位でそれぞれ完走した。

 筑波・富士S-FJ選手権第7戦は9月15日に筑波サーキットで行われる。あと2戦を残して石井がランキングのトップに浮上、しかし2位の伊藤は僅か4ポイント差。シリーズの行方はまだわからない。

決勝がスタートした

決勝2位は石井大雅(ファーストガレージ制動屋S2)

決勝3位は塚本凜世(F-BrainウィンズS2 ED)

決勝4位は津田充輝(ファーストガレージKK-SII)

決勝5位は落合蓮音(ファーストガレージKKS-2)

決勝6位は伊藤駿(ZAP SPEED 10V ED)

決勝7位、マスタークラス優勝は秋山健也(スーパーウィンズKKS2)

優勝した酒井翔太と2位の石井大雅

表彰式

マスタークラスの表彰式

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE


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