筑波・富士S-FJ選手権

第8戦筑波公式予選 前回初優勝で覚醒した角間光起がポールポジションを獲得

ポールポジションは角間光起(ELEVレーシング10V ED)

 2023年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権第8戦公式予選が10月29日(日)に筑波サーキットで開催され、雨の難コンディションに加えて赤旗中断でアタックの機会が限られた中、9月の筑波大会で初優勝を飾った角間光起(ELEVレーシング10VED)がポールポジションを獲得した。

 ようやく秋らしい気候が来たかと思えば今日は冷たい雨が降るレインコンディションの筑波サーキット。朝から気温はまったく上がらず予選が始まる午前8時40分時点で12.4度、路面温度も14.8度。コースは至る所で水が浮いているのがモニターでも見てとれる状態だ。

 前回筑波でのリザルトに従って角間を先頭に13台がコースイン。20分間のタイムアタックが開始された。

 各車レインタイヤのウオームアップを終えて残り17分、まずは角間が1分6秒677とトップに立つ。2番手に内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)が7秒187、3番手に8秒797で小田部憲幸(いえらいふ 設楽 ZAP ED)と続くがまだ各車様子を見ながらの走りか。

 残り16分、角間が6秒521とタイムを更新、2番手に6秒973の中澤凌(ZAP FOCS 10VED)が上がるが、直後に村田将揮(湘工冷熱ZAPSPEED ED)が5秒952を出してトップへ。角間と中澤はひとつずつドロップ。4番手には前回9月の筑波でレースデビューした松原将也(ZAPアルミック10VED)、5番手内藤、6番手に今回唯一のマスターズクラス秋山健也(スーパーウィンズKKS・ED)がつけている。

 この直後に今回10年ぶりのスーパーFJ復帰の飯田有希(FER・D-BONDS)が第2ヘアピンで単独スピン。アウト側のグラベルに車体の後部がはまってしまい脱出できない状態となり、すかざず赤旗が提示、予選が中断される。10年ぶりの筑波で雨に足元をすくわれたか。

 飯田のマシンを引き出す間も時計は進み約5分後、予選は残り10分20秒時点で延長なしに再開が宣言されコースオープン。各車が再びコースへ。救出された飯田もダメージが無いようでコースイン。

 残り7分、村田のトップは変わらず内藤が1分6秒110で2番手に浮上、さらに3番手には6秒358で豊島里空斗(C.S.I.Racing ED)がつける。豊島は今年5月SUGOでの大会に15歳でスーパーFJレース初参戦。2レースともにポール・ツー・ウインを飾るという鮮烈なデビューを飾り、以来もてぎや富士のレースにも参戦して来ている逸材だ。豊島は続く周回で5秒295までタイムを刻みトップに立つ。内藤も自己ベストを更新し5秒812で村田を上回り2番手を守る。村田3番手にドロップ。

 残り5分、いったん5番手までポジションを落としていた角間が1分5秒655をマークして2番手に上がる。またレーシングカート出身で今回デビュー戦の黒川史哉(ZAP SPEED 黒川)が6秒273で5番手に上がってくる。黒川はさらに5秒744とタイムを詰めて3番手へあがるが、直後に内藤が5秒472を出して角間と黒川を3番手、4番手へ追いやる。5番手村田で6番手には6秒266で松原がつける。

 残り3分、角間が1分4秒867を叩き出してトップに立つ。豊島も5秒144までタイムを詰めるが0.277秒及ばない。3番手には5秒460で村田が上がってきたが、すぐに黒川が5秒429で逆転。しかし村田は次の周回で5秒141とさらにタイムを詰めて、黒川はおろか豊島まで上回り2番手へ順位を上げる。豊島3番手、黒川4番手、以下内藤、中澤と続く。

 チェッカードフラッグが振られ予選終了、ポールポジションは角間の手に。以下0.058秒の差で村田、0.277秒の差で豊島という順に。そしてチェッカードフラッグが振られる中順位を上げたのは内藤で、1分5秒299を出して4番手へ、黒川、中澤のZAP SPEED勢も最後に自己ベストを更新したがそれぞれ5番手、6番手となった。

 しかしその後の審議で、村田が赤旗が出た直後のダンロップコーナーで前車を追い越したとして、2グリッドの降格の裁定が下されて、ポールポジション角間の隣、フロントロウには豊島が、3番手には内藤が繰り上がることになり村田4番手、黒川、中澤という順になった。

予選3位は豊島里空斗(C.S.I Racing ED)

予選4位は内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)

予選2位は村田将輝(湘工冷熱ZAP SPEED ED)

予選5位は黒川史哉(ZAP SPEED黒川)

予選6位は中澤凌(ZAP FOCS 10V ED)

 決勝は午前11時10分コースイン予定。天気予報では10時頃には雨が止むと報じられているが雲行きは怪しい。チャンピオン決定後とはいえ各選手この1戦にかける想いはそれぞれに大きい。

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE


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