筑波・富士S-FJ選手権

第6戦筑波公式予選 武者利仁がトップタイムもペナルティで降格、ランク首位の小村明生がポールポジション

ポールポジションは小村明生(FガレージGyrotech KTR)

 2023年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権第6戦公式予選が9月17日(日)に筑波サーキットで開催され、武者利仁(ZAP RACorse ED)がトップタイムを出すも、ピットレーン走行中のスピンによりペナルティを課せられ降格。小村明生(Fガレージ Gyrotech TKR)が2番手タイムながらもポールポジションを獲得した。

 例年ならシリーズ後半戦で秋の気配も来ようかという9月中旬の筑波サーキットだが、今年は猛暑がまだ居座っており、うす曇りで蒸し暑いコンデションの中、午前9時45分、ここまでシリーズを戦っている8名に加えて今回レースデビューを迎えた松原将也(ZAPアルミック10VED)を加えた全9台がコースイン、20分間の予選が開始された。気温30度、路面温度36度というコンデションだ。

 各車ウオームアップを終えて残り17分、まずは武者が59秒510でトップタイム、すかさず角間光起(ELEVレーシング10VED)が59秒090、内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)が59秒505と続いて武者は59秒447とタイムを詰めるが3番手にダウン。さらに小田部憲幸(いえらいふZAP 10VED)が59秒395、中澤凌(ZAP FOCS 10VED)が59秒443として3番手、4番手へ。これで武者5番手へダウン。

 残り15分、今年筑波で負けなしの小村が本格的にアタックに入り59秒087のトップタイム、続いて中澤が59秒281で3番手へ浮上。小村は続けてタイムを削り59秒040とし、ポジションを落としていた武者も59秒055と0.015秒差の2番手へ上がるとさらに59秒003をマークしてトップの座を小村から奪い返す。

 武者に続いて角間もタイムアップ、59秒028で2番手へ、小村は3番手にドロップするが、残り12分で59秒016までタイムを削り角間を追い落とし2番手へ。4番手中澤59秒131、5番手小田部59秒242、6番手内藤59秒297と続く。

 このタイミングで武者はいつも通りタイヤの内圧調整のためにいったんピットへとピットロードに入ったが、なんとここでハーフスピン。マシンはいったんイン側へと巻き込んでから今度は90度左へ回ると平行している本コース側に飛び出し、最終コーナーを横断する形でアウト側のグリーンに出る。本コース上では村田将揮(湘工冷熱ZAPSPEED ED)が最終コーナーへターンしていたが、危ういところで武者を避けてチームメイト同士の接触を回避した。武者は本コースに復帰するがマシンはガラガラ音を立てておりトラブルが起きている事は一目瞭然な状態。

 予選後に武者に状況を聞いたところ、ピットエントリーを走行中にシフトダウンでミスをして一瞬リバースギアに入ってしまい、それで姿勢を乱してしまったそうで、その後ミッションが壊れたようだとのこと。

 このアクシデントで最終コーナーはレコードライン上に土がまき散らされた状態となる。筑波で最もスピードが乗るコーナーだけにタイムアップは無理と見たか、各車は次々とピットイン。タイヤを調整する者や、この状況では赤旗が出るのではないかと待機する者など一時7台がピットに並び、コース上を走るのは角間と小田部だけとなった。

 その後武者を除く全車がコースへと復帰したが、最終コーナーのコンデションが改善しないため、タイムアップは厳しい状態。いつもなら終盤に見られるタイムアタック合戦は不発となってしまった。そんな中で自己ベストを更新したのが村田で残り5分で59秒711と7番手秋山健也(スーパーウィンズKKS・ED)に0.1秒差まで迫るがポジションは8番手で変わらず。

 結局後半は順位の変動がないままに20分間が過ぎ予選終了となった。

 トップは武者の59秒003、2番手小村59秒016(+0.013秒)、3番手角間59秒028(+0.025秒)、4番手中澤59秒131(+0.128秒)、5番手小田部59秒242(+0.239秒)、6番手内藤59秒297(+0.294秒)という結果に。

 しかしこの後の審議で、武者はピットレーン上でのスピンとコースの横断という危険行為で最後尾スタートという裁定。これにより決勝のポールポジションは小村となり、以下各車繰り上げとなる。また角間は走路外走行により当該周(ベストラップ周)のタイムが抹消され、セカンドベストの59秒090が採用されるが順位は変わらずでフロントロウにつけ、セカンドロウに中澤、小田部のZAP SPEED勢が並ぶこととなった。以下3列目に5番手内藤と6番手で唯一のマスターズクラス秋山健也(スーパーウィンズKKS・ED)が付け、4列目は7番手村田将揮(湘工冷熱ZAPSPEED ED)と今回初レースの松原が8番手で続き、ペナルティの武者は5列目9番グリッドにつくことになる。

 決勝は午後2時4分コースイン予定。ここまで負け知らずの小村が今回も横綱相撲を見せるのか、めきめきと頭角を現してきたと評判の角間がミラクルを見せるか。最後尾スタートながらスピードでは誰にも負けない武者が這い上がってくるのか見どころは尽きない。

予選2位は角間光起(ELEVレーシング10V ED)

予選3位は中澤凌(ZAP FOCS 10V ED)

予選4位は小田部憲幸(いえらいふZAP 10V ED)

予選5位は内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)

予選6位、マスタークラスポールポジションは秋山健也(スーパーウィンズKKS・ED)

ペナルティーで降格となった武者利仁(ZAP SPEED RACorsa ED)

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhisa NOINE


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース