筑波・富士S-FJ選手権

第1戦筑波公式予選 7シーズンぶり参戦の小村明生がポールポジションを獲得

ポールポジションは小村明生(ファーストガレージTKR S2)

 2023年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権開幕戦公式予選が3月26日(日)に筑波サーキットで行われ、2016年筑波シリーズ王者の小村明生(ファーストガレージTKR S2)が2番手の武者利仁(ZAPコングレーシングED)に0.094秒の差でポールポジションを獲得した。

 いよいよ開幕を迎えた筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ。例年になく早い桜の開花で、筑波サーキットへ向かう道の周囲にも桜の木が目立つ。しかしながらレース当日は雨で肌寒い中での開幕となった。昨年度チャンピオンの田上蒼竜はFIA-F4にステップアップ予定。ランキング2位の白崎稜は鈴鹿/岡山シリーズ参戦という事で、今年は新たなヒーローの登場が期待される。もちろん昨年この二人の後塵を拝したランキング3位の安田航(ファーストガレージ&Sウィンズ)など巻き返しを狙う選手も目を離せない。今回のエントリーは10台だ。

 午前8時45分、20分間の予選が開始。気温10度と最近の暖かさはどこへ行ったのやら。雨は小雨模様だが路面はしっかり濡れており、全車レインタイヤでコースイン。昨年のランキングに従って安田が先頭だ。

 各車ウォームアップを終えて計測2周目、まずは武者が1分5秒452のトップタイムをマーク。続いて今回がレースデビューの小田部憲幸(いえらいふ ZAP 10VED)が4秒719といちはやく4秒台に入れてトップに立つ。武者は次の周回で4秒579と小田部を上回り再びトップへ。

 残り16分、小田部は計測2周目にして1分3秒660をマークしてトップ再浮上。前日の練習走行では雨の筑波で走行ラインを模索している印象があったが、しっかりポイントを掴んだか。4秒5791の武者を挟んだ3番手には小村明生(ファーストガレージTKR S2)が5秒218で上がってくる。こちらは2016年筑波シリーズチャンピオンが7シーズンぶりの参戦だ。

 残り14分30秒、安田が1分4秒531で3番手へ。安田のチームは変わらずファーストガレージだがマシンが昨年までのミストKKS-2から東京R&DのRD10Vにチェンジ。マシンの性格はかなり違うという事で習熟が不十分と前日に語っていたが、予選ではしっかりタイムを出して来た。4番手には2台が出場のマスターズクラストップの秋山健也(スーパーウィンズKKS・ED)が4秒863でつけている。

 しかし秋山は次の周回のダンロップコーナー入口でスピン~リヤからアウト側バリアに接触。再スタートは切れたものの、リヤウイングが脱落してしまう。

 残り10分、折り返しを終えて小田部のトップは変わらず、武者も1分3秒855と3秒台に入れるが届かず2番手のまま、3番手には安田が4秒001までタイムを削り、いったんは4秒189と安田を上回った小村が4番手へドロップ。クラッシュした秋山は5番手をキープし6番手に中澤凌(ZAP FOCS 10VED)が4秒946で続く。秋山はいったんピットに戻ってきたが、チェックを終えるとリヤウイングがない状態のままでコースへ戻った。

 残り8分30秒。小村が1分3秒723を出して武者を押しのけ2番手へ浮上するとさらに次の周回で3秒658と小田部を0.002秒上回りトップに立つ。また村田将輝(湘工冷熱ZAPSPEED ED)が4秒753で8番手から5番手へポジションアップ。 小村はさらに3秒546までベストタイムを更新。武者も3秒640を出して2番手。序盤に3秒660を出してから自己ベストが更新されない小田部は3番手へドロップ。4番手安田、5番手村田で、リヤウイングを失っている秋山がクラッシュ前のタイムで6番手を守っている。

 雨は小康状態でレコードラインは一部乾き始めているが、上位陣ではこれ以上のタイム更新はない状況。そんな中で一人順位を上げたのが中澤で残り10秒でコントロールラインを通過して1分4秒740と秋山を上回り6番手へ。

予選2位は武者利仁(ZAPコングレーシングED)

予選3位は小田部憲幸(いえらいふZAP 10V ED)

予選4位は安田航(ファーストガレージ&Sウィンズ)

予選5位は村田将輝(湘工冷熱ZAP SPEED ED)

予選6位は中澤凌(ZAP FOCS 10V ED)

 20分の予選が終了しチェッカー。レースも久々ならレインの走行はさらに昔という小村がポールポジションを獲得。不本意だった昨シーズンを終えて今年は古巣のZAP SPEEDに戻り巻き返しを誓う武者がフロントロウを獲得。そしてデビュー戦の小田部が3番グリッド、その隣には安田が並んだ。3列目は村田、中澤のZAP勢が続き、秋山は7番手、マスターズクラストップとなった。

 決勝は午前11時25分コースイン予定。予選が終わった頃から雨は再び勢いを増し、予報からもウエットレースが予想される。この雨が波乱を呼ぶか、誰に利するか、決勝の展開は一気に予断を許さない状況だ。

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE


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