もてぎ・菅生S-FJ選手権

第7戦もてぎ決勝 内田涼風が村田悠磨との接戦を制して初優勝

優勝は内田涼風(群馬トヨペットTeam RiNoA ED)

 2022年スーパーFJもてぎ・菅生シリーズ最終第7戦決勝はモビリティリゾートもてぎで12月4日(日)に10周で開催され、予選3番手からスタートの内田涼風(群馬トヨペット Team RiNoA ED)が好スタートでトップに立つと村田悠磨(Vieureka ZAP 10VED)のプレッシャーを終始はねのけてフィニッシュ。キャリア初優勝を飾った。

 早朝は0度近くまで冷え込んだモビリティリゾートもてぎは晴天に恵まれ、決勝の始まる午前11時前には14度まで気温が上昇。寒いながらも絶好のレースコンディションとなった。

 エントリーは9台だったが1台が不出場となり8台でのレース。すでにシリーズタイトルは田上蒼竜に決まっており、その田上が出場しないため本命不在という状況だが、だからこそ今日は勝たねばならないと各選手は己を鼓舞してグリッドについた。

 10時55分フォーメーションラップ開始。路面温度は依然低いままなので、各車入念にタイヤに熱入れを行ってからグリッドに整列。レーススタートを迎えた。

決勝レースがスタートした

 ポールシッターの村田はクリーンスタートを決めたのに対しフロントロウに並んだ熱田行雲(ZAP10VED)はやや加速がにぶく、3番グリッドからロケットスタートを決めた内田が第1コーナー進入までに前に出て2位にポジションアップ。内田はアウトサイドにマシンを振るとトップを行く村田にも襲いかかり、第2コーナー出口からの加速で並びかけると第3コーナーでインを取ってトップを奪うことに成功。村田は第5コーナーでアウトから内田を抜き返しにかかるが、内田がラインを押さえてポジションを守る。

 内田と同じくスタートダッシュを決めたのが5番グリッドから発進の池田拓馬(テイクファースト&アメロイド)で、4番手からデビュー戦を迎えた渡辺隼多(ZAP SPEE KKS-II)を第2コーナー立ち上がりでかわすと、そこからの加速で熱田も仕留めて3位へ上がった。

 村田はトップを奪い返すべく内田のリヤに張り付いてゆさぶりをかけるが内田は落ち着いた走りでスキを見せない。3位池田~4位熱田と続き、その後方では5位に落ちた渡辺に対して齊藤慈岳(FER WILD LIFE KK-S2)がV字コーナーからヘアピンにかけて攻め立てるとダウンヒルストレートで齋藤が5位を奪う。

 内田と村田はテール・ツー・ノーズで1周目を終了、コントロールライン上での差は0.179秒。

 2周目に入っても内田と村田の接近戦は変わらず、内田はプレッシャーにさらされながらもトップの座をキープ。攻めあぐねる村田の背後に池田が迫り3台がワンパックになっていく。それに対して村田が突破口を開こうと動いたのが3周目。V字コーナーで内田のインを突いて並んで立ち上がるとヘアピンでもアウトからかぶせに行く。村田はラインをクロスさせて内田の右側からノーズをねじ込んでダウンヒルストレートを並走。内田は村田を封じ込めるようにラインを寄せて行き、村田の右タイヤがグリーンに落ちかける。そこで踏みとどまった村田は今度は左サイドに出て90度コーナーでアウトから仕掛けようとするが、内田はこれも抑え込む。後方ではトップの激しいバトルに池田が一瞬アクセルを戻したのか熱田が一気に前に出て3位を奪い返している。3周目を終えて内田と村田のギャップは0.259秒。熱田と池田も0.154秒差と接近戦が続き、続く4周目の第3コーナーで池田が再び前へ出ると今度はヘアピンの進入でイン側から熱田が仕掛けて再逆転。

内田涼風、村田悠磨、熱田行雲の三つ巴のトップ争い

 5周目6周目とトップ内田と村田のギャップはほぼ変わらず、僅かなミスも許されない神経戦が続く。そして7周目、再び村田が勝負に出て第5コーナーアウト側から仕掛けるが、ここも内田が落ち着いてブロックする。この2台がやりあっている間に熱田が接近。S字の進入で村田をオーバーテイク。2位に上がる。7周目のコントロールライン上では内田~熱田~村田~池田の間隔がそれぞれ0.517秒~0.615秒~0.682秒とほぼ等間隔になる。

 8周目のV字コーナーで今度は村田が熱田のインを差して並走、ダウンヒルストレートを下って90度コーナーのイン側からオーバーテイク、2位を奪回する。村田はその勢いのまま再度内田を追走、9周目のセクター1、セクター2と全体ベストタイムを出して一気にギャップを削り取るとダウンヒルストレートで今度は左サイドから並びかけるとそのまま90度コーナーへ。しかしここも内田が守り切って最終コーナーを立ち上がりファイナルラップに突入する。

なだれ込むようにゴールするトップ集団

 村田は第4コーナーの立ち上がりで内田の左サイドに出ると第5コーナーでアウトからかぶせに行き、130Rまで並走するがオーバーテイクは果たせず、続くV字でもアウトから狙うが内田のブロックは固い。最後のチャンス、ダウンヒルストレートでは内田、村田、熱田の3台がスリーワイドで90度コーナーへアプローチ。内田がインを抑えてトップを死守。村田と熱田はサイド・バイ・サイドでビクトリーコーナーへ。ここで熱田が村田をかわして2位浮上。最終コーナーを立ち上がると3台はもつれあう様にフィニッシュラインを通過。 優勝は内田、0.098秒差の2位に熱田、0.186秒差の3位で村田という結果になった。

 内田はキャリア初優勝、熱田はデビュー2戦目、村田もルーキーイヤーで共に初の表彰台というフレッシュなポディウムとなった。

決勝2位は熱田行雲(ZAP 10V ED)

決勝3位は村田悠磨(Vieureka ZAP 10V ED)

決勝4位は池田拓馬(TAKE FIRST & AMEROID)

決勝5位は渡辺隼多(ZAP SPEED KKS-II)

決勝6位は齊藤慈岳(FER WILD LIFE KK-S2)

 これにて今シーズンのスーパーFJもてぎ/SUGOシリーズは終了。チャンピオンは前述の通り田上蒼竜、2位は今回初優勝の内田涼風、3位は村田悠磨という結果になった。

表彰式

次週は富士スピードウェイでスーパーFJ日本一決定戦が行われ、もてぎ/SUGOシリーズに出場した選手も多数出場する。

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Asako SHIMA


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