JAF-F4地方選手権シリーズ第6戦は7月24日(日)に富士スピードウェイで開催され、公式予選は佐々木孝太(スーパーウインズ&ISP)がハンマー伊澤(令和雪合戦ハンマーR☆ハヤテ)を0.079秒差にしりぞけてポールポジションを獲得した。
全国を転戦するJAF-F4地方選手権は十勝から富士スピードウェイへ。富士は朝から好天気で気温こそ27度程度だが真夏の日差しが照りつけている。
エントリーは14台。ただその中で渡邊義人(チームNATS・エクシズWXR)は不参加、またISHIKEN(HMRハンマーR☆ハヤテ)は予選が始まってもコースインできず予選不出走。エンジンは始動するもののスロットルを開くと止まってしまう状態とのこと。
20分間の予選は午前8時30分開始。佐藤樹(MARUSAN★ミスト)を先頭に12台がコースインする。
各車ウォームアップを終えてまずは残り16分に伊澤が1分45秒840を出してトップに立つ。前日の練習走行ではシフトリンケージの問題でシフトダウンが引っかかるトラブルに見舞われていた伊澤だがそれは解消した模様だ。2番手は佐藤の46秒091。佐藤も前日までは絶不調という話でトップから1秒以上離され、セッティングで何を変えてもタイムが上がらないと頭を抱えていたが、レース当日になって調子を取り戻したようだ。前回出場したSUGOでのレースではステアリングが異様に重くて大変だったと話していた佐藤だが、今回そこは解消したそうである。
伊澤と佐藤は次の周回でそろってタイムを上げ、伊澤45秒438、佐藤も45秒台に入れて45秒575。
3番手には金井亮忠(チームNATS・正義・001)が46秒343で浮上。日本自動車大学校の生徒がメンテナスするマシンは前日まだセッティングが決まらないと話していたが、そこから思い切って設定を変更したことが奉功したようだ。4番手にはもてぎでの開幕戦以来の参戦となる新倉涼介(ファーストガレージ&Sウインズ)。一昨年のもてぎS-FJ王者の新倉だが、もてぎ以外でレースをするのは初めてだそうで、JAF-F4の特性と合わせてまだ習熟中とのこと。
佐藤と伊澤のトップ争いは、残り12分で佐藤1分45秒133、続いて伊澤44秒864と、前を走る佐藤がベストタイムを出してトップに立つと直後にそれを伊澤が更新する、という繰り返しで推移する。3番手のポジションは金井が守っているが、4位には45秒825で黒沼聖那(ファーストガレージ&Sウインズ)、そして佐々木が46秒241で続くと、さらに45秒271とタイムを詰めて3番手へとポジションアップ。
残り9分、佐藤は1分44秒735でトップも、続く伊澤が44秒520をマークして逆転。佐々木も45秒247とタイムを刻むと次の周回で44秒563を出して佐藤を追い落として2番手へ、44秒281とタイムを詰めた伊澤に詰め寄る。後方ではいったん順位を落としていた新倉が45秒698で5番手へ再浮上する。
ジェントルマンクラスのトップ争いは全体7位の安井和明(NAVY★RK-01)と同8位河野靖喜(ハンマーレーシング☆RISING)の間で争われている。これまでジェントルマンクラスのトップに君臨していた伊澤が前戦十勝よりクラス卒業となった為、クラストップの争いが激しくなっている。
残り5分を切り、佐々木が第1、第2セクターとベストタイムで通過すると、コントロールラインを通過して1分43秒985とついにトップタイムを出す。これで伊澤2番手、佐藤3番手。金井、新倉と続きジェントルマンクラスのトップ安井が45秒814で総合6番手に進出。伊澤はトップを奪回すべくタイムアタックを続け、44秒263→44秒064とタイムを削り佐々木に迫るがここでタイムアップ。佐藤も44秒425までタイムを詰めるが3番手で変わらず。4位金井、5位新倉と続き6位には黒沼が45秒724で滑り込んだ。しかし黒沼は走路外走行複数回という事で3グリッド降格のペナルティが課された。
ジェントルマンクラスは終始トップを守った安井が総合7番手、河野は0.165秒差まで追い詰めたが総合8番手で続いた。
■予選後のコメント
- ポールポジション 6号車・佐々木孝太(スーパーウインズ&ISP)1分43秒985
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「タイヤのマネジメントしながら、一番おいしい所(タイミング)を探していて、タイムを上げていったのですが、思いのほかハンマーさんが早くタイム出ていたので、ちょっとコレは頑張んないといかんな、とペースを上げていったのですけど、これ以上は僕も出なかったので、ヤバかったですね。かろうじてトップでよかったです。決勝に向けては、ハンマーさんほんとに速いので、油断したらすぐ抜かれちゃうので、最後の1周までプッシュするしかないな、というふうには思っています」
- 2位 ハンマー伊澤(令和雪合戦ハンマーR☆ハヤテ)1分44秒064 トップとの差0.079秒
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「(佐々木選手と僅差だったが?)もうちょっとイケると思っていたのですけど、ダメでした。昨日出ていたミッショントラブルは大丈夫です。(もっとタイム出るはずだった?)負け惜しみです(笑)。決勝はまたスタート失敗しないように頑張ります」
- 3位 5号車・佐藤樹(MARUSAN★ミスト)1分44秒425 トップとの差0.440秒
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「昨日は1秒以上遅かったので、差は縮められたかな、と思います。まだタイムは上げられそうな感覚があるので、もうちょっと決勝で何とかするしかないですね。(昨日よりはいい感じ?)だいぶマシになりました。決勝は展開によりますけどバトルで何とかするしかないので、勝てるように頑張ります」
決勝は午前11時10分開始予定。ここまで5戦中3勝でJAF地方選手権をリードしている佐々木がポールポジションから飛び出すのか、誰かがストップ・ザ・佐々木に名乗りを上げるのか注目が集まる。
Text & Photo: Junichi SEKINE