SUPER GT

SGT:第1戦岡山公式予選 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴組)が開幕戦でフロントローを獲得 (HONDA)

  • 2012年3月31日(土)・予選  会場:岡山国際サーキット(3.703km)  天候:雨のち晴れ  気温:9℃(14:00現在) 路面温度:18℃(14:00現在)  コースコンディション:予選/ウエットのちドライ

 3月31日(土)、岡山県美作市にある岡山国際サーキットにおいて、2012 オートバックス SUPER GT第1戦「OKAYAMA GT 300KM RACE」が開幕し、公式予選が行われました。

 Hondaはデビュー3年目を迎えたHSV-010 GTでSUPER GTに挑戦。2年ぶりとなるタイトル奪還を目指してシリーズを戦います。

 昨年、それまでボディ前端に置かれていたラジエターをフロントタイヤ後方に移設する“サイドラジエター化”を実施したHSV-010 GTは、2012年シーズンに向けてリアウイングステー、リアフェンダー周り、フロントフェンダー周り、フロントアンダーカバーなどの形状を変更。ダウン フォース(空気の流れによりマシンを路面に押しつける力)の大きさを維持しながら、空気抵抗(ドラッグ)を軽減する改良を施しました。

 また、今シーズンはGT300クラス車両がレギュレーション変更により速くなったことにともない、GT500クラス車両もエンジンに装着するエアリ ストリクターを2ランク拡大する措置がとられました。この結果、エンジンパワーは40ps弱向上し、さらなるスピードアップを果たしています。

 そのほか、ドライバーの熱さ対策のために従来用いてきたクールスーツに替え、Hondaの軽自動車用をベースに開発した専用エアコンを装備し、より確実で快適なものとしました。この新しいエアコンが真価を発揮するのは第3戦セパン戦以降となります。

 SUPER GTに参戦するHSV-010 GTは今年も5台。マシンとドライバーの組み合わせは、#8 ARTA HSV-010がラルフ・ファーマン選手と小林崇志選手、#17 KEIHIN HSV-010が金石年弘選手と塚越広大選手、#18 ウイダー HSV-010が小暮卓史選手とカルロ・ヴァン・ダム選手、#32 EPSON HSV-010が道上 龍選手と中山友貴選手、#100 RAYBRIG HSV-010が伊沢拓也選手と山本尚貴選手となります。昨年からの変更点としては、マシン開発能力に定評のあるファーマン選手が復帰したことと、新たに 2008年の全日本F3チャンピオンであるヴァン・ダム選手を起用したことが挙げられます。

 開幕戦の予選はノックアウト方式で行われました。予選1回目では上位11台が予選2回目に進出、予選2回目では上位7台が予選3回目に進出し、この 予選3回目で記録した予選タイムにしたがって決勝レースの上位スターティンググリッドを決めます。また、予選を通過できなかったチームは、その段階での予 選順位が決勝レースでのスターティンググリッドとなります。

 途中3度の赤旗中断を挟み、午前9時から2時間にわたり行われた公式練習は、冷たい雨が降り続くあいにくのコンディションとなりました。ここ で、#32 EPSON HSV-010に乗る道上選手は1分34秒526を記録して4番手につけ、Honda陣営のトップに立ちました。以下、#8 ARTA HSV-010のファーマン選手は1分35秒141で5番手、#18 ウイダー HSV-010の小暮選手は1分35秒211で6番手、#100 RAYBRIG HSV-010の伊沢選手は1分36秒016で9番手、#17 KEIHIN HSV-010の塚越選手は1分37秒047で15番手となりました。

 公式練習が終わると雨は小降りとなり、日差しが降り注ぐようになりましたが、午後2時30分に公式予選が始まる直前に再び雨が降り始めます。この雨はすぐに止みましたが、ウエット路面が徐々に乾く難しいコンディションで公式予選は幕を開けました。

 予選1回目では1分30秒212をマークして3番手につけた#32 EPSON HSV-010の道上選手がHonda勢としては最上位。これに#100 RAYBRIG HSV-010に乗る伊沢選手が9番手(1分31秒988)、#8 ARTA HSV-010に乗るファーマン選手が10番手(1分32秒031)、#18 ウイダー HSV-010に乗る小暮選手が11番手(1分32秒213)となり、予選2回目への進出を決めました。一方、#17 KEIHIN HSV-010に乗る塚越選手は、マシン自体は好調ながら、タイムアタックのチャンスを逃した影響で13番手に終わり、この段階で決勝レースのスターティ ンググリッドが確定しました。

 予選2回目が行われたときには路面もすっかり乾き、全車スリックタイヤを装着してタイムアタックを行いました。ここでHonda陣営のトップに立っ たのは#100 RAYBRIG HSV-010で、ドライバーの山本選手は1分23秒539を記録し、GT500クラスの2番手につけました。さらに、#8 ARTA HSV-010に乗る小林選手は4番手(1分23秒612)、#18 ウイダー HSV-010に乗るヴァン・ダム選手は7番手(1分23秒882)にそれぞれつけ、予選3回目への進出を決めました。一方、#32 EPSON HSV-010に乗る中山選手は装着したタイヤとコンディションがマッチしなかったために10番手(1分24秒279)となり、予選3回目には出場できま せんでした。

 予選3回目も引き続きドライコンディションのもとで実施されました。ここでは、#100 RAYBRIG HSV-010に乗る伊沢選手がトップの0.016秒差に迫る1分22秒588をマークして予選2番手となり、フロントローを獲得。一方、#18 ウイダー HSV-010に乗る小暮選手はタイムアタックのタイミングが合わずに6番手(1分23秒464)、コースイン直後に軽いコースアウトを喫した#8 ARTA HSV-010のファーマン選手は7番手(1分23秒537)となりました。

 この結果、#100 RAYBRIG HSV-010が2番グリッド、#18 ウイダー HSV-010は6番グリッド、#8 ARTA HSV-010は7番グリッド、#32 EPSON HSV-010は10番グリッド、#17 KEIHIN HSV-010は13番グリッドから明日の決勝に臨むことになりました。

82周で競われる決勝レースは、明日、4月1日(日)の午後2時にスタートが切られる予定です。

コメント
松本雅彦|Honda GTプロジェクトリーダー
 「今日の予選では#100 RAYBRIG HSV-010が0.016秒差でポールポジションを逃してしまいましたが、明日の決勝では優勝を狙えるポジションを取れたので、全く落胆していませ ん。#100 RAYBRIG HSV-010は決勝を重視したタイヤチョイスをしているので、決勝では戦略面でも強みを発揮できると考えています。あとはミスなく戦えば、おのずと結果 はついてくるでしょう。そのほかの4台はアタックのタイミングを逃すなどしたことが影響し、上位グリッドを獲得できませんでしたが、いずれもポテンシャル が高いので、明日は追い上げのレースを演じてくれると期待しています。引き続き5台のHSV-010 GTにご声援をよろしくお願いします」
山本尚貴(2番手 #100 RAYBRIG HSV-010)
 「今までのレース人 生の中でも、こんなにめまぐるしく天候が変わる日はありませんでしたが、そのような状況で最良の結果が得られました。ポールポジションを獲得できなかった ことは残念ですが、決勝レースを見越したタイヤ選択をしている中で2番手に食い込めたので、自分自身もしっかり仕事ができましたし、チーム全体としても作 戦通り戦えたと思います。 マシンも調子がよくて期待が持てますし、いい流れで戦えているので、明日もミスが無ければ必ずいい結果が得られると確信しています」
伊沢拓也(2番手 #100 RAYBRIG HSV-010)
 「予選3回目はタイ ムがトップに肉薄していたので、どうしてもポールポジションを取りたかったのですが、あとひとふんばりが足りませんでした。悔しい、の一言に尽きます。た だ、今日は戦略通りに攻めることができましたし、明日はスタートさえ何事も無ければ絶対に上位に入る自信があるので、決勝では優勝を狙ってがんばります」
Text & Photo: HONDA


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