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2022年4月

SUPER FORMULA

第1戦富士決勝後のコメント 笹原右京「原因は精査中だが、いずれにせよ勿体なかった」

笹原右京(TEAM MUGEN)

 (スタートでは何が起きた?)

 「原因がなんだったのか、まだ問題が精査できていません。僕自身の手順は問題なかったと思います。本当に(クラッチを)繋いだ瞬間にいきなりストールしてしまった感じで、自分でもあのコンマ数秒の間に何かできたかというと、何もできなかっただろうなというレベルで。あの瞬間は頭が...『あれ?加速しないぞ?』って。反応自体はむちゃくちゃ良かったので、繋がりすぎていたのか、クラッチの温度が上がりすぎていたのか。いずれにせよ勿体なかったです」

 (左リヤタイヤのパンクチャーについては)

 「あれも原因がわかっていません。デブリを踏んだ感触もなかったし、タイヤに過剰な負荷をかけた覚えもなかったので。ぶつけられたわけでもありませんから。その後は周回遅れになってしまったので邪魔にならないように走っていました。ロングランもできていませんでしたから。その中で明日につながるようなデータも収集できましたし、ペース的にも手応えがありました」

 (スポット参戦を続けていた時と、レギュラーシートを得た今の状況はやっぱり違う?)

 「全然違いますね。精神的にも、チームとの取り組み方も違います。代役となると、レースウィークの72時間のうちにきっちり爪痕を残さないといけないので。それに比べたらテストからコツコツと積み上げて、開幕戦の予選までの流れを作り上げていけたので、全然違うなと感じました。スポット参戦を続けて結果的に最後まで乗っていたシーズンと違って、一年を見据えての取り組み方などは全然違います」

 「何よりチーム無限はGTでもお世話になっているチームですし、第二の家族みたいに感じていて、めちゃくちゃ心強いですし、チームスタッフの頑張りに刺激を受けて自分もより努力していこうと思えます。そういうチームと一緒に戦えることは、嬉しいですね」

 (第2戦の抱負を)

 「今日ポールポジションを獲得できて、速さを示すことはできたと思うので、明日も引き続き一番前からスタートしたいです。その上で明日こそはちゃんとスタートを切って、そのまま前でレースを終えられたらなと思います。優勝したいとか、表彰台に上がりたいとかって目標は特にセットしていませんが、前の方で戦った時に自分たちがどの位置で追えられるのか。とにかくベストを尽くそうという思いでやっています。今日起きた問題も、チームと一緒にやっていければ必ず解決できると思います」

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER FORMULA

第1戦富士決勝会見 平川亮「初戦から優勝できて良かった。オフに決まらなかったクルマが、今日の朝ようやくまとまった」

第1戦優勝 平川亮(carenex TEAM IMPUL)

 「2020年以来という感じはしないんですが、そうですね、昨年は最高位が2位だったので悔しいシーズンでした。今シーズンは初戦から優勝できてよかったですし、シーズンオフにクルマがなかなか決まらなかったのが、今日の朝ようやくまとまってきました。そこに持って来れたのがよかったです。また明日もあるので、この勢いでいけば、また優勝のチャンスはあると思うので、しっかりと休んで、力を発揮したいと思います」

 「今日よかったら明日も悪いわけがないので。でもライバルたちも追いついてくると思うので、さらに良くできるように、今日以上に引き離せるように準備したいと思います」

第1戦決勝2位 野尻智紀(TEAM MUGEN)

 「2位ということですが、一時はトップに立っていたので、もちろん悔しさはあります。レースとしては6番手のスタートだったので、非常に思い切ったチャレンジができましたし、内容としては満足しています。昨年も平川選手はロングランのペースが良かったので、非常に怖い存在だという印象がありました。昨年のチャンピオンだなんてことは一瞬で忘れ去られると思うので、しっかり自分で意識を強く持って、誰にも負けないという気持ちを持てました。チームメイトの笹原選手も予選では速かったですし。決勝では彼の望んだ結果ではなかったと思いますが、チームとともに前進して、チーム全員が揃って前にいて、優勝するという夢が実現できるように、明日以降もファンの皆さんの力を借りて、精一杯頑張ります」

 「(平川選手とのバトルについて)背後に迫ってきたのは前の周のストレートからわかっていました。もちろんタイヤの要因などからトラクション性能も違っていたとは思いますが、『ああそこできたか』という感じはありました。もう少し僕の位置が前なら、平川選手のラインを潰していけたと思いますが、あのぐらい並ばれてしまうともう僕にできることは何もなかったので、潔くサイドバイサイドでいくしかないなと」

第1戦決勝3位 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)

 「3位を獲得できて嬉しく思います。スタートがうまくいって3位に上がれましたし、リーダーに立つこともできました。リードを保つことができなかったのは残念です。できるだけ自分のペースを保ってタイヤ交換に入ったんですが、そこで野尻選手に抜かれてしまいました。ピットストップもスムーズでした。昨年はチームが苦戦していましたし、僕自身もほとんど走ることができなかったので、今年最初のレースで3位を獲得できたことを非常に嬉しく思います。明日もベストを尽くして頑張ります。できるだけ多くのポイントを獲得したいです」

 「序盤にちょっとプッシュしすぎたかなあとは思います。今年はタイヤのスペックが変わっていて、消耗が早いように感じていました。それをマネジメントするのが難しかったけど、勉強になったし、いい経験になりました。タイヤ交換を済ませてからはいいペースで走れていたと思います」

優勝チーム監督 星野一義(carenex TEAM IMPUL)

 「今回はすごくいいレースで、しかも野尻選手が、あそこでアウトに並ばれたら次はインを取られてしまうという展開の中、被せないでフェアでプロフェッショナルな走りをしてくれた。これは優勝以上に評価できると思います。優勝した平川選手も野尻選手も素晴らしいと思います」

 「(平川選手と野尻選手のバトルを見ていた時の心境は?)僕は心臓に毛が生えていないので。スタッフ全員でタイムを見ながら、30周ぐらいを目処にタイヤ交換をしようと。でもひょっとしたら10周くらいで入るかもしれない。そこは成り行き次第でした。結果的によかったのは、平川選手がきちんと自分のパフォーマンスを発揮できるようにセットアップをでき、王者の走りを見せてくれた。それが一番嬉しい」

 「今年はいろんなことがあると思うけど、昨日もどうしてタイムが出ないのかがわからなくて、夜遅くまでかかってやっと原因を突き止めた。そこで朝の予選までに対策をしたのが間に合って、平川選手が思いっきり走れるクルマを用意出来た。関口選手はまだちょっとアンダーステアが解消できず、思い通りに走れるところまでいかなかったが、残り9戦は二人で思い切り戦って欲しいし、チームの中でも競走してるから、作戦なんかなくて、二人に思い切り戦わせていく」

 「さっきは(平川選手が)イングリッシュでインタビューに答えててびっくりしたね。これから世界に羽ばたくドライバーになってほしいね」

まとめ: Kazuhisa SUEHIRO

SUPER FORMULA

第1戦富士決勝 PP笹原右京まさかのストール! 波乱の開幕戦を制したのは平川亮!!

決勝がスタートした

 2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦の決勝が4月9日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、予選3番手からスタートした平川亮(carenex TEAM IMPUL SF19)が前年王者野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)とのバトルを制し、自身通算3勝目を挙げた。

(天候:晴れ コース:ドライ)

 午後2時30分より41周で行われた第1戦決勝はスタートから大荒れの展開となった。

 まずスタートでポールポジションの笹原右京(TEAM MUGEN BINGO SF19)がエンジンストール。笹原によれば、クラッチをミートした瞬間にエンジンがいきなり停止したという。現時点では原因を精査中とのことで、ドライバーにはなす術がなかったという。笹原はなんとか再始動してレースに加わったが、8周目に左リヤタイヤのパンクチャーに見舞われて予定外のピットインを強いられ、その後は周回遅れで走行を続けざるを得なかった。

 これでトップに躍り出たのが予選3番手の平川。2番手にサッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)が続き、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL SF19)が3位につける。

 同じくフロントローからスタートした佐藤蓮(Red Bull TEAM GOH G01 SF19)もスタートで後続に飲み込まれてしまい、ダンロップコーナーで大津弘樹(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)に追突されてスピン、18位と大きく順位を落としてコントロールラインに戻ってきた。

 さらにコカコーラコーナーでは福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE SF19)も後続に追突されてスピン。福住はその際に左のリヤタイヤをカットされたほか、フロアにもダメージを負ってしまったため、そのままレースを終えている。

 トップ争いは、5周終わりのホームストレートでフェネストラズがオーバーテイクシステム(OTS)を作動させて平川を攻略、トップに浮上するが、平川は離されずに追い上げていき、14周目の1コーナーでOTSを使ってトップを奪い返した。

 その後方では、予選6番手の野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)が10周目にいち早くタイヤ交換を敢行。1分24秒台前半で周回を重ねるトップ2台に対し、野尻は1分24秒フラットから時折1分23秒台に入るハイペースで飛ばしに飛ばして順位挽回を図っていた。

 15周を終えた時点でトップの平川との差は42秒391。これが19周目には41秒145となり、21周目にはタイヤ交換を行ったフェネストラズをピット出口で抜き去って実質2位に浮上、さらに23周目には平川との差を39秒771まで詰めてきた。

 これを見て平川は25周目にピットイン、タイヤ交換を行って野尻の前でピットアウト。しかし1コーナーの飛び込みで早くも野尻の先行を許してしまう。

 しかし勝負はそこで終わらなかった。

 タイヤに熱の入った平川は反撃に転じ、27周目に自己ベストを更新して野尻との差を1秒468とすると、28周目には0秒623と一気に間合いを詰める。

野尻智紀と平川亮のトップ争い

 そして30周目。

 ホームストレートでOTSを作動させた平川は1コーナーでアウトから野尻に並びかけるが、野尻はこれを押さえこむ。しかし平川も諦めずにコカコーラコーナー、ダンロップコーナーと仕掛けていき、第13コーナーで野尻のアウトに並びかけると、そのままGR Supraコーナーでインに入ってトップを奪い返した。

 その後も平川は1分23秒台のハイペースで一気に後続を突き放しにかかり、最後は野尻に5.623秒差をつけてチェッカーを受け、初戦を勝利で飾るとともに、自身通算3勝目をものにした。

 2位は野尻。3位にはフェネストラズが入った。

 また、予選最後尾からスタートした大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)は何と14台抜きの離れ業をやってのけて7位入賞を果たし、1周目のアクシデントで一時は大きく順位を落とした佐藤も、トップグループと遜色ないペースで粘り強く走行を続け、最後は9位でフィニッシュ。10位に入った三宅淳詞(TEAM GOH G01 SF19)とともに、ルーキードライバー二人は揃ってポイントを獲得した。

 なお、今大会は2レース制で行われるため、明日午前10時25分より第2戦の公式予選が、午後2時30分より同じく41周の決勝レースが行われる予定だ。

優勝は平川亮(carenex TEAM IMPUL SF19)

決勝2位は野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)

決勝3位はサッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)

決勝4位は関口雄飛(carenex TEAM IMPUL SF19)

表彰式

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER FORMULA LIGHTS

第1戦富士決勝会見 野中誠太「まさか勝てるとは思っていなかったので、驚いている」

第1戦優勝 野中誠太(TOM'S)
「スタートで川合選手はかなり出遅れていたので、ここは前に行けると思ったんですけど、太田選手はかなり良い加速をしていたので、2番止まりかなあと思っていたら、1コーナーでインシデントがあって、そこでスルッといけたのは予想外でした」

「(レース後半の走りについて)バランスも徐々に変わってきていたので、慎重に合わせ込んでいたというか。常に100%でプッシュするのではなく、バランスとドライビングの帳尻をうまく合わせて行って、最後にまたプッシュするというレースの作り方をしていました」

「(フリー走行でトラブルが出るなど、波乱の週末だったと思うが、今はホッとしている?)ホッとしているというか、まさか勝てるとは思っていなかったので、驚いています。嬉しいです」

「(第2戦、第3戦への抱負を)今日のスタートが自分としてはいいとは思えなかったので、データを比べながらしっかりスタートできれば、いい展開でレースできると思うので、集中しながら準備していきたいです」

第1戦決勝2位 木村偉織(B-MAX RACING TEAM)
「このような形でB-MAXとホンダHFDPがタッグを組んで初めてのレース。HRCという体制になってから一番最初のフォーミュラのレースで表彰台という結果をお届けできたのは、チームやホンダの皆さんにとってもいいレースだったかなと思います。そんな中でも、もうちょっとああしとけばよかった、こうしとけばよかった、という反省点もあったレースでした」

「専有走行からいいところを掴めていた部分があり、それらをまとめきればタイムが出るな、という手応えがありましたが、予選でマシンのバランスに自分のドライビングを合わせ込むのがうまくいかなくて、納得のいく順位で終われませんでした」

「去年やっていたFIA-F4と比べると、距離も長いですし、タイヤやクルマの落ち方など、いろんな面で違います。その辺りを経験で積み上げていければいいなと思います」

「明日の第2戦は6番手からのスタートになりますが、1台1台抜いて行って、着実にポイントを稼ぎたいです」

第1戦決勝3位 平良響(TOM'S)
「予選でドライビングミスをしてしまって、6番手スタートになってしまったので、勝つのは難しいと思っていましたが、案の定トップの野中選手や木村選手はペースが速くて、途中ついていける部分もありましたが、セクター3の合わせ込みが足りなくて離されて行ってしまいました。得意のスタートではすごくいい反応と蹴り出しができていましたので、1コーナーまでに2、3台抜けるかなと思っていましたが、目の前で川合選手と太田選手の接触があり、避けるに避けれなくて詰まってしまいました」

「(後ろから小高選手が迫ってきていたが)小高選手は先輩ということもあって、後ろから迫って来られた時はメンタル的にびびってしまう部分もありましたが、そこはしっかり落ち着いて、後ろを見ずに前を追っかけるよう、気持ちを持っていきました」

「(明日について)去年も最高順位は3位で、2位とか1位は取れていないので、明日だったり、夏以降だったりも優勝を目指して、チャンピオン争いに絡んでいきたいです」

まとめ:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER FORMULA LIGHTS

第1戦富士決勝 スタートでまさかの大波乱!! 初戦を制したのは参戦2年目の野中誠太

決勝がスタートした

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第1戦の決勝が4月9日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、予選4番手からスタートした野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320)が参戦2年目の初戦で遂に自身初のSFL優勝を達成した。

 第1戦決勝は12時30分より21周で行われた。天候は晴れ。コースはドライだ。

 出足良くスタートでトップに立ったのは予選3番手の太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)。ところが太田は1-2コーナーでポールポジションの川合孝汰(Rn-sports 320)とまさかの接触。2コーナー立ち上がりで力なくストップし、そのままレースを終えてしまう。川合もこのアクシデントでフロントウィングにダメージを負い、5位にポジションを落としてコントロールラインに戻ってくると、7周目にはそのウィングの一部がコースに脱落、そのままピットに戻ってレースを終えた。

 代わってトップに立ったのは予選4番手の野中。これを予選5番手のルーキー、木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)が追う展開となった。3位には予選6番手の平良響(Kuo モビリティ中京 TOM'S 320)が続く。

 序盤から少しずつリードを広げ、12周目には木村との差を1秒471に広げた野中だったが、木村もレース後半に入ると徐々にペースを上げ、14周目にはその差を0秒989まで縮めてきた。

 その後も木村は17周目に1分35秒043、19周目には1分34秒753と次々にファステストラップを更新して野中を追い上げ、20周終了時には0秒851後方にまで迫ってきたが、野中は最後まで木村にオーバーテイクのチャンスを与えず、そのまま21周を走り切って開幕戦を勝利で飾るとともに、明日の第3戦のポールポジションを獲得した。

 フィニッシュライン上での2位の木村との差はわずか0.624秒。3位にはSFL参戦2年目の平良が続いた。

 第2戦決勝は明日の朝9時25分より15周で行われる。

中段の争い

優勝は野中誠太(PONOS Racing TOM\'S 320)

決勝2位は木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)

決勝3位は平良響(Kuo モビリティ中京 TOM\'S 320)

表彰式

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER FORMULA

第1戦富士予選会見 笹原右京「真っ先にピットに戻ってきたので、状況がわかっていませんでした」

第1戦ポールポジション 笹原右京(TEAM MUGEN)
「参戦が決まってから時間がない中で、チームの皆さんは徹夜の連続でした。鈴鹿テストでも問題点を出しながら、この予選までにうまく仕上げてくれました。僕自身はチームとコミニュケーションを取りながら準備を進めてきたので、本当にコツコツ積み上げた結果だなと思います。嬉しいです」

「今年の予選フォーマットに関しては、スーパーGTで経験した方式に近いですし、Q2へのアジャストは、Q1がB組だったことで比較的予想がしやすかったです。」

「真っ先に僕がピットに戻ってきたので、ギリギリまで状況がわかっていなかったんです。無線で『ポール取れたかも』と言われた時は喜びというより『ホントに?』ていう感じで、ちょっと拍子抜けしたような感じでした。その後でチームスタッフが喜んでいる姿を見て、喜びが込み上げてきました」

第1戦予選2位 佐藤蓮(TEAM GOH)
「前日の(フリー走行の)段階ではトップからは離れていましたが、チームの皆さんに原因を探っていただきました。アドバイザー陣の伊沢拓也さん、岡田秀樹さん、山本雅史監督にもアドバイスをもらってこの順位を獲得できたので、本当に感謝しています。」

「テストも含めてホームストレートが追い風というのは、今回が初めての経験でしたが、伊沢アドバイザーからの注意点で1コーナーのブレーキングについてアドバイスをいただいて、それがQ1でうまくいきました。Q2ではコンディション変化の差が大きく、タイムを伸ばしきれませんでした」

第1戦予選3位 平川亮(carenex TEAM IMPUL)
「テストではあまり順調に行っていなくて、試行錯誤を重ねながらシーズンオフのテストを進めてきました。なんとか昨日のフリー走行や今日の予選までにクルマを仕上げることができました。昨日も遅くまでミーティングをやって、しっかり準備を進めてきましたし、昨日起きたトラブルもしっかり解決して、今日は思いっきりいけたので、チームにも感謝しています。この会見にはレッドブルアスリートの3人が呼ばれましたが、僕が一番先輩なのに3番手だったのはちょっと悔しいので、レースでは一番前に行けるように頑張ります」
Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER FORMULA

第1戦富士公式予選 フル参戦初年度の笹原右京が待望のポールポジション ルーキー佐藤もいきなりのフロントロー獲得

ポールポジションは笹原右京(TEAM MUGEN BINGO SF19)

 2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権がついに開幕!

 第1戦の公式予選は4月9日に静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、フル参戦1年目の笹原右京(TEAM MUGEN BINGO SF19)が見事自身初のポールポジションを獲得した。

 スーパーフォーミュラの公式予選はこれまでQ1、Q2、Q3の3セッションからなるノックアウト方式で行われてきたが、今季からはQ1、Q2の2セッションのみとなり、A、Bの2グループの各上位6名でQ2を行うことになった。また今大会においては、クオリファイングライト(Qライト)と呼ばれる新たな仕組みが試験導入された。これは各車両のロールバーに取り付けられたLEDライトをタイムアタックの際に黄色く点滅させ、前を走るドライバーに注意を促すものだ。

予選2位は佐藤蓮(Red Bull TEAM GOH G01 SF19)

予選Q1

 第1戦の公式予選は午前9時30分にグループAのQ1がスタートした。走行時間は各グループ10分間だ。開始時の気温は16℃、路面温度は26℃。ホームストレートは追い風というコンディションでの走行となった。

 ここでめざましい速さを見せつけたのがルーキーの佐藤蓮(Red Bull TEAM GOH G01 SF19)だった。

 佐藤はコースオープンとともに真っ先にピットを離れると、計測4周目に1分21秒675を叩き出し、いきなりトップに躍り出る。一時はトラックリミット違反の審議が行われたが、対象となった周回はベストタイムを出した後の周だったため、佐藤のタイムはそのまま有効とされ、見事トップでQ2に駒を進めることになった。

 前年王者の野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)は1分21秒881で2番手、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING SF19)が1分21秒940で3番手。以下、ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TOM'S SF19)、大津弘樹(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL SF19)がQ2に進出した。

 グループBもサッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)が1分21秒744、平川亮(carenex TEAM IMPUL SF19)が1分21秒896と実力者たちが好タイムを記録する中、フル参戦1年目の笹原が1分21秒835で2番手、佐藤と同じくこれがデビュー戦の三宅淳詞(TEAM GOH G01 SF19)も1分22秒023で4番手に食い込んできた。

 このほか宮田莉朋(Kuo VANTELIN TOM'S SF19)、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF19)がQ2に進んだ。

予選3位は平川亮(carenex TEAM IMPUL SF19)

予選Q2

 Q2は午前11時05分より7分間で行われた。気温は18℃、路面温度は28℃とQ1よりやや高めだ。

 各車2〜3周のウォームアップ走行ののち、黄色いランプを点滅させてタイムアタックに入っていく。まずは大津が1分22秒158を記録、続いて笹原が1分21秒404とQ1のタイムをコンマ4秒縮めてきた。

 宮田や平川も自身のQ1のタイムを上回ったが、それでも宮田1分21秒727、平川は1分21秒708と、笹原には今一歩及ばず、笹原が自身初のポールポジションを獲得した。

 さらに終了間際、Q1のグループAをトップで通過した佐藤が1分21秒668を叩き出して2番手に。午後に行われるデビューレースをフロントローからスタートすることとなった。

 第1戦決勝はこのあと午後2時30分より41周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYSHI

SUPER FORMULA LIGHTS

第1戦&第2戦富士公式予選 第1戦はルーキーの川合孝汰、第2戦は小高一斗がPPを獲得

第1戦ポールポジション、第2戦予選3位の川合孝汰(Rn-sports 320)

 2022年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第1戦、第2戦の公式予選が4月9日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、第1戦は川合孝汰(Rn-sports 320)、第2戦は太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)と、いずれもルーキードライバーがポールポジションを獲得した。

 公式予選は午前8時50分より30分間で行われた。ここでのベストタイム順が第1戦、セカンドベストタイム順が第2戦のスターティンググリッドとなる。第3戦は第1戦決勝の順位だ。

 この日の富士スピードウェイは快晴。気温は14℃とまだまだ肌寒さの残るコンディションでの走行となった。

 各車入念なウォームアップ走行を行い、計測4周目あたりから本格的なアタックに取り掛かる。まずは平木玲次(HELM MOTORSPORTS 320)が計測4周目に1分34秒516をマーク。続いて平良響(Kuo モビリティ中京 TOM'S 320)が1分34秒429、野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320)が1分34秒395、菅波冬悟(Byoubugaura B-MAX Racing 320)が1分34秒200と次々にタイムを削っていく。

 そして残り時間が18分になろうかというところで川合孝汰(Rn-sports 320)が1分33秒858を記録。さらに太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)が残り15分で1分33秒706を計測5周目に叩き出してトップに立った。

 ここで全車一旦ピットイン。残り10分を切ったところで最後のタイムアタックに取り掛かる。

 まずは2021フォーミュラ・リージョナル王者の古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)が1分33秒767で2番手に浮上。続いて2021FIA-F4王者の野中が1分33秒382でトップに浮上する。

 しかし川合は1分33秒248を叩き出して再びトップに。太田は1分33秒381、小高一斗(Kuo モビリティ中京 TOM'S 320)も1分33秒365で2番手に食い込む。

 太田、小高はさらにアタックを続けるが、太田が1分33秒378、小高が1分33秒259を記録したところでチェッカーが提示され、予選は終了。

 今季初参戦の川合が見事デビュー戦でポールポジションを獲得。セカンドタイムでは小高の1分33秒365が最高で、こちらも第2戦のポールポジションを獲得するという結果となった。

 なお、予選2番手の小高一斗(Kuo モビリティ中京 TOM'S 320)は、予選前にエンジン交換を行ったため、第1戦決勝において5グリッド降格となることが公式通知により決定している。

 第1戦決勝はこのあと12時30分より21周で、第2戦決勝は明日の朝9時25分より15周で行われる。

第1戦予選2位、第2戦ポールポジションの小高一斗(Kuo モビリティ中京 TOM\'S 320)

第1戦予選3位、第2戦予選2位の太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

公式テスト岡山セッション4 No. 17 Astemo NSX-GTがトップタイム

 岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われている、スーパーGT公式テストの最後の走行となるセッション4が3月13日午後に行われ、GT500クラスはNo. 17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)、GT300クラスはNo. 56 リアライズ 日産メカニックチャレンジGT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)がトップタイムを記録した。

 午後1時45分から行われたスタート練習に続いて、セッション4は午後2時より当初予定より15分延長の135分間で行われた。ただし午前中の走行でクラッシュしたNo. 61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)は走行を見合わせ、今季から新たにマザーシャシーのMC86を持ち込んだNo. 50 ARNAGE MC86(加納政樹/阪口良平/山下亮生)はピットスタートを選択した。

 本番さながらの2周のローリングに続いてセッション4がスタート。開始時の気温は18℃、路面温度は28.7℃に達した。

 まずは松下信治(Astemo NSX-GT)が2周目に1分19秒361をマーク。その直後に太田格之進(UPGARAGE NSX GT3)がコースアウト、直ちにフルコースイエロー(FCY)が宣言されたが、すぐに解除となった。

 すると関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)が1分19秒525を出して2番手に。阪口晴南(WedsSport ADVAN GR Supra)も1分19秒874で3番手につける。

 続いて平手晃平(リアライズコーポレーションADVAN GT-R)が1分19秒668で3番手。ニッサンZは最初のテストから好調なようだ。

 開始から35分が経過したところで今季新たにチームインパルに移籍したベルトラン・バゲット(カルソニックIMPUL Z)が1分19秒419をマークし、2番手に。この時点で路面温度は26.2℃とやや下がってきた。気温は18℃と変わっていない

 その後は各チームロングランに移行、GT500は1分21〜29秒台で周回を重ねていったため、しばらくは目立った順位変動がなかったが、残り11分を切ったところで山下健太(ENEOS X PRIME GR Supra)が1分19秒471を記録し、3番手に浮上した。この時点で路面温度は22.2℃まで下がってきた。

 この結果、GT500クラスはNo. 17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)がトップタイム、No. 12 カルソニックIMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が2番手、そしてNo. 14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)が3番手という結果で二日間のテストを終了した。

 なお二日目の総合ならびに二日間の総合トップは、セッション3で1分25秒116を記録したNo. 36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ)という結果になった。

 GT300クラスはまず藤波清斗(リアライズ 日産メカニックチャレンジGT-R)が1分26秒649でトップ。これを元嶋佑弥(JLOC)が1分26秒811、ケイ・コッツォリーノ(PACIFIC Hololive NAC Ferrari)が1分27秒107で追う展開で始まった。

 43分が経過したところでトップの56号車はジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(リアライズ 日産メカニックチャレンジGT-R)が1分26秒464とさらにタイムを縮めてきた。

 開始早々にコースアウトを喫したNo. 18 UPGARAGE NSX GT3も、小林崇志のドライブにより1分28秒126を7周目にマーク、16番手となった。

 その後は各チームとも1分27秒台〜35秒台のペースで周回を重ねることになったが、残り10分を切ったところで篠原拓朗(LEON PYRAMID AMG)が1分27秒482で9位に。近藤翼(Studie BMW M4)も1分27秒520で10位に浮上してきた。

 しかしトップ3に変動はなく、GT300クラスのトップはNo. 56 リアライズ 日産メカニックチャレンジGT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)、No. 88 JLOC(小暮卓史/元嶋佑弥)が2番手、No .9 PACIFIC Hololive NAC Ferrari(木村武史/ケイ・コッツォリーノ)が3番手で二日間の日程を終了している。

 二日目の総合トップは午前中に1分25秒917をマークしたNo. 52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)。二日間の総合ではセッション1で1分25秒210をマークしたNo. 88 JLOC(小暮卓史/元嶋佑弥)がトップだ。

 スーパーGT公式テストはこのあと3月26-27日の二日間、富士スピードウェイに舞台を移して行われる。

 またシリーズ開幕戦は4月17日に岡山国際サーキットで300kmの決勝を行う。

公式テスト岡山4回目: GT500クラスのスタート練習

公式テスト岡山4回目: GT300クラスのスタート練習

公式テスト岡山4回目: GT500クラストップタイムはAstemo REAL RACING(塚越広大/松下信治)

公式テスト岡山4回目: GT500クラス2位はTEAM IMPUL(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)

公式テスト岡山4回目: GT500クラス3位はTGR TEAM ENEOS ROOKIE(大嶋和也/山下健太)

公式テスト岡山4回目: GT300クラストップタイムはKONDO RACING(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)

公式テスト岡山4回目: GT300クラス2位はJLOC(小暮卓史/元嶋佑弥)

公式テスト岡山4回目: GT300クラス3位はPACIFIC CARGUY Racing(木村武史/ケイ・コッツォリーノ)

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

公式テスト岡山ドライバーコメント TGR TEAM au TOM'S坪井翔「一発だけでなく、トータルで速いクルマを」

 今回の公式テストにおいてセッション1と1日目の総合でトップタイムを記録し、今日のセッション3でもトップと、順調にテストを消化しているNo. 36 au TOM'S GR Supra。その36号車を走らせる坪井翔選手とジュリアーノ・アレジ選手に話を聞いた。

坪井翔(TGR TEAM au TOM'S)

公式テスト岡山: 坪井翔(TGR TEAM au TOM\'S)  「初めての公式テストということでGT300を絡めての走行になりました。エアロなどが新しくなり、セットアップやタイヤ選択なども色々テストをしてきましたが、その中で結果的にトップタイムが出せた、という感じです。テストでは専有走行でベストタイムが出ることが多いので、昨日に関してはまさか午前のタイムで総合のトップになるとは思っていなくて、びっくりしています。まあコンディションの影響もあったとは思います。昨日の総合トップ、今日の午前の走行でもトップということで、非常に順調にきていると思います。ただ、他のチームやメーカーもテストをしている段階なので、油断はできない状況ではあります。ひとまず自分たちがやりたいメニューをこなせていて、それが結果にもつながってはいます。」

 「(混走の中でのベストタイムということだが、クリアラップが取れていればどのくらいのタイムが出たと思うか)多分17秒台が出ていたと思います。でもまだまだ課題は残っているので、タイム云々をいう段階ではないと思います。まだまだ詰められるところが残っていると思うので、一発が速いだけでなくて、トータルで速いクルマを作れるように、午後の走行と次の富士のテストでしっかり見つけていければと思います」

 「(クルマの伸び代はまだまだありそう?)エアロを始め色々変わっているので、それに向けたセットアップも去年とは違ってきます。今のパッケージに合わせたセットアップを煮詰めて、パフォーマンス上げていきたいです」

 「(新しいチームメイトについて)ジュリアーノ選手は500に乗るのも初めてだし、BSタイヤも初めて、GT300との混走も初めてと、全部が初めての経験ですので、まずは慣れてもらう。テストでいっぱい乗ってもらって、『500はこういうものだ。300と絡むとこうなるんだ』というのを勉強してもらっている段階です。彼自身は去年もスーパーフォーミュラで勝っているし、速さに関しては申し分ないので、慣れて貰えば問題ないと思います。とにかく今はたくさん乗って、自分のものにしてもらえればと思います。僕もアドバイスをしっかりして、相乗効果というか切磋琢磨していければいいかなと思います。今の段階ではセッティングは僕が中心になってやっています。彼にはまず500に慣れることに集中してもらう段階なので」

 「(開幕戦への抱負を)去年の岡山はスープラ勢が速くて、上位を独占しましたが、今年は勢力図が変わってくると思います。僕は去年ここで予選も決勝も悔しい思いをしているので、開幕ダッシュを決めるためにも、勝てるように頑張ります」

ジュリアーノ・アレジ(TGR TEAM au TOM'S)

公式テスト岡山: ジュリアーノ・アレジ(TGR TEAM au TOM\'S)  「スープラには今年に入って初めて乗りました。去年は300でレクサスに乗っていましたが、かなり違いますね。500クラスも初めてだし、ブリヂストンタイヤも初めてなので。昨日の走行でロングランをやったことで、どんどん良くなってると思います。ただショートランではタイヤの使い方など、勉強するところがたくさん残っています。でもステップバイステップで良くなってると思うので、チームのために頑張ります」

 「(去年同じエンジンを使うスーパーフォーミュラに参戦した経験は活かされていると思う?)クルマの種類が違うので、SFと比較するのは難しいです」

 「(坪井選手の印象は)500のドライブは難しい面がありますが、坪井選手にアドバイスしてもらって、どんどん近づいていってると思います。今は坪井選手が僕の先生です。去年のチャンピオンドライバーですし、学ぶところがいっぱいあるので、すごく楽しいです」

 「(開幕戦に向けての抱負を)まだテストが終わっていませんし、岡山のレースまで時間があります。テストが全部終わった段階で、チームとアナライズをちゃんとやって、レースにおいて僕がどういう役割に集中したらいいかを勉強していきます。結果をどうこういうには今はまだ早すぎます。今は500の走らせ方とブリヂストンタイヤの使い方に集中するべき時です」

まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

公式テスト岡山セッション3 前日に続いてNo. 36 au TOM'S GR Supraがトップタイム

 スーパーGTの公式テスト二日目が3月13日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで始まった。午前のセッション3ではNo. 36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ)がGT500クラスのトップ。GT300クラスはNo. 52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)がトップだった。

 セッション3は午前9時より120分間で行われた。

走行開始時の気温は15℃、路面温度は15.8℃で、終了時には気温18℃、路面温度は24.5℃まで上昇した。

 まずGT500のトップに立ったのは関口雄飛(No. 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra)で1分18秒814。続いて山下健太(No. 14 ENEOS X PRIME GR Supra)が1分19秒003で2番手につける。

 続いて開始から11分が経過したところで坪井翔(No. 36 au TOM'S GR Supra)が1分18秒261を記録してでトップに立ち、宮田莉朋(No. 37 KeePer TOM'S GR Supra)も1分18秒581で2番手に。この時点でトムスが1-2を形成する。

 開始から20分が経過したところで松田次生(No. 23 MOTUL AUTECH Z)が1分18秒640で3番手に。松田はさらに1分18秒246までタイムを縮めるが、トップの坪井も1分18秒116までタイムを縮め、トップを譲らない。

 さらに千代勝正(No. 3 CRAFTSPORTS MOTUL Z)も1分18秒487をマークして3番手に上がってきた。

 しかしセッション3は、中盤に入って赤旗が立て続けに出る荒れた展開となる。

 まず開始55分過ぎに2コーナー立ち上がりでNo. 61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)がコースを飛び出し、タイヤバリアに前から突っ込むアクシデントが発生。ドライブしていたのは山内。これにより61号車はフロント周りに大きなダメージを受けており、午後の走行への影響が懸念される。

 続いて走行は10時3分に再開となったが、10時11分に今度は39号車の関口が1コーナーを飛び出してグラベルに捕まってしまい二度目の赤旗が出されてしまう。しかしクルマへのダメージはなかった模様で、関口は自走でピットに向かい、セッションは10時20分に再開された。

 ところが10時26分に今度は千代勝正(CRAFTSPORTS MOTUL Z)と小暮卓史(No. 88 JLOC)がウィリアムズコーナーで接触、千代の乗る3号車がコースサイドにストップしてしまい、三度目の赤旗中断となった。

 3号車の回収ののち、セッションは10時33分に再開されたが、これ以降タイムを更新するチームはなく、セッション3のトップタイムはNo. 36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ)、2番手がNo. 23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)そしてNo. 3 CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)が3番手という結果になった。

 GT300はまずケイ・コッツォリーノ(No. 9 PACIFIC Hololive NAC Ferrari)が1分26秒584でトップに立ち、これを26分が経過したところで小林崇志(No. 18 UPGARAGE NSX GT3)が1分
26秒310で上回る。川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)も1分26秒351を記録して2番手に上がってきた。

 川合はさらに43分が経過したところで1分26秒006でトップに立つと、その後も1分25秒917までタイムを縮め、No. 52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)がこのセッションをトップで終えた。

 続いて蒲生尚弥(No. 65 LEON PYRAMID AMG)が44分過ぎに1分26秒273で2番手に上がってきたが、これをコッツォリーノが1秒26秒148で上回り、No .9 PACIFIC Hololive NAC Ferrari(木村武史/ケイ・コッツォリーノ)がこのセッションの2番手。No. 65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)が3番手となった。

 スーパーGT公式テストはこのあと午後1時45分よりスタート練習を行い、午後2時より最後の走行となるセッション4が120分間で行われる。

公式テスト岡山3回目: GT500クラストップタイムはTGR TEAM au TOM\'S(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ)

公式テスト岡山3回目: GT500クラス2位はNISMO(松田次生/ロニー・クインタレッリ)

公式テスト岡山3回目: GT500クラス3位はNDDP RACING(千代勝正/高星明誠)

公式テスト岡山3回目: GT300クラストップタイムは埼玉トヨペット Green Brave(吉田広樹/川合孝汰)

公式テスト岡山3回目: GT300クラス2位はPACIFIC CARGUY Racing(木村武史/ケイ・コッツォリーノ)

公式テスト岡山3回目: GT300クラス3位はK2 R&D LEON RACING(蒲生尚弥/篠原拓朗)

公式テスト岡山3回目: クラッシュした山内英輝(R&D SPORT)

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

公式テスト岡山ドライバーコメント Astemo REAL RACING松下信治「チームの信頼と期待に応えたい」

 公式テスト岡山のセッション2でトップタイムを記録した、No. 17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)。今年でGT500クラス14年目を迎えるベテランの塚越選手と、昨年チームインパルからGT500クラスに参戦、1勝を挙げて今年リアルレーシングに移籍してきたばかりの松下選手に話を聞いた。

塚越広大(Astemo REAL RACING)

公式テスト岡山: セッション2でGT500クラストップタイムの塚越広大(Astemo REAL RACING)  「(今日の走行を振り返ってください)午前の走り出しからクルマのフィーリングが良かったので、タイヤテストにはすぐ入れましたし、松下とのフィーリングも似ていたので、うまく調整ができてるんじゃないかなと思います。最後の10分間でもトップタイムで終われましたし。明日はロングラン主体になると思うんですけど、レースに向けてもう少し煮詰められたらと思います」

 「(昨年からの改善点は)エアロに関しては、過去2年で直したいなと思っていたところが各ドライバーあったと思うんですけど、そのリクエストを盛り込んでくれて、問題点は改善されてると思います。細かく何がどうなってるかは僕にはわからないんですが、フィーリングとしては良くなっています。エンジンについても微調整をしながら煮詰めている、という感じですね。今のところ昨年から大きくは変わっていませんが、開幕に向けてもう少し変わっていくんじゃないかなと思います」

 「(チームメイトが松下選手に変わったが、それについての感想は)ヨーロッパで長く走ってきた選手なので、日本とはまた違ったセットの詰め方とか、話し方などがありますし、去年は他メーカーで走っていたこともあるので、色んな面で教えてもらえることもあって、すごく楽しく、いろんなことを勉強しながらやっています。チームも新しい刺激があることによって、より強化されているんじゃないかと思います」

 「(開幕戦に向けての手応えは) まだ強くなる伸び代があると思います。ライバルたちもこれからどんどん強くなると思うので、僕らも一歩でも二歩でも前に進めるようにしたいなと思います」

松下信治(Astemo REAL RACING)

公式テスト岡山: セッション2でGT500クラストップタイムの松下信治(Astemo REAL RACING)  「(今日の走行を振り返ってください)ベースラインは悪くなくて、いろんなテストができました。午後は気温が上がってきましたが、その中でもタイムを落とさずに走れたのは良かったですね。レーシングカーは路面温度の影響を大きく受けますが、その中でうまくアジャストできたのはチームがすごく頑張ってくれたからですね」

 「(GT-Rから乗り換えた感想は)GT-Rとは全然特性が違いますね。それが合う、合わないがこれから出てくると思いますが、なるべくサーキットに合わせられるように頑張ります。ここまではうまくアジャストできていると思います。ホンダさんのニュースペックのNSXも合ってると思いますし。GT-Rの方がステアリング操作に対して繊細で、敏感に動く印象で、NSXはどっしりしている、マイルドな印象です。どちらもスイートスポットを極めれば速いんですが、まずはNSXでそこを見つけないといけませんね。僕自身はどちらであっても速ければいいです。今はNSXに乗っているので、これを極めて一番速く走れるように頑張りたいです」

 「(明日と開幕戦に向けての抱負を)明日もロングランとかニュータイヤのアタックがそこそこあると思うので、それをしっかりやりたいなと思います。クルマのスピードも、チームの雰囲気もすごくポジティブなので、それをしっかり守って開幕を迎えたいなと思います。富士でももう一度テストがあるので、そこでもビルドアップできればと思います」

 「(リアルレーシングには全日本F3でも所属していたが)金石勝智さんの時代にここでF3をやらせてもらったので、チームスタッフは全員知っています。すごく信頼していただいてるし、期待されていることもわかるので、それに応えたいと思います」

まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

公式テスト岡山セッション2 松下信治の快走でNo. 17 Astemo NSX-GTがトップタイム

 岡山国際サーキットで行われている、スーパーGT公式テストのセッション2が3月12日午後から行われ、GT500クラスはNo. 17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)、GT300クラスはNo. 87 JLOC(松浦孝亮/坂口夏月)がトップタイムを記録した。

 Session2は午後2時に走行開始。混走が100分、専有走行が各10分で行われた。開始時点の気温は20℃、路面温度は31.3℃とシャツ1枚でも過ごせる暖かさだ。

 まずは1周のウォームアップに続いて松下信治(No. 17 Astemo NSX-GT)が1分19秒495でトップに。これを山下健太(No. 14 ENEOS X PRIME GR Supra)が1分19秒352で上回るが、開始から13分が経過したところで関口雄飛(No. 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra)が1分19秒100でトップに立った。

 しかし17号車の松下は自身の8周目に1分19秒027を記録して再びトップに。

 セッションは開始から26分が経過したところで赤旗中断となる。リボルバーコーナーで城内政樹(No. 22 アールキューズAMG GT3)がストップしたためだ。車両回収ののち、午後2時32分に走行は再開された。

 走行が再開されると松下は1分18秒478までタイムアップ。2番手にはロニー・クインタレッリ(No. 23 MOTUL AUTECH Z)が1分18秒971で続く。

 開始から48分が経過したところで松下は1分18秒467とさらにタイムを縮めてきた。関口も1分19秒029と自己ベストを更新するが、順位は依然として3番手のままだ。

 開始から54分で二度目の赤旗。今度はNo. 18 UPGARAGE NSX GT3がパイパーコーナーの先でストップしたためだ。ドライバーは小林崇志。18号車は朝のセッションでもトラブルに見舞われていたとのことだ。10分程度の中断ののち、走行は再開された。この時点で路面温度は27℃と、やや下がってきた。

 ここで高星明誠(No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Z)が1分18秒832を記録し、3番手に浮上。ニッサンZが2-3位を占める。その後は順位変動なく混走は終了。各クラスの専有走行に入った。

 専有走行では平峰一貴(No. 12 カルソニックIMPUL Z)が1分18秒512をマークして2番手に。続いて野尻智紀(No. 8 ARTA NSX-GT)が1分18秒501で12号車を上回る。高星明誠(No. 3 CRAFTSPORTS MOTUL Z)は1分18秒407、松下も1'18.215までタイムを縮めて走行を終了したが、総合では午前中に1分18秒150を記録したNo. 36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ)がトップとなった。

 GT300は開始早々に新田守男(No. 96 K-tunes RC F GT3)が1分26秒454でトップに。しかし開始から44分が経過したところで坂口夏月(No. 87 JLOC)が1分26秒221を出し、87号車が96号車を上回ってきた。3番手には1分26秒571で永井宏明(No. 30 apr GR86 GT )が続く。30号車は今季から新たにJAF-GT仕様のGR86を投入してきている。

 専有走行に入ると、新田が1分26秒224までタイムを縮めてきた。トップの坂口とは0.003秒差だ。3番手は1分26秒440で元嶋佑弥(No. 88 JLOC)だ。

 トップの坂口はさらにタイムを縮め、1分26秒149を叩き出す。続いて3番手の元嶋が1分26秒251まで削ってきたところでGT300クラスの専有走行は終了した。昨年スーパーGTに復帰した本山哲(No. 6 Team LeMans Audi R8 LMS)も最後の最後に1'26.733を叩き出し、7番手でテスト初日を終えている。

 この結果、GT300クラスも午前中に1分25秒210をマークした、No. 88 JLOC(小暮卓史/元嶋佑弥)が総合トップでテスト初日を終えることになった。

 スーパーGT公式テストは明日も午前9時よりセッション3が、セッション4は15分間のスタート練習に続いて午後2時よりそれぞれ120分間で行われる。

公式テスト岡山2回目: GT500クラストップタイムはAstemo REAL RACING(塚越広大/松下信治)

公式テスト岡山2回目: GT500クラス2位はNDDP RACING(千代勝正/高星明誠)

公式テスト岡山2回目: GT500クラス3位はARTA(野尻智紀/福住仁嶺)

公式テスト岡山2回目: GT300クラストップタイムはJLOC(松浦孝亮/坂口夏月)

公式テスト岡山2回目: GT300クラス2位はK-tunes Racing(新田守男/高木真一)

公式テスト岡山2回目: GT300クラス3位はJLOC(小暮卓史/元嶋佑弥)

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

公式テスト岡山セッション1 No.36au TOM'S GR Supraがトップタイム

 2022シーズン最初のスーパーGT公式テストが3月12日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで開幕。午前に行われたセッション1ではNo.36au TOM'S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ)がトップタイムを記録した。

 セッション1は午前10時にコースオープン。正午までの120分間で行われたが、始まってすぐに和田 久(No.22アールキューズ AMG GT3)が1コーナーでスピンしたため赤旗中断に。車両回収ののち10時8分に走行は再開された。この日の天候は晴れ。気温は14℃、開始時の路面温度は21℃だ。

 このコンディションが影響してか、各車走り始めからすぐにタイムを上げてきた。走行再開から5分でNo.17Astemo NSX-GTが1分18秒819でトップに。ドライバーは塚越広大だ。No.100STANLEY NSX-GT(山本尚貴)が2番手につけ、No.14ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也)が3番手だ。

 今年からニッサンZ GT500を投入するNo.23MOTUL AUTECH Zは開始16分でロニー・クインタレッリが1分19秒199で3番手に上がってきた。

 開始19分でNo.37KeePer TOM'S GR Supra(宮田莉朋)が2番手に。タイムは1分18秒806。No.3CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正)も1分18秒830を記録して3番手につける。

 No.17塚越は1分18秒408までタイムを縮め、以前トップ。残り時間は1時間34分。GT300は現在No.88ランボルギーニ・ウラカンの小暮卓史がトップで1分26秒247だ。

 残り時間1時間21分で路面温度は25℃に上昇。これに伴いNo.17Astemo NSX-GTの塚越は1分18秒373までタイムアップ。2番手にはNo.36au TOM'S GR Supra(坪井翔)が1分18秒516、1分18秒384と着実にタイムを縮めて上がってきた。

 GT300クラスは依然としてNo.88ウラカンの小暮が1分25秒469でトップ。2番手はNo.9PACIFIC Hololive NAC Ferrariのジェントルマンドライバー、木村武史が1分25秒898で続く。

 No.8ARTA NSX-GT(野尻智紀)が1分18秒787をマークして残り時間1時間10分を切ったところで4番手につける。

 そして残り時間は1時間3分を切ったところでNo.100STANLEY NSX-GT(山本尚貴)が1分18秒218でトップに立った。2番手は17号車、3番手は36号車で、4番手には14号車が続く。

 さらに残り時間が30分を切ると、野尻から交代した福住仁嶺(No.8ARTA NSX-GT)が1分18秒184をマーク。これを36号車の坪井が上回り、1分18秒150でトップに躍り出た。3番手は100号車、4番手の17号車も松下信治のドライブで1分18秒227までタイムを縮めてきた。

 この時点で路面温度はコントロールライン上で27.8℃を記録している。

 結局セッション1は大きなクラッシュや中断などもなく走行を終了。36号車がトップ、2〜4位をNSX勢が占める結果となった。

 ニッサン勢の最上位はNo.12カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)で8位。1分18秒522だった。

 GT300クラスはNo.88JLOCの小暮 卓史/元嶋 佑弥が1分25秒210でトップタイム。2番手にはベテランコンビ復活のNo.96K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)が1分25秒555で続いた。

 公式テストのセッション2はこのあと午後2時より混走100分間、各クラスの専有走行が10分間ずつで行われる。

公式テスト岡山1回目: GT500クラストップタイムはTGR TEAM ZENT CERUMO(立川祐路/石浦宏明) 公式テスト岡山1回目: GT500クラス2位はARTA(野尻智紀/福住仁嶺) 公式テスト岡山1回目: GT500クラス3位はTEAM KUNIMITSU(山本尚貴/牧野任祐) 公式テスト岡山1回目: GT300クラストップタイムはJLOC(小暮卓史/元嶋佑弥) 公式テスト岡山1回目: GT300クラス2位はK-tunes Racing(新田守男/高木真一) 公式テスト岡山1回目: GT300クラス3位はPACIFIC CARGUY Racing(木村武史/ケイ・コッツォリーノ)

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

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鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デーSUPER GTプレシーズンマッチ 第2レースはKeePerとRedBullのデッドヒート!

 鈴鹿60周年ファン感謝デーのもう一つの目玉、SUPER GTプレシーズンマッチの第2レースが3月6日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、昨日に続いて白熱のデッドヒートが展開された。

 この日のプレシーズンマッチは午後3時30分に山本尚貴、関口雄飛のトークショーで始まり、3時45分にピットオープン。55分にフォーメーションを開始した。周回数はフルコース4周だ。

 トヨタ勢は大嶋和也(No.14ENEOS X PRIME GR Supra)、国本雄資(No.19WedsSport ADVAN GR Supra)、ジュリアーノ・アレジ(No.36au TOM'S GR Supra)、石浦宏明(No.38ZENT CERUMO GR Supra)、中山雄一(No.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra)。

 ホンダ勢は福住仁嶺(No.8 ARTA NSX-GT)、笹原右京(No.16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT)、塚越広大(No.17 Astemo NSX-GT)、伊沢拓也(No.64 Modulo NSX-GT)、牧野任祐(No.100 STANLEY NSX-GT)。

 そしてニッサン勢は平峰一貴(No.12カルソニック IMPUL Z)、佐々木大樹(No.24リアライズコーポレーション ADVAN Z)がドライブを担当した。

 ポールポジションは36号車、2番手に19号車とトヨタ勢が続き、7番手以降にホンダ勢、最後尾2台がニッサン勢というグリッドだ。

 ホールショットはポールのアレジ。フェネストラズが2番手につける。後方からは平峰が着実に順位を上げ、8位でコントロールラインに戻ってきた。

 2周目に入るとフェネストラズがトップに浮上。一気に後続を突き放しにかかり、2位アレジの背後には中山が迫る。

 しかしさらにその後ろから16笹原が急接近。4周目の1コーナーで中山をかわして3位に浮上すると、立て続けにアレジをも抜き去ってフェネストラズを追い上げてきた。

 そして笹原は最終コーナー立ち上がりで37号車に並びかけ、2台は並走状態でフィニッシュラインを通過。わずかに37号車が前だったように見えたが、デモレースということで計時が行われていないため、ここは同着としたいところだ。そういうことでご容赦願いたい。

 2022年のオートバックス スーパーGTシリーズの開幕は4月16-17日。岡山国際サーキットで第1戦が300kmで行われる。それに先立ち、公式テストが来週12-13日に同じ岡山で予定されている。鈴鹿サーキットでは5月29日に第3戦決勝が300kmで、8月28日には第5戦決勝が450kmで行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

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鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デーSF DRIVER'S 1LAP ATTACK2 唯一の1分37秒台を叩き出した宮田莉朋が総合トップ!!

 鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デー注目のコンテンツ、SF DRIVER'S 1LAP ATTACKの2回目が6日午後2時よりに三重県の鈴鹿サーキットで行われ、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)がトップタイムを記録した。

 午後の走行に参加するのは、朝の予選で上位10番手までに入ったドライバーだ。天候は曇り、気温7℃とは依然として低いものの、終始スリックタイヤでの走行となった。

 最初に出走したのは予選10番手のジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TOM’S SF19)だ。2周のウォームアップ走行を念入りに行い、1分39秒360をマークした。

 2番手は、新型コロナウィルス感染拡大の影響で昨年中盤まで参戦が叶わなかったサッシャ・フェネストラズ(REALISE Corporation KONDO SF19)。慎重な走りで1分40秒126。今後行われる公式テストで徐々に感覚を取り戻してほしいところだ。

 続いてフル参戦2年目の阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING SF19)。セクター1、セクター3でベストタイムを更新し、1分39秒125でこの時点でのトップに立つ。

 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)はセクター2でベストを更新したが、それ以外がいまひとつ伸びず、1分39秒227でこの時点の2番手となった。

 5番目に出走した宮田莉朋(Kuo VANTELIN TOM’S SF19)は全区間でベストを更新、1分37秒939を叩き出し、トップに躍り出た。

 続いて国本雄資(Kid's com KCMG Elyse SF19)は1分38秒678で宮田に次ぐ2番手。

 今季チームを移籍した福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE SF19)は手堅い走りで1分39秒446。

 昨年圧倒的な強さでタイトルをものにした野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)は1分39秒797と今回はいま一つのタイム。

 予選2番手の大津弘樹(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)は1分39秒342で5番手。

 予選トップのルーキー佐藤蓮(Red Bull TEAM GOH G01 SF19)はバックストレートで最高速を更新するも、最後のシケインで痛恨のスピン、惜しくもノータイム。

 この結果、唯一の1分37秒台を叩き出した宮田が総合トップ、午前中のアタックでトップだった山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が総合2位、国本が総合3位となった。

 全日本スーパーフォーミュラ選手権は4月9-10日に富士スピードウェイで第1戦、第2戦を行い、鈴鹿サーキットでは同24日に第3戦を行う。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

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鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デーSF DRIVER'S ONE LAP ATTACK1 トップタイムは山本尚貴

 鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デー注目のコンテンツ、SF DRIVER'S 1LAP ATTACKの1回目が3月6日に三重県の鈴鹿サーキットで行われ、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)がトップタイムを記録した。

 午前10時05分より行われた1回目の走行は、予選11番手以下の10人が対象だが、平川亮(carenex TEAM IMPUL SF19)が出走しなかったため、9台での走行となった。ドライバー2周のウォームアップを行い、1周のタイムアタックに入る。

 最初に出走した松下信治(BYOBUGAURA B-MAX SF19)はピットアウト直後の1コーナーでまさかのコースオフ。スピンターンを披露してコースに復帰した。タイムは1分39秒805。

 続いて出走した坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING SF19)はコース幅を目一杯使う走りで1分39秒087。

 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL SF19)は持ち前のアグレッシブな走りで1分38秒304を叩き出した。

 今季ついにレギュラーシートを射止めた笹原右京(TEAM MUGEN BINGO SF19)は1分39秒507。

 ベテラン大嶋和也(docomo business ROOKIE SF19)は1分38秒842とまずまずのタイム。

 小林可夢偉(Kid's com KCMG Cayman SF19)はセクター2、セクター3と関口を上回ったが、1分38秒440とわずかに及ばず。

 ルーキーの三宅淳詞(TEAM GOH G01 SF19)はウォームアップ2周目でトラブルが出たか、そのままアタックせずにピットに戻ってしまった。

 3度の年間王者に輝く山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)はセクター1、セクター2とベストタイムを更新、貫禄の走りで1分38秒128を叩き出し、この時点でのトップへ。

 最後に出走した牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF19)は1分38秒997と惜しくも5番手に終わった。

 SF DRIVER'S 1LAP ATTACK2回目の走行は午後2時より行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

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鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デーSF DRIVER'S ONE LAP ATTACK ルーキーの佐藤蓮がトップタイム!

 鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デー注目のコンテンツ、SF DRIVER'S 1LAP ATTACKの予選が3月6日に三重県の鈴鹿サーキットで行われ、ルーキーの佐藤蓮(Red Bull TEAM GOH G01 SF19)が総合トップタイムを記録した。

 今回は全20台をA、Bの2グループに分け、各10分間の走行で午前と午後の2回に分けて行われるワンラップアタックの出走順を決定する。AB総合の上位10位以内が午後、11位以下が午前のアタックだ。

 Aグループに割り当てられたのは牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF19)、小林可夢偉(Kid's com KCMG Cayman SF19)、大嶋和也(docomo business ROOKIE SF19)、笹原右京(TEAM MUGEN BINGO SF19)、平川亮(carenex TEAM IMPUL SF19)、ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TOM’S SF19)、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING SF19)、松下信治(BYOBUGAURA B-MAX SF19)、三宅淳詞(TEAM GOH G01 SF19)、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)。

 午前9時00分より9時10分までの走行は開始早々に小雨が降り始めたこと、路面温度が低いことなどから発熱の早いレインタイヤに履き替えるドライバー、そのままピットで待機するドライバーと判断が分かれることになった。

 10分経過時点でのトップは山本で1分54秒536だったが、終了間際に牧野が1分53秒605を記録、それをアレジが上回り1分51秒818でトップに立つ。

 しかし結局Aグループの走行でタイムを記録したのはこの3人の他に三宅と小林のみ。
他の5名はタイム計測できないままBグループの走行となった。

 Bグループの走行は午前9時15分から25分まで。コースオープン時点ですでに雨は止んでおり、レインとスリックタイヤ入り乱れての走行となった。

 まずはウェットタイヤの大津弘樹(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)が1分47秒474をマーク。続いて同じウェットタイヤの宮田莉朋(Kuo VANTELIN TOM’S SF19)が1分46秒685、国本雄資(Kid's com KCMG Elyse SF19)が1分46秒674を記録する。しかし路面が乾いてきたこともあり、大津はすぐにピットに戻ってスリックに履き替えた。

 終盤に入ると、スリックタイヤで周回を重ねていたルーキーの佐藤蓮が1分45秒989を叩き出してトップに立った。佐藤はさらにアタックを続け、1分41秒626、1分39秒480と順調にタイムを上げて走行を終了、A、B両グループを通じてのトップで午後の1ラップアタックに臨むことになった。

 2番手には終了間際に1分40秒580を記録した6大津が続き、福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE SF19)が1分41秒229で3番手だった。

 なお、このグループ9位のサッシャ・フェネストラズ(REALISE Corporation KONDO SF19)が1分50秒669。 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL SF19)はタイム計測できなかったため、Aグループトップのアレジは総合で10番手となり、Aグループの2位以下は全員午前のアタックに回ることになった。

 SF DRIVER'S 1LAP ATTACK、11番手以下の走行は午前10時05分、トップ10の走行は午後2時より行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsprts Forum

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鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デー SFフリー走行トップは大津弘樹

 3月5日、6日の二日間にわたって三重県の鈴鹿サーキットで行われている「鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デー」1日目の最後のイベントとしてスーパーフォーミュラのフリー走行が30分間で行われ、チームを移籍したばかりの大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)トップタイムを記録した。

 フリー走行は当初予定より5分遅れの午後3時35分より30分間で行われた。この日の天候は曇り、路面はドライだ。なお今回は山下健太(KONDO RACING)が参加しなかったため、全21台中20台での走行となった。

 大津は走り始めて3周目に1分37秒197を記録、これがそのままこのセッションのトップタイムとなった。すぐに大湯も1分37秒626を記録して大津に続く。開始から12分が経過したところで宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が1分37秒852を出して3番手に浮上したが、すぐに昨年王者の野尻智紀(TEAM MUGEN)がこれを上回る1分37秒806を出し、フリー走行はホンダエンジン勢の1-2-3という結果に。それでも宮田はトヨタエンジン勢最上位の4番手で走行を終えた。

 またルーキーの佐藤蓮(TEAM GOH)もセッション中盤に1分38秒268を記録し、6番手につけた。もう一人のルーキー、三宅淳詞(TEAM GOH)も1分38秒723で11番手とまずまずの位置。昨年、一昨年とスポット参戦を続け、今季晴れてフルシーズン契約を獲得した笹原右京(TEAM MUGEN)は1分38秒519で8番手という結果になった。

 明日6日は「DRIVERS 1LAP ATTACK」と題し、参加全ドライバーによる渾身の1ラップアタックが予定されている。午前9時からが計時予選、それに基づいた走行順で午前10時05分と午後2時00分の2回のアタックを行う。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

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スーパーGT各大会のレース距離が決定 3大会が450kmに

 スーパーGTシリーズを運営するGTアソシエイション(GTA)は3月5日、各大会のレース距離が決定したことを発表した。

 それによると今シーズンは開幕戦岡山(4月17日決勝)を始め5大会はは通常通り300kmレースとなるが、第2戦富士(5月4日決勝)、第4戦富士(8月7日決勝)、そして第5戦鈴鹿(8月28日決勝)の3大会が450kmレースで開催されることになった。

 レース距離の延長は昨年行われたGTAの定例会見でも坂東正明代表が言及しており、それが実際に導入されることになったわけだが、5月と8月の富士は従来も500km、800kmでの開催実績があり、8月の鈴鹿はかつて鈴鹿1000kmとして開催されてきた。それが今回450kmというレースフォーマットに統一された格好だ。

 2022シーズンのスケジュールとレースフォーマットは下記の通り。

第1戦岡山国際サーキット 4月16-17日 300km
第2戦富士スピードウェイ 5月3-4日 450km
第3戦鈴鹿サーキット 5月27-28日 300km
第4戦富士スピードウェイ 8月6-7日 450km
第5戦鈴鹿サーキット 8月27-28日 450km
第6戦スポーツランドSUGO 9月7-18日 300km
第7戦オートポリス 10月1-2日 300km
第8戦モビリティリゾートもてぎ 11月5-6日 300km

Text:Kazuhisa SUEHIRO

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鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デーSUPER GTプレシーズンマッチ カルソニックZがトップチェッカー

 「鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デー」の行われている三重県の鈴鹿サーキットで3月5日、「SUPER GTプレシーズンマッチ」と題したデモレースが行われた。

 このデモレースにはGT500クラスに参戦する全15台のうちの13台が参加し、午後2時05分より4周にわたって本番さながらのバトルを披露した。

 ポールポジションからスタートしたのは昨年王者のNo.36au TOM'S GR Supra(坪井翔)。2番手にはNo.8ARTA NSX-GT(野尻智紀)がつけ、今年からニッサンZで参戦するNo.12カルソニック IMPUL Z(平峰一貴)が3番手だ。

 平峰はスタートでフロントローの2台の間に割って入り、一気にトップに躍り出る。2番手には6番手からスタートしたNo.17Astemo NSX-GT(松下信治)がつけ、1周目には接戦を演じるが、次第に平峰が差を広げていき、そのままトップを快走してチェッカーを受けた。

 その後方からは12番手スタートのNo.16Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(大湯都史樹)、同13番手のNo.64Modulo NSX-GT(伊沢拓也)が次第に順位を上げ、大湯が3位、伊沢が4位でチェッカーを受けた。

「SUPER GTプレシーズンマッチ」は明日6日も午後3時30分より行われる予定だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

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ドライバーズファーストとカーボンニュートラルを目指して JRPが開発計画を発表

 全日本スーパーフォーミュラ選手権を開催するニホンレースプロモーション(JRP)は3月5日、三重県の鈴鹿サーキットにて会見を開き、2022年を通じたフォーミュラカーの開発計画と、そこで使用される2台のテストカーを発表した。

 今回の開発のポイントは①カーボンニュートラルの実現に向けた「素材」「タイヤ」「燃料」の実験、②ドライバーの力が最大限引き出せるエアロダイナミクスの改善、③エンターテインメントの魅力向上につながる車両開発の三つをテーマとして掲げている。

 素材については、現在多くの部分で使用されている炭素繊維(カーボンファイバー)を、麻などの天然素材を活用したバイオコンポジット材に置き換えていく。会場には実際にバイオコンポジット材によって製造されたエンジンカバーが展示されていた。これらの使用により、同等の剛性と重量を確保しながらCO2を75%削減しうるという。今回素材開発を担当するBcomp社はスイスに拠点を置くベンチャー企業で、彼らの技術はマクラーレンF1チームのレーシングシートにも採用されている。スーパーフォーミュラでは今後段階的に使用範囲を拡大していく。

 2023年以降のレーシングタイヤについては、引き続き横浜ゴムとのパートナーシップを継続していくことを2月17日に発表済みだが、この分野においても籾殻やアブラヤシなどの天然由来の配合材やリサイクル素材、再生可能原料を活用したレーシングタイヤの開発を共に進めていく。

 また燃料はホンダ、トヨタの両自動車メーカーと綿密に連携し、「e-fuel」や「バイオfuel」といった複数のカーボンニュートラル燃料をテストし、今後の導入に向けて実験を重ねていく。同様にカーボンニュートラル燃料の導入に向けて準備を進めているGTアソシエイション(GTA)とも連絡を密に取り合っているという。

 こうした環境への取り組みと併せて、スーパーフォーミュラが世界最高峰のドライバーズレースであるために、ドライバーの魅力を最大限引き出せるクルマ作りを進めていく。具体的にはエアロダイナミクスを見直すことで前車からの影響をより少なくし、オーバーテイクの可能性を増やしていくことで、バトルのしやすいクルマ、ファンが応援したくなるクルマ作りを目指す。そのために、SF19を供給しているダラーラと連携して、ボディワークやアンダーパネルの形状に手を入れていくとのことだ。

 エンターテインメントの面では、1月31日に発表したデジタルプラットフォーム「SFgo」の導入に向け、車両側でも様々なテストを実施していく。「SFgo」はレースのオンボード映像や車両データ、無線音声などのあらゆる情報をオープンにし、ファンに新たな視聴環境を提供することを目指している。こうした情報を参戦する21台から収集し、すべてのサーキットで支障なくリアルタイム発信していくため、公募した300名の開発サポーターの声を反映しながら開発を進めていくという。

 こうした様々な項目の開発を、今回発表した2台のテストカーを用いて、年間7回のスーパーフォーミュラ各大会の前後で実施していく。このテストでは、石浦宏明と塚越広大の二人がテストドライバーとして年間を通じて参加していくことも明らかになった。

 第1回のテストは4月6-7日の両日、シリーズ第1-2戦が行われる富士スピードウェイで実施される。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

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鈴鹿60周年ファン感謝デー 「永遠のライバル対決~60周年復活スペシャル~」予選は星野と本山が制す

 鈴鹿サーキット開業60周年を記念して行われる「鈴鹿60周年ファン感謝デー」が3月5日、三重県の鈴鹿サーキットで始まった。従来は「鈴鹿モータースポーツファン感謝デー」として行われてきた恒例のイベントだが、昨年、一昨年は新型コロナウィルスの感染拡大の影響で中止となったこともあり、今回が3年ぶりの開催となった。

 コース上での最初のイベントは「永遠のライバル対決~60周年復活スペシャル~」。午前9時10分より行われた。

 2012年に「鈴鹿50周年ファン感謝デー」で初めて行われ、2018年までF1、スーパーフォーミュラ、スーパーGTとクルマを変えながら15回にわたって行われた星野一義と中嶋悟の因縁の対決。そして2019年の「モースポーフェス2019」では装いも新たに「新・永遠のライバル対決」として本山哲vs脇阪寿一vs道上龍の3人のバトルがスーパーGT500クラスマシンを用いて展開された。

 そして今回は星野一義vs中嶋悟と本山哲vs脇阪寿一vs道上龍の二本立てという豪華ラインナップで5日に予選、6日に決勝というスケジュールだ。今日の予選はホンダN-ONEを用いて東コースで3周のレースを行い、その結果で明日の決勝グリッドが決定される。

 星野vs中嶋対決はスタートでトップに立った星野を2周目の1コーナーで中嶋が大外から抜いていったが、3周目には星野が1コーナーでインをつき、トップを奪い返してそのままチェッカー。明日のポールポジションを獲得した。

 鈴鹿開業当時は中学2年生だったという星野。「こりゃ勉強なんかしてる場合じゃない」と思ったそう。今回使われたN-ONEについては、日産チェリーで戦っていた当時を振り返りながら「昔のFFはアクセルを踏んだ途端にどこに飛んでいくか分からなかったけど、今はそういう癖もなく、FFって感じがしないね」とのこと。対する中嶋「明日に備えて力を温存した。まだ69なので70代の人を立てた」と余裕の表情だ。果たして明日の決勝でチャンピオンベルトを手にするのはどちらのドライバーか?

 本山vs脇阪vs道上対決は東コースの各所で3ワイドになる激しいバトルが3周にわたって展開され、最終的に本山がトップでチェッカーを受けた。N-ONEオーナーズカップに参戦経験のある、ピエール北川アナウンサーのアドバイス通りに走ったのが功を奏したとのことだ。

 「永遠のライバル対決〜60周年復活スペシャル〜」決勝は6日午後4時10分より、トヨタGR86を用いて行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO

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松下信治が電撃復帰!! ホンダが2022年のモータースポーツ活動計画を発表 

ホンダは1月14日に東京都港区のホンダウェルカムプラザにて、2022年のモータースポーツ活動計画に関する発表会を行った。

すでに報じられている通り、これまで二輪のレース活動を運営してきた株式会社ホンダレーシング(HRC)に今季から四輪のレース活動が追加され、それぞれが持っている技術・ノウハウの相互連携と運営の効率化を図ることで、より強いレースブランドを目指してモータースポーツ活動に取り組み、HondaのDNAであるモータースポーツを将来に向けて確実に継承していけるような強い基盤を築いていくという。

四輪のレース活動については、F1においてレッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリに今季からパワーユニットを供給するレッドブル・パワートレインズをHRCが支援していくとともに、FIA-F2にDAMSから参戦する岩佐歩夢をサポートしていく。

国内では、全日本スーパーフォーミュラ選手権の6チーム10台にエンジンを供給する。ラインナップはTEAM MUGEN(野尻智紀)、DOCOMO TEAM DANDELION RACING(牧野任祐/大津弘樹)、ThreeBond Drago CORSE(福住 仁嶺)、B-Max Racing(松下信治/TBN)、TCS NAKAJIMA RACING(山本尚貴/大湯都史樹)、TEAM GOH(佐藤蓮/TBN)だ。

佐藤蓮は昨年スーパーフォーミュラ・ライツに参戦し、17戦中4勝を挙げ、ランキング3位につけたホンダ期待の若手。20歳でのスーパーフォーミュラデビューとなる今季はどのような活躍を見せてくれるだろうか。

また彼を起用したTEAM GOHは昨年TEAM MUGENとパートナーシップを結び、大津弘樹を走らせていた。今季はMUGENを離れて2台体制を敷くという。大津はDOCOMO TEAM DANDELION RACINGへ移籍する。佐藤のパートナーには果たしてどんなドライバーが起用されるだろうか。

スーパーGTでは、GT500クラスにNSX-GT TypeSを投入して王座奪還を目論む。供給先は昨年同様ARTA(野尻智紀/福住仁嶺)、TEAM Red Bull MUGEN(笹原右京/大湯都史樹)、Astemo REAL RACING(塚越広大/松下信治)、Modulo Nakajima Racing(伊沢拓也/大津弘樹)、TEAM KUNIMITSU(山本尚貴/牧野任祐)の5チーム。

中でも注目は、昨年カルソニックIMPUL GT-RでGT500クラスに参戦し、第6戦SUGOで1勝を挙げた松下の加入だろう。

松下はSRS-Fのスカラシップ生として2012年にフォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)に参戦。その年に同シリーズのチャンピオンを獲得し、2013年から全日本F3にステップアップ。2014年にチャンピオンを獲得すると、翌年からはヨーロッパに渡り、ホンダの支援のもとGP2そしてFIA-F2を戦ってきた。2018年には日本に戻り、スーパーフォーミュラに参戦するが、2019年には再び渡欧、2020年の中盤までFIA-F2に参戦した。2020年はホンダを離れての挑戦だった。そして昨年はTEAM IMPULで初のスーパーGT500クラスデビューを果たし、平峰一貴とともに最終戦までチャンピオン争いに加わる活躍を見せた。その松下のホンダ復帰、そしてベテラン塚越とのコンビ結成はシリーズを大いに盛り上げてくれるに違いない。

GT300クラスは、TEAM UPGARAGE(小林崇志/太田格之進)、ARTA(武藤英紀/木村偉織)の2チームがNSX-GT3を走らせる。

太田は昨年のFIA-F4選手権5位、木村は同シリーズ3位を獲得しており、今季はGT300と併せて全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権にも参戦する。太田はTODA RACINGから、木村はB-Max Racingからの参戦だ。

2022年の全日本スーパーフォーミュラ選手権は4月9-10日に静岡県小山町の富士スピードウェイで、スーパーGTシリーズは4月16-17日に岡山県美作市の岡山国際サーキットで開幕する。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

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SGT:新型車両はNissan Z GT500!! 日産自動車/NISMOが2022年シーズンのGT500クラス参戦車両を公開

日産自動車とニッサンモータースポーツ・インターナショナル(NISMO)は12月5日、自身のYoutubeで「アンベールイベント」を行い、2022年のシーズンのスーパーGT500クラスに「Nissan Z GT500」で参戦することを発表した。

すでにシェイクダウンテストは終えているが、本格的なテスト走行はまだまだこれからという状況だという。

このイベントは富士スピードウェイからライブ配信され、アシュワニ グプタ 日産自動車COOをはじめ、松田次生、ロニー・クインタレッリ、平手晃平、柳田真孝の4名のドライバーが出演。各自がそれぞれにZの思い出を語った。

またコース上ではデモ走行が披露され、平手晃平が2021仕様のNissan GT-R GT500の23号車を、ロニー・クインタレッリがNissan Z GT500の開発車両をドライブした。

Nissan Zとモータースポーツのつながりは深く、1970年代初頭にアメリカのSCCA Cプロダクション選手権においてS30型240Zで連続優勝を飾ったことを皮切りに、90年代のZ32型300ZXでのIMSAシリーズにおいて数々の勝利を挙げている。日本でも1970年代に柳田春人選手のドライブで富士GCシリーズに参戦したほか、2005年の全日本GT選手権(JGTC)から2007年のSUPER GTシリーズまでの3年間にわたってZ33型のGT500仕様が参戦、初年度の2005年にドライバーズチャンピオン、2006年にもチームチャンピオンを獲得している。

2022年のスーパーGTシリーズは4月16-17日に岡山県美作市の岡山国際サーキットで開幕する。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: NISMO

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SGT:第8戦富士優勝ドライバー及びシリーズチャンピオンのコメント 坪井翔「もうこれ以上ないくらい幸せ」

GT500クラス優勝/2021ドライバーズチャンピオン 36号車au TOM'S GR Supra

坪井翔(TGR TEAM au TOM'S)
「本当に予選で悔しい思いをして、4番手からのスタートになりましたが、関口選手が前半のスティントで魂のこもった走りをしてくれて、トップまで上がってくれたので、これはなんとしても優勝を目指して頑張らないといけないなと思っていました。チャンピオンに関しては、他車の順位次第だったので、とにかく僕らは勝つだけ。第2戦で取りこぼしたものをしっかり取りにいくという目標を持って臨みました。結果的に優勝することができて、色々あったとはいえ、シリーズチャンピオンを獲得することもできて、もうこれ以上ないくらい幸せです」
関口雄飛(TGR TEAM au TOM'S)
「チャンピオンというよりは、絶対優勝するぞ、ということをスタート前から決めていました。たとえリスクがあっても突っ込んでいこう、抜きにいこうという、強い気持ちを持ってやっていました。それで1位で帰ってきたので、(ドライバー交代の時は)何がなんでも押さえてくれよ、って思って、気づいたらクルマの前に立って『行けよ!おい!!』ってやっちゃいました。その気迫が伝わったみたいで、40周以上のスティントで辛かったと思いますけどミスなく耐えてくれたので、坪井選手には本当に感謝です」
伊藤大輔(TGR TEAM au TOM'Sチーム監督)
「ドライバーではなく、監督の立場で初めてタイトルを取ることができて。本当に素晴らしい二人の走りのおかげで、チャンピオンを取ることができました。前半の関口選手の、リスタート後のペースの速さは素晴らしかったですし、何があるかわからない状況の中で、とにかく最後まで諦めずに集中していこうということで、走りきってくれた坪井選手も素晴らしかったと思います。何よりチームがとにかく一丸となって、勝ちたいという気持ちがすごく強くて。今年優勝もできなかったんですけど、最後に勝てて本当に良かったです。(ファンに向けて)このような状況で、なかなか皆さんもサーキットに来れなかったと思いますけど、この素晴らしいスーパーGTのレースを皆さんに是非見て欲しくて、僕たち頑張ってます。これからもスーパーGTを応援してください」

GT300クラス優勝 60号車SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT

河野駿佑(LM corsa)
「皆さん寒い中本当にありがとうございました。第2戦で優勝させていただいた富士ということで、僕らは残念ながらチャンピオン争いには残れなかったんですけど、シーズンの締めに必ずいい結果を持って帰ろうと思っていました。昨日の走り出しからクルマは良くて、天気も全部味方してくれて。予選は吉本さんが素晴らしい走りをしてくれて3番手でした。こないだの富士も3番手から優勝できたので、いい流れが来ているなという感じでした。今回は僕がスタートを担当して、第2戦と同じいい流れを作っていこうということになりました。コンディションとクルマとタイヤ、全てがマッチして第1スティントでトップに立てたのはよかったですし、吉本さんの走りも素晴らしかったです。最後は運もあったかと思いますけど、富士2連勝できて最高によかったです」
吉本大樹(LM corsa)
「やったったぞ、という感じです。昨シーズンの60号車を皆さん覚えてらっしゃるでしょうか?最終戦でやっとポイントを取るという、本当に苦しいシーズンを送りましたが、今年ダンロップさんと組ませていただき、クルマもスープラに変わって、本当に180度変わった感じです。今日ま第2戦と同じルーティンでいこうということで、河野駿佑が第1スティントをいきましたけど、河野駿佑のオーバーテイク、かっこよかったですよね?いいレースができたと思います。ダンロップさんも、僕らとダンロップさんと富士の相性は超いいので、他のコースでも相性良くやっていければなと思っています」
飯田章(LM corsaチーム監督)
「今シーズンも感染対策をしながらの苦しい状況の中で、お客さんにもこんなにたくさん入ってもらって、各選手、各チームが素晴らしい走りを披露する中で、うちのチームもパフォーマンスを発揮することができ、二人のドライバーも完璧な仕事をしてくれました。こんないい最終戦を迎えられて本当に感謝しています。来シーズンもまだまだ感染対策をしながらのレースとなると思いますけど、関係者一丸となって盛り上げていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします」

GT300クラス2021ドライバーズチャンピオン 61号車SUBARU BRZ R&D SPORT

山内英輝(R&D SPORT)
「本当にすごく嬉しいです。最後までなんか痺れる展開で、二度と後半いきたくないな、という感じがしました。みんなが旗を振ってくれているので、チャンピオンを取るために、絶対抜かれる訳にはいかないし、4号車を抜くことだけを考えていたんですけど、なかなか抜けなくて。でも最後、うまく前に出られて良かったです。ファンの皆さんの応援があったからこそ頑張ってこれたし、その気持ちに応えられたという安堵感がすごくて、幸せです。ありがとうございました」
井口卓人(R&D SPORT)
「まだ気持ちはありません。後半山内選手があれだけ激しいバトルの中、強い気持ちで戦ってくれました。この新型BRZが出てから、最初の頃は苦労しましたが、チームみんなの努力が形となって、最後は走りに現れたんじゃないかなと思います。本当に何年も何年も、苦しい時期を耐えながら、いつかきっと(タイトルを)取れると思ってファンの皆さんと頑張ってきたんで、本当こんなに嬉しいことはないです」
小澤正弘(R&D SPORTチーム監督)
「今シーズンは新型車で、スピードはあるけど難しいクルマだな、ということで前半戦は苦労しましたが、みんなで力を合わせていいクルマを作り上げて、二人が頑張ってくれたおかげでやっとチャンピオンが取れました」
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO

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SGT:第8戦富士決勝 山本尚貴にまさかのアクシデント!! 2021ドライバーズチャンピオンは関口雄飛/坪井翔組のものに

決勝に先立ち室屋義秀のフライトパフォーマンスが行われた

終盤にまさかの大逆転!!

2021オートバックス スーパーGT第8戦「FUJIMAKI GUROUP 富士GT300kmレース」の決勝が11月28日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、予選4番手からスタートした36号車au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔)が今季初優勝を達成するとともに、関口雄飛/坪井翔組は2021年のドライバーズチャンピオンをも手にする結果となった。

(天候:晴れ コース:ドライ)

GT500クラスのスタートシーン

GT300クラスのスタートシーン

第8戦決勝は午後1時より66周で行われた。スタート時の気温は10.9℃、路面温度は22℃だ。

2周のフォーメーションラップに続いてスタートでトップに立ったのは、ポールポジションの大嶋和也(ENEOS X PRIME GR Supra)。2番手には牧野任祐(STANLEY NSX-GT)がつける。以下、関口雄飛(au TOM'S GR Supra)、サッシャ・フェネストラズ(KeePer TOM'S GR Supra)の順で1コーナーをクリアしたが、1周終わりのホームストレートで関口が牧野を抜いて2位、続いてフェネストラズも牧野を抜いて3位に浮上し、牧野は一気に4位に後退した。

その後方では、4周目の最終コーナーでベルトラン・バゲット(Astemo NSX-GT)、松下信治(カルソニックIMPUL GT-R)、国本雄資(WedsSport ADVAN GR Supra)の3台が併走状態で飛び込んだ事によるアクシデントが発生した。3台は揃ってスピンし、松下と国本は順位を落としつづもレースに復帰したが、Astemo NSX-GTは足回りを傷めてスローダウン。そのままピットに戻ってリタイヤを余儀なくされた。

レースはその後、GT300クラス同士の接触がダンロップコーナーで発生したため、8周目からセーフティーカー(SC)が導入された。

車両回収とコース清掃ののち、SCは12周でピットイン。レースは13周目から再開となった。

するとリスタート直後の1コーナーで関口がインから大嶋を抜きさり、トップに躍り出た。続いてフェネストラズも100Rでアウトから大嶋に並びかけ、ヘアピンでインから抜き去って2位に浮上した。

その後も14号車のペースは上がらず、大嶋は牧野に背後を脅かされながら周回を重ねていくことになった。

レースが規定周回数の1/3に達した22周目には、牧野と福住仁嶺(ARTA NSX-GT)がピットイン。千代勝正(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)、伊沢拓也(Modulo NSX-GT)らもこの周でピット作業を行った。

しかしここで8号車ARTA NSX-GTのドアが作業中に外れるトラブルが発生、修復に手間取った結果、ここで3号車の先行を許してしまった。

さらに平手晃平(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)はアウトラップで山本尚貴(STANLEY NSX-GT)をも捉えて戻ってきた。

続いて23周目に大嶋、ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)、笹原右京(Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT)、国本がピットへ。

するとすかさず山本はタイヤの温まっていない山下健太(ENEOS X PRIME GR Supra)を24周目の最終コーナーで捉えて前にでるが、山下も負けじと25周目の1コーナーでアウトから抜き返してみせた。

トップの関口と、立川祐路(ZENT CERUMO GR Supra)、ヘイッキ・コバライネン(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)、松下は25周目にピットイン。

これで暫定トップに立ったフェネストラズは27周目にピットイン。平川亮(KeePer TOM'S GR Supra)は坪井翔(au TOM'S GR Supra)の前でコースに復帰したが、タイヤの温まっている坪井はすぐにヘアピンで37号車を抜き去って実質トップを取り戻した。平川の背後には山下、山本、続いて平手が迫る。

山下は29周目の1コーナーでアウトから平川をパス、実質2位に浮上した。

続いて31周目には石浦も平手を抜いて6位に浮上した。

そして32周目にようやく佐々木大樹(リアライズコーポレーションADVAN GT-R)がピットインしたことでGT500クラスは全車がピット作業を完了。これで36号車が再びトップに立った。

トップが49周目に入ったところで、メインストレートに落下物があるということでフルコースイエロー(FCY)が宣言される。落下したのは12号車のフロントボンネットだ。しかしこのFCYはレース展開には大きな影響を及ぼすことはなかった。

ピットアウト直後に山下の先行を許した平川は51周目のコカコーラコーナーでインから山下を抜いて2位に浮上する。

ところがこの後方でとんでもないアクシデントが発生した。

それまで4位を走行していた山本が、51周目の1コーナーで周回遅れの佐藤蓮(ARTA NSX GT3)と接触してしまったのだ。これによりダメージを負った1号車はスローダウンを余儀なくされ、9位に後退してそのままピットガレージへ。これで勝負権を失ってしまう。

ランキング3位の野尻/福住組はこの時点で5位。

これでトップを走る関口/坪井組がドライバーズポイントで山本を逆転する可能性が大きくなった。

3位の大嶋/山下組も36号車を抜いて優勝すれば或いは、という状況であったが、彼らの前には平川が立ちはだかる。

結局、トップの坪井は周回を重ねるごとに着実にリードを広げていき、最後は平川に4.689秒差をつけて66周を走りきり、36号車au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔)が今季初優勝を獲得した。坪井にとっては嬉しいGT500初優勝だ。

2位には最後まで山下に付け入る隙を与えなかった、37号車KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/サッシャ・フェネストラズ)が入り、トムスが1-2フィニッシュを達成した。

3位は14号車ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)。以下、4位に39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイッキ・コバライネン/中山雄一)、5位を38号車ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)が獲得。終わってみればGRスープラがトップ5を独占するという結果となった。

これにより関口雄飛/坪井翔組はドライバーズポイントをトータル64とし、山本尚貴との16ポイントもの大差を跳ね返して、2021年のドライバーズチャンピオンを獲得した。

GT500クラス優勝はau TOM\'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔)

GT500クラス決勝2位はKeePer TOM\'S GR Supra(平川亮/サッシャ・フェネストラズ)

GT500クラス決勝3位はENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)

GT300はスタートで井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)がトップに立ち、2位に川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)、3位に河野駿佑(SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT)と続いたが、3周目の最終コーナーで河野が川合を抜いて2位に浮上した。

6周目にはダンロップコーナーで山口智英(Studie PLUS BMW)が松浦孝亮(グランシードランボルギーニGT3)に追突するアクシデントが発生。松浦はコースオフしながらもレースに復帰したが、Studie PLUS BMWは右フロントの足回りにダメージを負ってストップしてしまった。

このアクシデントによりセーフティーカーが導入された。

リスタート後にもアレジに名取鉄平(UPGARAGE NSX GT3)がダンロップで追突、アレジがスピンアウトするアクシデントがあったが、名取はそのままレースを続行。アレジも大きく遅れながらも走行を再開した。

GT300クラスでルーティンストップが始まったのは18周目から。ここで菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG)がピットイン。続いて19周目には川合がピットインし、吉田広樹にステアリングを託した。

この間にコース上では河野が井口を捉えてトップに浮上していた。

井口は27周目にピットイン。トップの河野は28周目に吉本大樹に交代した。

この結果、吉田は吉本の前に出ることになり、実質トップに。吉本の後方には蒲生尚弥(LEON PYRAMID AMG)、谷口信輝(グッドスマイル初音ミクAMG)、小暮卓史(JLOCランボルギーニGT3)、山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)は小暮の後ろでコースに復帰する状況となった。

山内はなかなか小暮の前に出られない。その間に後方からはチャンピオンを争う佐藤蓮(ARTA NSX GT3)とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)が迫ってきた。

その後、青木孝行(RUNUP RIVAUX GT-R)は39周目、ケイ・コッツォリーノ(PACIFIC NAC CARGUY Ferrari)は43周目、松井孝允(HOPPY Porsche)が44周目にピットインしたことでGT300クラスは全車がピット作業を完了。これで吉田がトップに立った。

ところが吉田は51周目の最終コーナーでタイヤトラブルに見舞われて痛恨の単独スピンを喫して大きく遅れてしまう。

これでトップに立った吉本は、その後も着実に後続との差を広げ、最後は14.705もの大量リードを築いてチェッカーを受け、60号車SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)が第2戦富士以来の今季2勝目を挙げた。

2位には、65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)が続き、60周目のヘアピンで谷口をオーバーテイクした61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が3位に入った。

ポイントランキング2位の56号車リアライズ 日産自動車大学校GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は5位、同3位の55号車ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮)は15周遅れの24位に終わったため、GT300クラスのドライバーズチャンピオンは井口卓人/山内英輝組が獲得することになった。

GT300クラス優勝はSYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)

GT300クラス決勝2位はLEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)

GT300クラス決勝3位はSUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)

スーパーGTの2022シーズンは来年の4月16-17日に岡山国際サーキットで開幕する。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

SGT:第8戦富士ウォームアップ走行 GT500はGRスープラ勢が上位を独占 トップタイムはau TOM'S GR Supra

2021オートバックス スーパーGT第8戦「FUJIMAKI GROUP 富士GT300kmレース」の決勝前ウォームアップ走行が午前11時40分より20分間で行われた。

GT500クラスは大きなアクシデントやトラブルもなく走行を終了。

5周目に1'28.289を坪井が記録した、36号車au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔)がトップタイム。2番手には39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイッキ・コバライネン/中山雄一)が続き、ポールシッターの14号車ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)が3番手。以下4番手に38号車ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)、5番手に37号車KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/サッシャ・フェネストラズ)と、GRスープラがトップ5を独占する結果となった。

ポイントリーダーの山本が乗る1号車STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)は1'29.328で9番手。自力チャンピオンの可能性を残す8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)は1'29.029で7番手だ。

GT300クラスは1コーナーで2号車muta Racing Lotus MC(加藤寛規/阪口良平)と56号車リアライズ 日産自動車大学校GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が接触するアクシデントがあったが、両者とも空力パーツのダメージのみで、決勝までに修復が可能な状況。

しかし終了間際にスローダウンした50号車ARNAGE AMG GT3(加納政樹/柳田真孝)はトラブルの修復が間に合わないということで、スタート前にリタイヤ届が出されている。

トップタイムは1'36.079を7周目にマークした4号車グッドスマイル初音ミクAMG(谷口信輝/片岡龍也)。ポイントリーダーの61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)は2番手と、チャンピオン獲得に向けて申し分のない仕上がりのようだ。

第8戦決勝はこのあと午後1時より66周で行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第14戦富士決勝 野中誠太が混戦を制し、今季6勝目と2021年王座を獲得!!

2021年FIA-F4選手権第14戦の決勝が11月28日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、予選2番手からスタートした野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4)が逆転に次ぐ逆転の激戦を制し、今季6勝目を挙げるとともに、2021年のシリーズチャンピオンを獲得した。

第14戦決勝は午前8時より14周で行われた。天候は晴れ。コースはドライ。スタート時の気温は5℃だ。

スタートではポールポジションの伊東黎明(OTG DL F4CHALLENGE)がホールショットを決め、出遅れた予選2番手の野中を4番手スタートの木村偉織(HFDP/SRS/コチラレーシング)が1コーナーで抜いて2位に浮上し、野中は3位。以下小出峻(HFDP/SRS/コチラレーシング)、荒川麟(TGR-DC RSトムススピリットF4)、太田格之進(HFDP/SRS/コチラレーシング)と続いていく。

しかし後方でインディペンデントカップの鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F110)とDRAGON(ZAP SPEED F110)が接触、鳥羽がコース脇に停止したため、2周目から早くもセーフティーカーが導入されることになった。

鳥羽はコースマーシャルの手を借りてレースに復帰、レースは4周目から再開となったが、再スタートの際にコントロールライン手前で伊東を抜きかけた木村がスロットルを戻したため、2位争いは野中、木村、小出、荒川が4ワイドの状態で1コーナーに飛び込む格好になった。

この接戦を制したのは最内から飛び込んできた荒川だ。以下、野中、木村、小出、太田と続いたが、太田は接戦の末、ダンロップコーナーの立ち上がりで小出を抜いて5位に浮上した。

しかしここでも1コーナーで吉村渉(Media Do影山BEAR)がスピンアウトするアクシデントが発生し、この日2度目のSCが入ることに。

SCは7周目にピットイン、8周目からレースは再開されたが、ここで2位の荒川が伊東のスリップストリームを利用してインからトップに立つ。野中と木村もこの隙に乗じて伊東をパス。伊東は一気に4位に後退してしまった。

さらに9周目の1コーナーで伊東のスリップを抜け出した太田と小出が並びかけ、インに飛び込んだ小出が4位に浮上、伊東は5位になってしまう。

一方、トップの荒川は2位の野中を引き離すことができず、野中の背後には木村も迫ってきて、トップ争いは3台による接戦となった。

しかし13周目。荒川のスリップストリームを抜け出した野中は、1コーナーで荒川のインに飛び込んでトップに躍り出ると、そのまま一気に後続を突き放して14周を走りきり、今季6勝目ものにした。

2位は荒川、3位には木村が入った。

これによりシリーズポイントは野中が217pt、荒川は213ptとなり、野中が逆転でチャンピオンを獲得することとなった。

インディペンデントカップは序盤のアクシデントで出遅れながらもクラストップを走行していた鳥羽をヒロボン(Rn-sports Andare)が10周目のダンロップコーナーで抜いてトップに浮上。鳥羽は11周目の1コーナーでヒロボンにアウトから並びかけるが、両者は惜しくも接触。鳥羽はスピンアウトするもヒロボンはそのままトップで走行を続け、今季4勝目を挙げた。

これによりシリーズポイントでも238ptと鳥羽を抜き返し、2021年のチャンピオンを獲得している。

Text: Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

SGT:第8戦富士公式予選 終了間際の大逆転!! ENEOS X PRIME GR SupraがPP獲得

公式予選は午後2時30分よりノックアウト方式で行われた。空は綺麗に晴れ上がっていたものの、開始時の気温は7℃。各車タイヤのウォーミングアップに細心の注意を払わざるを得ない状況での走行となった。

予選Q1  トップ3がコースレコードを更新!!! 大接戦のGT500

GT500クラスはサッシャ・フェネストラズ(KeePer TOM'S GR Supra)が4周目に1'26.620とコースレコードの1'26.386に迫るタイムを叩き出してトップに立つが、牧野任祐(STANLEY NSX-GT)が5周目にこれを大きく上回る1'26.011を叩き出してトップに。牧野はさらに次の6周目にも1'26.000までタイムを縮め、コースレコードを大きく上回るとともに、2番手に0.253秒差をつける圧倒的な速さでトップ通過を果たした。その2番手には石浦宏明(ZENT CERUMO GR Supra)が1'26.253で続き、3番手には中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
が1'26.289と、こちらもコースレコードを上回るタイムを記録している。

ドライバーズランキング3位の野尻智紀(ARTA NSX-GT)も1'26.391を記録して4番手。公式練習トップの大嶋和也(ENEOS X PRIME GR Supra)も1'26.585の7番手でQ2進出を果たしている。

一方、ドライバーズランキング5位の塚越広大(Astemo NSX-GT)は1'26.860を記録するにとどまり、10番手で予選を終えることになった。

GT300クラスは今回も二つのグループに分かれて走行し、10分間の走行で各グループの上位8台にQ2進出の権利が与えられる。

Aグループは走り出しから吉田広樹(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)と井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)が熾烈なトップ争いを展開、6周目に1'34.876を記録した吉田がトップ、そこへ菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG)が1'35.139で2番手に食い込み、井口は1'35.437で3番手という結果になった。

前戦のもてぎ大会で今季初勝利を挙げた川端伸太朗(Hitotsuyama Audi R8 LMS)は1'35.670で4番手。

また来シーズンに向けてGRスープラの製作を始めたことを公表したつちやエンジニアリングだが、佐藤は5周目に1'35.905を記録して7番手。来季よりBMW Z4にスイッチする荒聖治(Studie PLUS BMW)も1'35.785の5番手で揃ってQ2進出を果たした。

一方、現在ドライバーズランキングでトップから10ポイント差の3位につける高木真一(ARTA NSX GT3)は、公式練習でのトラブルの影響からか10番手に終わり、Q1脱落となった。今シーズンをもって引退を表明している星野一樹のチームメイト、石川京侍(GAINER TANAX with IMPUL GT-R)も11番手に終わっている。

Bグループは4周目に1'34.794と、このグループで唯一の34秒台を叩き出した元嶋佑弥(JLOCランボルギーニGT3)がトップ通過。河野駿佑(SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT)が1'35.068を6周目に記録して2番手につけ、こちらもロータスでの参戦が最後と噂される阪口良平(muta Racing Lotus MC)が3番手につけた。

ドライバーズランキング4位の三宅淳詞(たかのこの湯GR Supra GT)は髪の毛を車体と同じ青とオレンジに染め上げてこのレースにかける意気込みをアピールしていたが、このQ1でも5周目に1'35.575とまずまずのタイムを記録して4番手でQ2進出を果たした。アウトラップの1コーナーでいきなりスピンしてしまった織戸学(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)もその後は着実にペースを上げ、1'35.467の5番手でQ2に進んでいる。

一方、トップから6ポイント差でドライバーズランキング2位の藤波清斗(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)はタイムが伸び悩み、8番手から0.193秒差の9番手でまさかのQ1落ちを喫している。

予選Q2  終了間際の逆転劇!! ENEOS X PRIME GR Supraがポールポジションを獲得

GT500クラスの予選Q2は午後3時41分にコースオープン。気温、路面温度ともに下がってきた影響からか、各ドライバーはアウトラップに続いて3周をウォームアップに充てて5周目にアタックという作戦に出た。

この周でトップに立ったのがポイントリーダーの山本尚貴(STANLEY NSX-GT)。Q1で牧野が出した記録を上回る1'25.867を叩き出した。昨年の最終戦で山本と熾烈な優勝争いを展開した平川亮(KeePer TOM'S GR Supra)も1'25.938で2番手につける。

しかしチェッカーフラッグが提示される僅か25秒前に最後のアタックを敢行した山下健太(ENEOS X PRIME GR Supra)がセクター2、セクター3で全体ベストを叩き出す圧巻の走りで1'25.764を叩き出し、最後の最後にトップに立った。

ドライバーズランキング7位で富士にやってきた大嶋/山下組がチャンピオンを獲得する必要条件はポール・トゥ・ウィン。その上で上位陣がノーポイントに終わらなければ逆転はあり得ないわけだが、山下がここでポールを獲得したことで、14号車ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)は首の皮一枚でタイトル争いに踏みとどまり、明日の決勝に臨むこととなった。

2番手は1号車STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)、37号車KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/サッシャ・フェネストラズ)、自力優勝の可能性を残す8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)は6番手に終わっている。

GT300クラスは、コースインして4周目に川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)が1'34.547を記録してトップに立つが、ポイントリーダーの山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)が終了間際に1'34.395を叩き出して川合を上回ってみせた。

これにより61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が今季4度目のポールポジションを獲得、チャンピオン獲得に向けて最高のポジションから明日の決勝をスタートすることになった。

予選2番手には52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)が続き、吉本が1'34.799を記録した60号車SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)が3番手という結果となった。

第8戦決勝は明日の午後1時より66周で行われる。

GT500クラスポールポジションはENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)

GT500クラス予選2位はSTANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)

GT500クラス予選3位はKeePer TOM\'S GR Supra(平川亮/サッシャ・フェネストラズ)

GT300クラスポールポジションはSUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)

GT300クラス予選2位は埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)

GT300クラス予選3位はSYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第13戦富士決勝 野中誠太が圧倒的な速さで今季5勝目を獲得!! チャンピオン争いは3pt差の大接戦に

2021年FIA-F4選手権第13戦の決勝が11月27日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、予選2番手からスタートした野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4)が今季5勝目をものにした。

第13戦決勝は午後1時15分より14周で行われた。天候は晴れ。コースはドライ。気温は8℃という寒さの中での戦いとなった。

スタートでトップに立ったのはポールポジションの伊東黎明(OTG DL F4CHALLENGE)。野中、荒川麟(TGR-DC RSトムススピリットF4)、木村偉織(HFDP/SRS/コチラレーシング)の順で1コーナーを通過した。

しかし伊東は2周目のコカコーラで痛恨のオーバーラン。すかさず野中が100Rでアウトから伊東を抜いてトップに浮上、そのまま後続を引き離しにかかる。2周を終えて0.868秒のリード。4周目には1.158秒伊東を引き離した。3位の荒川とは2.374秒差だ。

その後も野中は着実にリードを広げ、8周目には1'45.239のファステストラップを記録して、伊東との差を1.844秒とした。

その後は伊東も少しずつ追い上げを見せ、12周目には野中の0.989秒差にまで詰め寄るが、野中も13周目に1'45.208とファステストラップを更新して1.318秒までリードを広げると、ファイナルラップでも1'45.207とさらにタイムを上げてフィニッシュ、今季5勝目を挙げた。

2位は伊東黎明。ポイントリーダーの荒川麟が3位に入った。

その結果、ドライバーズポイントは荒川195pt、野中192ptとなり、その差は3ポイントに縮まった。3位の木村はこのレースを4位で終えたため176ptと苦しい状況になっている。

インディペンデントは鳥羽が後続を離してトップを快走。そのまま一度もトップを譲らずに今季7勝目を挙げた。

一方、ポイントリーダーのヒロボンは2周目にピットイン。レースには復帰したもののすでに周回遅れとなっており、12位ノーポイントに終わった。

これにより鳥羽がトータル221ptで213ptのヒロボンを逆転してトップに浮上している。

2021年の最終戦、第14戦決勝は明日の朝8時より14周で行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

SGT:第8戦富士公式練習 奇跡の逆転に向け、#14ENEOS X PRIME GR Supraがトップタイムをマーク!

2021オートバックス スーパーGT第8戦「FUJIMAKI GROUP 富士GT300kmレース」の公式練習が11月27日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは14号車ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)、GT300クラスは61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)がトップタイムを記録した。

2021年のスーパーGTもいよいよシーズン最終戦を迎え、各車が搭載していたサクセスウェイトや燃料リストリクターの制限は規定により全て解除となった。またドライバーズチャンピオンシップは、ここにきてもなおGT500クラス、GT300クラスともに上位6チームにタイトル獲得の可能性が残っているという接戦状態だ。

公式練習: GT500クラストップタイムはENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)

公式練習: GT500クラス2位はau TOM\'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔)

公式練習: GT500クラス3位はKeePer TOM\'S GR Supra(平川亮/サッシャ・フェネストラズ)

その最初の走行となる公式練習は午前9時より、混走85分間、専有走行各10分間で行われた。天候は晴れ。コースはドライ。開始時の気温は6℃だ。

走行開始から15分が経過した時点でのトップは山下健太(ENEOS X PRIME GR Supra)で1'26.769。2番手に平川亮(KeePer TOM'S GR Supra)、3番手に坪井翔(au TOM'S GR Supra)、4番手に立川祐路(ZENT CERUMO GR Supra)と、上位4台をスープラ勢が占める状況となった。

その後39号車ヘイッキ・コバライネン(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)が2番手に食い込んできて、20分経過時点では上位5台を独占する状況となる。

この時点でNSX勢のトップは福住仁嶺(ARTA NSX-GT)で6番手。このレースを最後に車種変更となるGT-R勢は松下信治(カルソニックIMPUL GT-R)の7番手が最上位だ。

トップの山下は開始42分過ぎに1'26.349と、コースレコードを上回るタイムを叩き出し、好調ぶりを見せつける。

続いて牧野任祐(STANLEY NSX-GT)も18周目に1'27.344を記録して5番手に浮上。スープラ勢に割って入り、そのままピットイン。山本尚貴に交代した。

開始から50分が経過したところで坪井翔が1'26.768までタイムを縮め、2番手に浮上。3番手に下がった39号車はこの時点で中山雄一に交代している。

55分過ぎには福住が1'26.857で3番手に上がってきた。

結局GT500クラスはトップ14号車ENEOS X PRIME GR Supraau TOM'S GR Supra、2番手36号車、3番手8号車ARTA NSX-GTの順のまま混走を終了。午前10時35分より10分間の専有走行を行なった。

ここでサッシャ・フェネストラズ(KeePer TOM'S GR Supra)が1'26.819を記録して3番手、平峰一貴(カルソニックIMPUL GT-R)も1'27.327で7番手に浮上したが、そのほかに目立った動きはなく、14号車ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)がトップタイムで午後の予選に臨むことになった。

現在ドライバーズランキング7位の大嶋/山下組だが、最終戦で優勝すれば60ポイントで山本に並び、ポール・トゥ・ウィンなら61ポイントで逆転の可能性がまだ残っている。もちろん上位陣が軒並み下位に沈めば、という厳しい条件ではあるが。

なお、ポイントリーダーの山本尚貴が乗る、1号車STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)は9番手につけている。

公式練習: GT300クラストップタイムはSUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)

公式練習: GT300クラス2位は埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)

公式練習: GT300クラス3位はたかのこの湯GR Supra GT(三宅淳詞/堤優威)

GT300クラスは10周目に1'35.407を記録した吉田広樹(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)が30分経過時点でのトップ。三宅淳詞(たかのこの湯GR Supra GT)が2番手で続き、山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)が3番手だ。

60分が経過すると、山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)が1'35.370を記録してトップに浮上してきた。2番手吉田広樹(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)とは0.037秒差、3番手三宅淳詞(たかのこの湯GR Supra GT)とも0.06秒差という接戦だ。

専有走行に入ってもトップ3に目立った動きはなく、そのままの順位で公式練習は終了。61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)がトップタイムで午後の公式予選に臨む。

一方、6ポイント差で井口/山内組を追う55号車ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮)はトラブルに見舞われて僅か7周を走ったのみと、不安を抱えたまま午後の予選を迎えることとなった。

公式予選はこのあと午後2時30分よりノックアウト方式で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第13-14戦富士公式予選 伊東黎明が連続ポールを獲得!!

2021FIA-F4選手権第13戦、第14戦の公式予選が11月27日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、第13戦、14戦ともに伊東黎明(OTG DL F4CHALLENGE)がポールポジションを獲得した。

公式予選は午前8時15分より30分間で行われた。天候は晴れ。コースはドライだが、予選開始時の気温は4℃という寒さだ。

序盤トップに立ったのは野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4)
。計測1周目に1'49.998を記録すると、その後も1'48.016、1'46.837と周回を重ねるごとに着実にタイムを上げていく。

これに対し、小出峻(HFDP/SRS/コチラレーシング)は4周目に1'46.548を記録、野中を抜いてトップに浮上する。前戦もてぎ大会ではGT300クラスとのダブルエントリーをやってみせた大滝拓也(Media Do影山Giddy UP)も1'46.715までタイムを縮め、2番手に上がってきた。

さらに大滝は6周目に1'46.089を叩き出し、トップに躍り出る。2番手には1'46.317で荒川が続く。

続いて太田格之進(HFDP/SRS/コチラレーシング)が8周目に1'45.637でトップに。小出も1'45.795で2番手、3番手には1'45.923で木村偉織(HFDP/SRS/コチラレーシング)と、残り14分の時点でホンダ勢が1-2-3を形成。4番手には大滝が続き、トヨタ勢の最上位は奥住の5番手という状況となる。

しかし残り13分を切ったところで伊東黎明(OTG DL F4CHALLENGE)が1'45.392を叩き出してトップに躍り出る。野中も1'45.705、荒川は1'45.677までタイムを縮めてホンダ勢に割って入った。

さらに野中は1'45.238を計測10周目にマークして再びトップへ。続いて11周目に1(45.156までタイムを短縮するが、伊東は12周目に1'45.111を記録して再びトップに。野中は12周目以降はタイムが上がらなくなり、そのまま予選は終了した。

その結果、伊東黎明が第13戦、第14戦ともにポールポジションを獲得。野中誠太はいずれも2番手からのスタートとなった。

一方、ポイントリーダーの荒川麟は第13戦、第14戦ともに3番手となっている。

第13戦決勝はこのあと午後1時15分より、第14戦決勝は明日の午前8時
より、いずれも14周で行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

SGT:日産とNISMOがGT500参戦車両の変更を発表 R35GT-Rでの参戦は第8戦富士をもって終了に

日産自動車株式会社とニッサン・モータースポーツ・インターナショナル株式会社(NISMO)は11月17日、SUPER GTシリーズ GT500クラスの参戦車両を2022年シーズンより変更すると発表した。現在使用されているR35型のNISSAN GT-RをベースとしたGT500車両での参戦は2021年シーズン最終戦をもって終了する。

R35型GT-RでのGT500クラス参戦は2008年から。初年度には早くも9戦7勝を挙げ、XANAVI NISMO GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)がドライバーズチャンピオンを獲得した。それ以降R35 GT-Rは、レギュレーション変更による搭載エンジンやシャシーの仕様変更を受けながら14シーズンを戦い、現時点で通算41回の優勝と、5回のドライバーズチャンピオン、4回のチームチャンピオンを獲得している。

2022年シーズンの参戦車両については、後日発表する予定だ。今回日産自動車から発行されたプレスリリースでは具体的な車種名は明らかにされていないが、8月18日にニューヨークで公開された新型フェアレディZがベースになるものと思われる。

GT500クラスには、過去にもZ33型のフェアレディZが2004年から2007年まで参戦しており、全日本GT選手権の最終シーズンとなった2004年にはザナヴィ ニスモZ(本山哲/リチャード・ライアン)がドライバーズチャンピオン、NISMOがチームチャンピオンを獲得。スーパーGTが発足した2005年にもNISMOがチームチャンピオンを獲得している。

現行車両での最後のレースとなる2021スーパーGT最終戦は、静岡県小山町の富士スピードウェイで11月28日に決勝が行われる。

なお、今回の変更は、SUPER GTシリーズ GT500クラスの参戦車両のみが対象。GT300クラスに参戦しているNISSAN GT-R NISMO GT3については、2022年以降も車両、部品の供給及び技術サポートを継続していくとのことだ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

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SGT:第7戦もてぎ優勝記者会見 野尻智紀「プッシュし続けていれば何かが起こる可能性があるな、と思った」

決勝記者会見: 両クラス優勝のドライバーたち

GT500クラス優勝 8号車ARTA NSX-GT

福住仁嶺(ARTA)
「前回のもてぎのパフォーマンスがそれほどいいものではなかったので、オートポリスで優勝できたときの流れから色々見つめ直すことができたのかな、と思います。優勝をきっかけにチームの雰囲気もよくなり、一丸となることができました。予選3番手からのスタートで、すぐに12号車に抜かれてしまい、若干焦りました。そのあとも僕のミスなどがあり、前とのギャップが大きく開いてしまいましたが、なんとか追いついてピットインし、野尻さんにあとを任せる形でバトンタッチしましたが、野尻さんの強い走りで12号車を追い詰めることができたおかげで、向こうをガス欠に追い込むことができました。本当に野尻さん様様だと思います。今回の優勝は周りの人たちに助けてもらった結果だと思うので、本当に皆さんに感謝しています」
野尻智紀(ARTA)

「いつも予選で前のグリッドを獲得してくれるのは福住選手ですし、そこからレースウィークをきちんと始められているというのが僕たちの強みでもあります。福住選手は何もできていないみたいなことを言っていますけど、僕の走りが強く見えるのも、福住選手がいてこそだから、ということを彼にも言いたいと思います」

「僕のスティントですが、12号車のピット作業が明らかに早いな、と直感的に思いました。ピットが早いのは給油が短いということにもつながってくると思い、これは結構厳しいんじゃないかなと。プッシュしていれば何かが起こる可能性があるな、と思ってプッシュし続けました。福住選手が前半で失ったものを、チームメイトとして取り返さないといけないという思いを強く持って最後まで走れたということが、この優勝を引き寄せられたのだと思います。チームもこれまで頑張ってくれましたし、ホンダさんやブリヂストンタイヤさんも絶対的な信頼を置けるパフォーマンスを常に発揮してくれているので、コースサイドで応援してくださる皆様も含め、たくさんの力をもらいました」

GT300クラス優勝 21号車Hitotsuyama Audi R8 LMS

川端伸太朗(Audi Team Hitotsuyama)
「今回優勝できて本当に本当に嬉しいです。去年の優勝からポイントから遠ざかっていたので。昨日の予選が終わった後のタイヤの状態を見たら、決勝に自信が持てるぐらいの表面をしていたので、ロングスティントには自信がありました。自分が担当した前半は55号車が速くて、前に抜けてったんですけど、後半は多分ウチが一番速いのかな?というペースで走れていたので、前の88号車をターゲットに、88号車がピットに入ったらプッシュしていく作戦で、後ろ二輪交換で篠原選手にバトンを渡しました。その最終周のプッシュも決まり、アウトラップも決まり、篠原選手が最終スティントでいい走りをしてくれました。全てにおいていい流れを作れました」
篠原拓朗(Audi Team Hitotsuyama)
「今の気持ちは本当に最高の一言に尽きると思います。チームの皆様や応援してくださっている方々、ファンの皆様にもいい結果を報告できて、非常に嬉しいです。レースの振り返りとしては、川端選手が非常にいいペースで走っていて、ちょっと僕は大丈夫かな?という不安もありましたが、チームは非常に早いピットワークでドライバー交代をさせてくれました。二輪交換だったので、アウトラップも非常に速く走れました。チームからは実質2番手だよ、と聞いていたんですが、そのあと55号車がだんだん迫ってきて、オーバーテイクできました。そこからあとのことはあんまり覚えていないんですけど、とにかく勝ててよかったです」
まとめ &apm; Photo:Kazuhisa SUEHIRO

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SGT:第7戦もてぎ決勝 最終ラップで大逆転! ARTA NSX-GTが2連勝を達成

2021オートバックス スーパーGT第7戦「もてぎGT300kmレース」の決勝が11月7日、栃木県茂木町のツインリンクもてぎで行われ、GT500クラスは8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)が前戦オートポリスに続いて2連勝を達成した。GT300クラスは21号車Hitotsuyama Audi R8 LMS(川端伸太朗/篠原拓朗)が昨年の第6戦鈴鹿以来の優勝をものにした。

(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選日6,100人/決勝日12,000人/大会総入場者数18,100人)

GT500クラスのスタートシーン

GT300クラスのスタートシーン

第7戦決勝は午後1時より63周で行われた。スタート時の気温は19℃、路面温度は30℃と、例年にない温かいコンディションでの戦いとなった。

スタートでトップに立ったのはポールポジションの国本雄資(WedsSport ADVAN GR Supra)。1コーナーで予選2番手の佐々木大樹(リアライズコーポレーションADVAN GT-R)をインから抜き去った福住仁嶺(ARTA NSX-GT)が2位に浮上したが、予選4番手からスタートした松下信治(カルソニックIMPUL GT-R)がヘアピンまでにこの2台を抜き去り、12号車が2位、8号車が3位でコントロールラインに戻ってきた。

トップの国本と2位の松下の差は6周終わった時点でも僅か1.486秒。その後も2台は僅差のまま周回を重ねていく。

10周目に入ると、それまで8位を走行していたサッシャ・フェネストラズ(KeePer TOM'S GR Supra)が周回遅れの菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG)に追突するアクシデントが発生、これにより65号車がグラベル上でストップしたため、11周めにフルコースイエロー(FCY)が宣言される。このアクシデントにより37号車にはドライビングスルーペナルティが課せられた。

コースマーシャルの迅速な作業によりFCYは1周で解除となるが、その直後の13周目には坂口夏月(グランシードランボルギーニGT3)と片岡龍也(グッドスマイル初音ミクAMG)が接触、このため2度目のFCYが宣言された。

この2度のFCYに前後する形でペースの落ちてきた19号車を松下は激しく追い上げ、遂に21周目の3コーナーでアウトから抜き去ってトップに浮上すると、23周目にピットに飛び込んで平峰一貴に交代する。3位の福住仁嶺(ARTA NSX-GT)、4位の佐々木大樹(リアライズコーポレーションADVAN GT-R)そしてポイントリーダーの牧野任祐(STANLEY NSX-GT)も同じ周にピット作業を行なった。

2位に後退した国本も24周目にピットに向かい、宮田莉朋に交代する。宮田は平峰一貴(カルソニックIMPUL GT-R)と野尻智紀(ARTA NSX-GT)の間に割って入る形でコースに復帰するが、すかさず野尻がまだタイヤに熱の入らない12号車を130Rでインから抜き去り、実質2位に浮上する。

26周を終えた時点での平峰と野尻の差は5.579秒。しかし12号車のピット作業時間がいつもより早いと直感した野尻は、そこから全力でプッシュして12号車を追い込む作戦に出た。

36周を終えた時点での平峰のリードは4.175秒。46周目にはそれが1.825秒まで縮まり、49周目には0.892秒と遂に1秒を切ってきた。

追い上げてくる野尻を懸命に押さえ込みながら周回を重ねる平峰だったが、野尻は55周目に0.683秒差にまで迫り、さらにプレッシャーをかけ続ける。その後も59周目には0.365秒、60周目には0.275秒と徐々にその差は詰まっていく。

そして迎えたファイナルラップ。

野尻の読み通り、2コーナーを立ち上がった12号車がガス欠症状に見舞われて突如失速。野尻はすかさず3コーナー手前でトップに躍り出ると、そのまま一気に2位以下を引き離してチェッカーフラッグを受け、8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)が前戦オートポリスに続いて今季2勝目をものにした。

2位に後退した平峰は、残り少ない燃料をエンジンに送り込もうと懸命に車体を左右に揺すりながらゴールを目指すが、フィニッシュラインまであとわずか、というところで宮田莉朋(WedsSport ADVAN GR Supra)が平峰の脇を駆け抜けていった。

その結果、19号車WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)が2位、12号車カルソニックIMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治)は3位に終わった。

これにより野尻/福住組はドライバーズポイントを55に伸ばし、一気にランキング3位に浮上。通算60ポイントでランキングトップの山本尚貴がこのレースを12位ノーポイントで終えたため、その差は僅か5ポイントとなり、自力でのタイトル獲得の可能性が出てきた。

ランキング2位は山本のチームメイトである牧野任祐であり、このコンビで戦う限り牧野にはチャンピオンの可能性はない。

塚越/バゲット組はこれでランキング4位に後退したが、このレースを4位で終えたため、通算52ポイントと、山本との差は8ポイント差に縮まり、こちらもレース展開如何では逆転の可能性が高まった。

GT500クラス優勝はARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)

GT500クラス決勝2位はWedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)

GT500クラス決勝3位はカルソニックIMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治)

GT300クラスもまた序盤から荒れに荒れる展開となった。

まずはスタート直後の1コーナーで予選2番手の山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)がポールポジションの小林崇志(UPGARAGE NSX GT3)をかわしてトップに浮上、2位に後退した18号車は6周目に白煙を吹き上げてスローダウン。早々とリタイヤに追い込まれてしまった。

これで2位に浮上したのは予選3番手の高木真一(ARTA NSX GT3)。高木は6周終了時点で4.167秒あったトップとの差を次第に縮め、10周目に遂に山内を捉えてトップに浮上、30周目にピットインして佐藤蓮に交代。佐藤は給油と後輪2本交換を済ませてコースに復帰した。

2位の61号車は31周目にピットイン。井口卓人に交代するが、この間に28周目に後輪2本交換でピット作業を済ませていた21号車Hitotsuyama Audi R8 LMSの先行を許してしまう。

21号車の後半を担当した篠原拓朗はその後、34周目に実質トップの佐藤蓮をもオーバーテイク、GT300クラス全車が作業を終えた38周目にトップに浮上すると、その後も佐藤の追撃を許さず、59周を走り切ってチェッカーを受け、21号車Hitotsuyama Audi R8 LMS(川端伸太朗/篠原拓朗)が今季初優勝。川端とチームにとっては昨年の第6戦以来の、そしてフル参戦一年目の篠原にとってはスーパーGT初勝利となった。

2位は55号車ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮)。3位には32周目にピット作業を行なって61号車の前でコースに復帰した56号車リアライズ 日産自動車大学校GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が入った。

61号車はその後、54周目にV字コーナーで痛恨の単独スピンを喫し、6位でレースを終えている。

これによりドライバーズランキングは、トップの井口/山内組が55ポイント、2位のオリベイラ/藤波組が49ポイントと、6ポイント差に接近。3位の三宅/堤組はこのレースを7位で終えたため、通算40ポイントと逆に引き離される格好となった。

GT300クラス優勝はHitotsuyama Audi R8 LMS(川端伸太朗/篠原拓朗)

GT300クラス決勝2位はARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮)

GT300クラス決勝3位はリアライズ 日産自動車大学校GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)

2021年のシリーズチャンピオンが決まる最終戦の舞台は富士スピードウェイ。11月28日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第12戦もてぎ決勝上位3人のコメント 荒川麟「前回が繰り上げ優勝だったので、認めてもらうためにももう一勝したかった」

表彰式

第12戦優勝 荒川麟(TGR-DC Racing School)
(鈴鹿に次ぐ今季2度目の優勝でポイントリーダーになったが、今の気持ちは?)

「ポイントを取るとか、チャンピオンになるとかは全く考えていません。ただ自分の最大限の力を出し切って、やることをやっていれば、結果は絶対あとからついてくるだろうと思うので。それと、鈴鹿に関しては繰り上がりの優勝だったので、それを認めてもらうにはもう一勝する必要がありました。そういう意味でも今回勝てて本当に良かったです。」

(今日のレースを振り返ってください)

「スタートはちょっと遅れてしまい、1コーナーでも失敗して3番手まで順位を落としてしまったんですけど、今日はタイヤマネジメントしながらこのぐらいのペースで走れていたので、前の2台がぶつかっていなくても絶対に抜くことができたと思います。ただ、ちゃんと勝負したかった、というのが正直なところです」

(終盤に後続を引き離したが、今回も後半重視のセッティングだった?)

「いえ。今回は前半勝負のセッティングでしたが、前半はタイヤマネジメントしながらペースをコントロールしていました。それで最後の方にアタックしてみた、という感じです」

(次の富士大会に向けての抱負を)

「チャンピオンを取るというより、まずは勝ちます」

第12戦決勝2位 太田格之進(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)

「ペースは悪くなかったんですけど、前半で3位の選手に抜かれてしまったので、それが全てだったなと思います。昨日からトヨタ勢との激しいバトルがあり、今日は特にトヨタ勢が激しいライン取りをしてきたので、結構フラストレーションの溜まるレースでしたがとりあえず2位で終わったんで。優勝欲しいですけど、頑張ります」

(昨日言っていたペースの問題は解決した?)

「今日は悪くなかったので、多分路面温度の問題だったんだろうと思います。路面温度が低いときの方が僕は調子がいいのかなと思います」

(富士大会に向けての抱負を)

「これからどんどん涼しくなっていくので、コンディション的には僕らに有利になる気がします。クルマはすごく良くなってきているので、またチーム一丸となって頑張っていきたいと思います」

第12戦決勝3位 奥住慈英(TGR-DC Racing School)

「今までいっぺんも表彰台に上がったことがなかったので、とりあえず良かったなというのがあります。スタートがうまくいって4番に上がり、そのあとの攻防でもチャンスがありそうな雰囲気があったので、焦らずに冷静に立ち回っていこうと考えていました。それを活かせて表彰台を獲得できました」

(富士大会への抱負を)

「とりあえずポディウムに上がれたんで、次は優勝を狙います。そんなに簡単じゃないのはわかっていますけど、色々考えながら頑張っていきたいです」

まとめ: Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

SGT:第7戦もてぎウォームアップ走行 トップタイムはDENSO KOBELCO SARD GR Supra

2021オートバックス スーパーGT第7戦「もてぎGT300kmレース」の決勝前ウォームアップ走行が11月7日、栃木県茂木町のツインリンクもてぎで行われ、GT500クラスは39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイッキ・コバライネン/中山雄一)、GT300クラスは87号車グランシードランボルギーニGT3(松浦孝亮/坂口夏月)がトップタイムだった。

航空自衛隊松島基地所属のF2-B戦闘機2機による恒例のデモフライトが行われたのち、ウォームアップ走行は午前11時40分より20分間で行われた。天候は晴れ。コースはドライだ。

39号車は走行開始から5周目にへイッキ・コバライネンが1'39.732を記録すると、7周目にピットイン、中山雄一に交代して快調に周回を重ねた。2番手には23号車MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が1'40.259で続き、38号車ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)が1'40.295で3番手につける。

ポールポジションの19号車WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)は1'41.668で14番手に終わっている。

GT300クラスは87号車が5周目に1'48.456を記録してトップ。2番手も同じくJLOCの88号車JLOCランボルギーニGT3(小暮卓史/元嶋佑弥)が1'48.623で続き、55号車ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮)が1'48.852で3番手。

ポールポジションの18号車UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/名取鉄平)は1'49.185で11番手という結果になった。

途中17号車Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)のリヤカウルが外れるアクシデントが発生したものの、それ以外には大きなクラッシュなどは発生せず、予定どおりウォームアップ走行は終了。各チーム決勝に向けての準備に入っている。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第12戦もてぎ決勝 荒川麟が今季2勝目を挙げてポイントリーダーに浮上!

13周の決勝がスタートした

2021FIA-F4選手権第12戦の決勝が11月7日、栃木県茂木町のツインリンクもてぎで行われ、ポールポジションからスタートした荒川麟(TGR-DC RSトムススピリットF4)が今季2勝目を挙げた。

第12戦決勝は午前8時55分より13周で行われた。

ポールポジションからスタートした荒川がやや出遅れる間に予選2番手の野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4)が1コーナーでインをついてトップに立ち、予選4番手の木村偉織(HFDP/SRS/コチラレーシング)
も立ち上がりで荒川をかわして2位に浮上、荒川は一気に3位まで後退してしまう。

しかしこの周の130Rで野中のインに飛び込もうとした木村と野中が接触するアクシデントが発生。木村は再始動して29位で戦列に復帰したが、野中は1周遅れて動き出し、ピットに戻ってそのままレースを終えている。

これにより荒川がトップに立ち、太田格之進(HFDP/SRS/コチラレーシング)が2位に浮上した。太田はこの周の90度コーナーでアウトから荒川に並びかけるが、立ち上がりで僅かにオーバーランし、後続の奥住慈英(TGR-DC RSフィールドF4)にも抜かれて3位に後退する。

太田は2周目の90度コーナーで奥住のインをついて2位に浮上するが、この間にトップの荒川は1.940秒のリードを築き上げていた。

懸命に追い上げる太田だったが、その後も荒川は着実にリードを広げていき、12周終わりではその差を2.787秒とすると、その後も太田に付け入る隙を全く与えず、最後は3.094秒差をつけてフィニッシュ。第4戦鈴鹿以来の今季2勝目を挙げた。

2位は太田、奥住が3位でつづき、参戦2年目で初の表彰台を獲得した。

1周目のアクシデントで大きく遅れた木村はその後も着実に追い上げ、9位でフィニッシュ、なんとか2ポイントをもぎ取ったが、ドライバーズポイントでは2勝目を挙げた荒川が合計180ポイントとし、今季初めてトップに躍り出た。今回ノーポイントの野中が167ポイントで2位、木村が164ポイントで3位となっている。

次戦はいよいよ富士スピードウェイでの最終ラウンド。11月27、28日に第13戦、第14戦が行われる。

優勝は荒川麟(TGR-DC RSトムススピリットF4)

決勝2位は太田格之進(HFDP/SRS/コチラレーシング)

決勝3位は奥住慈英(TGR-DC RSフィールドF4)

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

SGT:第7戦もてぎポールポジション会見 宮田莉朋「フリー走行で地獄、予選で天国を味わった」

GT500クラスポールポジション 19号車WedsSport ADVAN GR Supra

国本雄資(TGR TEAM WedsSport BANDOH)
「一日で一喜一憂して、疲れました。朝のフリー走行は最後尾で、これはちょっとまずいな、という雰囲気がチームにもありました。今回はクルマを新しいセットアップで持ち込んだんですが、それを見直して、戻す形で予選に臨みました。予選では路面温度が上がったことと、セッティングを見直したこともあって、Q1はまずまずのアタックができました。自分の中ではもっと上手くまとめきれればなとは思いましたが、朝の結果を考えるとQ1突破できたのは良かったと思いましたし、そのあと宮田選手がQ2で完璧なアタックをしてくれたので、今年2回目のポールを取ることができ、すごく嬉しいです。でも明日のレースが一番重要だと思います。前回のもてぎは2位で悔しい思いをしたので、今回は上手く戦って、この順位を守り切って、必ず優勝したいなと思います」
宮田莉朋(TGR TEAM WedsSport BANDOH)
「今日のフリー走行は調子が悪くて、今回はダメかな?と思っていたんですけど、予選でQ1通って、同じヨコハマタイヤを履いている24号車がトップタイムだったので、今回はチャンスがあるな、と頭を切り替えました。僕が乗っている時はフリー走行とは秒単位で違いましたが、僕がアタックする時は別世界での走りになるとわかっていたので、フリー走行の記憶を無くして、予選は新たな気持ちでアタックしにいきました。それがいい方向にはたらいて、唯一の35秒台に入りましたし、2周連続でベストタイムが出せました。フリー走行で地獄を味わいましたが、こんなに天国のような、天と地の差を感じるのはびっくりでした。この短い間に何をすべきか、チーム全体で考えたことがこの結果につながったと思うので、本当に感謝しています。明日はポールからのスタートですけど、明日の天候も含めて、何が起こるか分からないので、環境によっては厳しいレースにかもしれません。明日に向けて準備することはたくさんあるので、気を引き締めて優勝できるように頑張ります」

GT300クラスポールポジション 18号車UPGARAGE NSX GT3

小林崇志(TEAM UPGARAGE)
「こういう場に来るのは2018年の開幕戦以来です。当時は86MCで戦っていて、2019年からNSXなんですが、なかなか結果が残せなかったので、こうやってポールポジションを取れたのは本当に嬉しいですね。ここまで石田さんをはじめチーム全員がずっと頑張ってくれていましたし。Q1では練習で使っていないタイヤを使ったので、セットアップなどもわからない中、出たとこ勝負な部分がありました。そういう中で僕はタイヤの温めなど、まとめきれない部分がありました。それでもなんとかQ1を通ることができました。以前のアップガレージだと、ドンピシャじゃないとQ1を通らなかったので、そういう面でも成長を実感しました。そこからQ2に向けても少ない時間の中でアジャストしてくれて、名取選手も素晴らしい走りをしてくれました。皆さんに感謝したいです」
名取鉄平(TEAM UPGARAGE)
「本当に最高です。鈴鹿で僕がひっくり返ったりとか、苦しい時期もあったんですけど、チームみんなで協力しあって乗り越えて、こうやっていい結果を出せました。本当に感謝したいです。Q2に関しては、ポールを取れる自信が100%ありましたが、1アタック目のビクトリーコーナーで飛び出しそうになったりして、まとめきれなかったのは僕の詰めの甘さだなと思います。全部まとめ切れていれば45秒4とか見えていたなと、ドライビングの面では悔いが残ります。でも大事なのは明日なので、ちゃんと決勝で結果を残すことを重視したいです。まだランキング上位に食い込めるチャンスはあると思うので、小林選手と、そしてチーム全員と協力しあっていいレースをしたいです」
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO

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SGT:第7戦もてぎ公式予選 ヨコハマ勢がフロントローを独占!! WedsSport ADVAN GR Supraが今季2度目のPP獲得

2021オートバックス スーパーGT第7戦「もてぎGT300kmレース」の公式予選が11月6日、栃木県茂木町のツインリンクもてぎで行われ、GT500クラスは19号車WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)、GT300クラスは18号車UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/名取鉄平)がポールポジションを獲得した。

(天候:晴れ コース:ドライ)

公式予選は午後2時20分よりノックアウト方式で行われた。

予選Q1 トップ2が同タイムの接戦!トップタイムは高星明誠

GT500クラスのQ1は午後2時53分より10分間で行われた。

ここで速さを見せつけたのがヨコハマタイヤを履く高星明誠(リアライズコーポレーションADVAN GT-R)だ。高星はアウトラップに続いて2周のウォームアップ走行を行い、1'36.602を叩き出してトップに。塚越広大(Astemo NSX-GT)が終了間際に1'36.602と高星と同タイムで2番手となり、公式練習トップの野尻智紀(ARTA NSX-GT)が1'36.750で3番手となり、揃ってQ2進出を果たした。また公式練習では最下位と、厳しい状況にあった国本雄資(WedsSport ADVAN GR Supra)もここでは1'36.933と6番手タイムを叩き出してQ2に駒を進めている。

一方、ドライバーズランキングトップの山本尚貴(STANLEY NSX-GT)は1'37.101の10番手にとどまり、ここで予選を終えることになった。また11番手に終わった伊沢拓也(Modulo NSX-GT)は、チームメイトの大津弘樹のモラルハザードポイントが累積6に達したため、4グリッド降格が既に決まっている。

GT300クラスは今回もA、B二つのグループに分かれて10分間の走行を行い、各グループの上位8台がQ2進出の権利を得る。

Aグループは安田裕信(GAINER TANAX GT-R)が1'46.282と公式練習より1.3秒もタイムを縮めてトップタイム。道上龍(Yogibo NSX GT3)が1'46.398で2番手。ドライバーズランキングトップの井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)が75kgのサクセスウェイトをものともせずに1'46.646を叩き出して3番手につけた。

一方、前戦優勝の嵯峨宏紀(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)は最下位の14番手、ドライバーズランキング6位の吉田広樹(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)は10番手。昨年の第7戦以来1年ぶりのスポット参戦となった大滝拓也(RUNUP RIVAUX GT-R)は13番手でQ1敗退となった。

Bグループはジュリアーノ・アレジ(arto RC F GT3)が1'46.179と11号車を上回る好タイムを記録してトップ。ベテラン高木真一(ARTA NSX GT3)が1'46.237で2番手につける。3番手は1'46.308を叩き出した河野駿佑(SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT)だ。ドライバーズランキング2位の藤波清斗(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)は1'46.447で4番手だ。

一方、午前中に圧倒的な速さを見せた横溝直輝(PACIFIC NAC CARGUY Ferrari)はタイムが伸びず、1'46.856で11番手に終わり、残念ながらQ1敗退となった。このほか、片岡龍也(グッドスマイル初音ミクAMG)は12番手、平木湧也(マッハ車検GTNET MC86マッハ号)は13番手に終わった。

予選Q2 公式練習最下位からの大どんでん返し!!宮田莉朋が殊勲のPP獲得

GT500クラスは午後3時31分から10分間の走行。まずはQ1でトップタイムを叩き出した24号車リアライズコーポレーションADVAN GT-Rの佐々木大樹が計測4周目に1'36.071でトップに立つが、同じヨコハマタイヤを履く宮田莉朋(WedsSport ADVAN GR Supra)が計測4周目に1'35.893を叩き出して佐々木を上回り、見事第2戦富士以来、今季2度目のポールポジションを獲得した。

公式練習で唯一の1分36秒台を叩き出してトップだった福住仁嶺(ARTA NSX-GT)は終了間際に1'36.162と自身のタイムをさらに縮めたものの、惜しくもヨコハマ勢2台には届かず、予選3番手で明日の決勝をスタートすることになった。

GT300クラスは午後3時13分から10分間の走行。まず山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)が計測3周目に1'45.669と従来のコースレコードを上回るタイムを叩き出してトップに立つ。従来のコースレコードはコースレコードは今季インディカーシリーズでチャンピオンを獲得したアレックス・パロウ(McLaren 720S)が2019年に記録した1'45.907だった。

しかし終了間際に名取鉄平(UPGARAGE NSX GT3)が4周目に1'45.876とパロウを上回るタイムを叩き出すと、5周目には1'45.654と山内をも上回って自身初のポールポジションをもぎ取った。

3番手には佐藤蓮(ARTA NSX GT3)が1'46.015で続いた。

第7戦決勝は7日の午後1時より、63周で行われる。

GT500クラスポールポジションはWedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)

GT500クラス予選2位はリアライズコーポレーションADVAN GT-R(高星明誠/佐々木大樹)

GT500クラス予選3位はARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)

GT300クラスポールポジションはUPGARAGE NSX GT3(小林崇志/名取鉄平)

GT300クラス予選2位はSUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)

GT300クラス予選3位はARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮)

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第11戦もてぎ決勝上位3人のコメント 木村偉織「練習走行から手応えを感じていたので、抜く自信はあった」

表彰式

第11戦優勝 木村偉織(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)

優勝した木村偉織(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)

「前回のSUGOでのフライングからスタート手順を見直しましたが、いつもの方法じゃないので少し失敗して、荒川選手との差が開いてしまい、野中選手、奥住選手に詰め寄られました。その中で必死にブロックして2位を守り切り、荒川選手を追いかけていきました。前半のペースについては昨日の練習から手応えを感じていたので抜く自信はありました。そんな中でSCが入り、差が詰まったので、これはチャンスだと思って気合を入れてリスタートに挑み、なんとか粘っていたらインに飛び込むチャンスが来ました。スタートについては反省点がありますが、レース全体のマネジメントやタイヤのマネジメントについてはいいレースができたと思います。明日は4番手スタートで厳しい状況ではありますが、少しでも前でゴールしてポイントを持ち帰りたいです」

第11戦決勝2位 荒川麟(TGR-DC RSトムススピリットF4)

決勝2位の荒川麟(TGR-DC Racing School)

「後半にクルマを合わせていたので、前半はちょっと追いつかれるかな?とは思っていました。それでも焦らずに走って、さあこれからペースを上げていこう、というときにSCが入ってしまって、そこでタイヤを冷やしすぎちゃいました。タイヤに熱が入ってからのペースは速かったし、SCでペースを崩しちゃったという感じです。そういうところも見直して、明日のレースに臨もうかなと思います。ペース的には問題ないと思うので、明日はスタートを決めて、ぶっちぎって勝ちたいです」

第11戦決勝3位 太田格之進(HFDP/SRS/コチラレーシング)

決勝3位の太田格之進(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)

「速さはなくて苦戦中ですけど、なんとかレース戦略とか争いの面で生き残れて、3位表彰台を獲得できたので良かったです。僕としてはクリーンにレースできたと思っていますし、ペースがあまり上がらない中で二つポジションを上げてゴールできたのは良かったと思います。明日のレースは3位からですけど、ペース面で懸念があるので集中して走りたいですし、マシンの面でもメカニックの方々と話して明日に備えたいと思います」

まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第11戦もてぎ決勝 激戦を制した木村伊織が今季4勝目!!

上位陣の熾烈なバトル

2021FIA-F4選手権第11戦の決勝が11月6日、栃木県茂木町のツインリンクもてぎで行われ、予選2番手からスタートした木村偉織(HFDP/SRS/コチラレーシング)が今季4勝目を挙げた。

第11戦決勝は午後1時20分にフォーメーションラップを開始したが、吉村渉(Media Do影山BEAR)がグリッド上でエンジンストールしてしまったためにスタートディレイとなり、規定周回数から1周減算の12周で午後1時27分に再度フォーメーション開始となった。

スタートでトップに立ったのはポールポジションの荒川麟(TGR-DC RSトムススピリットF4)。予選2番手の木村は動き出しで遅れて野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4)、奥住慈英(TGR-DC RSフィールドF4)の2台に並びかけられるが、1コーナーでイン側のポジションをキープしてなんとか2位を守り切った。しかしここで木村に当てられた野中は立ち上がりで奥住だけでなく太田格之進(HFDP/SRS/コチラレーシング)にも先行されて5位に後退してしまった。

その後、4周めの5コーナーでインディペンデントカップのSYUJI(B-­MAX ENGINEERING F4)と中島功(SHINSEI.KK.F110)が接触するアクシデントが発生。SYUJIの27号車がコース上にストップしてしまったために5周目にセーフティーカー(SC)が導入される。

SCはわずか1周でピットに戻り、レースは6周目から再開となったが、ここでタイヤを冷やしてしまった荒川はペースが上がらず、木村の猛攻を受けることに。その背後には奥住も迫ってきた。

なんとか木村を押さえ込みながら走行していた荒川だったが、ダウンヒルストレートで遂に木村がインから荒川に並びかけ、90度コーナーの立ち上がりでトップに躍り出た。さらに奥住も最終コーナー手前で2位に浮上するが、荒川は7周目の1コーナーで奥住を抜き返して2位を奪い返した。

こうして荒川と奥住がバトルを繰り広げている隙に、太田、野中も追いついてきた。

太田は7周目のV字コーナーで奥住のインをついて3位に浮上する。90度コーナーでは太田、奥住、野中が3ワイドで飛び込み、奥住が太田の前に出るが、すかさず太田は8周目の1コーナーで奥住を抜き返した。

奥住は2コーナー立ち上がりで太田に追突、ノーズコーンを破損しながらも3コーナーでアウトから並びかける。この間に小川颯太(WARMTECH Skill Speed)、元嶋成弥(SACCESS RACING)
の2台もこのバトルに加わり、小川は3コーナーで野中のインに割って入ってきた。

奥住は5コーナーでもアウトから太田に挑みかかるが、立ち上がりで僅かにダートにはみ出して失速、この間に野中と小川が奥住を交わして4位、5位に浮上した。

こうした後続のバトルをよそにトップの木村は着実にリードを広げ、8周目には2位との差を1.662秒とする。

しかし後半向きにクルマをセットアップして決勝に臨んだ荒川がここから追い上げ、9周目には1.381秒差、11周目には1.007秒差にまで迫るが、あと一歩及ばず、木村が第9戦SUGOに続いて今季4勝目を挙げた。

2位は荒川。3位には太田が入り、ポイントリーダーの野中が4位。

これによりドライバーズポイントは野中167ポイント、木村が162ポイントと僅か5ポイント差に縮まった。

またインディペンデントカップは予選トップの鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F110)が今季5勝目を挙げている。

第12戦決勝は7日の午前8時55分より13周で戦われる。

荒川麟と木村偉織のトップ争い

優勝は木村偉織(HFDP/SRS/コチラレーシング)

決勝2位は荒川麟(TGR-DC RSトムススピリットF4)

決勝3位は太田格之進(HFDP/SRS/コチラレーシング)

決勝4位は野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4)

決勝5位は奥住慈英(TGR-DC RSフィールドF4)

トップでゴールする木村偉織(HFDP/SRS/コチラレーシング)

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

SGT:第7戦もてぎ公式練習 前戦優勝のARTA NSX-GTがトップタイム

2021オートバックス スーパーGT第7戦「もてぎGT300kmレース」の公式練習が11月6日、栃木県茂木町のツインリンクもてぎで行われ、GT500クラスは8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)、GT300クラスは9号車PACIFIC NAC CARGUY Ferrari(ケイ・コッツォリーノ/横溝直輝)がトップタイムを記録した。

スーパーGTの2021シーズンもいよいよ残り2戦を残すのみとなり、今大会ではサクセスウェイトがこれまでの半分に減らされることになる。これによりGT500クラスは、ドライバーズランキングトップの山本尚貴が乗る1号車STANLEY NSX-GT以外の14台が50kg未満となるため、燃料リストリクター制限の対象は1号車のみ。山本とチーム国光にとっては厳しい状況だ。

そうした中、公式練習は午前9時25分より混走95分間、専有走行各10分間で行われた。この日の天候は快晴。路面はドライだ。

序盤トップに立ったのは37号車KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/サッシャ・フェネストラズ)。平川が計測4周目に1'37.536を記録した。2番手には8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)が続き、23号車MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が3番手につける。

開始から23分が経過したところで大津弘樹(Modulo NSX-GT)が計測10周目に1'37.409を記録してトップに浮上する。

その後コース上では5分間のフルコースイエロー・キャリブレーションが実施されたが、それが解除されるとすぐに坪井翔(au TOM'S GR Supra)が1'37.499、ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)が1'37.498を相次いで記録し、23号車が2番手、36号車が3番手に上がってきた。

しかし開始から49分が経過したところで前戦優勝の野尻智紀(ARTA NSX-GT)が1'37.110を記録してトップに。その後は各車ロングランに移行し、大きな順位変動が起きないまま混走は終了した。

専有走行では大湯都史樹(Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT)が1'37.279までタイムを縮めて2番手に浮上するが、すぐにサッシャ・フェネストラズ(KeePer TOM'S GR Supra)が1'37.185でこれを上回る。

混走トップの8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)は福住が終了間際に1'36.715を叩き出し、そのままトップで走行を終えた。

ランキングトップの1号車STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)は、山本が1'37.584までタイムを縮めたが10番手に終わった。

公式練習: GT500クラストップタイムはARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)

公式練習: GT500クラス2位はKeePer TOM\'S GR Supra(平川亮/サッシャ・フェネストラズ)

公式練習: GT500クラス3位はRed Bull MOTUL MUGEN NSX GT(笹原右京/大湯都史樹)

GT300クラスは混走序盤にケイ・コッツォリーノが1'45.962を叩き出した9号車PACIFIC NAC CARGUY Ferrari(ケイ・コッツォリーノ/横溝直輝)がそのままトップで走行を終了。2番手も小暮卓史が計測5周目に1'46.579を記録した88号車JLOCランボルギーニGT3(小暮卓史/元嶋佑弥)が続き、専有走行に入ってもこの順位は動かなかった。

しかし専有走行終盤に名取鉄平が2周連続のアタックを行なった18号車UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/名取鉄平)が1'46.680で3番手に上がってきた。

一方、前戦優勝の31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴)はクラス26番手と苦しいスタートとなっている。

公式練習: GT300クラストップタイムはPACIFIC NAC CARGUY Ferrari(ケイ・コッツォリーノ/横溝直輝)

公式練習: GT300クラス2位はJLOCランボルギーニGT3(小暮卓史/元嶋佑弥)

公式練習: GT300クラス3位はUPGARAGE NSX GT3(小林崇志/名取鉄平)

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第11戦、12戦もてぎ予選上位3人のコメント 荒川麟「決勝は考えすぎず、自分なりの実力を出したい」

第11戦、第12戦ポールポジション #36荒川麟(TGR-DC Racing School)
「専有走行からクルマの調子が良く、予選に向けては心配の要素がなかったので、あとはドライビングの修正だけで、確実にポールが狙えそうな手応えを感じていました。もてぎはクルマ的に苦手なコーナーがあまりないし、ここまでうまく合わせてこれました。今まで気負っちゃってレース結果がついてこなかったんですけど、決勝ではあまり考えすぎずに、自分なりの実力を出していきたいです」
第11戦予選2位 #6木村偉織(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
「木曜日はあまり調子が良くなかったんですが、金曜日にうまくアジャストできたので、予選はいけるかな?と思っていたんですが、走り出しのバランスが良くなく、走りながらようやく合わせ込むことができて、さあアタック、というタイミングがファイナルラップになってしまいました。途中までいいタイムで走れていたんですが、最後に前のクルマに引っかかってロスしてしまいました。その相手がチームメイトだったので、すごく勿体無いなと思いました。悔しいですが、2番手ですし、まだレースが終わったわけではないので。予選はただの通過点ですから、決勝に向けて気持ちを切り替えていきます」
第11戦予選3位 #37奥住慈英(TGR-DC Racing School)
「昨日の練習から調子が良かったです。前日に改善点もいっぱい見つかったので、そこを直していけばタイムが出るなと思っていました。ですので予選は気持ち的にも冷静に走れましたし、ミスもしてはいますがリカバリーできました。ここまで37号車、38号車は結果が出ていなくて、苦しい状況がずっと続いていますが、ここでチャンスが来ていると思うので、表彰台といわず優勝を狙っていきたいです」
第12戦予選2位 #35野中誠太(TGR-DC Racing School)
「路面温度は低かったですが、コンディションが良かったので、徐々にペースを上げていきましたが、最後に伸びが足りませんでした。ただ安定性はすごくあるので、レースペースには自信があります。今日は4番手で明日は2番手ということで、今日というよりは明日に向けて集中して取り組んでいきたいところですね」
第12戦予選3位 #7太田格之進(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
「昨日から苦戦していて、めっちゃ調子がいいという状況ではなかったんですが、まあなんとかトヨタ勢の間に食い込めたのは良かったと思います。ただ狙っていたのはポールポジションだったので、そういう点では悔しいし、ほぼ完璧なラップだったんですが、あとコンマ1秒、2秒は上げれるようにまとめ切ることが今の課題だと思います。特に今日はまとめるのが難しいコンディションだったので、そこが残念です。予選のタイム差が少ないので、決勝はすごく白熱したレースになると思います。冷静に上に上がっていけるように頑張ります」
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第11戦、12戦もてぎ公式予選 荒川麟が連続ポールを獲得

2021FIA-F4選手権第11戦、第12戦の公式予選が11月6日、栃木県茂木町のツインリンクもてぎで行われ、ベストタイム、セカンドベストタイムともにトップだった#36荒川麟(TGR-DC RSトムススピリットF4)が2戦連続でポールポジションを獲得した。

公式予選は午前8時40分より30分間で行われた。この日のもてぎは雲ひとつない快晴に恵まれ、終始ドライコンディションでの走行となった。

路面温度の低い朝の走行ということで、各車入念なウォームアップを行い、計測4周目あたりからアタックに取り掛かる。

まずは荒川が1'58.732を記録。続いて#37奥住慈英(TGR-DC RSフィールドF4)が1'58.831で2番手に続き、#6木村偉織(HFDP/SRS/コチラレーシング)が1'58.895で3番手。

計測5周目に入ると、荒川は1'58.012までタイムを上げ、奥住も1'58.150、そして#35野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4)が1'58.232で3番手に食い込み、トムススピリット勢が1-2-3という状況になった。

その直後、ビクトリーコーナーで#31鶴田哲平(ATEAM Buzz Racing F110)がコースオフし、グラベルに捕まったために予選は赤旗中断となる。

車両回収ののち、予選は午前8時57分に残り時間13分で再開された。

するとすかさず野中が1'57.572を叩き出してトップに躍り出る。しかし荒川も1'57.661、1'57.505と快調にペースを上げて再びトップに立ち、最終的に1'57.317までタイムを縮めた。またセカンドベストタイムでも荒川は1'57.476を記録しており、第11戦、第12戦ともに荒川燐がポールポジションからスタートすることになった。

第11戦の2番手には木村偉織が続いた。走り始めはクルマのバランスが思わしくなかったという木村だが、周回を重ねるごとに修正していき、ファイナルラップでようやく万全のアタックに取り掛かったものの、惜しくもチームメイトに引っかかったためにポール獲得はならなかったという。

3番手には奥住がつけた。ここまで野中、荒川の陰に隠れた格好になっている奥住だが、今回は練習走行から好調とのことで、決勝では表彰台といわず優勝をと意気込む。

第12戦の2番手はここまでランキングトップの野中。練習走行から好調な野中は、あとひと伸びが足りずにポールポジションこそ逃したものの、レースペースには自信があるとのことだ。

第12戦の3番手には#7太田格之進(HFDP/SRS/コチラレーシング)がつけた。今週末は好調とは言い難い状況だというが、それでもトヨタ勢2台に次ぐ3番手スタートを確保。決勝での追い上げに自信をのぞかせた。

第11戦決勝はこのあと午後1時20分より、第12戦決勝は明日の朝8時55分より、同じく13周で行われる。

第11戦、第12戦ともポールポジションの荒川麟(TGR-DC RSトムススピリットF4)

第11戦予選2位、第12戦予選4位の木村偉織(HFDP/SRS/コチラレーシング)

第11戦予選3位、第12戦予選6位の奥住慈英(TGR-DC RSフィールドF4)

第11戦予選4位、第12戦予選2位の野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4)

第11戦予選5位、第12戦予選3位の太田格之進(HFDP/SRS/コチラレーシング)

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

SGT:第6戦オートポリス決勝会見 野尻智紀「交代の直前はプレッシャーに押し潰されそうだった」

GT500クラスのウイナー野尻智紀/福住仁嶺(ARTA)

GT500クラス優勝 8号車ARTA NSX-GT

福住仁嶺(ARTA)

「まずは支えてくださった方と、関わってる皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。今シーズンは優勝できてもおかしくないレースが何度ありましたが、その中でも自分のミスなどで落としてきたことがあり、気持ち的に落ち込むことがありましたし、自信を無くしたこともありました。実際今回のオートポリスに向けても自信を持って来れていないところがありましたが、先日スーパーフォーミュラでチャンピオンを獲った野尻選手に助けてもらいました。昨日の走り始めが不調だった中で、ここまで戻って来れたのも本当にチームの皆さんと野尻さんのお陰だと思います」

「レースに関してはタイヤの暖まり部分で怖いところがありましたが、しっかりクルマを信じて走りました。僕のスティントはセーフティーカーランが多かったので、その点で戦略を見直さなければなりませんでしたが、チームの皆さんが周りをよく見て判断してくださいましたし、野尻選手がすごく速かったお陰で優勝出来ました。とにかく周りの人たちに感謝の気持ちでいっぱいです」

野尻智紀(ARTA)

「皆さんご存知の通り、これまでなかなか結果につながりませんでした。その中で、前戦が終わってからミーティングを重ねて、もっともっとチームを強くしていかないといけないね、というところで私自身も強くなるためにと思い、たくさん改善を要求していました。ですから私自身としては何としても結果を残さないと、という責任感を強く感じていて、福住選手から交代する直前にもプレッシャーに押し潰されそうになる場面もありましたが、みんなのこれまでの頑張りをしっかりと思い出して、自分のスティントで大量リードも築けましたし、完璧なスティントに出来たんじゃないかなと思います」

「これまで沢山の方々に、ご迷惑といいますか、結果を出せないという中で、皆さんが勝利を渇望されていましたが、こうやって優勝という結果を手にしたことを非常に嬉しく思いますし、沢山の方々に本当に感謝したいと思います。ありがとうございました」

GT300クラスのウイナー嵯峨宏紀/中山友貴(apr)

GT300クラス優勝 31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT

中山友貴(apr)

「第6戦はオートポリスで2年ぶりの開催になりました。昨年はコロナの影響で開催できなかったので非常に楽しみにしてサーキットに入りました。予選でポールポジションからスタートして、まさかトップでレースを進めることができて、優勝できるとは夢にも思っていませんでした」

「今シーズンは苦労するレースが続いていて、マシンの戦闘力も難しいものがありましたが、今大会の直前に何度かテストをする中でクルマの回生ブレーキについて開発が進んだことで戦闘力が上がり、その部分でも楽しみにしていました。それでも優勝できるとは思っていなかったので、今は嬉しい気持ちでいっぱいです。チームの皆さんやスポンサーの皆さんにも感謝しています。ありがとうございました」

嵯峨宏紀(apr)

「最後に勝ってから何年も経ってしまったので、本当に嬉しいですし、PHVに変わってからなかなか結果が出せなくて、開発を任されている身としては忸怩たるものがありました。こうやって勝つことができてホッとしていますし、今までやってきたことが間違っていなかったんだと感じていますし、また次の車両に向けてのステップアップにもなります」

「兄弟車のスープラが昨年から猛威を奮っている中で、PHVは置いて行かれた感があり、本当に悔しい思いをしていましたけども、こういう形で最高の結果を出すことができたので、チームの皆さんを始めスポンサーの方々やブリヂストンの皆さんには感謝しきれないし、ありがとうという言葉しかありません」

まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

SGT:第6戦オートポリス 大荒れの展開を制し#8ARTA NSX-GTが待望の今季初優勝!!

GT500クラスのスタートシーン GT300クラスのスタートシーン

2021オートバックス スーパーGT第6戦「オートポリスGT300kmレース」の決勝が10月24日、大分県日田市のオートポリスで行われ、予選4番手からスタートした8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)が今季待望のGT500クラス初優勝を挙げた。GT300クラスはポールポジションの31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴)が終始レースをリードする完璧なレース運びで優勝した。

(天候:曇り コース:ドライ)

GT500クラス優勝は8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺) GT500クラス決勝2位は38号車ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明) GT500クラス決勝3位は23号車MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ) GT500クラストップでゴールする8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)

第6戦決勝は午後1時30分より、2周のフォーメーションラップに続いて65周で行われた。スタート時の気温は13℃、路面温度は19℃だ。

スタートでトップに立ったのはポールポジションの大湯都史樹(16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT)。しかし日立アステモコーナー(第1ヘアピン)で早くも予選2番手の山下健太(14号車ENEOS X PRIME GR Supra)がインから16号車を抜いてトップに立つ。1周を終えての14号車のリードは1.169秒。しかし14号車は今週末を迎えるにあたり、今年3基目のエンジンを投入したため、このあと5秒のペナルティストップを消化しなければならない。それもあってか#16大湯も深追いはせず、自分のペースを守って周回を重ねる。3位には伊沢拓也(64号車Modulo NSX-GT)がつけた。

トップが5周目に入ったところでレースコントロールから14号車に対してペナルティストップの指示が出た。これに応じて#14山下は6周目にピットイン。ペナルティを消化して最後尾でコースに戻った。これにより#16大湯が再びトップに立った。

7周終了時点での14号車と16号車の差は32.619秒だ。

続いて37号車KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/サッシャ・フェネストラズ)に対して7周目に5秒ストップの指示が。これに応じてフェネストラズは7周終わりでピットイン。続いて8周目には38号車ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)に対しても同様の指示が出た。

立川は8周目にベルトラン・バゲット(17号車Astemo NSX-GT)と接触して右のカナードを失ったが、9周目の1コーナーでアウトからヘイッキ・コバライネン(39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra)をパスして5位に浮上。この周を終えてすぐにピットに入った。

ところがトップが10周目に入ったところで和田久(22号車アールキューズAMG GT3)が第2ヘアピンでコースアウト。コンクリートウォールに突っ込むアクシデントが発生した。これによりレースコントロールよりフルコースイエローが宣言され、トップが11周目に入ったところでセーフティーカー(SC)が入った。5秒ストップで順位を落とした3台のスープラには挽回のチャンスが生まれた格好だ。

隊列が13周を終えたところで順位整理が行われ、ここからピットレーンがオープンになり、SCは16周終わりでピットイン。17周目からレースは再開となった。

この時点で#14山下のビハインドは7.492秒、#38立川は7.775秒、フェネストラズは8.230秒だ。

しかしここでまさかの事態が勃発する。

ここまでトップを快走していた16号車が18周目の2コーナーに差し掛かったところで突如右のリヤタイヤが脱落したのだ。このため#16大湯は日立アステモコーナーでストップ。惜しくもここでレースを終えることになった。クルマを降り、がっくりと肩を落とす大湯。これで#64伊沢がトップに浮上した。2位は福住仁嶺(8号車ARTA NSX-GT)、3位にはロニー・クインタレッリ(23号車MOTUL AUTECH GT-R)が続く。

さらにその後方では第5コーナーでショーン・ウォーキンショー(35号車arto RC F GT3)と、そのインをつこうとした内田優大(48号車植毛ケーズフロンティアGT-R)が接触、48号車がスピンしてコース上にストップしてしまったため、21周目に早くも2度目のSCが入ることになった。

車両回収と順位整理ののち、SCは24周終わりでピットイン。レースは25周目から再開となった。これに合わせてピットに飛び込んだのが関口雄飛(36号車au TOM'S GR Supra)、ヘイッキ・コバライネン(39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra)、牧野任祐(1号車STANLEY NSX-GT)、佐々木大樹(24号車リアライズコーポレーションADVAN GT-R)、国本雄資(19号車WedsSport ADVAN GR Supra)、そしてサッシャ・フェネストラズ(37号車KeePer TOM'S GR Supra)だ。

給油とドライバー交代を終えた各車は#39中山雄一、#1山本尚貴、#19宮田莉朋、#36坪井翔、#24高星明誠の順でピットアウト。しかしすかさずピットアウト直後の1コーナーで高星が坪井と宮田を捉えて順位を上げた。さらに高星は山本を激しく追い上げる。

続いてベルトラン・バゲット(17号車Astemo NSX-GT)が25周終わりでピットイン。

26周目には福住仁嶺(8号車ARTA NSX-GT)、松下信治(12号車カルソニックIMPUL GT-R)、山下健太(14号車がピットイン。27周目にはロニー・クインタレッリ(23号車MOTUL AUTECH GT-R)がピットインした。

ここで#24高星は第1ヘアピンで#23松田次生を捉えて前に出たが、松田はすぐに高星を抜き返して順位を取り戻した。

続いて28周目に千代勝正(3号車CRAFTSPORTS MOTUL GT-R),立川祐路(38号車
ZENT CERUMO GR Supra)がピットイン。トップの伊沢拓也(64号車Modulo NSX-GT)は29周目にピットに入った。

後半を担当した#64大津弘樹はそのまま#8野尻智紀を押さえてトップでピットアウトしたが、冷えたタイヤでは抗う術もなく、1コーナーで野尻にインをつかれて2位に後退、続いて#39中山、#1山本も相次いで大津を捉えて2位、3位に浮上した。

しかし#64大津はタイヤに熱が入ってから32周終わりのホームストレートで1山本を攻略、続いて33周目の第2ヘアピンで中山をも捉えて2位を奪い返し、そのままトップを走る野尻のテールに食らいついた。

コースの至る所で並びかけようとした大津だったが、野尻は巧みに大津を押さえ込み、38周を終えた時点で1.339秒と僅かに差を広げてきた。

その後も野尻は着実にリードを広げ、41周終了時点で大津に6.458秒、45周終了時点では12.312秒、50周終了時点では26.440秒もの大差をつけた。

その後方では45周目の1コーナーで#23松田が#1山本を抜いて4位に浮上、#39中山のテールに食らいつく。

2位の大津はペースが上がらず、50周終了時点で3位#39中山との差が2.49秒、51周では1.236秒に縮まった。これにより2位争いは#64大津、#39中山、#23松田の3台に。52周目には#1山本、#38石浦宏明も追いついてきた。

#39中山は53周目の第2ヘアピンで#64大津のインをついて2位に浮上、#23松田、#1山本、#38石浦も相次いで大津を捉え、64号車はこの周で一気に6位に後退した。大津はその後もジリジリと順位を落とし、最後は12位という残念な結果に終わった。

その後#38石浦は55周目の1コーナーで#1山本を捉えて4位、2コーナーでは#23松田をも捉えて3位、続いてこの周終わりのホームストレートでは#39中山をも抜き去って一気に2位に上がってきた。しかしトップの#8野尻とは56周終了時点で34.086秒の大差がついてしまっていた。

続いて58周目の第2ヘアピンで#23松田が#39中山のインをついて3位に浮上する。残りは7周だ。

一方#1山本は63周目の第2ヘアピンで#3平手晃平の先行を許して6位に後退。さらに#3平手はファイナルラップの1コーナーでクロスラインを取って#39中山をも抜き去って4位でチェッカーを受けた。

こうした後続のバトルをよそに、トップの#8野尻はその後もトップを快走。最後は2位の#38石浦に28.548秒差をつけてフィニッシュ、8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)が待望の今季初優勝をものにした。

2位はエンジン交換による5秒のペナルティストップにも関わらず着実に順位を上げてきた38号車ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)が入り、23号車MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が3位で表彰台に上がった。

GT300クラス優勝は31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴) GT300クラス決勝2位は96号車K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南) GT300クラス決勝3位は61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝) GT300クラストップでゴールする31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴)

GT300クラスはポールポジションの中山友貴(31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)がスタートからトップを快走、山内英輝(61号車SUBARU BRZ R&D SPORT)が2位につける。なお予選19番手の4号車グッドスマイル初音ミクAMG(谷口信輝/片岡龍也)はレコノサンスラップでミッショントラブルが見つかったためにガレージに戻されていたが、修復が間に合い、片岡がピットスタートで最後尾から戦列に加わった。

22号車が8周目にクラッシュしたことにより最初のSCが入り、続いて18周目には35号車と48号車のアクシデントにより2度目のSCが入った。

トップの#31中山は29周目にピットイン、#61山内は30周目にピットインして給油とドライバー交代を行った。すると31周目に阪口晴南(96号車K-tunes RC F GT3)がアウトラップの#61井口を捉えて順位を上げた。この時点では6位だが、31嵯峨の前の4台はまだピット作業を終えていないため、実質的には2位のポジションだ。

その後39周目に青木孝行(360号車RUNUP RIVAUX GT-R)、40周目に安田裕信(11号車GAINER TANAX GT-R)がピットインしたことで、GT300クラスは全車がドライバー交代を終了、ここで再び31号車がトップに立った。2位には96号車が続き、61号車が3位だ。

しかしそこへ熊本県出身の吉田広樹の駆る52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GTが61号車SUBARU BRZ R&D SPORTに追いつき、45周目にはテール・トゥ・ノーズの状態となる、前を走る#61井口も福岡県の出身と、お互いに譲れないホームレースだ。この戦いはその後も延々と続いたが、井口は最後まで吉田の先行を許さなかった。

トップの#31嵯峨はその後も阪口に付け入る隙を与えず、最後は10.946秒の差をつけて31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴)が今季初優勝。2019年にFRレイアウトのプリウスPHVを投入してから苦しい戦いを続けていたaprにとっては、2016年の第4戦SUGO以来の待ちに待った初優勝だ。

2位は96号車K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南)、3位には61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が入った。

次戦の舞台は今季2度目の開催となる栃木県のツインリンクもてぎ。11月7日決勝だ。

GT500クラスの表彰式 GT300クラスの表彰式

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

SGT:第6戦オートポリスウォームアップ走行 トップタイムは#8ARTA NSX

スーパーGT第6戦の決勝前ウォームアップ走行が10月24日、大分県日田市のオートポリスで12時10分より20分間で行われた。天候は曇り、コースはドライだ。

ここでトップタイムを記録したのは8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)で、タイムは1'35.756。12号車カルソニックIMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治)が1'36.244で2番手につける。36号車au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔)が1'36.552で3番手、ポールポジションの16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT(笹原右京/大湯都史樹)は1'36.589で4番手につけた。

GT300クラスはポールポジションの31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴)が1'44.675でここでもトップタイムを記録、55号車ARTA NSX GT3(高木真一/佐藤蓮)が1'45.357で2番手につけている。

開始直後には17号車Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)のスピンがあったが、それ以外には全車大きなアクシデントもなくチェッカーフラッグを受けた。

第6戦決勝はこのあと午後1時30分より65周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

SGT:第6戦オートポリスGTA定例会見 カーボンニュートラルフューエルを2023年より実戦投入 レース距離は2022年より350kmに延長へ

スーパーGTを運営するGTアソシエイション(GTA)は10月24日、第6戦「オートポリスGT 300kmレース」の開催されている大分県日田市のオートポリスで定例会見を開催した。

この中で坂東正明代表は、23日にGT500クラスに参戦する国内メーカー3社と環境対策に関する話し合いを行い、いわゆるe-Fuelの導入についての方針が決まったことを明らかにした。

まず化石燃料を使用しない新たな燃料について、これまでは「バイオe-Fuel」と呼んできたが、製造工程でのCO2排出や燃料自体の成分など、「e-Fuel」の定義には様々な議論があることから、今後は「カーボンニュートラル・フューエル」と呼んでいくことにしたという。基本的には植物由来のエタノールが主成分となるようだ。

すでにホンダとトヨタでGT500のエンジンを用いてベンチテストを始めており、出力の低下については補正の範囲で対応可能であること、Oリングなどのゴム製品を対策することにより、国内メーカーで製造しているFIA-GT3車両でも使用できることなどが確認されているという。今後はGT3を製造する海外メーカーに対しても成分表を提示することで対応を依頼するとのことだ。

また、この燃料はスーパーGTでの使用に留まらず、GT500と同様のエンジンを使用するスーパーフォーミュラでも使用していくとのことで、JRPからも25日にこれに関する発表が予定されている。

スーパーGTでは2022年よりメーカーテストでの使用を開始し、2023シーズンからはレースでも使用していく予定。このため、海外からの購入先を今年の12月までには決定したいとしている。

なお、以前から話の出ていた、来シーズンの決勝レース距離の延長については、基本フォーマットを現在の300kmから350kmに変更する意向であることが明らかとなった。

これに対し、1大会中に持ち込めるタイヤのセット数は現状と同じとし、レインタイヤについてはセット数を削減する。

これにより、チームの作戦の幅を増やし、ファンにより面白いレースを提案していくほか、燃費の良いエンジン、ライフの長いタイヤの開発を促進し、市販車へフィードバックしていく環境を作っていきたいとしている。

ただしこのレース距離延長で部品の消耗などに影響が出るのであれば、チームの負担を軽減する意味で公式練習の走行距離を削減し、年間トータルの走行距離を合わせていくことも考えているとのことだ。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

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