(今日のレースを振り返ってください)
「3列目ということで、すごく良い位置からスタートできました。ミスはなかったんですけど、タイヤがうまく暖まらなくてペースが上がらず順位を落としてしまいましたが、ここはタイヤの摩耗が厳しいサーキットで、レースが始まると僕のマシンは周りと比べてペースが良かったので、予定していた作戦を変えて、ファーストスティントをロングランにしました。引っ張ってる時はペースは良くてもタイヤはしんどかったんですけど、エンジニアさんとか、チームアドバイザーの伊沢(拓也)さんがいろんな情報を与えてくださったおかげでこの順位が取れたのかなと思います」
(2セット目は相当なハイペースだったが)
「本当はあのまま(フェネストラズを)抜いて行きたかったんですけど、やはり飛ばしすぎて後半タイヤが厳しくなっちゃいました。『安全に』という無線もありましたので、そこからはミスしないように集中して走りました。サッシャ選手もそこからタイムを上げてきたので、余力を残してるな、と客観的に思いました。一筋縄ではいかないな、というのは乗っていて感じました」
(デビュー4戦目での表彰台獲得となったが)
「思った以上に早かったです。表彰台が取れるというのはチーム力があるということだと思うので、次すぐにSUGOですけど、落ち着いてもっと良い順位を目指して頑張りたいです」
「岡田(秀樹)さんとか、伊沢さんがドライバー目線で的確なアドバイスをくださるのが大きいな、と感じています」
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
- 第4戦優勝 平川亮(carenex TEAM IMPUL)
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「常に優勝を狙ってレースをしていますが、今日に関しては予想より良かったので自分自身驚いています。一番はやっぱり良いスタートを切れたこと。1周目を狙っていたので、うまく決まって良かったです。いつもタイヤ交換をやってるメカニックの人が今回腰痛でだめになってしまって、ピット作業に不安がありましたが、夜通しと朝から練習していただいたので、タイヤ交換もうまく決まりました。チームワークでできた優勝かなと思っています」
「まだ中盤戦ですけど、流れを取り戻せた感触があるので、次のSUGOも優勝を狙って、予選から頑張りたいと思います」
- 第4戦決勝2位 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
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「ここにくることができて嬉しいです。今シーズンは前半戦だけで2回も表彰台に上がることができて嬉しいです。リョウと同じく、僕もピットストップを遅らせる作戦を取りました。前半はずっとタイヤをセーブしながら走りました。ピットストップしたらどうなるか、という不安がありましたが、できるだけうまくタイヤをマネジメントしようと思っていました。オートポリスはタイヤのでグラデーションが酷くて、タイヤを守ることがキーポイントだと思ったので、そこに集中しました。良い結果に終わって非常に嬉しいです。僕自身だけでなくチームにとっても。昨年は本当に厳しいシーズンでしたが、今シーズンはもう2回も表彰台に上がれました。次も引き続き頑張ります」
- 第4戦決勝3位 三宅淳詞(TEAM GOH)
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「スタートで順位を落としてしまったんですけど、フリー走行でロングランのペースが良いことがわかっていたので、結構引っ張る作戦を取りました。皆さんと同じように結構タイヤが厳しい状況ではありましたが、チームのエンジニアさんやアドバイザーの伊沢さんから周りのドライバーの状況などの的確なアドバイスをもらえて、うまくタイヤマネジメントができました。本当にチームの皆さんと力を合わせて勝ち取りました。3位になれて本当に嬉しいです」
- 優勝チーム監督 星野一義(carenex TEAM IMPUL)
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「正直ね、昨日の予選は納得していなくて、ちょっと寝つきが悪かったんですけど、ドライバーには自分の体は自分で守ってくれ。クルマはこっちでどうとでもするから、思い切り戦ってくれと言いました。始まってからは本当に絵に描いたようにうまくいくんでね。ピットの判断も素晴らしかった。タイヤ交換をどうするかとか、周りのドライバーを見て計算して、何台もパソコン打ちながら、ドライバーには負担をかけないように、ベストを尽くした。途中からマッチのところの4号車がタイヤを替えて上がってくるからとか。ほんとすごいよね。ドライバーにもたまげたね。ピットワークも一人臨時で増やしたから8秒台入っちゃって、ドライバーにはごめんねって言わないといけないけどね」
「鈴鹿の走りも結果的に7番手ですけど、あの年齢は全盛期の頃だから、無理して絡まないようにしてる。それが見えてるから、1台1台的確にかわしていける。若いと無理しちゃうからね。(平川は)今はナンバーワンだと思うね。今日は褒めてあげたい」
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の決勝が5月22日、大分県日田市のオートポリスで行われ、予選8番手からスタートした平川亮(carenex TEAM IMPUL SF19)が見事な追い上げとピット戦略でトップに立ち、開幕戦富士以来の今季2勝目を挙げた。
(天候:晴れ コース:ドライ)


第4戦決勝は午後2時30分より42周で行われた。スタート時の気温は24℃、路面温度は44℃まで上昇した。
スタートでトップに立ったのはポールポジションの野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)。2番手に牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF19)が続き、宮田莉朋(Kuo VANTELIN TOM'S SF19)が3番手。後方からスタートを決めた笹原右京(TEAM MUGEN BINGO SF19)が1コーナーで宮田に並びかけるが、宮田はポジションを守り切って2コーナーを立ち上がる。
ところが3コーナーで山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)と松下信治(BYOUBUGAURA B-MAX SF19)がコースをはみ出し、さらに最後尾スタートの大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)がバリアに突っ込むクラッシュが発生。これにより早くも2周目からセーフティーカーが導入されることになった。
するとその直後、8番手スタートから着実に順位を上げてきていた平川が第2ヘアピンで宮田をも捉え、一気に3位までジャンプアップしてコントロールラインに戻ってきた。
大湯の65号車を排除した後、セーフティーカーは3周終わりでピットイン。4周目からレースは再開された。
するとすかさず平川が5周目の1コーナーで牧野をアウトから抜いて2位に浮上する。
しかしその直後、今度は小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF19)が2コーナーで坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING SF19)に追突されてコースアウトするアクシデントが発生。バリアに跳ね返された7号車はコースの真ん中にストップしてしまった。このため6周目から再びSCが導入されることとなった。
坪井は6周終わりでピットイン、ノーズを交換してレースに復帰したが、このアクシデントを引き起こしたとしてドライビングスルーペナルティを課せられることになった。
小林の7号車をコース外に排除したのち、セーフティーカーは9周終わりでピットイン。10周目からレースは再開になる。トップの野尻が10周目の第1セーフティーカーラインを超えたところからタイヤ交換義務が有効になるというタイミングだ。
早速10周終わりで牧野、笹原、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING SF19)、山本がピットイン。
11周目に入ったところで今度は大嶋和也(docomo business ROOKIE SF19)と関口雄飛(carenex TEAM IMPUL SF19)が接触。大嶋は左リヤタイヤのパンクに見舞われて第1ヘアピンでコースアウトしてしまい、関口はこの周でピットに入り、フロントウィングを交換することになる。この他、山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF19)、大津弘樹(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)がこの周でタイヤ交換を行ったが、山下は左リヤのインパクトレンチが抜けず、タイムをロスしてしまった。大嶋もピットインしたが、パンクしているためリヤのジャッキアップに手間取ってしまう。
トップの野尻は当初レース半ばでのタイヤ交換を想定していたが、10周目にタイヤ交換を済ませた牧野のペースが良いことを見てピットインのタイミングを繰り上げ、15周終わりでタイヤ交換を行う。チーム無限は7秒2の作業時間で交換を済ませ、野尻を牧野の前でコースに送り出した。
これでトップに繰り上がった平川は猛ダッシュ。17周終わりで野尻との差を31秒836とすると、18周目には32秒756、19周目には32秒836と徐々にリードを広げて20周終わりでピットインした。実はこの日、チームインパルはピットクルーの一人がぎっくり腰を患ったために急遽他のメンバーが作業に加わっており、ピット作業に不安を残す状態であったが、それでも8秒5でタイヤ交換を終え、平川を野尻の前で送り出すことに成功した。
猛然と差を詰めてくる野尻を平川は最後まで押さえ切って21周目を走り切る。この時点で野尻との差は2秒054だ。逆に野尻の背後には18周目にタイヤ交換を済ませた宮田が迫ってきた。
23周終わった時点のトップはサッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)。2位に三宅淳詞(TEAM GOH G01 SF19)、佐藤蓮(Red Bull TEAM GOH G01 SF19)が3位で続くが、この3人はタイヤ交換を終盤まで引っ張る作戦を採っていた。
この時点で平川は4位につけていた。野尻との差は5秒147に開いた。野尻の後方からは宮田がオーバーテイクシステムを使って猛然と迫ってきたが、あとちょっとのところで野尻を捉えきれない。オーバーテイクボタンを押したまま走り続ける宮田。25周目の1コーナーではあわや追突という場面もあったが、宮田は限界ギリギリのブレーキングで衝突を回避した。この間に平川のリードは6秒317に開いた。あとはフェネストラズが何周目にタイヤ交換に入るか。そしてその時の平川との位置関係がどうなるかがレースの焦点となる。
26周終わってフェネストラズと平川の差は25秒308。27周目にはその差は24秒302にまで縮まる。これを見てフェネストラズは28周終わりでフェネストラズはピットインするが、左フロントの交換に手間取り、9秒3の作業時間を要してしまう。その結果フェネストラズは平川と野尻の間でコースに戻ることになった。
野尻はオーバーテイクシステムを使ってフェネストラズを追うが、逆にフェネストラズは野尻を引き離して29周目を完了した。野尻は1秒972後方だ。
これでトップは三宅に代わる。30周終了時点での平川との差は20秒151、フェネストラズとの差は27秒660、野尻とは31秒355の差だ。
三宅の後ろを走っていた佐藤は31周目に平川に追いつかれてしまうが、TEAM GOHこの周終わりで佐藤をピットインさせる判断を下す。これで平川が2位に浮上。三宅との差は20秒908だ。すると三宅は32周目にピットイン。8秒3の作業時間で野尻の前にピットアウトした。
ここから三宅はトップ2台を上回るハイペースで周回を重ねていく。34周目には自己ベストを更新する1分29秒054を記録してフェネストラズとの差は6秒112とすると、35周目にはこの日のファステストラップとなる1分28秒747を叩き出した。2位との差は4秒790だ。その後も三宅は1分29秒台を連発、37周目にはフェネストラズとの差を2秒140まで詰めてきた。4位の野尻は11秒717後方だ。
しかしここからフェネストラズが意地を見せる。38周目に1分29秒896をマークして三宅との差を2秒769とすると、39周目にも1分29秒814を記録して3秒217とさらに広げてきた。
一方、3位の三宅はこの辺りからタイヤ性能のピークを超えてしまったようで、40周目には1分31秒721にペースダウン。その後も徐々にペースを落としていった。
こうした中、トップの平川亮(carenex TEAM IMPUL SF19)は2位に3秒462の差をつけてファイナルラップに入り、そのまま逃げ切って開幕戦富士以来の今季2勝目を挙げた。
2位はサッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)。
そしてルーキーの三宅淳詞(TEAM GOH G01 SF19)がSFデビュー4戦目にして殊勲の初表彰台を獲得した。
これにより平川はドライバーズポイントを60に伸ばした。ポイントリーダーの野尻は4位に終わったため64ポイントと、その差は一気に詰まった。
次戦の舞台は宮城県のスポーツランドSUGO。6月19日決勝だ。



Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

5月21-22日に大分県日田市のオートポリスで行われている、全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦では、新型コロナウィルス感染症への対応に関する出口戦略の一環として、暫定表彰式や公式記者会見における、プレゼンターや参加ドライバーのマスク着用義務を撤廃する試みがなされた。
これから夏に向けて熱中症対策が求められること、それに対する厚生労働省の指導内容なども鑑み、こうしたノーマスクでの対応をこれからも続けていくという。
また、21日の公式予選終了後には家族連れのファンを対象としたキッズウォークも3年ぶりに復活。まだ選手と直接触れ合うことはできないものの、多くの子供たちが参加して、最新のフォーミュラカーやスーパーバイクを間近に見て楽しむ姿をピットレーンで各所で見ることができた。
JRPでは今後も社会情勢を見ながら、レース業界全体で出口戦略に取り組んでいくとしている。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
日本レースプロモーション(JRP)は、5月21日に大分県日田市のオートポリスで行われたJRPサタデーミーティングの中で、人気のゲームソフト「グランツーリスモ7」と連携した「グランツーリスモ7 リバリーデザインコンテスト」の開催を発表した。
これは2022シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権を戦う全12チーム21台のマシンと、CN開発テストで使用される通称「赤寅」「白寅」の2台のリバリー(カラーリング)を一般のプレイヤーから募集するもので、参戦チームとJRPにて作品を審査し、公認リバリー全23点を選出。スーパーフォーミュラ公式サイトで公表するとともに、今後の公式バーチャルレースや各種プロモーション施策で使用していく。
公認リバリーを作成したプレイヤーには応募したチームのファングッズ(直筆サイン入りドライバーズカード及びチームフラッグ)が賞典として贈呈される。
応募期間は5月24日(火)〜6月5日(日)まで。
ゲーム内で「ショーケース」に全体公開した後、そのURLをグランツーリスモ・ドットコム内の「GTマイページ」から自身のTwitterアカウントで指定のハッシュタグを添えて投稿することで応募できる。
詳細は公式サイトを参照のこと。
Text: Kazuhisa SUEHIRO

5月21日に大分県日田市のオートポリスにて行われた、日本レースプロモーション(JRP)主催のサタデーミーティングでは、SUPER FORMULA NEXT50の取り組みの一つとして、「JAPAN TOP FORMULA ARCHIVES」と題し、1973年以降の国内トップフォーミュラのアーカイブ映像を、公式Youtubeチャンネルにて順次配信していくことが発表された。
第1弾は「1978年鈴鹿グレート20ドライバーズF2」で6月1日(水)午後8時より配信予定。以降、7月6日に「1996年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第1戦鈴鹿サーキット」、8月3日に「1987年鈴鹿全日本BIG2&4レース F3000」、9月7日に「1996年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第10戦富士スピードウェイ」、10月5日に「全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第10戦鈴鹿サーキット」と、全5レースの配信が予定されている。
これらは当時のテレビ中継の映像をCBCテレビやフジテレビの協力を得てデジタルリマスターしたもので、Youtubeのプレミア公開機能を通じて配信される。公開時のみどなたでもチャットに参加しながら楽しむことができ、プレミア公開後は月額490円の「SF LIVE」会員のみがいつでも視聴できるとのこと。
第一回配信には当時ドライバーとして参加した星野一義、中嶋悟量監督もチャットに参加することが検討されており、今後の配信予定についてはチャットを通じてファンに希望を募っていくとのことだ。











Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

全日本スーパーフォーミュラ選手権を運営する、日本レースプロモーション(JRP)が5月21日、第4戦の行われている大分県日田市のオートポリスで定例のサタデーミーティングを開催。第3回カーボンニュートラル開発テストの実施報告や、公式Youtubeでのレースアーカイブの配信、「グランツーリスモ7 リバリーデザインコンテスト」の概要などを発表した。
開幕戦富士から続いているCN開発テストは、今回も二日間で全4セッション、計8時間の走行を行い、カーボンニュートラル・フューエルを使ったエンジンテストや、構造・コンパウンドの異なる複数の開発タイヤをテストした。またBcomp社が提供する麻などの天然素材を活用したバイオコンポジット素材をエンジンカバーやサイドポンツーンに採用し、熱、水、強度に対する実証テストを行った。
テスト車を走らせたのは今回も石浦宏明と塚越広大の2人。上記3項目に加え、追従走行により追い越しやバトルを生み出すために必要なダウンフォース量の検証を行った。
オートポリスは高地にあり、またタイヤへの負荷の高いコースとしても知られており、ターボへの負荷や空力への影響、タイヤのピックアップの問題など、富士や鈴鹿では得られない貴重なデータが収集できたとのこと。来シーズンから使用される車両のコンセプトも大筋で決まりつつあるようだ。
また排気管の出し方などを工夫して、V8エンジンに近い音色の排気音を再現できないか、との検証を次回のSUGOテストで実施したいとのことだ。
JRPは次回のSUGO大会あたりで来年モデルのスケッチを公開したいと考えており、年内にはファンに向けて実車のプロトタイプを公開したいとしている。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦のフリー走行2回目が5月22日、大分県日田市のオートポリスで行われ、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)がトップタイムを記録した。
フリー走行2回目は午前10時15分より30分間で行われた。走行開始時の気温は17℃、路面温度は31℃まで上昇してきた。
コースオープンと同時にルーキーの佐藤蓮(Red Bull TEAM GOH G01 SF19)と三宅淳詞(TEAM GOH G01 SF19)が揃ってピットレーンでストールというハプニングがあったものの、二人はすぐにエンジンを再始動。他の19人とともにコースに出ていった。
しかしフリー走行は開始3分で赤旗中断となってしまう。ジェットコースターストレートの先で坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING SF19)がストップしたためだ。
坪井は前輪のスクラブを行っていたようだが、突然のパワーダウンにより、自分からコース外に出てストップした模様。原因はエンジンを制御するECUの問題と思われる、とのことだが、詳細は調査中だ。
車両回収ののち、フリー走行は10時25分に再開され、その後は大きなトラブルもなく終了した。
ここでトップタイムを記録したのは予選18番手の大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)だ。5周目に1分28秒735を記録してトップに立ち、一旦ピットへ。その後は1分29秒421、1分30秒050を記録して走行を切り上げた。
2番手にはサッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)、3番手には山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF19)とKONDO RACING勢が続き、第3戦優勝の松下信治(BYOUBUGAURA B-MAX SF19)が4番手につけた。
ポールポジションの野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)は12番手。走り出しから4周続けてピットイン、アウトを繰り返したが、その後は1分30秒台のコンスタントなペースで周回を重ねている。
序盤トラブルに見舞われた坪井はその後も走行に参加せず、唯一ノータイムでフリー走行を終えている。決勝への影響が懸念されるところだ。
第4戦決勝はこのあと午後2時30分より42周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
- 第9戦優勝 木村偉織(B-MAX RACING TEAM)
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「昨日のレースではスタートでフライングしてしまったので、それを反省して今回のレースに臨みました。スタートでは守りに入りすぎたのか、いい加速ができずに太田選手に並ばれてしまいました。1コーナーでアウトから並ばれてもブレーキングだけは頑張ろうと思い、ブレーキングに集中して1コーナーに入りました。そのあとはミスしないことだけを意識して走りました」
「僕は予選で使っただけの、レースしていないタイヤで挑んだので、ペースがいいのは分かっていました。そのいい状態で自分がどれだけ限界に近い走りを続けられるかを意識しました」
「レース中のペースにおいては、自信がある部分を伸ばせたと思います。ただスタートは、手応えもありましたがまだ足りてない部分もあったので、次のSUGOに向けてブラッシュアップしていきたいです」
「SUGOはF4で走った経験がありますが、非常にチャレンジングで独特なレイアウトなので、好きなコースです。そこをライツで走るのが楽しみです」
- 第9戦決勝2位 太田格之進(TODA RACING)
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「昨日の二つのレースではスタートがあまりうまくいかなくて、色々試行錯誤というか、データを確認して今日のレースのスタートに臨みました。その結果今週末の3レースの中では一番いいスタートができたんじゃないかと思います。あわよくばスタートでポジションを得る、というのを目標にしていたんですけど、抜くまではいきませんでした。もう少しリスクをとっていけば1コーナーで横に並んでいって、チャンスがあるかとも思ったんですけど、そこはちょっと抑えて、完走を第一と考えて走りました」
「僕は木村選手と違って1レース使ったタイヤで臨んだので、そこで前に出ていても、タイヤの差やB-MAXの今週の速さを考えたら、ちょっと厳しいかなとも思っていました。ですので無理をせずにポジションを守ることを第一優先で走りました」
「後半はタイヤがきつかったし、前がどんどん離れていく中で野中選手に詰められましたが、僕らは第1セクターが速いことが分かっていたので、ミスをせずに走ろうと思いました。集中して走ったのでミスは一切してないと思います。それでポイントを獲得できたのは良かったです」
「今週末はダブルポールを獲得でき、鈴鹿から6戦連続で表彰台を獲得して、2位との差を広げられました。次のSUGOでも予選に集中し、そこでポールを取ってしまえば結果は自ずとついてくると思うので、そこにフォーカスした準備をチームと相談しながらやっていければと思います。」
- 第9戦決勝3位 野中誠太(TOM'S)
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「第1レースと同じスタート順位で、後ろのドライバーも同じ顔ぶれだったので、他のドライバーの動きも予測できていました。そこに関しては自信を持って1周目を走ることができました。タイヤも僕の方が太田選手より新しかったので、チャンスがあると思っていたんですが、太田選手は大きなミスもせず、セクター3でついていくことができず、抜けない状況が続きました。後ろの菅波選手も速かったですし、下手に太田選手に近づきすぎてフロントタイヤを傷めてしまうと菅波選手に迫られてしまうことが予想できました。そこでポイントポイントを押さえて周回を重ねた感じです」
「マシンのフィーリング的には昨日以上のパフォーマンスを発揮できていたと思うし、いい方向にいっていましたが、なかなか抜くことはできませんでした。それでも富士、鈴鹿以上にチーム一丸となって、いい形を作っていくことができたと思うので、ここからが本当の勝負なのかなと思っています」
「3戦連続で表彰台に上がったのは初めてなので、僕自身のパフォーマンスも安定してきていますし、クルマもかなりいい状態で仕上がってきているので、B-MAX、戸田レーシングに離されないように、しっかり準備をして、最初のレースから高いレベルで走れるようにしたいです」
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第9戦の決勝が5月22日、大分県日田市のオートポリスで行われ、ポールポジションの木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)が独走で今季2勝目を挙げた。
第9戦決勝は午前8時20分より21周で行われた。この日の天候は晴れ。路面はドライ。スタート時の気温は17℃、路面温度22℃という絶好のコンディションだ。
スタートでは2番手スタートの太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)が好ダッシュを見せ、1コーナーでポールシッターの木村にアウトから並びかけたが、木村はこれを退けてポジションを守り切った。3番手には野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320)、4番手には菅波冬悟(Byoubugaura B-MAX Racing 320)が続く。
木村は予選のみで使用したタイヤをこのレースに投入、最初の2周で太田を2秒309引き離すと、4周目にはこのレースのファステストラップとなる1分38秒736をマークするなど、終始太田を上回るハイペースで着実にリードを広げていく。
その後方では菅波、平良響(Kuoモビリティ中京TOM'S 320)、小高一斗(Kuoモビリティ中京TOM'S 320)が接近戦を展開していたが、そこから徐々に菅波が抜け出し、3位の野中に接近していく。
その後も木村は5周目に4秒440、10周目には8秒772、15周目には12秒136とどんどんリードを広げていき、最後は太田に16秒571の大差をつけて21周を走り切り、昨日の第7戦に続いて今季通算2勝目を挙げた。
太田は1レースを戦ったタイヤでスタートしたこともあり、終始苦しい走りを強いられ、レース中盤からは野中と菅波に迫られたが、セクター1での速さを活かして最後までポジションを守り切り、このレースを2位フィニッシュ。鈴鹿大会から6戦連続で表彰台を獲得。ドライバーズポイントを65に伸ばして次戦SUGO大会に臨む。3位の野中も今週末は全てのレースで表彰台を獲得し、このレースでノーポイントに終わった小高とのポイント差を7に縮めた。
次戦の舞台はスポーツランドSUGO。6月18、19日に第10戦、第11戦そして第12戦を行う。




Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
- 第8戦優勝 太田格之進(TODA RACING)
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「優勝できてホッとしています。第7戦のスタートで抜かれてしまったので、とにかくスタートで抜かれないようにと。第3レースのグリッドも決まっているので、今回に関しては耐えるというか、多少並ばれても守り切ろうと決めてスタートしました。スタートは決まったんですが、後ろのクルマが速くて、第7戦のような展開になりかけてしまいましたが、その時の経験も踏まえて、なんとか守り切ることができました。そこからはもう前だけを見て走りました。SCが入って一度つけた差がなくなりましたが、SC明けからとにかく逃げました」
「(スタートで接触があったと思うが、ダメージはなかったか)僕はどこに当たったかわかりませんでした。ただ1コーナーの立ち上がりと2コーナーの進入で2回当たりました。開幕戦でも後ろから追突される形でギヤボックスを損傷したことがあったので、すごく焦りましたが、今回はギヤボックスが頑張ってくれたのか、壊れずに走り続けることができて良かったです」
「このコースの第3セクターはダウンフォースが抜けやすいコーナーが連続するので、木村選手が狙っているのは分かっていましたし、ストレートスピードは後ろの方が速いことも分かっていたので、できるだけ早いうちに仕掛けて、第3セクターでギャップを広げておけば、安全も高まると思いました。作戦通りにいきました」
「(ポイント差を広げた形で第9戦に臨む格好になったが)とりあえず今日2位、1位とポイントを獲得できたので、明日もしっかりポイントを取りたいです。2番手からのスタートで、僕が抜きにいかないといけない立場なので、しっかり攻めて前に出られるように頑張ります」
- 第8戦決勝2位 古谷悠河(TOM'S)
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「スタートは良くなくて結構遅れちゃったんですけど、なんとかポジションをキープできました。2コーナーを抜けたところで何台かがクラッシュしていましたが、なんとかアクシデントをすり抜けることができて3番手に上がれました。結果はペナルティが出て2番手に上がりましたが、自分としては不満です」
「序盤で近づいてって、このまま行きたいと思っていましたが、近づくにつれてダウンフォースが抜けてしまい、走らせるのに苦労しました」
「(第9戦ではもう一つ上を狙いたいところかと思うが)次は8位からのスタートなので厳しいかと思いますが、今回みたいになことが起きるかもしれないし、自分のペースさえ良ければ抜けるかもしれません」
- 第7戦決勝3位 野中誠太(TOM'S)
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「7番手からのスタートで、またこの場にいるということがすごく自分にとっては良かったという見方をしています。7番手ということでクルマも走りも色々と大幅に変えている点があったので新たな収穫もありましたし、明日に向けていい準備ができそうだなと思っています」
「前の選手とはタイヤの状況も違っていたかと思いますが、ペース的に苦しかったというのも正直なところです。そこらへんのデータを見直して、明日はトップ2に近づいて、プレッシャーをかけられるようにしたいです」
「(HFDPの二人に対抗する手がかりは見つかったか)セクター3で差があるように感じているので、そこを改善するために今回のレースでもデータを収集していました。予選のデータもありますし、トムス4台で改善していって、まとまった形を明日のレースで見せていきたいです」
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

2022年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第8戦の決勝が5月21日、大分県日田市のオートポリスで行われ、太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)がポール・トゥ・フィニッシュで今季2勝目を挙げた。

第8戦決勝は午後4時15分より14周で行われた。天候は晴れ。路面はドライだ。スタート時の路面温度は28℃まで上昇している。
スタートでトップに立ったのはポールの太田。予選2番手の菅波冬悟(Byoubugaura B-MAX Racing 320)、予選3番手の木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)と続く。
しかし1コーナーの立ち上がりと2コーナー進入で菅波は太田に接触。これによりフロントウィングにダメージを負ってスローダウン、そのままピットインを余儀なくされる。

続いて3コーナーの飛び込みでは、木村のインをついた平良響(Kuoモビリティ中京TOM'S 320)がコースを飛び出したほか、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)と競り合った小高一斗(Kuoモビリティ中京TOM'S 320)がスピンしてしまうアクシデントが発生。小高は最後尾でレースに復帰したが、平良はこの場でリタイヤとなり、この影響で2周目からセーフティーカーが導入された。
これにより古谷が3位に浮上し、4位に野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320)が続くこととなる。
車両回収が終わり、レースは4周目にリスタート。そこからトップの太田は着実に後続を引き離し、6周終了時点で2位の木村に2秒101、8周終了時点では2秒942、10周終了時点では3秒420の差をつける。
木村も13周目に自己ベストとなる1分39秒308を記録して追い上げを図るが、いま一歩及ばず。太田は木村に2秒036の差をつけてチェッカーを受け、第5戦鈴鹿に続いて今季2勝目を挙げた。
さらに木村に対してはレース終了後に反則スタートという裁定が下され、30秒加算のペナルティを受けることに。これにより木村は8位に降着となり、3番目にフィニッシュした古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)が今季最高の2位を獲得。3位には第7戦に続いて野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320)が入った。
序盤のアクシデントにより大きく順位を落とした小高も懸命の追い上げを見せ、最後は6位でフィニッシュし、なんとか1ポイントをもぎ取った。
第9戦決勝は明日の朝8時20分より、今週末最長の21周で行われる。



Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
- 第4戦ポールポジション 野尻智紀(TEAM MUGEN)
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「(テレビのインタビューではクルマが自分の手足のように動くと言っていたが)ただの幻想でした。手足のようには全く動かず、朝走り出したらひどいアンダーステアに悩まされました。そこからすごく良いアジャストをチームがしてくれたので、予選までの短い時間の中でパフォーマンスアップができたと思います。チームの頑張りを結果という形で表すことができたのが非常に嬉しいです」
「タイヤのウォームアップを何周やるかは、予め3パターンを想定してチームに伝えてあり、Q1を走ってからどうするか決めようと思っていました。過去にやったようなフロントをスクラブしてピットに入り、リヤを交換して出ていく、というパターンと、アウトラップに続いてアタックに入るやり方と、今回僕が採用した、アウトラップ、ウォームアップ、アタックという方法です。Q1を走った段階で、僕のクルマはそれほどタイヤの暖まりが良くなさそうだなと。グリップを引き出すまでに1周では足りないなと感じたので、Q1から変えずにいきました」
- 第4戦予選2位 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
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「フリー走行から調子があまり良くなくて、7番手タイムでしたが、そんな中でもコンマ1秒タイムを上げれば3番以内に入れそうでしたし、予選も僅差の戦いになると思って臨みました。Q1では第2ヘアピンで飛び出すミスをしてしまいました。そのミスもあって、Q2ではクルマのアジャストをしつつ、アタックの方法を変えてみました。今まで計測1周目でアタックしたことはなかったんですが、それで2番グリッドを確保し、トヨタエンジンユーザーの中でトップだったのは良かったと思いますが、トップには届かなかったので、明日に向けて頭を切り替えて準備したいと思います」
「(アタック方法を変えた経緯は)鈴鹿でトップ2が計測1周目にアタックしてタイムを出していたし、2年前に僕が中嶋一貴選手の代役で出た時も野尻選手が計測1周目にトップタイムを出していました。その頃からアウト、インでブレーキに熱を入れる、という流行りができていたので、それを考慮しました。路面温度や気温が暖かかったし、Q1を走った感触でもタイヤの暖まりが早いような気がしました。セクター2、セクター3でタイヤ性能のピークを引き出せたらいいな、とも思いました。Q2は12台が走るので、失敗したら12番手の終わってしまうリスクもありましたが、守るよりは攻めよう、と心に決めてベストを尽くそうと思いました」
- 第4戦予選3位 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
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「非常に悔しい予選になってしまいました。そもそも朝の公式練習でクラッシュしてしまいました。幸いダメージは大きくなくて、そこからメカニックの皆さんがクルマを完璧に仕上げてくれました。おかげでQ1をトップで通過できたので、絶対にポールを取ってやろうと思ってQ2に臨みました。しかし路面変化に合わせきれなかったし、 Q2に向けてのクルマのアジャストもうまくいかなかったので、自分の力不足だったと思います」
「(Q1とQ2で路面の感触はかなり変わっていたのか)そうですね。路面温度が上がるだろうと思っていたので、ピットアウトしてすぐプッシュする、というのは予選が始まる前から決めていました。Q1の走り出しはユーズドタイヤでいって、コンディションを確認してからニュータイヤに交換してアタックしましたが、Q2も同様の作戦でいきました。Q2に向けて路面がいい方に変化すると思っていたら、悪い方に行ってしまっていました。Q2ではどオーバーになってしまっていました」
Text:Kazuhisa SUEHIRO

2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の決勝が5月21日、大分県日田市のオートポリスで行われ、野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)が第2戦富士以来、3戦連続でポールポジションを獲得して見せた。
公式予選は午後2時50分よりノックアウト方式で行われた。朝の公式練習で上空を覆い尽くしていた雲は途切れ、青空が顔を覗かせた。それに伴い予選Q1開始時点の気温は21℃、路面温度は33℃まで上昇した。
予選Q1
予選Q1はAグループ11台、Bグループ10台に分かれて行われ、それぞれの上位6台がQ2進出の権利を得る。
Aグループの走行では、各車1周のコース確認ののち、残り6分を切ったところで再びコースに出て行ったが、ここで牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF19)が計測1周目からアタックを敢行、1分24秒418をいきなり叩き出してトップに躍り出る。
これに対し笹原右京(TEAM MUGEN BINGO SF19)はウォームアップ2週ののちに1分24秒691をマークして2番手。サッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)も笹原と同様の作戦を取って1分24秒886で3番手。4番手の平川亮(carenex TEAM IMPUL SF19)は計測2周目に1分25秒159を記録と、各車異なる作戦でタイムアタックを行った。
5番手の三宅淳詞(TEAM GOH G01 SF19)、6番手の国本雄資(Kids com KCMG Elyse SF19)も計測3周目で自己ベストをマークして Q2進出を果たしたが、牧野と同様計測1周目にアタックを行った坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING SF19)は惜しくも7番手に終わり、ここで予選を終えることに。
このほか大嶋和也(docomo business ROOKIE SF19)、ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TOM'S SF19)、福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE SF19)そして山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)もここで脱落となってしまった。
一方、Bグループにはフリー走行で赤旗中断の原因となるクラッシュを喫した大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が出走。エンジン交換を伴う大掛かりな修復作業を要したものの、TCS NAKAJIMA RACINGのスタッフはなんとか65号車をコースに送り出したが、大湯の健闘及ばず、1分26秒297でQ1敗退となった。第3戦で念願の初優勝を達成した松下信治(BYOUBUGAURA B-MAX SF19)はギリギリまでコースインを遅らせる作戦が裏目に出たか、計測1周目で1分27秒950とまさかの最後尾で予選を終えることになった。
なお、大湯はエンジン交換を行なったため、シリーズ統一規則第24条2.4に基づき、決勝では10グリッド降格となることが決まっている。
一方、トップタイムをマークしたのは昨年王者の野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)だ。野尻はアウトラップに続いてウォームアップ走行を1周行ってkらタイムアタックに入り、1分24秒724を叩き出した。
2番手の阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING SF19)、3番手の山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF19)も同様にアウトラップに続いてウォームアップ1周を経てアタックを行い、それぞれ1分25秒038、1分25秒085をマークした。
Aグループをトップで通過した牧野のチームメイト、大津弘樹(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)は牧野と同じく計測1周目でのアタックを敢行、セクター1、セクター2と好タイムを連発したものの、最終コーナーでリヤタイヤをダートに落としてしまい、1分25秒106。それでも大津は4番手でQ2進出を果たしている。
Bグループではこのほか宮田莉朋(Kuo VANTELIN TOM'S SF19)、佐藤蓮(Red Bull TEAM GOH G01 SF19)がQ2に進出。小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF19)、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL SF19)のベテラン勢が敗退を喫している。


予選Q2
予選Q2は午後3時25分より7分間の走行。
まずは宮田がコースを1周してブレーキに熱を入れ、一旦ピットイン。そこから再びピットアウトして計測1周目にアタック、という作戦で1分24秒798を記録する。牧野はQ1と同様の作戦でユーズドタイヤで1周してからニュータイヤに履き替え、計測1周目にアタックに入ったが、オーバーステアに苦しんだこともあり、タイムは1分24秒803に留まった。
これに対し、野尻はQ1同様にアウトラップ、ウォームアップ走行、そして計測2周目にアタックという作戦で1分24秒529を叩き出した。
この結果、野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)は第2戦富士以来3戦連続、自身通算10度目のポールポジションを獲得。宮田莉朋(Kuo VANTELIN TOM'S SF19)が予選2番手。牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF19)が3番手という結果となった。
このほか開幕戦ポールの笹原右京(TEAM MUGEN BINGO SF19)も野尻と同様の作戦で1分24秒901を記録して4番手。ルーキーの三宅淳詞(TEAM GOH G01 SF19)は1分24秒964で予選5番手から明日の決勝に臨む。
第4戦決勝は明日の午後2時30分より42周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
- 第7戦優勝 木村偉織(B-MAX RACING TEAM)
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「予選2番手からのスタートでした。オートポリスは抜き難いコースと言われていたので、スタートしかチャンスはないと思って、スタートに集中していました。その甲斐もあって横に並ぶことができ、1コーナーで抜き切ることはできませんでしたが、立ち上がりをうまく決めて3コーナーでトップに立ちました。レースペースがいいのはわかっていたので、ファステストラップ獲得に向けて淡々と走っていました」
「(予選では悔しそうだったが)公式練習から調子が良かったんですけど、予選で気温が下がったことに対する合わせ込みが足りなかったのが原因かなと思います。クルマはすごく良かったので、詰めが甘かったのが原因です」
「(スタートでアウトから並びかけて行ったが、あそこでいくんだ、という強い気持ちがあったのか)そうですね。あそこでしかチャンスはないと思い、絶対に引かないという気持ちで走りました」
「(終盤はタイヤの温存などは考えずにフルにプッシュしたのか)そうですね。特に温存とかは考えてなく、最後までフルプッシュし切ることが大事かなと思っていたので、自分の走りだけに集中しました。」
「(7戦目での初優勝ということについてはどう思うか)もうちょっと早く勝ちたかった、というのが正直な気持ちですけど、今までの7レースは全部経験として自分の中に積み上げています。ライツでチャンピオンを取るのが目標ですけど、そこがゴールじゃないとも思っているので、今後につなげるための良い経験を積ませていただいているという風に思っています。次のレースもスタートが大切だと思うので、集中してがんばります」
- 第7戦決勝2位 太田格之進(TODA RACING)
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「スタートでミスをした感じはなく、ある程度決まって、『行けたかな?』と思ったんですが、それ以上に木村選手のスタートが良かったです。もちろんランキングが2位ということもありますし、明日の第9戦のグリッドがここで決まるということもあるので、正直ぼくの中ではあまり無理せずにいこうかなという風に思って居ました。木村選手はアグレッシブなドライバーですし、『来るだろうな?』というのはわかっていました。ある程度は粘りはしましたが、無理はせずに、このレースで着実にランキングトップに立つことを目指していました。そういう意味ではぶつからずにゴールできたのは良かったと思っています。勝つことも大事ですけど、取りこぼしのないように走ることも大事だと思っているので」
「(終盤は何があったのか)前半のペースは悪くなくて、木村選手を追い詰めて、ミスを誘おうかと思って攻めていたんですが、ダウンフォースが抜ける状況で攻めたことで、タイヤの摩耗がありました。3レースで2セットしか使えないということもあるので、後半はタイヤを温存しながら、次のレースに向けて準備していた、というところです」
「(第8戦はまたポールからのスタートになるが)そうですね、やっぱり1回は勝ちたいので。ダブルポールを取れて予選までは良い流れで来れたので、決勝もスタートさえ決めれば逃げ切れると思います。なのでスタートに集中して。第9戦のグリッドも決まったので、次はアグレッシブに行ってもいいのかなと」
- 第7戦決勝3位 野中誠太(TOM'S)
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「練習からそれほど悪くないスタートができていたので、自信を持ってスタートしましたが、それほど良いスタートでもありませんでした。トップ5が接近した戦いをする中で、3コーナーでは平良選手に並ばれましたが、同じトムスという意味でも絶対負けられないバトルだったので、アグレッシブに攻めて行った結果、3位に上がれました。その時点でトップ2台とはかなり離れてしまったが、プッシュして行って現状どのくらいの差があるのかが、このレースでわかったという意味では収穫の大きいレースでした」
「(第8戦に向けて)今週末トムス勢はHFDP勢と差があって厳しい状況の中で、予選までに少しずつ差を詰めてきていますが、まだまだ足りない部分が多々あります。今のレースのロングランに関してはそれほどネガティブになる必要はないと感じたので、もう少しアレンジしてプレッシャーをかけられるように、集中していきたいと思います」
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

2022年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第7戦の決勝が5月21日、大分県日田市のオートポリスで行われ、予選2番手からスタートした木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)が1周目にトップに立ち、待望のSFL初優勝を達成した。
第7戦決勝は午前11時45分にフォーメーションラップを開始。ところがスタートシグナルが不具合により点灯せず、まさかのスタートディレイとなった。
このため、レースは規定周回数から1周減算の13周として、12時5分に再開されることに。天候は曇り。コースはドライだ。

スタートでトップに立ったのはポールシッターの太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)。しかし予選2番手の木村が1コーナーの立ち上がりでアウトから太田に並びかけ、3コーナーの立ち上がりで抜き切ってトップに躍り出た。
その後方では菅波冬悟(Byoubugaura B-MAX Racing 320)、野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320)、平良響(Kuoモビリティ中京TOM'S 320)の3人が接戦を展開。このバトルを制した野中が3位に浮上し、4位平良、菅波は5位で1周目を終了した。
トップの木村は2周を終えて太田に1秒000の差をつけるが、太田もペースを上げ、3周目にはその差が0秒902に。しかし4周目は木村がペースを上げ、1分38秒359のファステストラップを出して1秒059差に。5周目には1秒364と差を広げてきた。
その後も1分38秒前半のペースで周回を重ねる木村に対し、太田は10周目から1分39秒台にペースダウン。しかしこれは着実にポイントを獲得していこうとの判断によるもの。第7戦と同じくポールポジションからスタートする第8戦、そしてフロントローからスタートする第9戦に向けてタイヤの温存を図った。
このため木村のリードは徐々に広がり、木村のリードは9周目に2秒269、12周を終える頃には5秒684。そして最後は太田に6秒059の大差をつけてチェッカー。デビューから7戦目にして待望のSFL初優勝を達成。2位は太田。3位に野中という結果となった。
さらに木村はファステストラップの1ポイントを含めて11ポイントを獲得したが、太田はポールポジションの1ポイントを含めて8ポイントを獲得、今季トータル46ポイントとしてこのレースを6位で終えた小高一斗(Kuoモビリティ中京TOM'S 320)の44ポイントを上回ってランキングトップに躍り出た。
第8戦決勝はこのあと午後4時15分より14周で行われる。



Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦のフリー走行1回目が5月21日、大分県日田市のオートポリスで行われ、サッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)が1分24秒613のトップタイムを記録した。
この日のオートポリスは朝から分厚い雲が上空を覆い尽くしており、全日本ロードレースJSB1000クラスの公式予選が始まった午前8時40分ごろには小雨が降り始めた。しかし走行が進むにつれて雨は止み、次第にレコードラインは乾き始める。
そのため、午前9時40分より90分間で行われたスーパーフォーミュラのフリー走行は、開始前にウェット宣言が出され、各車ウェットタイヤでピットを離れたが、すぐにピットイン。スリックに履き替えてコンディションの回復を待つことになった。
そうした中、序盤から精力的に周回を重ねるのは三宅淳詞(TEAM GOH G01 SF19)、佐藤蓮(Red Bull TEAM GOH G01 SF19)、小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF19)、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)だ。開始から15分が経過した時点で三宅が1分29秒624でトップに立つ。
続いてサッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)もコースイン。開始17分過ぎに1分28秒172を出してトップに浮上、そのまま再びピットへ。三宅も1分28秒268にタイムアップしてきた。
その後も山本が6周目に1分27秒094、小林が8周目に1分26秒937を記録するなど、路面コンディションが回復するにつれて各ドライバーのペースも次第に上がっていく。
開始から22分が経過したところで山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF19)が1分26秒538でトップに。
これを開始27分過ぎにジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TOM'S SF19)が1分26秒216で上回るが、さらにその2分後には牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF19)が1分25秒718でトップに立った。
続いて残り時間53分で関口雄飛(carenex TEAM IMPUL SF19)が1分26秒860を記録、2番手に浮上すると、開幕戦優勝の平川亮(carenex TEAM IMPUL SF19)も1分26秒038で3番手に上がってきた。三宅も1'26.088で4番手につける。
フリー走行は残り時間36分で65大湯がコースアウト。左のリヤサスペンションを傷めてコースサイドにストップしてしまったため、赤旗中断となった。場所はジェットコースターの先、11コーナーの立ち上がりだ。
車両回収ののち、フリー走行は午前10時45分に再開。残り時間は25分だ。
午後の予選に向けて最後の調整を試みる各ドライバー。ここでニュータイヤを投入した笹原右京(TEAM MUGEN BINGO SF19)が1分25秒386でトップに躍り出た。残り時間は20分を切ったところだ。
しかし残り時間16分でユーズドタイヤの関口雄飛(carenex TEAM IMPUL SF19)が1分25秒122で笹原を上回る。
さらに残り時間が10分を切ると、他のドライバーたちも次々とニュータイヤを投入。最後のアタックに取りかかる。まずはアレジが残り時間8分で1分25秒366を記録、続いてフェネストラズが1分24秒613でトップに躍り出た。第2戦優勝の野尻も残り3分で1'24.818をマークして2番手に。
そして牧野、大津のダンデライアン勢もセクター1で区間ベストを更新するが、牧野は惜しくも11コーナーでコースオフ、バリアに前から軽く接触してしまう。これにより大津もセクター1、2とベストを更新するが、セクター3で減速を余儀なくされ1'24.869に留まった。
ここでメインポストからチェッカーが出され、フリー走行1回目は終了。トップタイムはサッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)で1分24秒613。2番手は坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING SF19)で1'24秒757。3番手は野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)で1分24秒818となり、1分24秒938で7番手の宮田莉朋(Kuo VANTELIN TOM'S SF19)まで、上位7人が1分24秒台を記録する接戦となった。
第4戦の公式予選はこのあと午後2時50分よりノックアウト方式で行われる。


Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
5月4日に行われた、スーパーGT第2戦決勝後の優勝会見での質疑応答において、58周目に発生したアクシデントに関連し、今後同様の事故を起こさないために必要なことは何か、という質問がなされた。それに対する各ドライバーの回答は下記のとおりだ。
GT500クラス No. 8 ARTA NSX-GT
- 野尻智紀(ARTA)
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「サーキットで今日起きたこととは別に考えてもらいたいんですけど、皆さんもクルマを運転されると思います。公道で走る上で、安全運転ってなんだと思いますか? ってことを僕はよく考えるんです。法定速度内で走る。逆にゆっくり走る。法定速度より飛ばす。速度に対する考え方はいろいろあると思います。一時停止をちゃんとする、しない。そういうのって自分の安全も当然ありますが、周りを安全にさせられるかが僕は一番大事なんじゃないかなと思っているんです。サーキットも例外ではないと思います。なので、もう一度皆さんに安全について考えてもらえると、日々の自分の危険を遠ざけることができるんじゃないかなと思いました」
- 福住仁嶺(ARTA)
- 「今日のあの事故について、誰が悪いかなんてわかんないと思います。いろんな意見があるでしょうし。でもやっぱりレギュレーション以外の部分でもマナーって必要だと思うんです。GTを3年、4年出場させていただいてますけど、本当にそういうマナーができてないというか、自分勝手なことしか考えてないなという人はやっぱりいますね。39号車の選手の動きも、ギリギリで避けてて、後ろの選手が見えないという動きもああいう事故につながったと思うんです。レギュレーションに書いてないとしても、そういうマナー的な面でももっと考えていかないと。レースはみんなでやってることだと思うんで、周りのことを考えながらレースしていないと、やっぱりまた同じことが起きると思います」
GT300クラス No. 10 TANAX GAINER GT-R
- 富田竜一郎(GAINER)
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「僕もその場にいたわけではないので、大きなことを言うつもりはありません。ただ個人的に思うこととして、スロー走行車両が見えない位置にいたということですが、ホームストレート上であればピットに入ることができたんじゃないのかな、ということです。その上でバトル中のクルマが270,280(km/h)で走るところをスローで走るというのがどれだけ危険なことかは、レーシングドライバーなら誰でもわかっていると思います」
「もちろん自分たちのレースを完走したいという気持ちはわかるし、チームとして最低限のタスクだと思うので、それを遂行したいという気持ちはわかるんですが、赤旗あけの難しいシチュエーションの中でああいうバトルが行われていることをチーム側もインフォメーションするべきだったんじゃないかなというのと、ドライバーとしても仮にサインガード側まで避けていたとしても、そこはコース上なので大きな速度差が生まれた時にどうなるかということを、あのチームだけでなくみんなが考えていかないと」
「日本のモータースポーツがこれからどうなっていくのか、という過渡期に今あると僕は思っているんですけど、そういう中でお客さんがたくさん入ってくれて、これだけ多くのトップドライバーがいる中で、プロスポーツとして見せていくという観点で、そういう意識を全員が持つことが、今一番大事なんじゃないかなということが、今レースを終えて、あの事故を見て思ったことの全てです」
- 大草りき(GAINER)
- 「デビューイヤーが何言ってんだと思われるとあれなので、大きなことは言えないんですけど、今回こういうことが起きてしまったということは、多少なりともそれぞれの意識に油断ではないですけど、そういう意識があったと思うので、自分をはじめとして、次大会に向けて、しっかりとそれぞれのルールだったりとかを意識していかなきゃいけないな、ということを再認識したレースでした」
- 塩津佑介(GAINER)
- 「まだまだルーキーなんで、周りをしっかり見ることと、状況の判断を一瞬でも間違えると大きなことになりかねないことをしていると思うんで、日頃から意識してレースしないといけないな、ということを改めて感じることのできたレースでした」
※ 今回の原因の一つと考えられる50号車のスロー走行だが、Arnage Racingの公式SNSによると、あの時点で50号車はシフトが入り難い症状に繰り返し見舞われており、最終コーナーを立ち上がって一旦症状が収まっあと、もう一度再発した時にはすでにピット入口を過ぎてしまったため、車体をイン側に寄せて走行せざるを得なかったという。
その上で責任は自社のメンテナンスと的確なタイミングで判断ができなかったことにあるとし、今後は再発防止に努めていくとしている。
また39号車を走らせるTGR TEAM SARDも、5月6日付で近藤尚史代表、脇阪寿一監督が連名で謝罪文を出す異例の事態となっている。
しかし今回の件は参戦しているチーム、ドライバーのいずれもが最善を尽くして戦っている中で起きた所謂レーシングアクシデントの一つであり、本来は誰かが責めを負うことでも、誰かに謝罪するべきことでもないと筆者は考える。
Text:Kazuhisa SUEHIRO

GT500クラス優勝 No. 8 ARTA NSX-GT
- 福住仁嶺(ARTA)
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「結果としてこういう状況でレースが終わってしまって、僕だけじゃなくて、この場にいる皆さんももやもやした気持ちでレースを終えることになったのではと思います。最近のスーパーGTは非常にレベルが高くなってきていると思いますが、その中でいろんなドライバーがいますが、もう少しマナーをよくしていかないと、またこういうことが起きるんじゃないかなあと思っています。こういうことが起きないように、僕らドライバーもレベルを上げていって、スーパーGTを盛り上げていきたいです」
「レースについては、今日僕は最初のスティントを走らせてもらいましたが、チームが用意してくれたクルマが良くなった部分も多かったし、野尻さんにもすごく頑張ってもらいました。結果としては優勝しましたけど、今日のレースでまた新たにヒントを得たと思うので、次戦に向けても考えていきたいなあと思います」
- 野尻智紀(ARTA)
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「あまり自分の心の全てをこういう会見でお話しすべきではないのかも知れませんけど、今日はあえてお話しさせていただきたいと思います。まずは高星選手が無事で本当に良かったと思っています。中断の最中は僕としては正直走りたいとは思えませんでした。でもこれは僕らの仕事だと思って、乗り込んだんですけど、気持ちの整理がつかないままセーフティーカーランをしていて。結果こういう形になりました。そのあと、本当にたくさんのお客さんが、これ以上ないんじゃないかっていうぐらい僕らを暖かく迎えて応援してくださってるっていうのが、ものすごく心に響きました。やっぱりファンの皆さんに支えられているんだなとすごく感じました。これからも飽きずにスーパーGT、モータースポーツを楽しんでいただきたいなと思います。ファンの皆さんを長い間お待たせしましたけど、最後まで応援してくださって、ありがとうございました」
「あの事象に関しては、さまざまな意見があると思いますが、僕もあの隊列の中にいて、スロー車両がいるということは、正直全く見えていませんでした。その中で僕が気づいたのは、高星選手がすごい勢いで左にクルマを振って、スピン状態になってしまった、ということだけです」

GT300クラス優勝 No. 10 TANAX GAINER GT-R
- 富田竜一郎(GAINER)
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「非常に難しいレースになってしまい、結果としては釈然としないところが、僕達だけじゃなく他のチームにもあると思います。高星選手に大きな怪我がなかったことが個人的にはすごく良かったなと思っております」
「レースの方は序盤からいいペースで後続を引き離すことができました。僕たちは後半に向けてタイヤ無交換などの作戦が取れそうになかったので、単純にスピードレースをしようと決めていました。そういう意味で想定通りのレースができていました。大草くんに代わってからもいいペースで走ってくれました。他のチームがハーフタンクやスプラッシュなどの作戦を取る中、僕らはフルタンクでなるべく長く引っ張る作戦なので、何台かに前にいかれてしまいましたが、大草くんが順位を戻してくれたのが大きかったです。チームとして全体で頑張れた結果だと思います」
「僕らの方が重量があるので、同じタイヤを履いていてもBRZよりは温まりが早かったんですけど、僕は最近日本のレースをやっていなくて、1周目にいかにして順位を上げていくかというレースをやってきました。また岡山の時にダーティーエアに捕まって苦しいレースをしてしまったので、1周目で前に行こう、ダメなら諦めよう、と思っていましたが、スタートがうまく決まって1コーナーでBRZにギリギリ並ぶことができました。山内選手はインを固めて1コーナーを立ち上がって、僕は逆に、Aコーナーをアウト側から抜けようというラインを取っていて、立ち上がり加速で並び切ることができました。山内選手はアウトまで膨らんでくるだろうと思っていましたが、すごくフェアにスペースを残してくれたので、前に出ることができました。あそこで抜けたことが全てとは言いませんが、あれが一つの大きな要因になったのは確かです」
「今回のレースで、各ドライバーがいろいろなことを考えるきっかけになったということが大きかったと思います。僕たちの勝利どうこうではなく、レースに向かう姿勢だとか、ドライバーとしての安全の考え方とかが大きく変わるきっかけになってくれればと思います」
- 大草りき(GAINER)
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「とても難しいレースになってしまいましたが、自分のスティントで2回赤旗が出て、その両方でクラッシュした選手に大きな怪我がなかったのは良かったと思っています。富田さんが後ろをぶっちぎった状態で僕にクルマを渡してくれて、めちゃくちゃ緊張していましたが、大きなミスなく終われたのが一つ大きいです。まさかデビューイヤーでこんなに早く勝てるとは思っていなかったので、自分をここまで走れるように始動してくださった富田さんやチームの皆さんに感謝したいと思います」
- 塩津佑介(GAINER)
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「今回僕は走る機会がなかったんですけど、公式テストで僕はクラッシュさせてしまって、チームに本当に迷惑をかけてしまいました。この場に立つことができて、チームの皆さんに感謝しかないです。また走る機会があれば、全力で頑張りますので、よろしくお願いします」

まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI


2022オートバックススーパーGT第2戦「FAV HOTEL 富士GT450kmレース」の決勝が5月4日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは予選5番手からスタートしたNo. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)が大荒れの展開を生き残って今季初優勝。GT300クラスは予選2番手のNo. 10 TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき/塩津佑介)が同じく今季初優勝を達成した。
第2戦決勝は午後2時30分に2周のフォーメーションラップが始まった。熱く激しい戦いの火蓋が切って落とされた。



GT500クラスは阪口晴南(WedsSport ADVAN GR Supra)がスタートでトップに立ち、千代勝正(CRAFTSPORTS MOTUL Z)が2位に。後方では伊沢拓也(Modulo NSX-GT)が1コーナーでスピン、大きく遅れてしまった。
しかしセクター3に入るとサッシャ・フェネストラズ(KeePer TOM'S GR Supra)が上位2台を次々に抜き去ってトップに浮上、そのままコントロールラインに戻ってきた。
続いて坪井翔(au TOM'S GR Supra)も3位で1周目を終えると、2周目にはすぐさま3千代を捉えて2位に浮上。あっという間にトムスが1-2体制を築き上げた。
一方ポールポジションの阪口は瞬く間に順位を落とし、7位で3周目を終えることに。
3周目の順位は37-36-3-100-8-24-19-12-38-23-14-39-17-64-16だ。
しかし阪口は5周目に佐々木大樹(リアライズコーポレーションADVAN GT-R)を抜き返して6位に。
一方、トップのフェネストラズと坪井の差は8周を終えてもわずか0秒360、9周を終えてもなお0秒316の接近戦だ。その後も10周目は0秒568、11周目は0秒639、12周目は0秒581と接近戦は続く。
18周目には最終コーナーでフェネストラズがアウトに膨らんだに乗じて坪井はホームストレートで並びかけていったが、フェネストラズも一歩も引かずに坪井を押さえ込んだ。
しかし坪井は24周目の13コーナーでついにフェネストラズを捉え、トップへ。そのまま一気に突き放しにかかった。
そしてレースが25周を消化したあたりから、最初のピット作業を行うチームがで始めた。
まずは26周目にNo. 100 STANLEY NSX-GTがピットイン。給油とタイヤ4本交換を行いつつ山本尚貴から牧野任祐に交代する。No. 12 カルソニックIMPUL Zもピットへ。こちらも給油とタイヤ4本交換を済ませてベルトラン・バゲットから平峰一貴に交代した。
28周目にはトップのNo. 36 au TOM'S GR Supraがピットイン。こちらも給油とタイヤ4本交換を行い、坪井翔からジュリアーノ・アレジに交代する。
32周目にNo. 38 ZENT CERUMO GR Supraがピットインするが、ここでピット作業違反があったとして38号車に対してドライビングスルーペナルティが課せられることになった。
34周目にNo. 3 CRAFTSPORTS MOTUL Zがピットイン。No. 24 リアライズコーポレーションADVAN GT-Rもこの周で入った。
続いて35周目にNo. 37 KeePer TOM'S GR Supraがピットイン。No. 23 MOTUL AUTECH Zもピットに入った。
23号車は松田次生に交代。37号車も宮田莉朋に交代した。
37周目にNo. 14 ENEOS X PRIME GR Supraがピットイン。
39周目にNo. 64 Modulo NSX-GTがピットイン。
この時点で気温は21℃、路面温度は31℃まで上昇してきた。
No. 19 WedsSport ADVAN GR Supraは41周目にようやく最初のピット作業を行い、43周目にNo. 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraがピットイン。

するとその直後、アドバンコーナーでGT300クラスの和田久(アールキューズAMG GT3)が単独スピンによりアウト側のバリアに突っ込むクラッシュが発生。これにより直ちにフルコースイエロー(FCY)が宣言され、44周目にはセーフティーカー(SC)が導入された。
その後、隊列が46周を終えたところで順位整理が行われ、48周目にピットレーンオープンとなったが、ガードレールとバリアの修復に時間がかかるということで、49周目に入ったところで赤旗中断となった。
レースはその後、午後4時20分に「5分前」ボードが出され、4時25分に再開となった。
するとすかさずリスタート直後の1コーナーでトップ争いを展開したジュリアーノ・アレジ(au TOM'S GR Supra)と宮田莉朋(KeePer TOM'S GR Supra)が揃ってオーバーラン 、この2台をかわした関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)がトップに躍り出る。2位には高星明誠(CRAFTSPORTS MOTUL Z)が浮上し、宮田が3位だ。
しかしその後も関口はペースが上がらず、高星の接近を許すことになる。
そして58周目。テール・トゥ・ノーズの状態でホームストレートに戻ってきた3台の目の前にスロー走行していた周回遅れの末廣武士(Arnage MC86)が現れる。
トップの関口はなんとか回避することができたが、そのすぐ後ろを走っていた高星は減速が間に合わず、大きくステアリングを切って回避を試みた結果、激しい勢いでガードレールに突っ込む形になり、コース上にストップ。これによりレースはこの日二度目の赤旗中断となった。
3号車のダメージは大きかったが、乗っていた高星は自力でクルマをおり、骨折などもないという。
このアクシデントによるガードレールの損傷が激しいため、タイヤバリアの敷設が行われ、レースは午後6時10分になって漸く再開となったが、今大会の最大延長時間は午後6時20分。結局SC先導のままレースは62周で終了となった。その結果、規定周回100周の2/3となる66周を消化できなかったため、選手権ポイントは半分となった。
しかしこのSCラン中にNo. 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)に対して赤旗中の作業違反。No. 37 KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋)に対してはリスタート直後の1コーナーでの36号車との接触、そしてNo. 65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)に対して2コーナーでの60号車との接触という判定でそれぞれに40秒加算のペナルティが課せられるという、誠に後味の悪い結末を迎えた。
その結果、GT500クラスの優勝はNo. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)、No. 36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ)が2位、No. 12 カルソニックIMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が3位という結果となった。



GT300クラスはポールポジションの井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)がスタートでトップに立ち、富田竜一郎(TANAX GAINER GT-R)が2位につけるが、富田はコカコーラコーナーで早くも山内に並びかけ、一気にトップに躍り出た。
その後方では冨林勇佑(マッハ車検エアバスターMC86マッハ号)が1周目で最初のピットストップを敢行。続いて佐藤公哉(HACHI-ICHI GR Supra GT)も4周目にピットに飛び込んできた。彼らは今大会の特別規則である、2回の給油義務を早めに消化しようという目論みなのだろう。またこの2台に続いて荒聖治(Studie BMW M4)はパワーステアリングのトラブルに見舞われてスローダウン、4周目にピットインしてそのままガレージに押し戻され早々と姿を消している。
続いて5周目に片岡龍也(グッドスマイル初音ミクAMG)、菅波冬悟(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)、そして中山友貴(apr GR SPORT PRIUS GT)がピットインして最初の給油作業を行なった。
その結果、5周終了時点の順位は10-61-96-34-65-11-88-55-60-9-87-56-2-18-360-6-20-30-48-25-50-22-4-52-31-244-5-7となった。
15周目のコカコーラコーナーでは柳田真孝(BUSOU raffinee GT-R)が高木真一(K-tunes RC F GT3)を捉えて3位に浮上。16周目には蒲生尚弥(LEON PYRAMID AMG)も高木を捉えて4位に浮上した。
その後方では、すでに最初のピット作業を終えた片岡と菅波が熾烈なバトルを展開、菅波が28周目のGRスープラコーナーで片岡のインに飛び込み、14位に浮上した。1回のピットインを終えたチームの中ではトップだ。
まだ作業を行なっていなかった上位陣では、蒲生尚弥(LEON PYRAMID AMG)が28周目、トップの富田竜一郎(TANAX GAINER GT-R)は29周目、そして山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)は38周目まで引っ張って漸くピットに飛び込んだ。この間に片岡龍也(グッドスマイル初音ミクAMG)は35周目に2度目の給油を行い、谷口信輝に交代している。
するとその直後、22号車のアクシデントがヘアピンで発生、FCYの宣言、SCの導入が行われたのち、レースは45周目に赤旗中断となる。この中断の直前にはNo. 52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT、No. 360 RUNUP RIVAUX GT-RそしてNo. 25 HOPPY Schatz GR Supraがピットレーンオープンと同時にピットに飛び込んだ。
この結果、大草りき(TANAX GAINER GT-R)は3位、井出有冶(BUSOU raffinee GT-R)は4位、山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)は5位に浮上。この時点でピット作業を行なっていなかった堤優威(muta Racing GR86 GT)と清水英志郎(シェイドレーシングGR86 GT)のピットインにより、それぞれ1位、2位、3位となる。
そしてトップが55周目に入ったところでGT500車両のクラッシュによる2度目の赤旗中断があり、その後レースはSC先導のまま58周で終了となったため、そのままNo. 10 TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき/塩津佑介)が優勝、No. 34 BUSOU raffinee GT-R(柳田真孝/井出有冶)が2位、No. 61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が3位となった。
次戦の舞台は三重県の鈴鹿サーキット。5月29日に第3戦決勝が300kmで行われる。


Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

スーパーGTを運営するGTアソシエイション(GTA)は5月4日、シリーズ第2戦の開催されている静岡県小山町の富士スピードウェイで定例会見を開いた。
会見の冒頭には今大会のラウンドパートナーである霞ヶ関キャピタルの河本幸士郎代表取締役が出席。大会名称にもなっているFAV HOTEL事業を紹介した。FAV HOTELは「広くて、安くて、かっこいい」をコンセプトに、現在全国20箇所で建設が進められており、鈴鹿サーキットに近い三重県伊勢市、オートポリスに近い熊本市では営業を始めている。富士スピードウェイに程近い御殿場市にも2年後にオープンするという。
GTAの坂東正明代表は今後も同社と協力体制を結んでいきたいと語った。
今回の定例会見では現在導入に向けて準備が進められているカーボンニュートラル・フューエルについて、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久などの他のカテゴリーとの協力体制についての質問が出されたが、坂東代表はゆくゆくは国産化を視野に入れてはいるものの、現状は海外からの輸入という形になること、スーパーGTとしては岡山大会で発表したハルターマン・カーレス社の燃料を採用するが、JRPやSTOがテスト、検討している他社品のテストデータについても、参加している自動車メーカーを通じて情報共有も進めていることなどが語られた。
またGT300車両でのテスト走行も鈴鹿で実施済みであり、噴射量や点火時期などの補正で無鉛ハイオクと同等の性能が発揮できるという。FIA-GT3を製造する海外メーカーに対しても、現在のトヨタ、ニッサン、ホンダのデータを開示してベンチテストの準備を進め、来シーズンからの導入に向かって準備していくとのことだ。
二輪レースを統括するMFJからも、この燃料を用いてレースを開催したいとの要望が届いていることも併せて公表された。
GT300クラスにおけるFIA-GT3とJAF-GTとのBOPについては、ブランパンシリーズを統括するSROのデータに基づいて数値が定められているのがGT3車両であり、それに対応する形でJAF-GTの数値が設定されているが、当面は両者の格差を是正するようなことは考えていないとのこと。少なくとも前半戦を終えてからの話になるという。
新型コロナウィルス対策の今後については、昨今の情勢を鑑み、観客との導線の切り分けは継続していくものの、関係者全員への抗原検査の実施は今回が最後になるとのこと。ただし運営スタッフについては、今後もワクチン接種と未接種者へのPCR検査の実施は継続していくという。
ただし海外ラウンドの復活については、ロジスティクスの問題などもあるため。現時点では難しいとのことだ。
Text & Photo: Kazuhisa SUEHIRO
- 第2戦優勝 小出峻(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
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「昨日いろいろありましたが、ああいう接触が起こる状況に持っていったのは自分なので、それをどうしたら避けられるかを考えて、やっぱりスタートを決めるしかない。後続を離すしかないと、スタートに集中しました。うまくスタートを決めることができ、そこからはずっといい流れでレースを進めることができました」
(1レース走ってない分タイヤの状態が良かったのも影響したか?)
「多少はそれもあったとは思いますが、それを除いてもスピードには自信がありますから。なるべくしてなった結果という感じです」
(今年は絶対にチャンピオンを取ろうという思いがある?)
「もちろんです。3年目ということもありますし、チーム体制もしっかり整っています。チャンピオンを取れるだけの環境を整えていただいている以上、自分はドライバーとして確実にチャンピオンを取りに行こうと、それしか考えていません」
(鈴鹿大会への抱負を)
「今回は1戦目でいろいろありましたが、2戦目で引き離して優勝することができたので、次の鈴鹿も予選でしっかり前に出て、今日と同じような走りをすれば、絶対に勝てると思います。今回の富士にかけてきたのと同じような準備をしっかりして、次に臨みたいと思います」
- 第2戦決勝2位 三井優介(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
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「昨日の最後は伊東選手と同じペースで走ってゴールできたので、抜くことはできませんでしたが自信に繋がりました。ペースはトップレベルにあると思ったので、今日は焦らず着実に抜いていこうと思いました。ただ最初に自分のアプローチのミスからMedia Doの吉村選手を抜くのに3周かかってしまったので、そこで伊東選手に離されてしまいました。そこは反省すべき点ですが、後半の追い上げと、最後の1周で仕留めることができたことで、自分の中では昨日フィニッシュ順位で負けた分を取り返せたかなと思います」
(昨日は負けたと思っているのか)
「そうですね。優勝でしたけど、いろいろお祝いのメッセージをいただいても気持ちはパッとしませんでした。正直昨日の優勝よりも、今日の2位の方が嬉しいです。受け身のレースより攻めのレースができたので」
(鈴鹿大会への抱負を)
「今週末2戦続けて負けたのは小出くんだけなので、小出くんを倒しに行きたいですね。そうして優勝したいです」
- 第2戦決勝3位 伊東黎明(OTG MOTOR SPORTS)
- 「荒川選手に抜かれたのはもったいなかったですね。後半は後ろの選手のペースが速かったので、自分もプッシュしていたんですが、だんだんタイヤが厳しくなって、押さえるので精一杯になってしまいました。1戦目はレースペースが良かったので、2戦目のペースも改善していくように、テストに取り組んで試していきたいです。ドライビング面もそうですし、2戦を通してのマシンのセットも重要だと思います。その二つがうまく噛み合っていない部分があると思うので、原因を突き止めて次戦までによりいいドライビングとマシンを作れるように頑張ります」
(昨日のペナルティについては)
「ずいぶん後になって、ドライバーズブリーフィングの直前ぐらいに言われました。自分でも動画を見返してだいぶ前に出ていたことは確認しましたが、その時は気づけませんでした。グリッドについてオフィシャルさんの方を見ても、何もリアクションがなかったので、大丈夫なんだと勝手に思っていましたが、そこに甘えていた部分があったと思います。しょうもないことなので、二度と起こさないようにしたいです」
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO

2022年FIA-F4選手権第2戦の決勝が5月4日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、小出峻(HFDP RACING TEAM)がポール・トゥ・フィニッシュを決めて今季初勝利を挙げた。

第2戦決勝は午前8時より14周で行われた。天候は快晴。コースはドライだ。
スタートでホールショットを奪ったのは小出。予選2番手の平安山良馬(TGR-DC RSフィールドF4)はスタートで出遅れ、後続に飲み込まれてしまう。代わって予選3番手の伊東黎明(OTG DL F4 CHALLENGE)が2位に上がり、5番手スタートの荒川麟(TGR-DC RSトムススピリットF4)が3位に浮上してきた。その後方では7番手スタートの三井優介(HFDP RACING TEAM)が5位に順位を上げてコントロールラインに戻ってきた。
トップの小出は後続に1秒917の大差をつけてコントロールラインに戻ってくると、2周目にはそのリードを2秒865にまで広げる。
荒川は2周目の1コーナーで伊東を捉え、2位に浮上する。その後方では三井と吉村渉(Media Do影山Racing F110)が熾烈な4位争いを展開。5周目の1コーナーで吉村のインに三井が飛び込んで4位に浮上すると、それに乗じて6位の岩澤優吾(BJ Racing F110)も吉村を抜き去る。吉村はさらにその後方からやってきた小林利徠斗(TGR-DC RSトムススピリットF4)に追突され、一気に12位まで後退してしまった。
岩澤は7周目の1コーナーで三井のインをつくが、三井もすかさず立ち上がりでラインをクロスさせて抜き返し、3位を走行する伊東の追い上げにかかる。
この間にトップの小出は7周終了時点で3秒908、10周終わって4秒715と着実にリードを広げていく。
一方、三井はファイナルラップの1コーナーで遂に伊東に追いつき、アウトから並びかける。2台は並走のまま2コーナーを立ち上がるが、コカコーラコーナーでは三井が前に出た。
こうしてレースは小出峻(HFDP RACING TEAM)が一度もトップを明け渡すことなく14周を走り切って今季初勝利をものにし、荒川麟(TGR-DC RSトムススピリットF4)が2番目にチェッカーを受けたが、競技団は荒川に対して1周目の1コーナーで走路外追い越しがあったとして、レースタイムに40秒加算のペナルティを課した。
これにより荒川は21位に降格、三井優介(HFDP RACING TEAM)が2位に繰り上がり、伊東黎明(OTG DL F4 CHALLENGE)が3位に。ともに昨日に続いて表彰台に登ることになった。
インディペンデントカップは予選トップの鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F110)と同2番手のDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)が序盤から抜きつ抜かれつのドッグファイトを終盤まで繰り広げ、最後は鳥羽がDRAGONを押さえてチェッカー。昨日に続いて開幕2連勝を飾っている。
次戦の舞台は伝統の鈴鹿サーキット。5月28-29日開催だ。





Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

GT500クラスポールポジション No. 19 WedsSport ADVAN GR Supra
- 国本雄資(TGR TEAM WedsSport BANDOH)
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「本当に嬉しいです。速いドライバーがチームメイトで嬉しい、それにつきますね。今シーズンは苦労も多くて、タイヤ開発でいっぱいテストさせてもらって、そういう中でヨコハマタイヤさんとTCDと、そしてチームみんなの頑張りがこうやって結果に現れたのが本当に嬉しいです。チーム体制も大きく変わり、ドライバーも変わって、エンジニアリング面も大きく変わった中で、坂東監督が僕たちのやりやすい環境づくりをしてくれました」
「フリー走行ではタイヤ選択や天候の変化への対応がすごく難しくて、最後の最後まで悩んで予選を迎えたんですけど、Q1はギリギリですが突破することができました。Q2では晴南君が集中してアタックしてくれました。本当にいい仕事をしてくれたなあと」
- 阪口晴南(TGR TEAM WedsSport BANDOH)
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「こんなに気持ちのいいアタックをさせてもらえたことにまず感謝したいです。フリー走行からあまりうまくいってなくて、二人で話し合って、予選に向けてこうしたらいいんじゃないか、というのが予選で活きました。最後に僕がアタックさせてもらいましたけど、それまでにたくさんの人が関わってくださって、こういう気持ちのいいアタックができているので、ヨコハマタイヤの皆さん、TCDの皆さん、そしてチームの皆さんに本当に感謝したいです」
「坂東監督が若いドライバーにもやりやすい環境を作ってくださいました。僕は加入してまだ4ヶ月5ヶ月くらいですけど、それを感じさせない、ずいぶん前から一緒にやってきたみたいな感じで話をさせてもらっていることが本当に大きくて、なんとか結果で返したい、と思っていました。それが実って良かったです。アタックギリギリまで国本さんからアタックする上でのアドバイスをしてくれたので、それが活きました」
GT300クラスポールポジション No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT
- 井口卓人(R&D SPORT)
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「今回ダンロップタイヤさんが新しいタイヤを持ち込んでくれた、っていうのと、予選に向けてセッティングを合わせ込むチームの力が勝ったと思います。それ以上に、宇宙人みたいな人がアタックして、すごく速いタイムを出してくれたので、驚きを隠せないです。Q1はQ2に繋ぐためのステップだと思うんですけど、午前中の練習走行からクルマが思い通りの状態ではなく、タイヤの選択やクルマのセッティングを進めていく中で、本当に最後のFCY訓練ぐらいでものすごくいいフィーリングが出てきました。それを予選に繋ぐことができて、最後に山内選手が素晴らしいアタックをしてくれました」
「2戦連続のポールですが、今回こそは決勝を力強く走って、予選日だけのBRZじゃなくしたいので、精一杯頑張ります」
- 山内英輝(R&D SPORT)
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「非常にこのポールは嬉しいです。練習走行から予選にかけて、チームのアジャストであったり、井口選手のコメントであったり、全てが本当にうまく回ったからこそのポールです。井口選手が言うように、予選日だけのBRZと言われないように、決勝も全力で頑張ってベストを尽くしたい。優勝を目指して頑張ります」
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
2022オートバックス スーパーGT第2戦「FAV HOTEL 富士GT450kmレース」の公式予選が5月3日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスはNo. 19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)、GT300クラスは開幕戦岡山に続いてNo. 61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)がポールポジションを獲得した。
公式予選は午後3時よりノックアウト方式で行われた。天候は晴れ、コースはドライだが、徐々に厚い雲が上空に広がり、気温、路面温度ともに下がっていく中での走行となった。
予選Q1 GT500はトムスの1-2
GT500クラスはコースオープンと同時に各車一斉にピットアウト。3~4周の入念なウォームアップを行なってから次々にタイムアタックに入っていった。
まずは平峰一貴(カルソニックIMPUL Z)が1分27秒940を記録。平峰は次の周で1分26秒989までタイムを縮めるが、この間に宮田莉朋(KeePer TOM'S GR Supra)が1分26秒340を記録してトップに立つ。
この時点で坪井翔(au TOM'S GR Supra)は1分26秒826、千代勝正(CRAFTSPORTS MOTUL Z)は1分26秒832、牧野任祐(STANLEY NSX-GT)は1分26秒746に留まる。福住仁嶺(ARTA NSX-GT)も1分26秒536と今一歩宮田に及ばない。
しかし坪井は次の周にもアタックを続行、終了直前に1分26秒301を叩き出してNo. 36 au TOM'S GR Supraがトップ、No. 37 KeePer TOM'S GR Supraが2番手でQ2進出を果たした。3番手にはNo. 8 ARTA NSX-GTが続き、終わってみればQ1はトップから11番手までが0秒789差という接戦となった。
こうした中、前回優勝のNo. 14 ENEOS X PRIME GR Supraは、山下健太のタイムが1分26秒810に留まり、惜しくも9番手でQ1敗退。8番手の国本雄資(WedsSport ADVAN GR Supra)との差は僅か0秒041だった。
GT300クラスは、Aグループで高木真一(K-tunes RC F GT3)が1分35秒816と、このグループで唯一の1分35秒台を記録してトップ通過。柳田真孝(BUSOU raffinee GT-R)が1分36秒210、元嶋佑弥(Weibo Primezランボルギーニ GT3)が1分36秒215、蒲生尚弥(LEON PYRAMID AMG)が1分36秒237と、FIA-GT3勢がトップ4を占める結果に。JAF-GT勢では前回の岡山大会でポールポジションを獲得した井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)が5番手で唯一のQ2進出を果たすに留まった。
前回優勝のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(リアライズ 日産メカニックチャレンジGT-R)は60kgのサクセスウェイトを抱えながら、1分36秒315で8番手。見事Q2進出を果たしている。
Bグループは上位4台が1分35秒台という熾烈なタイムアタック合戦が展開され、ケイ・コッツォリーノ(PACIFIC hololive NAC Ferrari)が1分35秒385でトップ。加藤寛規(muta Racing GR86 GT)が1分35秒745、川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)が1分35秒763、大草りき(TANAX GAINER GT-R)が1分35秒782とFIA-GT3、JAF-GTが入り乱れる結果となった。
チェッカー寸前には冨林勇佑(マッハ車検エアバスターMC86マッハ号)も1分35秒905と5番手タイムを叩き出したが、これは走路外走行を取られてタイム抹消となり、惜しくもQ1敗退となった。



予選Q2 阪口晴南が自身通算2回目のPP獲得!
GT500クラスはQ1同様に各車アウトラップに続いて3周のウォームアップを行い、計測4周目から1~2周のタイムアタックを敢行するという流れで進行する。
まずは山本尚貴(STANLEY NSX-GT)が1分27秒241、続いてジュリアーノ・アレジ(au TOM'S GR Supra)が1分26秒974を記録するが、アレジのタイムは走路外走行ということで抹消となってしまう。
野尻智紀(ARTA NSX-GT)もまた1分26秒569、1分26秒462と立て続けに好タイムをマークするが、アレジ同様に走路外走行を取られてベストタイムを抹消される。
これに対し阪口晴南(WedsSport ADVAN GR Supra)は計測4周目に1分26秒149でトップに立つと、次の周にも1分26秒137とさらにタイムを縮め、昨年の第1戦岡山でKeePer TOM'S GR Supraをドライブした時以来、自信2度目のポールポジションを獲得してみせた。
続いて平手晃平(リアライズコーポレーションADVAN GT-R)も1分26秒449と阪口に次ぐタイムを記録、ヨコハマタイヤ勢が揃ってフロントローを獲得するという結果となった。
3番手には高星明誠(CRAFTSPORTS MOTUL Z)が1分26秒452で続いた。



GT300クラスはまず富田竜一郎(TANAX GAINER GT-R)が1分35秒253でトップに立つと、新田守男(K-tunes RC F GT3)が1分35秒273でこれに続くが、チェッカー寸前に山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)が1分34秒983とこの日唯一の1分34秒台を叩き出してトップに躍り出る。
さらに山内は次の周でも1分34秒888までタイムを縮め、開幕戦岡山に続いてNo. 61 SUBARU BRZ R&D SPORTが2戦連続でポールポジションをもぎ取ってみせた。
2番手にはNo. 10 TANAX GAINER GT-Rがつけ、No. 96 K-tunes RC F GT3が3番手という結果となった。
第2戦決勝は4日の午後2時30分より100周(450km)で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
- 第1戦優勝 三井優介(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
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「前でアクシデントがあって、それをうまく避けて無難にまとめたレースだったかなと。攻めもしたんですが、どちらかというと保守的にポジションキープというところで終わってしまいました。気持ち的には優勝を狙っていたんですけど、そこまでの余裕がなかったので、ミスがあったら(伊東選手を)抜こうと思っていたんですけど、それができなかったのでポジションキープを頑張りました」
(やはりデビュー戦ということで確実に結果を出したかった?)
「そうですね。とりあえず完走は絶対にしたかったです。もちろん優勝を狙っていましたが、まずは確実に走り切るのが目標でしたね」
(これまでの経歴は)
「10年間カートをやってきました。昨年はSRS-Fを受講しながらJAF-F4のもてぎ大会と鈴鹿大会に1戦ずつ参戦しました。JAF-F4ではいい結果を残せなかったので、FIA-F4でいきなり結果を出せたのは嬉しいです」
(次戦への抱負を)
「今回は保守的になってしまったので、次はもっと攻めを入れて、優勝を狙っていきます」
- 第1戦決勝2位 岩澤優吾(Bionic Jack Racing)
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「今日のレースは予選が決まらなくて、10番手スタートだったんですけど、ラッキーな部分もありました。レースペースは悪くなかったので、これまでも予選が課題でしたし、今回も決められなかったので、次に向けて改善していかないといけません。それでもレースで順位を上げて帰ってこられたのは良かったと思います。中盤あたりの一番激しいところをうまく抜けて前に出られたのはすごく良かったです」
(第2戦に向けての抱負を)
「今回はラッキーな展開でしたが、第2戦もちょっとずつ小さなチャンスを掴みながら、順位を上げていければなと思います」
- 第1戦決勝3位 伊東黎明(OTG MOTOR SPORTS)
- 「最初はスタートをしっかり決めて一つポジションを上げ、そこから少しずつ前のバトルに加わっていければと思っていましたが、スタートで前が2台消えて、4番手で戻ってきました。フロントタイヤが温まってきた感触を得たので、3周目の1コーナーで目一杯アウトから突っ込んで、そこで2台を抜くことができました。そこが今回のレースの一番の分岐点でした。その後前の選手にペナルティが出て、トップに立ちました。あとは後ろのペースを見ながら、毎周フルプッシュで、自分の得意なコーナーで引き離せればホームストレートで抜かれることはないと信じて走りました。そこはほぼミスなく走り切れたので良かったです。三井選手はコーナーごとにミラーに姿が見えていて、近くにいるのはわかっていました。しっかりドライビングに集中して走り切りました」
(第2戦への抱負を)
「次は予選3番手からのスタートですが、ポールの小出選手はタイヤがフレッシュなままなので、ペースが速いと思いますが、しっかり自分のペースで走って勝ちたいです」
※ レースは伊東黎明がトップ、三井優介が2位でチェッカーを受けたが、レース後に伊東に5秒加算のペナルティが出たため、三井が繰上げで優勝、伊東は3位となっている
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO

2022年FIA-F4選手権第1戦の決勝が5月3日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、予選6番手からスタートしたルーキーの三井優介(HFDP RACING TEAM)が混戦を勝ち残り、見事デビューウィンを飾った。
午後1時50分より14周で行われた第1戦決勝は、序盤から荒れに荒れた。
まずポールポジションの小出峻(HFDP RACING TEAM)がスタートで出遅れ、1コーナーで予選2番手の西村和真(HFDP RACING TEAM)と接触してスピン。そのままレースを終えてしまった。
予選3番手の荒川麟(TGR-DC RSトムススピリットF4)も、この2台のアクシデントを回避するためにコースを飛び出したため、一気に15位まで後退してコントロールラインに戻ってくることになる。
これによりトップに浮上したのは西村。2位に奥本隼士(Racing TEAM HERO'S)、3位に三井、そして4位には予選5番手からスタートした伊東黎明(OTG DL F4 CHALLENGE)が続く。
トップを快走する西村の後方では、奥本、三井、伊東の3台による激しいバトルが展開され、3周目の1コーナーで伊東が奥本と三井を一気に抜き去って2位に浮上した。
しかしここでトップの西村に対して、ドライビングスルーペナルティの裁定が下される。スタート直後の小出との接触に対するペナルティだ。これにより西村は7周目にピットインを余儀なくされ、大きく順位を落とすことになった。
これでトップに繰り上がった伊東は再三にわたる三井からのプレッシャーをものともせずに14周を走りきり、トップでチェッカーを受ける。
2位はルーキーの三井、3位には予選10番手から着実に順位を上げてきた岩澤優吾(BJ Racing F110)が入った。
ところがレース後、伊東に対してスタート手順違反(グリッド停止位置)があったとして、5秒加算のペナルティが下される。これにより伊東は3位に後退。2番目にチェッカーを受けた三井がこのレースの勝者となった。
また、インディペンデントカップは予選2番手からスタートした鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F110)が優勝。自身通算8勝目を挙げている。
第2戦決勝は明日の朝8時より、同じく14周または30分間で行われる。





Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
2022オートバックス スーパーGT第2戦「FAV HOTEL 富士GT450kmレース」の公式練習が5月3日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスはNo. 37 KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋)、GT300クラスはNo. 10 TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき/塩津佑介)がトップタイムを記録した。
公式練習は午前9時より混走85分間、専有走行各クラス10分間で行われた。天候は晴れ。コースはほぼドライの状況で、気温、路面温度は走行開始から30分が経過した時点でそれぞれ18℃、23℃という絶好のコンディションでの走行となった。



GT500クラスで序盤にトップに立ったのはNo. 36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ)で、坪井が7周目に1分27秒334を記録した。これをNo. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)の福住が16周目に1分27秒282で上回ってトップに。坪井は14周目に1分27秒284までタイムを縮めるが、その後はアレジに交代してロングランに入ったこともあり、混走は8号車トップ、36号車が2番手のまま終了、午前10時35分からの専有走行に移行した。
するとここでNo. 14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)の山下が1分27秒554で3番手に浮上、これをNo. 12 カルソニックIMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)の平峰が1分27秒
428で上回る。
そしてチェッカー寸前に宮田莉朋が1分27秒213を叩き出し、KeePer TOM'S GR Supraが一気にトップに躍り出て公式練習は終了。2番手はARTA NSX-GT、au TOM'S GR Supraが3番手という結果となった。



GT300クラスは混走で堤が1分36秒122を記録してトップに立ったNo. 2 muta Racing GR86 GT(加藤寛規/堤優威)を、専有走行終盤に富田竜一郎が1分35秒990を叩き出して上回り、TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき/塩津佑介)がトップで午後の予選に臨むことになった。2番手はmuta Racing GR86 GT、No. 61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が3番手だった。
第2戦の公式予選は午後3時より、ノックアウト方式で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
- 第1戦、第2戦ポールポジション 小出峻(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
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「去年のシーズンが終わってから、今回の開幕戦に向けて、本当に綿密にチームで調整してきました。昨日の練習もすごく調子良くて、非常にポジティブな気持ちで予選に挑めました。マシン的にも、メンタル的にも良かったです。その結果第1レース、第2レースともポールということで、一安心という感じです。ただ昨日の練習よりも今日の予選の方が、後続とのタイムさが縮まっているので、余裕という感じではないかなあと」
(A組に比べて早めのアタックだったように見えたが、やはり路面コンディションが影響しているのか)
「もちろん路面のこともありますし、去年までは30分間走れたのが、今年から2組に分かれて20分間の走行になりました。走行時間が短くなる中で、何が起きるかもわからないので、とりあえず早めにタイムを出す、という意識で最初からガンガン攻めていきました」
「3年目ということで、今年はもちろんチャンピオンを取ることしか考えていないので。今まで経験してきたことを開幕戦から活かせたなと思います」
(決勝に向けての抱負を)
「今日も明日もポールですが、安心はできません。後続に速いドライバーが控えていますから。とりあえず自分の走りをして、全力を尽くす、ということに集中して走れば、自ずと結果はついてくると思うので、そこまで力まずにやろうと思います」
- 第1戦予選2位 西村和真(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
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「恵まれた体制で出られることを嬉しく思います。予選ではグループの中で一番いいタイムだったことはすごく良かったです。朝から路面に濡れてるところが所々ある状態で、前半は様子を見ながら、周りのクルマとの間隔も見つつ、ポジションを探りながら走っていました。10分過ぎたあたりから、アタックを始めて、赤旗の出る直前の周でタイムを残すことができました。とはいうものの、濡れてるところに対処ができなかったり、もうちょっと行けたのかな? という部分があったりしたので、その辺りを経験として学びながら決勝にむけて準備していきたいです」
「最後の方でタイムが出ることを見越して、セットアップもしていたので、赤旗が出てなければもうちょっとタイムが出せたと思います。46秒台前半は間違いなかったでしょうね。でも決勝はいいポジションからスタートできるので、しっかりいいポジションで戻ってきたいです」
- 第1戦予選3位 荒川麟(TGR-DC Racing School)
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「昨日の練習走行であまり速くなかったんですが、今日は少しコンディションに合わせることができました。あとほんの少しの差なので、そこを決勝にむけてどう考えていくかだと思います」
(感触は悪くなかった?)
「はい。昨日に比べたら差が縮まっているので、決勝では小出選手とのバトルになると思います。クルマはいじっていないんですが、コンディションの変化にクルマが合ってきた感じです。」
(決勝の抱負を)
「決勝では小出選手についていけるだけのペースがあるので、自信を持って臨みます」
- 第2戦予選2位 平安山良馬(TGR-DC Racing School)
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「自分ではうまくいった感じはしません。ミスが多くて、反省の多い予選でした。運よくセカンドベストがA組の中で良かったということで、結果的にフロントローになれたという感じです」
(初めてのFIA-F4についての感想を)
「ずっとカートをやってきましたが、フォーミュラではコミニュケーション能力も必要になり、苦労している部分もあります。一戦一戦で成長していければと思います」
(経験の全くない中でのこのポジションは上出来だったのでは)
「そうは思っていません。やはりみんな勝つためにテストから走り込んできているので、そのテストでやってきたことを思えば、第1戦で12位という結果は納得できません。反省することが多いです」
(決勝への抱負を)
「まずはクラッシュしないように。最後までゴールすることを前提に1台1台抜いて行って、次のレースに繋げられる結果で終わりたいです」
- 第2戦予選3位 伊東黎明(OTG MOTOR SPORTS)
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「昨日の専有走行はドライのコンディションでうまく走れなかったこともあり、マシンは変えずにドライビングに集中して走ったんですが、それで少し状況が良くなり、グループの中でベストタイムでは3番手、セカンドベストでは2番手を取ることができました。あまり位置関係は悪くなかったんですが、美味しいスリップを使うことができなかったので、それが使えていればベスト2番手、セカンドベスト1番手くらいには行けたと思います」
(A組よりは路面コンディションは良かったようだが)
「そうですね。Aよりは乾いていたと思いますけど、100Rとかにウェットパッチは残っていましたが、かなりドライに近い走り方ができていました」
(決勝に向けての抱負を)
「今年はもう3年生なので、去年までは追う立場でしたが、今年は追われる立場になります。しっかり3年生ってことを自覚して、結果にこだわってレースしたいです」
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO

FIA-F4選手権第1戦、第2戦の公式予選が5月3日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、第1戦、第2戦ともに小出峻(HFDP RACING TEAM)がポールポジションを獲得した。
2022年の開幕戦には過去最大の40台がエントリー。このうち14台がインディペンデントカップだ。このため公式予選はAとB二つのグループに分かれて各20分間で行われた。最速タイムを出したドライバーのいる組が奇数グリッド、もう一方の組が偶数グリットにつく。かつて30台を超えるエントリー台数を誇った全日本F3000選手権で行われたのと同様の方式だ。

グループAの走行は午前7時55分より午前8時15分まで。天候は快晴だが、路面には所々濡れた箇所があり、各車慎重に周回を重ねながら徐々にペースを上げていくことになった。
まずは西村和真(HFDP RACING TEAM)が3周目に1分49秒992、続いて4周目に1分47秒992を記録してトップに立ち、奥本隼士(Racing TEAM HERO'S)が1分48秒170で続く。
西村は5周目に1分47秒812までタイムを縮めるが、その直後に岩澤優吾(BJ Racing F110)が1分47秒600でトップに立った。残り時間は10分を切ったところ。3番手には卜部和久(BJ Racing F110)が1分47秒855で続く。
すかさず西村も6周目に1分47秒026を叩き出し、再びトップに。奥本が1分47秒438で2番手。小林利徠斗(TGR-DC RSトムススピリットF4)が1分47秒519で続く。
7周目に入ると、奥本が1分46秒770でトップに浮上。奥住慈英(ATEAM Buzz Racing)も1分47秒252で3番手に上がってきた。路面が乾き、温度も上がってきたことで、各ドライバーが相次いで好タイムを連発しはじめた。西村も9周目に1分46秒597を叩き出してトップを奪い返した。
ところがA組の予選は残り5分を切ったところで赤旗中断になってしまう。
100Rの立ち上がりで眞田拓海(SD-STYLE CSI-R F110)がクラッシュしたためだ。結局この赤旗をもってA組の走行は終了となった。ベストタイムトップは西村。セカンドベストでも西村は1分47秒026を記録していたが、この周でランオフエリアを走行していたと判定されて、このタイムは不採用となった。
これによりセカンドベストトップは1分47秒350をマークした平安山良馬(TGR-DC RSフィールドF4)のものとなった。平安山は今季初参戦。これまでは全日本カート選手権に参戦しており、最高峰のOKクラスで参戦初年度の2020年に年間4位、昨年は年間6位に入っているが、フォーミュラカーでのレースはこのFIA-F4が初めてだ。
続いて午前8時25分より45分までB組の公式予選が行われた。路面コンディションが良くなったこともあり、B組のドライバーは序盤から積極的にアタックを開始する。
まずは大滝拓也(Media Do影山Racing F110)が2周目にいきなり1分48秒616でトップに。小出峻(HFDP RACING TEAM)は1分48秒640、 荒川麟(TGR-DC RSトムススピリットF4)も1分48秒828と続く。
3周目には三井優介(HFDP RACING TEAM)が1分46秒820を記録。これを4周目に小出が上回り1分46秒432でトップに浮上する。三井も1分46秒446までタイムを縮め、荒川も1分46.863で続く。
その後も小出は5周目に1分46秒197、8周目に1分45秒724と着実にタイムを縮め、9周目には1分45秒799とセカンドベストでもトップをキープして走行を終了。第1戦、第2戦ともにポールポジションから決勝に臨むこととなった。
B組ベストタイム2番手は1分45秒838の荒川。セカンドベスト2番手は1分46秒006の伊東黎明(OTG DL F4 CHALLENGE)となり、それぞれ第1戦、第2戦で3番手からスタートすることになった。
またインディペンデントカップは1分47秒245でB組トップのDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)がポールポジション。1分47秒902でA組トップの鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F110)が2番手となった。
第1戦決勝はこのあと午後1時50分より14周または30分間で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
GT500クラス優勝 No.14 ENEOS X PRIME GR Supra
- 大嶋和也(TGR TEAM ENEOS ROOKIE)
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「去年も開幕戦を優勝しましたし、チームも一年間戦ってきてかなり成長できていたので、去年よりいい結果が残せるだろうと思ってここにきてはいましたが、まさかここまでうまくいくとは思っていませんでした。本当にびっくりしています。クルマは本当に調子良かったし、タイヤも最後までグリップが落ちることなく走ってくれました。本当にみなさんのおかげです」
「自分のスティントは想定より路面温度が高くて、周りよりも高温になると辛いタイヤを選んでいたので、不安を持ちながらの決勝スタートでした。20分間のウォーミングアップ走行のあと、エンジニアと相談してセッティング変更をしたところ、それがいい方向に働いてくれて、なんとかいいバランスにクルマが仕上がったので、一つのコーナーも気を抜くことなくコンマ1秒でも多くのマージンを作って健太に渡そうと思って、ピットインするまでプッシュし続けました。僕としては非常にいいレースができました」
- 山下健太(TGR TEAM ENEOS ROOKIE)
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「本当に良いクルマを作ってもらって、チームに感謝しています。前半のスティントは大嶋選手がすごく速くて、『10秒ちぎってくれたら嬉しいです』みたいなことを言ったんですが、17秒以上も広げていただいたので、これはもう勝つしかないなという感じでした。僕としてはその17秒差をもっと広げて勝ちたかったんですが、思ったよりもペースが上がらず、GT300との巡り合わせも悪かったし、BMWが飛んでったのも目の前だったし、2回目のFCYで前のクルマがハーフスピンして、それにぶつかったりと、色々危うい場面があり、最後は100号車にあそこまで迫られてしまったので、優勝したけどあんまり嬉しくないというか。それでもなんとか開幕戦勝ててシーズンに向けてはいい結果だったと思うので、次もまた頑張れると思います」
GT300クラス優勝 No.56 リアライズ 日産メカニックチャレンジGT-R
- 藤波清斗(KONDO RACING)
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「今回は日曜日が暑いということで、レースウィーク中のタイヤ選択で非常に迷いました。でもレースが始まってみると、タイヤには問題がなく、クルマも思ってた以上によかった。テストの時からロングランはすごくよかったので、予選はちょっとあれでしたけど、5位スタートからトップまで上がってバトンタッチができました。JP選手には本当にいつも助けてもらっていたので、今回はちょっとでも役に立てて良かったなと思います」
- ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(KONDO RACING)
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「本当に完璧なレースだったと思います。フジナミはスタートからレースをコントロールできていたし、スマートで賢いやり方をしていた。まさにチャンピオンらしい戦い方でした。全く慌てず、タイミングを見計らってオーバーテイクを仕掛けていた。素晴らしい第1スティントでした。そこで得られた情報から第2スティントのタイヤ選択に自信を持つことができましたし、スムーズに走ることができました。昨日セッティングを色々変えてみたことで、非常にいいクルマに仕上がりました。今回の結果を非常に嬉しく思います」
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYSHI
2022オートバックス スーパーGT第1戦「岡山GT300kmレース」の決勝が4月17日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われ、GT500クラスはNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)がポール・トゥ・ウィンを達成。GT300クラスは予選5番手からスタートしたNo.56 リアライズ 日産メカニックチャレンジGT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が最初のスティントでトップに立ってそのまま逃げ切った。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選日6,600人/決勝日12,500人/大会総入場者数19,100人)
第1戦決勝は午後2時より82周で行われた。スタート時の気温は19℃、路面温度は41.9℃と、昨日の予選とはうって変わって汗ばむ陽気の中での戦いとなった。
GT500はスタートで大嶋和也(ENEOS X PRIME GR Supra)がホールショット。関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)が2位につけて追い立てるが、周回を重ねるにつれて関口はじわじわと離され始め、3番手の牧野任祐(STANLEY NSX-GT)に追いつかれてしまう。6周目から現れ始めたGT300クラスの周回遅れを巧みに使って牧野を押さえにかかる関口だったが、接戦を展開するうちに立川祐路(ZENT CERUMO GR Supra)も二人に追いついてきた。
立川は11周目のヘアピンで牧野のインをつくが、牧野も一歩も引かずに並走。ダブルヘアピンの一つ目で立川を押さえ込んで3位を奪い返した。しかし立川は17周目のアトウッドカーブで今度はアウトから牧野に並びかけ、バックストレートで3位に浮上する。
この間に5位のベルトラン・バゲット(カルソニックIMPUL Z)も集団に追いつき、18周を消化する頃には2位争いが4台によって展開されるようになる。
立川はその後、22周目のヘアピンで関口が周回遅れに詰まったところを見逃さず、インに飛び込んで2位に浮上した。
これを尻目にトップの大嶋は着実にリードを広げ、25周終了時点で2位関口との差を15秒803の大差をつけ、30周目には19秒780までリードを広げて31周目にピットイン、山下健太に後半を託した。3位に後退した関口も31周目にピットに飛び込んだ。
一方、2位の立川、4位の牧野は29周目にピット作業を済ませ、5位のバゲットは32周目にピットインした。
この結果、34周終了時点で山下が2位、中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)が3位、平峰一貴(カルソニックIMPUL Z)が4位。石浦宏明(ZENT CERUMO GR Supra)が5位、山本尚貴(STANLEY NSX-GT)は6位となる。この時点でのトップはまだピット作業を済ませていない大湯都史樹(Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT)だった。大湯は自分のスティントを52周目まで引っ張って漸くピットイン。これで再びNo.14 ENEOS X PRIME GR Supraがトップに立った。
こうしたなか、平峰は36周目のヘアピンで中山のインをついて一時3位に浮上、石浦も37周目にヘアピンで中山を捉えて4位隣16号車のピットインでそれぞれ2位と3位に繰り上がる。中山は66周目にもヘアピンで山本の先行を許し、徐々に順位を落としていった。
するとその直後、ヘアピンで平手晃平(リアライズコーポレーションADVAN GT-R)にGT300の高木真一(K-tunes RC F GT3)が追突するアクシデントが発生、平手はその場でスピンを喫するも、すぐにレースに復帰したが、高木はフロントを破損した状態で1コーナーまで走ってコース上でストップしたため、トップが67周目に入ったところでこの日最初のフルコースイエロー(FCY)が宣言される。
なお、宣言が出される直前に高星明誠(CRAFTSPORTS MOTUL Z)と松田次生(MOTUL AUTECH Z)がヘアピンで相次いで中山を捉え、それぞれ5位、6位に浮上する。
FCYは69周目に入ったところで解除となったが、その直後に松田が高星を捉えて5位に浮上、そのまま前方の2位集団との間隔を縮めにかかった。
2位を争う接戦はその後も続き、72周目のアトウッドカーブで石浦がアウトから平峰に並びかけ、並走状態のままヘアピンに飛び込むと、その隙をついて山本が最内に飛び込んで一気に2台を抜き去り、2位に浮上した。
するとこの間に2位集団との間合いを着実に縮めてきていた松田が平峰を捉えて4位に浮上、続く73周目のヘアピンでは石浦をもインからかわして3位に上がってきた。
平峰はその後、高星、さらには坪井翔(au TOM'S GR Supra)にも抜かれて7位まで後退してしまう。
こうした後続の接戦を尻目に、山下は10〜8秒の大差をつけて悠々とトップを快走していたが、76周目に入ったところでGT300のアウグスト・ファルフス(Studie BMW M4)と木村偉織(ARTA NSX GT3)が接触するアクシデントが発生。ファルフスがコース脇で止まってしまったために、この日二度目のFCYが宣言される。
FCYは山下が79周目に入ったところで解除となったが、車速を上げていった14号車の直前で周回遅れがスピン状態となり、これを山下はかわしきれずに追突してしまった。幸いその後の走行に支障はなかったものの、このアクシデントによりコントロールライン上で8秒956あったリードは80周終了時点で1秒948まで縮まってしまった。
しかし山下は残り2周を落ち着いて走り切り、No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)は今季初優勝を達成。岡山では昨年に続いて2年連続で勝利を挙げることに成功した。
2位にはNo.100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)が入り、No.23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が3位。今季初登場のNissan Z GT500は早くも初戦で表彰台を獲得した。
GT300クラスはスタートでポールポジションの井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)がトップに立ち、予選3番手スタートの大草りき(TANAX GAINER GT-R)が1コーナーで新田守男(K-tunes RC F GT3)のインに飛び込んで2位に浮上する。
さらに予選5番手の藤波清斗(リアライズ 日産メカニックチャレンジGT-R)もスタートを決めて3位に浮上すると、18周目にはダブルヘアピンで大草を捉えて2位に浮上、23周目のヘアピンではトップの井口にアウトから並びかけ、リボルバー、パイパーを並走した末にトップに躍り出た。
2位に後退した61号車は35周目にピット作業を行ったが、あろうことかエンジンの再始動に手間取って大きく順位を落としてしまう。
一方、トップの藤波は37周目にピットイン、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラと交代。オリベイラは全車がピット作業を終えたところで再びトップに繰り上がると、その後も安定したペースで後続との差を広げていき、最後は2位に14秒734の大差をつけてフィニッシュ。GT500の14号車と同様に、No.56 リアライズ 日産メカニックチャレンジGT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が昨年に続いて岡山2連勝を飾った。
2位には予選4番手スタートのNo.18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/太田格之進)が入り、太田はデビュー戦で見事表彰台を獲得、3位にはNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)が入った。
次戦の舞台は静岡県の富士スピードウェイ。今季3戦が予定されている450kmレースの最初の1戦が行われる。5月4日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
昨年まではFIA-GT3仕様のポルシェ911GT3を走らせていたHOPPY team TSUCHIYAだが、今季からはJAF-GT仕様のTOYOTA GR Supraを自社設計で製作して参戦する。残念ながら開幕戦では駆動系のトラブルにより予選出走を断念せざるを得なかったが、決勝にはクラス26番手からスタートし、22位で完走した。
そのHOPPY team TSUCHIYAを率いる土屋武監督に決勝スタート前、現在の状況と今季への意気込みを聞いた。

(今回のトラブルについて教えてください)
「駆動系トラブルでした。メインフレーム以外は自社設計で、自社で製造できないパーツは、レース仲間に紹介いただいた町工場の皆さんに協力していただいています。本当に人と人のご縁で繋がって、我々のレース活動を支えていただいています。今回破損したのはドライブシャフトでしたが、製造いただいた関西の会社までパーツを取りに行って修理しました」
「これは、昔ながらのレーシングチームのスタイルです。職人さん達がレーシングカーを作って競走する、という。日本のモータースポーツの文化ですよね。それがだんだんなくなってきていて、コストもかかってしまう傾向にあるので、我々はこういった文化を残したいという趣意があります。こういうやり方をしていくと職人も育ちます。ウチのメカニックは生え抜きで、ウチの親父(土屋春雄氏)の教え子でもあるので。そういうみんなに、昔ながらの経験をさせてあげたいという気持ちです。きっと親父もそう思っているだろうし、僕にできることはそうした環境づくりをすることです。たくさんの皆さんにご協力をお願いして、こういう形になった、というところです」
「ただ、作って走らせるだけじゃ意味がないので、ちゃんと優勝して、みんなの経験がしっかりと未来につながるように、という思いが強くあります」
(今回の目標は)
「まずは完走。できるだけ長く走ることが目標です。テストも含めてとにかく走れていないので、とにかくマイレッジを稼いで、それを糧にみんなが成長してくれればいいなと思います。本当にありがたいことにたくさんの方に応援していただいているし、注目していただいているので、それに応えるには優勝しかないと思いますし、できるだけ長く活動を続けることだと思います。やはりレーシングチームで一番大変なのは続けることなので、つちやエンジニアリングは51年目になりましたが、その火を消さないように頑張ります」

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
スーパーGTを運営するGTアソシエイション(GTA)は4月17日、シリーズ第1戦の開催されている岡山国際サーキットで今後の環境対策について、ハルターマン・カーレス・ジャパンとの共同会見を開いた。
GTAは「10年後も音があるレース」を目標に、今後のスーパーGTにおいて、レギュレーションの見直し、カーボンニュートラル燃料の導入、そしてゴミの削減とリサイクル率の向上に取り組んでいく。
まずレギュレーションにおいては、燃費の向上とタイヤのロングライフ化を目指し、既報の通り今シーズンより3大会で450kmレースを実施する。ここではタイヤ交換を行わずに2スティントを走行することが求められる。さらに来季からはタイヤの持ち込み本数も削減していく。
カーボンニュートラルフューエルはドイツやイギリスに生産拠点を置く、ハルターマン・カーレス社が供給することが今回明らかになった。この燃料は第2世代バイオマス(一般的に植物ゴミを指す)由来のセルロースから生成された炭化水素と酸素含有物から作られており、バイオ成分100%を達成している。すでにトヨタ、ホンダ、ニッサンの3社においてベンチテストに着手しており、トヨタの評価では現状の無鉛ハイオクと同等の性能を発揮できるとのこと。
GT300に参戦しているアウディも燃料タンクや配管への影響を確認しており、それが済めば国産メーカー同様にベンチテストを実施するという。
会見にはハルターマン・カーレス社傘下の日本法人であるハルターマン・カーレス・ジャパンの川本裕喜社長が同席。同社が160年の歴史を持つ特殊燃料メーカーであること、ETSのブランド名でこれまでにMotoGPなどへレース専用燃料を供給してきたことなどを紹介した。スーパーGT以外にも、BTCCにこのCNFを供給する予定もあるという。
スーパーGTではこの燃料を2023年から公式テスト、公式戦において全ての車両が使用することを義務付ける。今後は8月の第5戦鈴鹿の翌々日から参加全43台で実走テストを実施する予定だ。
ゴミの削減、リサイクル率の向上については、昨年の鈴鹿大会で行ったゴミの分別での実績を踏まえ、全てのサーキットで実施していく。そこでの実績を数値化し、次年度の各サーキット目標を設定し、リサイクル可能なもののリサイクル率を100%にもっていく。これをレース関係者、ファン、そして自動車業界で取り組むことを目指す。
こうした目標を達成することで初めて、10年後においても音の出るレースを誰に気兼ねすることなく開催できる、と坂東代表は語った。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
シリーズタイトルスポンサーとして長年スーパーGTを支え、今年で25年目を迎えるオートバックスセブンとGTアソシエイション(GTA)は4月17日、第1戦の開催されている岡山国際サーキットで共同会見を開き、今年度はレース開催に先立ち、開催地近郊のオートバックスの店舗においてイベントを実施すること、併せてGT500、GT300のシリーズチャンピオンに対し、新たに賞金を贈呈することを発表した。
会見にはオートバックスセブンの代表取締役社長執行役員の小林 喜夫巳氏とGTAの坂東正明代表が出席、今回の主旨と今後の取り組みについて語った。
- 小林 喜夫巳代表取締役のコメント
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「みなさまおはようございます。小林と申します。今年で25年目ということで、私たちはGTAさんと一緒に、開催地近郊の各店舗において、『スーパーGTエクスペリエンス サーキットへ行こう』というイベントを行います。一人でも多くのお客さんにモータースポーツを好きになって、是非とも足を運んでいただこう、という思いからです。同時に来季に向けて、チームとして皆さんと一緒に盛り上げようと取り組んできた恩返しじゃないですけど、シリーズチャンピオンにGT500は一千万円、GT300も同じく一千万円をプレゼントしようという企画を、つい先ほどGTAからご依頼いただきましたので、是非実施していこうと思います。どうぞ今年一年よろしくお願いいたします」
- 坂東正明代表のコメント
- 「オートバックスセブン様とは25年間、長きにわたりご支援をいただいてまいりました。心より感謝御礼を申し上げます。そのおかげをもちまして、その中でいろんなことを考え、グローバル化、認知度、価値観の向上を目指して様々なことに取り組んできた結果、今ここにスーパーGTがあります。単に継続的にご支援いただいたオートバックスセブン様のおかげだと思います。今後は長く付き合って良かったなと思っていただけるような恩返しをしていきたいと思います。先程もお話がありましたように、開催地近郊のオートバックス各店舗において事前プロモーションを共同でより大きなものに作り上げたいと思っております。また先程、シリーズスポンサー分以外に、GT500、GT300のシリーズチャンピオンに対する賞金が5分で決まりました(笑)(「5分じゃないでしょ」と小林社長からの合いの手)。これをきちんとした形でチームに報告できることを嬉しく思いますし、我々もきちんとした形で恩返しできるよう努めてまいります」
Text: Kazuhisa SUEHIRO
GT500クラスポールポジション No.14 ENEOS X PRIME GR Supra
- 山下健太(TGR TEAM ENEOS ROOKIE)
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「今年は開幕前のテストから非常に好調できていて、今朝の公式練習でも上位にいられたので、予選がどうなるかなと思っていたんですけど。自分のQ1は3番手とあんまり速くなかったんですけど、クルマの調子は良くて、もしかしたらQ2で大嶋先輩がポールを取ってくれるかな? と思っていました」
「(大嶋選手のアタックを)見ていたら、セクター1、セクター2とすごく速かったので、『これはいけるな』と思いました。本当に大嶋先輩に感謝しています」
「去年のレースは(接戦で)非常に苦しかったので、今年はスタートから逃げ切って勝てるように準備したいと思います」
- 大嶋和也(TGR TEAM ENEOS ROOKIE)
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「ここ数年ずっと僅差の2位ばかりで、しばらくポールから遠ざかっていたので、久しぶりにポールが取れてすごく嬉しく思っています。去年ルーキーレーシングができて、新しいガレージも建ててもらいましたし、人材的にもかなり補強してもらって、去年に比べてかなりチームがレベルアップしており、非常に有意義なテストもできていましたので、ミスがなければ当然この位置に来れるだろうという自信がありました。実際走り出してからもクルマのフィーリングがすごく良くて、多少はアジャストしましたが、それが全ていい方向に行きました。予選でも思い通りのクルマになってくれていたので、ほぼ完璧な流れで予選まで来れたという印象です」
「(チームの体制強化について具体的に教えてください)うちのチームはレースメカニックだけでなく、トヨタの社員さんも参加されています。そうした方々が働きやすく、早く技術を向上させて実戦で戦えるレベルになるようにと、そういったことを考えてもらいながら、トレーニングを重ねてきました。また今季から東條(力)さんが統括エンジニアで加わってくれました。速いクルマを作る能力はピカイチだし、レースの経験や勘の鋭さも加わったことで、より強いチームになったと思います」
GT300クラスポールポジション No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT
- 井口卓人(R&D SPORT)
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「『まさか』と思っています。びっくりしているのが本音です。昨シーズンが終わって、12月から今シーズンに向けてのテストが始まりましたが、今日に至るまで本当に思い通り走れない状況が多く、まさかここまでうまくまとめられるとは思っていませんでした。チームのここまでの努力と、ダンロップタイヤさんがチョイスしてくれたタイヤが今日のコンディションにものすごくハマったと思いますし、最後は山内選手のQ2のアタックが素晴らしかったので、こういう結果になったと思います。去年の開幕戦ではQ1で落ちて、山内選手に繋ぐことができなかったので、今回山内選手につなげたことを嬉しく思いますし、明日に向けてまた気持ちを引き締め直して頑張りたいと思います」
「(テストで苦戦した要因は)昨シーズンが終わってから、更なる進化を目指してECUを変更しましたが、それを完璧に合わせ込むことができなくて、最終的にこの開幕戦に向けては、凡そ去年の良かった状態に戻した中で、タイヤ選択などがいい方向に行ったのがこういった結果になったと思います」
- 山内英輝(R&D SPORT)
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「練習では色々あって、なかなかタイムを出せませんでした。今年エンジニアが変わりまして、その井上さんとしっかりコミニュケーションをとって進めてきた結果がこのポールだと思うので、すごく嬉しいです。苦戦していた中で、自分の感覚が正しいかどうか、不安でいっぱいだったんですけど、今日それが正しかったことが証明できたので、それが嬉しいなと思います」
「今回はダンロップさんが、こういうコンパウンドの組み合わせだとすごくいい、というものを持ち込んでくれました。それがすごく発揮されました。多分96号車も同じ状況だと思います。ダンロップさんの力もものすごく大きかったです」
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
2022オートバックス スーパーGT第1戦「岡山GT300kmレース」の公式予選が4月16日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われ、GT500クラスはNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)、GT300クラスはNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)がポールポジションを獲得した。
公式予選は午後2時よりノックアウト方式で行われた。天候は晴れ。コースはドライ。予選Q1開始時の気温は13℃と公式練習同様にやや肌寒さの残る気候だが、春の陽射しのおかげで路面温度は35.7℃まで上昇してきた。
予選Q1:公式練習トップのNo.23 MOTUL AUTECH Zまさかの敗退! トップはNo.36 au TOM'S GR Supra
GT300のグループBの走行で赤旗中断があった影響で、GT500クラスの走行は当初予定より13分遅れの午後2時46分より10分間で行われた。
ここでは出走15台中上位8台がQ2に進出するのだが、コースオープンとなってすぐに大湯都史樹(Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT)が「エンジンが吹き上がらない」とのことでピットイン。そのままガレージに戻されて早くも脱落となってしまう。
コース上では、まず昨年ポールポジションを獲得した阪口晴南(WedsSport ADVAN GR Supra)が計測4周目に1分17秒201の好タイムをマーク。そのあとにアタックした山下健太(ENEOS X PRIME GR Supra)は1分17秒426、公式練習トップの松田次生(MOTUL AUTECH Z)は1分17秒697と阪口にあと一歩及ばない。
しかしチェッカー直前に坪井翔(au TOM'S GR Supra)が1分17秒177を叩き出し、一気にトップに躍り出た。坪井は3月に岡山で行われた公式テストでも二日間を通じてのトップタイムを記録しており、36号車の仕上がりは上々の様子だ。
このほか関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)は1分17秒460、佐々木大樹(リアライズコーポレーションADVAN GT-R)は1分17秒486、山本尚貴(STANLEY NSX-GT)も1分17秒509までタイムアップ。平峰一貴(カルソニックIMPUL Z)も終盤1分17秒521までタイムを縮めて7位に滑り込んだ。
その結果、23号車の松田は9位に後退。まさかのQ1落ちに終わってしまう。このほか高星明誠(CRAFTSPORTS MOTUL Z)も14位に終わり、Nissan Z GT500は4台中2台が脱落。Honda NSX-GTに至っては出走5台中4台がQ1落ちという結果に終わった。
GT300クラスは、まずグループAでケイ・コッツォリーノ(PACIFIC Hololive NAC Ferrari)が1分24秒717といきなり従来のコースレコードを打ち破る速さを見せつける。これまでのレコードは2019年の第1戦で福住仁嶺(ARTA NSX GT3)の記録した1分24秒889だった。
これに続いて小林崇志(UPGARAGE NSX GT3)が1分24秒967と、こちらもコースレコードに迫るタイムを記録して2番手につける。3番手は今季新たにJAF-GT仕様のTOYOTA GR86を投入したmuta Racing INGING。堤優威が1分25秒098をマークした。昨年王者の井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)は5番手でQ2進出。復帰2年目の本山哲(Team LeMans Audi R8 LMS)も7番手でQ2に駒を進めた。
グループBは開始直後に冨林勇佑(マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号)がアトウッドカーブの立ち上がりでコースオフ、バリアに突っ込んでストップしてしまったため、各車が計測を始める前に赤旗中断となってしまう。
車両回収ののち、午後2時33分に走行が再開されると、先週富士スピードウェイで行われたスーパーフォーミュラ・ライツ第1戦でポールポジションを獲得した川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)が最初にタイムアタックを行なって1分25秒153をマーク。あとに続くドライバーが誰一人川合のタイムを上回れなかったため、埼玉トヨペット Green BraveはグループトップでQ2進出を果たした。
続いて新規参戦のSHADE RACINGに加入したベテラン平中克幸(シェイドレーシングGR86 GT)が1分25秒346、1分25秒161と着実にタイムを縮めて2番手に。富田竜一郎(TANAX GAINER GT-R)が1分25秒232で3番手という結果となった。
なお、今季からJAF-GT仕様のTOYOTA GR Supraで参戦することになったHOPPY team TSUCHIYAは予選開始前に駆動系のトラブルに見舞われたため、予選出走を断念。チームはマシン修復の上、出走嘆願による決勝出走を目指すこととなった。
予選Q2:大嶋和也が6年ぶりにポール獲得! GT300はコースレコード連発の激戦に
ポールポジションを争うGT500クラスの予選Q2は、四輪脱輪でベストタイム抹消となった国本雄資(WedsSport ADVAN GR Supra)を除く7台全てが1分17秒台、トップから7位までの差が0秒608という大接戦となった。
まずは平手晃平(リアライズコーポレーションADVAN GT-R)が1分17秒826をマークすると、NSX勢で唯一Q2進出を果たした牧野任祐(STANLEY NSX-GT)がこれを上回る1分17秒573を記録する。
さらに中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)は2周のタイムアタックを敢行、1周目1分17秒602、2周目に1分17秒387を記録する。
しかし中山が2周目にアタックを行なっている最中に昨年優勝の大嶋和也(ENEOS X PRIME GR Supra)が1分17秒251を叩き出してトップに浮上。その結果No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)がポールポジションを獲得。No.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)が2番手につけ、TOYOTA GR Supra GT500がフロントローを独占する結果となった。
大嶋にとっては2016年7月の第4戦SUGO以来、実に6年ぶりのポールだ。
3番手にはNo.100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)が続き、Nissan Z GT500最上位はNo.24 リアライズコーポレーションADVAN GT-R(佐々木大樹/平手晃平)の5番手だった。
GT300クラスは出走16台中9台が従来のコースレコードを上回るという激しい戦いが繰り広げられた。
まずは今季再び新田守男と組むことを選択した高木真一(K-tunes RC F GT3)がいきなり1分24秒798を叩き出すと、小暮卓史(Weibo Primez ランボルギーニ GT3)も1分24秒857を記録する。続いて山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)が1分24秒286を叩き出してトップに躍り出た。
今季GT300クラスにデビューしたばかりの太田格之進(UPGARAGE NSX GT3)もセクター1で全体ベストを叩き出すなど、元気な走りを見せて1分24秒532を記録、続いて高木が1分24秒368までタイムを縮めたところでチェッカー。これによりNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)がポールポジションから明日の決勝に臨むことになった。
2番手はNo.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)のベテランコンビ。大草りきが1分24秒418をマークしたNo.10 TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき)が3番手となり、No.18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/太田格之進)が4番手という結果となった。
第1戦決勝は明日の午後2時より82周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
2022オートバックス スーパーGT第1戦「岡山GT300kmレース」の公式練習が4月16日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われ、GT500クラスはNo.23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)、GT300クラスはNo.9 PACIFIC Hololive NAC Ferrari(ケイ・コッツォリーノ/横溝直輝)がトップタイムを記録した。
公式練習は午前9時20分より混走85分間、専有走行各クラス10分間で行われた。天候は晴れ。開始時の気温は11℃。路面温度は23.6℃だ。
GT500クラスは、混走が始まってすぐに1分19秒277を記録した坪井翔(au TOM'S GR Supra)がまずはトップに立つ。坪井はその後1分18秒212までタイムを短縮して、ジュリアーノ・アレジに交代。アレジは1分21〜22秒台でコンスタントに周回を重ねた。
2番手は1分18秒375で千代勝正(CRAFTSPORTS MOTUL Z)、大嶋和也(ENEOS X PRIME GR Supra)が1分18秒721で3番手につける。その後は各車ロングランに入ったこともあり、大きな順位変動もないまま混走は終了。午前10時55分から10分間で行われた専有走行で予選を想定したタイムアタックに入った。
専有走行では、まず山下健太(ENEOS X PRIME GR Supra)が1分18秒261を記録して2番手に浮上、山本尚貴(STANLEY NSX-GT)もセクター1でベストタイムを更新、1分18秒308で3番手に上がってきた。
続いて高星明誠(CRAFTSPORTS MOTUL Z)が1分18秒255で山下を上回り、2番手に上がってくるが、混走では4番手につけていた松田次生(MOTUL AUTECH Z)が終了間際に1分18秒185を叩き出し、23号車が一気にトップに躍り出た。2番手は混走トップのNo.36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ)、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)は3番手となった。
GT300クラスは開始早々に織戸学(apr GR86 GT)が1分26秒031でトップに。しかし混走中盤にケイ・コッツォリーノ(PACIFIC Hololive NAC Ferrari)が1分25秒248を記録してトップに立つ。先月の公式テストにへ木村武史/ケイ・コッツォリーノのコンビで臨んだ9号車だが、今回は木村に代わって横溝直輝が第2ドライバーとして参戦する。横溝は混走後半から専有走行を担当、タイム更新はならなかったが、精力的に周回を重ね、二人合わせて50周を走行した。
2番手は藤波清斗が混走中に1分25秒448を記録したNo.56 リアライズ 日産メカニックチャレンジGT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が続き、No.18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/太田格之進)が3番手。No.88 Weibo Primez ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)が4番手につける。
専有走行に入ると本山哲が1分26秒846を記録し、No.6 Team LeMans Audi R8 LMS(本山哲/片山義章)が5番手に上がってくるが、それ以外に目立った順位変動はなく、上位4台は混走でのタイム順のままで公式練習は終了、トップから6位のNo.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)までをFIA-GT3車両が占める結果となった。
第1戦の公式予選はこのあと午後2時よりノックアウト方式で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
- 第3戦優勝 平良響(TOM'S)
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「まず得意のスタートを活かそうということで、そこは集中していましたし、スタートが切られた瞬間のクラッチミートと出足はすごく良かったんですが、スタート直後の位置取りで木村選手の野中選手の間に入っちゃうところで締められてしまい、すぐに落ち着いて1コーナーで抜くことにしました。1位に立った瞬間からクルマのバランスが非常にいいと感じられたので、自信を持って走ることができました」
「(スタートが決まってトップに立った瞬間の心境は?)やった、というよりホッとしているという感じです。第1レース、第2レースともにスタートで2台抜きができていたので、第1レース、第2レースと同じようにスタートできればトップに立てる、ということは意識していました。ただポジションどりで失敗してしまったなあというところです」
「(非常に危なげのない走りだった)クルマが非常に乗りやすかったです。エンジニアさんともずっとレース前に改善点をいっぱい話し合ってきましたし、乗りやすいクルマをエンジニアさんと一生懸命作った、というところで安定した速いペースでミスなく走ることができたと思います」
「(次の鈴鹿に向けて一言)まだ15戦もあるので、まだまだ気を抜けません。第1レース、第2レースとチームメイトに勝たれて悔しかったので、最後に逆転で優勝できてホッとしています。鈴鹿に向けては去年のデータがいっぱいあるので、それを確認して完全な状態で挑みたいです」
- 第3戦決勝2位 木村偉織(B-MAX RACING TEAM)
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「第1戦、第2戦とどちらも展開に恵まれて、第1戦は2位。第2戦はオーバーテイクせずにそのままの順位でした。課題はスタートだなと感じていて、今回はスタートをしっかり決めようと意気込んでいました。そういう意味では野中選手に並んで前に出られたのは進歩かなと思いますが、平良選手や小高選手はさらにスタートが上手いので、そこは負けてる部分です。もっと練習していかないといけませんしペース的にも足りてないところがあったので、自分のドライビングを見直したいと感じたレースでした」
「(今週末全体を振り返ってはどう思うか)練習走行では表彰台に乗れるかな、というぐらいの勢いがありましたが、予選では5位と6位に終わりました。そこで自信がなくなった部分もありましたが、結果的に2回表彰台に上がって富士ラウンドを終えることができたのは、自信にもつながりました」
「(鈴鹿に向けての抱負を)鈴鹿はチームが得意としているサーキットですし、僕も一番走ってきたサーキットですので、ホンダの皆さんのためにも、チームのためにも、優勝を届けたいという気持ちです」
- 第3戦決勝3位 野中誠太(TOM'S)
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「スタートで出遅れたのがこの結果につながってしまいました。振り返ってみれば、3レースともいいスタートを切ることができず、改善されないまま終わってしまいまいた。それだけでなく、もう少し守れるところもあったと思います。でもいいところ、悪いところが見えてきましたので、次の鈴鹿のレースはもっとレベルアップしていかないといけない、ということが明確になりました」
「もともとスタートに関して不安要素はなかったんです。何かしらスタート練習と実際のスタートで違っている部分があると思うのでエンジニアさんと細かく分析して改善していかないと、こういうチャンスが来たときに結果に結びつけられないので、早急に対策していく必要を感じています」
「(鈴鹿に向けて一言)スピードに関して自信はありますが、それだけでは勝てないことがよくわかりました。レースウィークを組み立てながら、しっかり3レースを優勝で終われるように、エンジニアさん、チームの皆さんと協力しあって、いい形に繋げていけたらと思います」
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
2022年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第3戦の決勝が4月10日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、予選3番手からスタートした平良響(Kuo モビリティ中京 TOM'S 320)が念願のSFL初優勝を果たした。
第3戦決勝は午後4時35分より15周で行われた。天候は晴れ。コースはドライだ。
平良は抜群のスタートでポールポジションの野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320)、2番手の木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)の間に割って入ろうとしたが、二人も簡単には進路を譲らない。それでも平良は冷静に一度引いて1コーナーで2台を抜き去り、一気にトップに浮上する。2位は木村、野中は3位に後退して周回を重ねていく。
4位には小高一斗(Kuo モビリティ中京 TOM'S 320)。菅波冬悟(Byoubugaura B-MAX Racing 320)が5位につけていたが、菅波は4周目に小高を捉えて4位に浮上、3位の野中を追い上げにかかる。
その後方では第1戦でのアクシデントにより最後列からスタートすることになった太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)と川合孝汰(Rn-sports 320)が1周目にマスタークラスの3台を抜き、太田が8位、川合は9位に浮上すると、2周目には太田が古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)を捉えて7位、3周目には平木玲次(HELM MOTORSPORTS 320)を捉えて6位と着実に順位を上げていった。
太田は5周目の1コーナーで小高にアウトから並びかけるが、小高は一歩も引かず、2台は並んだままコカコーラコーナーを通過、100Rでは小高が太田を退けた。太田はこの周のダンロップコーナーや13コーナーでも小高を攻め立てるが、小高も懸命に押さえ込む。
しかし7周目。太田は再びアウトから小高に並びかけ、立ち上がりでついに攻略に成功。このレースを5位で終えて貴重な2ポイントを獲得した。
こうして後続が激しいバトルを展開している間に、トップの平良は着実にリードを広げ、8周目には木村に対して1秒699の差をつけると、10周目には2秒015、12周目には2秒377、14周目には2秒852まで広げてファイナルラップに突入、参戦2年目にして念願の初優勝を達成するとともに、唯一開幕3連戦全てで表彰台を獲得し、トータル21ポイントでランキングトップに立った。
2位は木村、3位は野中がそのままの順位でフィニッシュ。第2戦優勝の小高は14周目の1コーナーで川合にも抜かれて7位ノーポイントに終わったため、野中が17ポイントでランキング2位となった。
次戦の舞台は三重県の鈴鹿サーキット。4月23-24日に第4、5、6戦が行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
(今日のレースを振り返ってください)
「昨日の予選ではクルマの高いポテンシャルをうまくまとめられなかったので、今日のQ1はそのことを心がけて走ったらトップが取れました。Q2でもセットアップを変えずにそのままいったんですけど、少しトラブルがありました。エンジンのアンチラグを入れていない状態でアタックに入ってしまいました。それで低速コーナーでの立ち上がりでタイムロスをしてしまって9番手に沈んでしまいました」
「決勝は昨日より気温も路面温度も高いので、序盤のスタートで順位を上げることもできましたし、中盤トップグループにもついていけたんですけど、ピットアウトしたあとの山下選手とのバトルでは、OTSを使った駆け引きなどで経験豊富な山下選手に前に出られてしまい、最後まで抜けない、というレースになりました。そうした部分を反省して鈴鹿に向けて対策しないといけないなと思います」
(トップドライバーたちと実際に戦ってみて、どういう感想を持ったか)
「クルマの調子が良くて、ロングランでもトップグループと一緒に走ることができましたし、予選でもQ1でトップを取れたのでペースの部分では自信がつきましたけど、やはりスタートとか、OTSの使い方では経験というか、自分でもっと考えないとベテラン勢には勝てないという印象が、戦ってみてさらに強まりました。鈴鹿でも130Rとか、ストレートの長い区間があるので、自分でも使い方を勉強して、どういうふうに使うかを考えないといけないなと思います」
(次のホームレースに向けての抱負を)
「鈴鹿はフォーミュラカーで一番走り慣れてるコースですし、体力的にはかなりきついサーキットだとは思いますが、しっかり準備して、予選ではさらに前からスタートして、優勝できるように頑張ります」
(地元のファンに向けてメッセージを)
「頑張るんで、応援よろしくお願いします」
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
- 第2戦優勝 野尻智紀(TEAM MUGEN)
- 「昨日は平川選手に負けて、悔しい思いというか、平川選手は流石にくるな、という感情がありました。予選で前にいかないと、押さえきれないかなと。そこで今日はポールポジションを取るべく、昨日のレースが終わってから、しっかりとクルマを見直しました。ここで2台体制がものすごく活きて、笹原選手のいい部分を僕の方に融合させながらアジャストを行なって、それがすごくいい方向にいって、一つの目標が予選で達成されました。そこから決勝はこのままの順位でいこうということで、セットアップも結構変えましたが、なんの不安もなく、最後まで高いポテンシャルを発揮できたので、今日は本当に素晴らしい一日になったと思います。チームと、応援してくださったファンの皆さんに最大限の感謝を送りたいと思います。ありがとうございました」
「(今シーズンは両メーカーのトップドライバー二人の争いになりそうだが)まだまだそんなことはないと思います。10戦もありますから。ルーキーの人たちも速いですし、今日隣にいる宮田選手も速いのはわかっているので、これからも気を抜かずに戦い続けたいと思います」
- 第2戦決勝2位 平川亮(carenex TEAM IMPUL)
- 「今日は昨日とはコンディションが変わっていて、予測はしてて、クルマは合わせられたと思うんですけど、ドライビングを失敗して、予選で8番手に沈んでしまい、レースで挽回しようということで臨みました。スタートは良かったんですけど、位置取りなどでジャンプアップできませんでした。そのあとはペースも良くて、ピット作業も素晴らしく良くて、そこで宮田選手を抜くことができたし、野尻選手の近くまで行くことができました。でもまあ8番手からできたことは2番手までかなあと思います。ベストは尽くしたんですけど、まだまだ課題はあります。まだ2戦しか終わっていないので、次の鈴鹿大会に向けて、もっと強くなれるように研究していきたいと思います」
- 第2戦決勝3位 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
- 「今日は予選を2番で終わって、決勝も去年から課題だったスタートを普通に切ることができました。そういった部分でも昨年からの課題をしっかり克服した状態でレースに臨めました。昨日のレースでパフォーマンスがトップ3に比べて足りてないところがあったので、それを改善した上で臨みました。3位という結果ですけど、確実に前進していると思いますし、去年はこの順位にいることすらできなかったことを思えば、大きな進歩だと実感できました。まだ残りが8戦あるので、引き続きチームと努力したいと思います。表彰台に乗れたことと、応援してくださったファンの皆さんには本当に感謝しています。ありがとうございました」
- 優勝チーム監督 田中 洋克(TEAM MUGEN)
- 「1大会2レースというスケジュールの中で、短い時間の中でいろんな物事を決めなくちゃいけない。これがすごく大変でした。ただお客さんから見ると1日の中で予選と決勝が見られるというのはいいことではありますし、これを通常としてできるようになれば、もっとファンに喜んでもらえると思いますし、サーキットに足を運んでもらえると思います」
「今回は2位、1位と2戦連続で多くのポイントを獲得できたからよかったですけど、もし取れないと大きなビハインドになります。ですからこの開幕2レースは非常に重要なポイントになりますよね。ここでポイントを獲得できて本当に良かったと思います」
「(2台体制について)チームの雰囲気はすごくいいと思います。2台体制というのは2台のデータを(互いに)フィードバックすることが大前提じゃないですか。クルマを作っていく上でドライバー2人のコミニュケーションも非常によく取れていますし、エンジニア同士のコミニュケーションもよくできているので、理想の形に近い体制になったかなと思います」
「(1-2フィニッシュはいつ頃達成できそうか)今日の雰囲気からすると、次の鈴鹿でいけるんじゃないかと思っていますけど(笑)」
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦の決勝が4月10日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、ポールポジションからスタートした野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)が貫禄の走りで今季初優勝。自身通算7勝目をものにした。
(天候:晴れ コース:ドライ)
第2戦決勝は午後2時30分にフォーメーション開始。スタート時の気温は23℃、路面温度は32℃。ホームストレートに若干の向かい風が吹く中、41周の戦いが始まった。
ポールポジションの野尻がトップで1コーナーに飛び込み、予選2番手の宮田莉朋(Kuo VANTELIN TOM'S SF19)がそれに続くが、予選3番手の笹原右京(TEAM MUGEN BINGO SF19)はまたしてもエンジンストールに見舞われ、大きく順位を落としてしまった。
代わって3位には山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF19)、4位にはサッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)が上がり、小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF19)が5位。6位には予選8番手スタートの平川亮(carenex TEAM IMPUL SF19)が続く。
しかしその後方では、予選13番手スタートの牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF19)に最後尾からジャンプアップしてきた松下信治(BYOUBUGAURA B-MAX SF19)がダンロップコーナーで追突するアクシデントが発生。スピンを喫した牧野がコース上でストップしたため、2周目から4周目にかけてセーフティーカーが導入された。
このSC導入の直前、小林は2周目の1コーナーでフェネストラズに並びかけ、コカコーラコーナーの手前で4位に浮上している。
レースは5周目にリスタート。トップの野尻は後続を大きく突き放してホームストレートに戻ってきた。2位は宮田、3位は山下、4位は小林とここまでは順調に5周目を走り終える。
ところがこの周のヘアピンで5位を走行していたサッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)がスピンアウト。リヤタイヤにダメージを負って後退を余儀なくされる。
代わって5位に浮上した平川は7周目の1コーナーで小林のインに並びかけるが、小林はこれを押さえ込む。
すると今度は8周目の1コーナーでルーキーの三宅淳詞(TEAM GOH G01 SF19)が平川を捉えて5位に浮上するが、平川は11周目に三宅を抜き返す。前を走っていた小林が10周目にタイヤ交換を行ったこともあって、この時点で平川は4位に浮上する。
続いて18周目の1コーナーで平川はオーバーテイクシステムを使って山下を攻略、3位まで浮上してきた。
山下は18周目にピットイン。三宅は20周目にピットに飛び込み、山下の前でコースに復帰する。
迫り来る山下を懸命に押さえ込む三宅だったが、22周目の1コーナーでついに山下が三宅を捉え、実質4位に浮上する。
するとこの周で平川がピットイン。チームインパルのクルーは昨日より1秒以上早い6秒1の作業時間でタイヤ交換を完了し、平川をコースに送り出した。
これが功を奏し、平川は24周目にタイヤ交換を行った2位の宮田を25周目に捉え、実質2位に浮上した。
これを見てトップの野尻は25周目にピットイン。タイヤ交換に要した作業時間は7秒3だ。続く26周目に一気に間合いを詰めていく平川だったが、野尻を捉えるには至らない。27周を終えた時点で両者の差は1秒444だ。
その後も野尻は1分24秒台前半のペースを保って平川を寄せ付けず、最後は1秒659差をつけて41周を走りきり、今季初優勝。昨年8月のもてぎ以来、自身通算7勝目をものにした。
2位は平川、3位には宮田が入った。
また、ルーキーの三宅は最後まで山下と接戦を展開、捉えることこそできなかったものの、5位入賞を果たし、2戦連続でポイントを獲得してみせた。
次の第3戦の舞台はフォーミュラの聖地、鈴鹿サーキット。二輪の全日本ロードレースと併催の2&4レースが行われる。4月24日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

- 第2戦ポールポジション 野尻智紀(TEAM MUGEN)
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「昨日は思ったより動かないなあ、といった状態で耐え忍んだ予選と決勝でした。その辺りを、チーム無限は今年本当の意味で2台体制になりましたので、データ共有をしっかりしつつ、笹原選手のいいところを取り入れながら、自分の動かしたいようにクルマを動かすにはどうしたらいいか、というところを夜遅くまでチームと話し合って今日に臨みました。それがいい方向に機能して、Q1はマージンを持ちすぎたかなという部分はあったんですけど、自分としてはいい手応えを感じていまして。Q2ではタイヤの暖め方を変えたらいい方向にいくんじゃないか、と戦略を変更。それは自分のミスでうまくいきませんでしたが、いいステップを踏んで予選を戦って結果を得られたのは良かったと思います。決勝でもこの流れをキープして勝ち切りたいと思います」
「笹原選手とは戦略が違うことは事前にわかっていたので、彼の邪魔にならないところでアタックに入りたいなと思っていたんですけど、僕のミスでAコーナーで四輪脱輪をしてしまったので、その周は諦めて、なるべくタイヤの熱を上げすぎないようにして、笹原選手に一旦譲って願わくば彼のトウを使えればな、と思いました。離れすぎたのであまり効果は出なかったと思います。自分のミスもあったので反省すべき点はあります。次戦以降の予選でもしっかり修正して、また予選会見に戻って来られるように取り組んでいきたいです」
- 第2戦予選2位 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
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「昨日の予選はトラブルがあって不本意な結果になりました。今日は昨日の予選決勝のデータを活かして臨もうということで走りました。Q1はそこそこ悪くなかったんですが、トップと差がありました。Q1のBグループはタイムが落ちていたので、コンディション変化が鍵になるのかな? と思いました。Q2ではその通りのコンディションになり、タイムを更新することができましたが、まだ少し足りませんでした。とはいえトヨタエンジンユーザーでは一番ですし、テストと変わらないくらいのパフォーマンスがあるので、ひとまずこの予選は予選で切り替えて、決勝はよりいい走りをしたいです」
- 第2戦予選3位 笹原右京(TEAM MUGEN)
- 「昨日に引き続き好調なパフォーマンスを発揮できていますが、Q2は欲をかきすぎて、求めすぎちゃったかなと思います。アタック自体もまとめきれなかった部分があったので、その結果が3番手だったのかなと思います。とはいえチーム無限として1位と3位で高いパフォーマンスを見せているので、決勝に関しても昨日の課題だったスタートを含めてきちんと決めれば、自ずと結果はついてくると思います。チームを信じて取り組んでいきたいです」
Text & Photo: Kazuhisa SUEHIRO
2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦の公式予選が4月10日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、前年王者の野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)が通算8回目のポールポジションを獲得した。
二日間で2レースを開催することになった開幕戦富士大会。二日目の今日はシリーズ第2戦の公式予選が午前9時25分から、決勝レースは午後2時30分から予定されている。
この日の富士スピードウェイは昨日に続いて快晴。公式予選Q1のグループAが走行を開始した時点の気温は気温21℃、路面温度30℃と、昨日の第1戦よりもさらに上昇した。一方、風の影響は昨日ほどではないようだ。
予選Q1
各グループ10分間で行われるQ1は、第1戦のレース結果に基づきつつ、同じチーム同士が一緒にならないよう配慮されてグループ分けが行われた。
グループAで印象的な速さを見せたのは、昨日もQ1をグループ4位で突破した三宅淳詞(TEAM GOH G01 SF19)だ。
三宅は計測4周目からタイムアタックに取り掛かり、いきなり1分21秒796を叩き出してタイミングモニターの最上段に躍り出る。
同じグループで走っていた野尻や宮田莉朋(Kuo VANTELIN TOM'S SF19)も入念なウォームアップに続いてアタックを行ったが、野尻は1分21秒899、宮田は1分21秒843と今一歩及ばない。
さらに三宅は計測5周目にも区間ベストを連発し、1分21秒618までタイムを縮めたが、残念ながらこの周でトラックリミット違反を犯したと判定され、このタイムは抹消となってしまった。
それでもグループトップは三宅、2位宮田、3位野尻でグループAは終了。ここで福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE SF19)、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL SF19)、松下信治(BYOUBUGAURA B-MAX SF19)、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)そして国本雄資(Kids com KCMG Elyse SF19)が予選を終えることになった。
グループBには昨日の第1戦でポールポジションを獲得した笹原右京(TEAM MUGEN BINGO SF19)が出走。いち早くアタックに入った小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF19)に続いてタイムアタックを行い、1分21秒898で2番手につけた。
グループトップは第1戦で決勝3位のサッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)で、タイムは1分21秒729。グループAにはわずかに及ばなかったが、これは気温、路面温度の上昇も無関係ではなかっただろう。
3番手にはジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TOM'S SF19)がつけた。タイムは1分22秒001。第1戦優勝の平川亮(carenex TEAM IMPUL SF19)が4番手だ。
昨日フロントローを獲得した新人の佐藤蓮(Red Bull TEAM GOH G01 SF19)は終了間際に1分22秒317を記録して6番手。新人二人を走らせるTEAM GOHは第1戦に続いて二人揃ってQ2進出を果たした。
一方、佐藤に弾き出される格好で牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF19)は7番手に終わり、ここで予選を終えることに。他に阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING SF19)、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)、大嶋和也(docomo business ROOKIE SF19)がQ1敗退となった。
予選Q2
Q2は午前11時より7分間で行われた。開始時の気温は22℃、路面温度は31℃とさらに上昇、ホームストレートには若干の向かい風が吹く中での走行となった。
ここでも笹原はいち早くピットを離れて計測3周目からタイムアタックに取り掛かり、1分21秒731とQ1のタイムを更新してきた。
続いてグループAトップの三宅が1分21秒934を記録。しかしこのセッションは参加12台中10台が相次いで1分21秒台を叩き出す接戦となり、三宅は9位まで後退して予選を終えた。
チームメイトの佐藤は終盤1分21秒754と笹原に次ぐタイムを記録したが、それに続いて宮田が1分21秒717をマークしてその時点でトップに浮上する。
さらにコカコーラコーナーでのオーバーランで最初のアタックを断念した野尻が、チームメイトの笹原のスリップストリームを利用するなどして仕切り直したアタックで1分21秒522を叩き出し、最後の最後にトップに躍り出た。
これにより第2戦の公式予選は野尻がポールポジションを獲得、宮田が2番手、笹原が3番手という結果となった。
野尻のポール獲得は2021年8月の第5戦もてぎ以来。通算8度目だ。
第2戦決勝はこのあと午後2時30分より41周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
- 第2戦優勝 小高一斗(TOM'S)
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「まずペースがあまり良くなかったです。もう少し楽な展開で勝ちたかったなと思いました。スタート自体はそこまで悪くなく、いいスタートが切れましたが、そのあと路面温度が思った以上に上がってしまい、後半のペースが上がらなくなりました。本当は開幕戦から勝って行きたかったんですけど、とりあえず1勝できて良かったです」
「(中盤終盤と太田選手に詰め寄られていたが)今週末はフリー走行から順位がずっと下の方にいましたし、ずっと調子が良くなくて、高速域、低速域ともにグリップをさせることができていなくて悩んでいました。今でもそこまで改善しきれていないんですが、予選で2番、1番で追われたことが、今回勝てた一番の要因だと思います」
「(第3戦に向けての抱負を)次のレースも勿論勝ちたいですけど、4番手からのスタートなので抜くのが難しいのもわかっていますし、今年は本当にシリーズチャンピオンを目指しているんで、しっかりとポイントを取って、無駄なレースをしないようにしたいです」
- 第2戦決勝2位 太田格之進(TODA RACING)
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「前半は(トップから)少し離れたんですけど、後半にかけてすごく接近することができました。結構接近したんで、小高選手をオーバーテイクできるかな? と思ったんですけど、初めてのスーパーフォーミュラ・ライツのレースで、後ろにつくとこんなにダウンフォースが抜けるんだな、と驚かされました。そんな中で最大限の走りをしましたが、抜くところまではいけずに、悔しいレースになりました」
「チームとしても、僕としても、昨日のレースはまずまずの順位で、あまり無理せずに2位なら2位でいいかと。第3レースのこともあるので慎重に構えていたんですけど、予想外に後ろから攻撃されてしまって、残念な形になってしまいました。今日も落とすわけにはいかないんですけど、勝ちたかったという気持ちは大きいですね」
「(第3戦は最後尾からのレースになるが)前のクルマについて、どのくらいダウンフォースが抜けるのか、というのは今のレースで学んだし、マシンごとの特性の違いも掴めた部分があるので、それを第3レースに活かせればと思います。最後尾からのスタートなので、上に上がるのは難しいこともわかるんですけど、チャンスがあれば、少しでも多くのポイントを取って帰りたいです」
- 第2戦決勝3位 平良響(TOM'S)
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「第2レースも5位スタートということで、得意のスタートで1周目に絶対順位をあげていかないとチャンスがない、ということはわかっていました。予想通りスタートで前に行くことができて、2位を伺うところまでいけたんですけど、1コーナーで抜くまでにはいかず、3位を走ることになりました。後ろに川合選手が来ているのはわかっていましたし、予選でトップタイムを出しているので、メンタル的にはきつかったんですけど、しっかり前を向いてレースすることができたので、大きいミスもなく、3位で終わることができました」
「予選が終わったタイミングで、川合選手は第3セクターがものすごく速いことがわかりました。そこでミスをするとスリップに入られて、1コーナーで差されることがわかっていたので、第3セクターで絶対ミスしないように集中して走りました。逆に第2セクターはこっちの方が速いので、第2セクターで離せるところまで離すことも意識していました」
「(第3戦への抱負を)昨日も今日も5番手から2ポジションアップで3位でしたので、第3レースも3位から2台抜いて初優勝したいです」
Text & Photo: Kazuhisa SUEHIRO
2022年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第2戦の決勝が4月10日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、小高一斗(Kuo モビリティ中京 TOM'S 320)がポール・トゥ・ウィンを達成。2022年の第16戦富士以来、実に1年4ヶ月ぶりの勝利をものにした。
第2戦決勝は午前9時25分より15周で行われた。天候は晴れ。コースはドライだ。
スタートではポールポジションの小高がホールショット。その後ろでは予選5番手スタートの平良響(Kuo モビリティ中京 TOM'S 320)がスタートを決め、1コーナーで予選2番手の太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)のインを伺うが、太田はきっちり押さえて2位をキープする。
4位には第1戦優勝の野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320)がつけ、予選3番手の川合孝汰(Rn-sports 320)はスタートで5位に交代するが、2周目の1コーナーで野中を捉えて4位に浮上、その後は平良を追い上げにかかる。
3周終わっての小高のリードは0秒936。4周目には0秒974と、なかなか太田を引き離せない。
その後も8周目に0秒694、10周目には0秒523と徐々に太田に詰め寄られる苦しい展開となる。
しかし太田も前車に近づくとダウンフォースが失われる、スーパーフォーミュラ・ライツの特性から、今ひとつ決め手を欠いた状況にあり、両者は僅差ながら膠着状態に陥った。
その後方では平良と川合が同じような接戦を繰り広げていたが、要所要所をきっちり押さえて集中力を切らさない平良の走りに、川合は攻略のチャンスを見出せない。
結局トップ4台は僅差のまま規定周回の15周を消化。小高は自身通算2勝目を達成。太田はSFLでの初表彰台を獲得。3位に入った平良は第1戦に続いての連続表彰台をものにしている。
第3戦決勝はこのあと午後4時35分より、同じく15周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
(最後尾から14台抜きで7位入賞という結果でしたが、予選から決勝までを振り返ってください)
「テストを重ねてきて、去年とは全く別物のクルマを作り上げてきたはずだったんですが、公式テストから今週の専有走行までで感じていた扱いにくさというか、コンディションに左右されやすいところが、予選でも決勝でも出てしまいました。今日は風向きも変わりましたし、路面温度も上がったり下がったりが激しい1日だったので、そこに左右されてしまったかな?と思います」
(スイートスポットの狭いクルマになっている?)
「そうですね。スイートスポットの狭い中で、いい部分を見つけるのが難しかったので、決勝に向けては去年ベースにリセットして臨みました。しかし決勝のペースもあまり良くなかったので、そこでの課題も多かったです。トップグループのペースには到底及ばないな、というのは感じていたので、なんとか知恵を絞り出して抜いてった感じです。タイヤが生きてる序盤の10周くらいでなんとか、OTの使い方や、相手へのプレッシャーの掛け方、タイヤのマネジメントも駆使して抜いていきました。それで順位を上げることができたのかなと思います。最後は坪井選手に追い上げられてしまう状態になっていたので、もうちょっと改良が必要だなと感じています」
(タイヤの使い方がキーポイントになっていた?)
「今日は特にそうでした。いつもの富士はここまで大きくコンディションが変化することがなかったと思うので、タイヤへの負荷のかけ方、使い方が重要でした」
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
(デビュー戦を終えての感想を)
「今回僕は10位でポイントを取ることができました。予選から振り返るとQ1をグループ4位で通過することができましたが、Q2でセットアップを変更していただいて、セクター1、セクター2はトップグループと遜色ないペースで走れていたのに、セクター3をまとめることができず、12位タイム。前のドライバーが四輪脱輪のペナルティを受けたので11位でした。クルマのポテンシャルを引き出せなかったのが反省点でした。決勝はコールドタイヤでSFを走らせるのが初めてでしたが、ベテランドライバーは冷えた状態でもタイヤの情報を受け取ることに慣れているので、そこで順位を落としてしまったのが反省点でした。でも逆に順位を落としてもポイントが取れるぐらいレースペースが良かったので、マシンバランスは本当に良かったです。明日に向けては今日の悪い部分を見直して、まずは予選でいい順位からスタートできるように頑張りたいです」
(41周という長丁場だったが、体力面や戦術面で不安はなかったか)
「鈴鹿のテストから乗らせていただいてますが、やはりスーパーフォーミュラは体力的にライツより厳しく、冬の間はトレーナーさんについてもらって開幕戦に向けて準備してきたので、想像以上に体力面は楽でした。それでパフォーマンスをキープできたのかなと思います」
(パフォーマンス面では手応えを感じた?)
「そうですね。チームメイトの佐藤選手は予選で速かったですし、僕も1周をまとめれば上位に行けるだけのパフォーマンスが感じられたので、Q1を4位で通過できたことが自信にはなりました」
(第2戦への抱負を)
「今回は予選で沈んだのが響いたので、まずは予選をしっかり前の方でまとめられるように頑張りたいです」
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
(第1戦を振り返ってください)
「スタートを失敗して(後続に)飲まれてしまったのが全てだと思います。Bコーナーでスピンしてしまい、そこから追い上げる展開になってしまいました。レースペース自体はかなり良くて、ポイント圏内まで追い上げることができました。この経験は明日に活きると思うので、予選からしっかり前のポジションを取って、決勝ではしっかり表彰台に上がれるように頑張りたいです。体のダメージ自体はありませんでした。優勝できるだけのペースはあったので、悔しいですが切り替えていこうと思います」
(かなり手応えを感じていた?)
「そうですね。ペースもかなり良くて、あと数周もあればもう2台くらい抜けたはずなので、明日に向けてプラスに考えています」
(改めて第2戦の目標を)
「まずはスタートをしっかり決めて、表彰台に上がれるように頑張っていきたいです」
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI