ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP '95全日本GT選手権 Rd.1 SUZUKA GT 300 GTインサイド・レポート No. 10 1995/ 4/ 2 FMOTOR4版 ---------------------------------------------------------------------------- 49.#36カストロール スープラ 関谷正徳のスズカ攻略法 スープラ勢の一角、トムスの関谷正徳はスズカでのシフトポイントを下図のよう に教えてくれた。「攻略のポイントとしてはダンロップコーナーやスプーン手前の 200Rでどれだけスロットルを踏んでいけるかということだね」 開幕戦ということでまだ手探り状態のチームも多いが、クルマが仕上がって来さ えすれば熾烈なバトルが期待できる。パッシングポイントの少ないスズカだけに、 コーナーの立ち上がりでいかにトラクションをかけて直線スピードをのせるかが勝 負の決め手となりそうだ。関谷自身もさらに「攻めた」走りをみせてくれるだろう。 51.全日本GT選手権の呼称について GTアソシエイションでは、全日本GT選手権シリーズの略式呼称を「GTC」 とすると発表した。今後、公式インフォメーションその他ではすべて「GTC」と いう呼称が使われる。関係者は、メディアにもこの呼称が定着し、Jリーグのよう に一般にも広く親しまれる呼び名となることを期待している。 52.*70石橋義三 去年はコーナーで離されてもストレートで取り戻せたのに、今年はまったくダメ。 ストレートでM3に離されてしまう。そろそろマシンを替えることを考えないとな らないな。現在のR31のパーツも残り少ないから、このマシンを使うのであれば、 エンジンをGTRのRB26に積み替えるかもしれない。それともポルシェ964カッ プカーのエンジンを、993の3.8と交換する。こっちのが最有力かな。 53.#100土屋圭市 タイヤの径が大きくなって期待していたけど、マッチングがうまくいかなくてマ シンと格闘しちゃってるよ。決勝では、満タンでよその様子を見ながら前へ出たい ね。130R、1コーナー、ヘアピンでのつっこみは、うちの方が有利だからね。 54.#36関谷正徳 いやぁ、結構苦労しているよ。朝のフリーで決勝セットを出そうと思っているけ ど、このマシン(スープラ)はじっくり時間をかけて熟成しないと手ごわいマシン だね。 55.#55JOMO R33スカイライン 予選で2分9秒台を出し、順調な仕上がり具合を見せるR33スカイライン。決勝 日朝の走行ではタイヤ交換と給油のリハーサルを2回行うなど本番のテストに余念 がなかった。ドライバーの飯田章は「1か月半前にでき上がったばかりのクルマで すからね。まだわかりません」といいながらも、チマタの予想より速いのでは、と いうレポーターのいささか失礼な質問に「もっと速くなりますよ」ときっぱりと自 信を持って答えてくれた。 56.#72WAKO'S M3 GT-2クラス予選トップのWAKO'S M3。朝のフリー走行では予定どおり の本番テストをこなしている。予選の時に比べるとブレーキなど細かい部分に変更 を施しているが、とくに大きな問題はないようだ。ドライバーの福山英朗は「クラ ス優勝? ウーン、順調にいけばね」と控えめな表現ながらも、虎視眈々と上位を 狙っている様子がうかがえた。 ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP '95全日本GT選手権 Rd.1 SUZUKA GT 300 GTインサイド・レポート No. 11 1995/ 4/ 2 FMOTOR4版 ---------------------------------------------------------------------------- 57.#5柏原浩一 新しい993GT2最大の特徴はマルチリンクのリアサスペンションです。僕は去年 までトレーリングアームの964RSに乗っていましたが、限界でトリッキーな操縦性 にいつも苦労していました。マルチリンクの993はその点がまったく違います。堅く クイックにセッティングを行っても恐い感じがないんです。今回はマシンも日本に来 たばかりだし、ポルシェからのエンジニアのシュミットさんもデータを集めるので 精いっぱいのようで、TAGからもらったままのロムで走っています。シュミット さんは今年の日本のGT全部に来てくれることになっていますから、開発のテンポ は早いと思います。うちのチームは、次の富士スピードウェイのレースまでに何度 もテストを行わなければなりません。まずエンジン、そしてサスペンション、次に 空力ですね。それに、ドライバーとしてはパワーで負けるのはどうにも出来ません から、パワーのあるルマンGT2規定を選択したんです。次を見ていてください。 58.賞典が続々登場 ユニークなレースをモットーにするGT選手権では、今シーズンから副賞もいろ いろ登場する。まずは、オフィシャルゲーム・サプライヤーの(株)金子製作所から は「KANEKO賞」として、1クラスの優勝に20万円、2位10万円、3位5万円、 2クラスの優勝に10万円、2位5万円、3位2万円がチームに贈られる。ポールポ ジションには、モータースポーツ誌のレーシング・オンからレーシング・オン賞、 10万円が獲得チームに贈呈される。さらに開幕戦のスペシャル・プライズとして、 GT選手権オフィシャル・ガイドのGTXより、「カストロールスープラ」にベス トカラーリング賞10万円が贈られた。 59.決勝スタートはローリング・スタートに 昨年のGTCでは、決勝のスタート方式はF1やF3000と同じグリッド上に完全 に制止してからスタートする「スタンディング・スタート」方式が取られていた。 しかし、今年からはグループAのレースなどに採用されていたダミーグリッドから 暫定スタートし、メインストレートで走ったまま隊列を整えてスタートする「ロー リング・スタート」方式に変更された。 60.#1カルソニックスカイライン フリー走行終了後、金子監督に「長谷見選手は『本番では影山のほうがいい』と 言ってましたが?」と水を向けると「オレもそう思うよ」と自信たっぷりの表情。 ただ当然スープラ勢の巻き返しも予想されるため、ラクなレースになるとは思って いないようだ。「ピットインするまではコンスタントにラップを重ねて、それから の勝負になるんじゃないかな。見てるほうにとってはおもしろい、接戦のレースに なるよ。やってるほうは大変だけどね」 61.TV取材もいろいろ TBSテレビの平日午後6時からのニュース・ワイド「ニュースの森」の取材班 が、チーム国光の高橋国光を徹底取材している。木曜日のフリー走行では、国光の ドライブする99号車(予備マシン)にレポーターが同乗し、レーシングスピードを 体験した。当日はあいにくの雨だったが、レーサーがドライブするレースマシンに 乗るのが初めてのレポーターは「異次元の世界」をのぞいたようだ。しかし、走行 後、国光から「ドライの10分の1だよ」という一言に「雨で良かった」とぽつり。 この模様は「ニュースの森」の枠内で放映される予定だが、このところの大事件続 きで、放映日は4月中旬としか決まっていないそうだ。 また、今日のレースの模様はテレビ東京系で4月30日午後4時30分から放映され る。この中継では、F3000開幕戦優勝ドライバーの服部尚貴がゲスト解説に抜てき された。F1解説のドリキンに負けない楽しい解説を期待したい。 GTアソシエイション事務局 インサイドレポート担当 古屋 知幸 = MGG01235=