WEC第7戦富士6時間レースが9月14-15日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われた。15日に行われた決勝では、6号車PORSCHE PENSKE MOTORSPORT(ケビン・エストレ/アンドレ・ロッテラー/ローレンス・ヴァントール組)が、フィニッシュ時点でトップ10が同一周回という、稀に見る接戦を制して総合優勝を果たした。
14日に行われた公式予選ではスーパーポールで1分28秒901を記録した2号車CADILLAC RACING(アール・バンバー/アレックス・リン組)がポールポジションを獲得。7号車TOYOTA GAZOO RACING(セバスチャン・ブエミ/ブレンダン・ハートレー/平川亮)が2位、15号車BMW M TEAM WRT(ドリス・ヴァントール/ラファエル・マルチェロ/マルコ・ヴィットマン組)が3位で続いた。
15日の決勝はスタート直後からセーフティーカーが導入される荒れた展開となったが、ポールの2号車キャデラックが序盤トップを快走する。
しかし各車が最初のピットストップを終えた時点で6号車ポルシェ・がトップに。2番手に後退した2号車はレース中盤に15号車BMWとの接触によりタイヤトラブルに見舞われて大きく順位を落とす。さらに残り時間30分を切ったところで単独クラッシュによりフロント部分を大破、惜しくもレースを終えた。
レースはスタートから4時間10分が経過したところで63号車LAMBORGHINI IRON LYNX(ミルコ・ボルトロッティ/エドアルド・モルタラ/ダニール・クヴィアト)が駆動系トラブルにより最終コーナーでストップしたためにヴァーチャル・セーフティーカーが宣言される。ここで上位陣が揃ってピットストップを行ったこともあり、上位10台が同一周回という大接戦となるが、6号車PORSCHE PENSKE MOTORSPORTが最後までトップを守り切って6時間の戦いを制した。
2位は15号車BMW M TEAM WRT、36号車ALPINE ENDURANCE TEAM(ニコラス・ラピエール/ミック・シューマッハー/ジャン・エリック・ヴェルニュ組)が3位を獲得した。
一方、富士においては10戦中9勝という圧倒的な強さを誇ったTOYOTA GAZOO RACINGは、レース中盤にそれぞれ一時トップに立つ場面もあったが、7号車(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース組)は163周目に5号車PORSCHE PENSKE MOTORSPORT(マット・キャンベル/ミハエル・クリステンセン/フレデリック・マコヴィッキィ組)との接触によりリヤ周りにダメージを負って惜しくもリタイヤ。8号車は終盤まで3位を走っていたが、青旗無視が有ったとしてドライビングスルーペナルティを課せられ、最終的に10位でフィニッシュしている。
Photo&Text: Kazuhisa SUEHIRO